ゲームプランナーのお仕事は、とにかくいっぱいあります。企画考える、経営者にプレゼン、PL書く、仕様書作る、会議開く、説明する、制作進行管理、外注の発注書作成と管理、シナリオ作成、ゲームデータ作成、レベルデザイン、デバッグ仕様書、デバッグ、他部署との連携、予算管理、プロモーション企画、運営。やることが多すぎて、どれも完璧にこなせる人なんていないと思います。

僕はさすがに10年ぐらいやってるので大体のことは経験してきましたし、そこそこのことが出来るようにはなったつもりではいますが、いつも絶対にお断りしているお仕事があります。シナリオです。お話自体もそうだけど、世界観設定とか、キャラの名前とか、そういった文芸的なところは、自分よりも遥かに詳しい人が周りには沢山いるからです。

例えば西洋ファンタジー物をやろう!となった時、ドラクエやFFしかやったことの無い人(ゲームでしかファンタジーに触れてない人)がやるべきではないと思うんです。中世ヨーロッパの歴史とか、北欧神話とか、そういうルーツを知らないで作った人のゲームなんて薄っぺらいから、きっとやろうなんて思わないからです。うん、僕は詳しくないんです。戦国時代も三国志も野球もサッカーも競馬も詳しくないです。

当然仕事で必要に迫られた時には一生懸命勉強しますが、それでも心から好きな人に追いつけるわけもないので、すぐに見抜かれる程度の付け焼き刃な知識でどうにかしようとするのは間違いだと、自分の中で決めているのです。その代わりと言っちゃあなんですが、他のことなら俺に任せとけとは思います。そんななので、僕が世界観を考える時は歴史を元にせず、いつでも無茶苦茶な感じのものになります。

僕はほんの少し前まで、レベルデザイン(ゲームバランス)も大の苦手でした。でも、ゲームプランナーとして二つも苦手な物があるのはいけないな、と思った時があったので、ここ数年は一生懸命レベルデザインについては勉強しました。というか、運営型のゲームをやっていてレベルデザインが苦手ですって言ったら、売上なりユーザー満足度を作れませんって言ってるのと一緒ですから。今ではちょっとだけ、自信がつきました。

で、ちょっと前のお話。最近人気ゲームをどんどん出しているメーカーの経営者のかたとお話をする機会がありました。本人が言っていたのですが、「役職は偉そうに見えるけど、今でもゲームのシナリオやデータを作っている。」と。周りの若手が苦手意識なのか恥ずかしいのか、ぜんぜん作ってくれないんだそうです。組織的な動きで言えばシナリオが得意な人をとっとと雇えばいいじゃん!とは思うものの、その時の僕は「よくやるなー。」と変に関心してしまいました。どう考えても僕なんかより毎日がクソ忙しい人のはずなのに。

そんなこともあってか、相変わらずシナリオは苦手なんだけど、どこかでアホみたいに勉強しようと思う火がついたのです。実際にシナリオを将来やるかどうかは別として。そんなわけで、最近は古いお話をたくさん読もうと思って、少しずつ地味に実践してたりします。特にオチ無し。