僕は中二の時にゲームの仕事に就きたいなぁと思いました。それまでは漫画家か、友達とパン屋をやろうとか言ってました。今考えたらなんでパン屋やねんとか思うんですが、小中学生なんて基本アホなので、なんの根拠も無くパン屋。

ほんで友達とどんなパン屋にしようかとか話してて、何故かパン自体にはあまり興味も無く、「二階にゲーセン作ろうぜ!」とか言っていた。うん、本当に中学生はアホです。パン屋とゲーセン、あまり親和性があるようにも思えません。で、二階にゲーセンというより、ゲーム作るの面白そうだなぁとか思うわけです。

元々小さい頃から絵ばかり描いていたので、漫画家にもなりたかったわけです。でもゲームを遊ぶのが楽しい頃だったので、いつしか「自分で描いたキャラクターが自由に動かせたら面白うだな。」と考えるようになっていました。 

そこからはゲームの仕事以外考えたことがありません。なりたいなと思ってちょうど十年経った24歳の時にようやくゲームの仕事に就いて、それからまた十何年。思ったよりもまだまだこの仕事が楽しいみたいです。最近思うのは、次の十年に向けて自分が何をするんだろう、ということです。人手が足りないところに行って手伝いをするのは、ある意味とても簡単です。食いっぱぐれないという意味ではそういう選択をし続けるのもアリかなぁとは思う反面、そのまま下請け根性で年をとっていくのも、モノ作りとしては何か違うような気もします。

お仕事にしている以上、自分が作りたいゲームを作れる機会なんてそうそう来ません。僕も多分20本ぐらい携わったと思うけど、僕が完全にプロデュースしたタイトルは一本もありません。それでもなおこの仕事は魅力的です。将来的には、というか近々、完全に僕自身を出し切ったタイトルは一本作る予定ですが、それよりももっと先に、どんな自分でいるかということと、ゲーム産業に対してそんな関わりかたができるかを考えています。

若手でもベテランでもない、中途半端な時期だから余計にそう思うのかもしれません。個人的にいくつか思っていることとして、自身が直接ゲームを作るのではなく、後進の手伝いをしたいというのがあります。本を書いた理由もそれが一番なので。それと、僕よりも上の世代の人達に一石、というか殴り込みたいと言うのがあります。良い意味で。あともう一つ、なんやかんやでクリエイターが東京に集中している状況をどうにかしたいという。地方にだって才能、というか情熱はくすぶっているんです。

そんなわけで、そこらへんのもや~っとしている色々をうまいこと一つの道筋にして、今年からガンガン行こうぜという感じなのです。詳細はそのうち。