今日はただの私的念仏。

数年前に一緒のプロジェクトだった仲間達との呑みでした。その中の一人が新天地で頑張るということで、卒業お疲れ様&新しい場所でも頑張ってね的な。当時一緒に戦っていた10人にも見たない小さなチームのみんな。今となってはみんなバラバラの場所で、それぞれの道を歩いています。

ゲームのお仕事に限らないかもしれませんが、転職することは決して珍しくない業界です。僕も今まで4つぐらいの会社を転々とし、フリーになってからもたくさんの会社にお邪魔しています。それがグルっと巡り巡って、また昔の仲間と仕事をする機会なんかもあったりします。

僕はその時々で、本当に良い仲間に出逢うことができているなと思います。いつかまた集まって一緒にやりたいな、と。でも、恐らくそれは叶わないんだろうなとも考える。何年か経てば、みんな偉くなったりお給料が上がったり、新しいことに興味が出たり、大切なものが変わったりすから、そういう意味では必然なのかもしれません。

僕はずっと、志のある人同志はどんどん集まるべきだと思っていましたが、今日の呑みで感じたことは、むしろどんどん散り散りになるべきなのかな、と。そのほうが広範囲にわたって色んな人達に熱量を伝えていくことができるかもしれないからです。それで、またそこから新しい熱が生まれて、その人がまた旅立って、ずっとそれの繰り返し。そういうふうにうまく回っていけば、ゲーム業界全体の熱量がいつか今以上にググンと上がるような気がします。 

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話は変わって、昔複数の新規タイトルが同時に発足した部署にいた頃のお話。確か7本ぐらいのプロジェクトが同時にスタートしました。各プロジェクトのリードマンはプロデューサーやプランナーではなく、「自分の考えたゲームを出したい!」という高い志のエンジニアやデザイナーの人たちでした。たくさんのゲームを同時に作って、その中からヒットタイトルを生み出そうという会社の戦略です。

当然ながらそれぞれのプロジェクトのリードマンは自分のゲームを完成、そしてヒットさせるべく、日々チームメンバーと共に頑張って作っていきます。とはいえゲームプランナーとしての経験があるわけではない人が殆どだったので、ゲーム開発が思うようにいかない場面も多かったように思います。

それから月日が経ち、現在もサービスが提供されているものは、たった2つとなりました。他のゲームはリリースこそされたものの、後に様々な理由でサービス終了しました。会社が事業でやっている以上は、これはこれで一つの結果だと思います。

僕が今でも時々思い出すことは、その7つのプロジェクトでプランニングリードとしてチャンスに掛けたメンバーのうち、今でもプランナーとして活躍しているのが、たった一人だということです。他の人は元々の技術職に戻ってしまった。

色々あった上での本人の選択ですから、それに対して僕が言えることは何もありません。だけど、ゲームプランナーというお仕事をずっとしている自分としては、思い出すたびに少し寂しい気持ちになります。「自分の考えたゲームが世の中に出せるかもしれない。」という点だけ見れば、とても華やかに見えるのがゲームプランナーの魅力ですが、それと併せて実際のゲームの面白さや事業計画、人材獲得、進行管理、チームビルド、締め切り、プロモーション施策など、地味で辛い仕事もプランナーにはたくさんあります。むしろそういったことが殆どの割合を占めます。

当然開発期間中も上司に進捗や完成度、魅力を伝え続けなければいけませんし、いざリリースとなれば、売上という形で結果を出さなければいけません。そういった数多くの面倒なことをやり切った上で、ようやくプランナーとして一つ仕事をしたと言えると思います。そういう点から見れば、ずっとゲームプランナーをやっている僕としては「ゲームプランナーの仕事って傍目から見るよりずっと大変でしょ?今後は軽々しく踏み込まないでね。」と物申したいところもありますが、一度体験してみたぐらいで引き下がるのは、正直勿体無いと思っています。

上述のような面倒なこと、辛いことというのは僕もゲームプランナーになりたての頃から嫌というほど経験してきたけど、そんなものでも何回か経験してしまえば、大して怖いことでもないからです。人間が起こした問題なんて、人間が解決できることが殆どなのだから。そこを越えた先に本当の面白さが待ってるのに、と。ゲームプランナーの仕事、楽しいのになぁ。

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前半と後半はそれぞれ別の話ですが、ある観点から見た時に「飛び出した人たちと、守りに入った人たち」とという見方もできるのかな、と。前述のように人それぞれ人生の選択がありますから、どちらがどうと言うつもりはありません。だた、30代前後で守りに入ってしまい、そのまま勝負を仕掛けずに進んでしまうのはキャリアパス的に危なっかしいと、僕個人は思っていたりします。フリーランスでやっているならまだしも、会社員ならなおさらです。単純な話、若手で伸びしろがある子を半分の金額で雇ったほうが会社としては都合が良かったりするからです。守りに入りかけた人たちが、いつかまた攻めに転じてくれたらなぁと期待しています。

そして僕は今後もずっと勝負する側でいたいな、と思っています。だってそのほうが断然ワクワクするんですもん。

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