ゲームプランナー

Lv.113 僕には出来なかった



久々の更新で思い出話でも。


僕がゲームの仕事を始めて15年ぐらい経つ。今でこそこの仕事が楽しいし、自分なりに頑張れてるのかな、ぐらいには思っているけれど、今でもゲーム業界に入った頃の悔しい出来事を時々思い出す。


当時デザイナーで小さなソフトハウスに入社した僕は、既に開発の進んでいる新作タイトルのチームに配属になった。小さな会社だったから、背景でもアイテムでもモンスターでもUIでもなんでもかんでもやってた。


いかんせんプロジェクトの進みが悪かった。作っちゃ壊し、作っちゃ壊し、何度もそれの繰り返しで現場も疲れてたように思う。まだ業界経験が浅いなりに「企画がしっかりしてないのが原因だからだ」と思っていた。中身がつまらない、行き当たりばったり、ゲーム作りのセンスのかけらも無い奴が中心人物。


かと言ってデザイナーの身分で「プランナーのせいだ!」と言っているだけでは何も解決しないし、何よりクソカッコ悪いと思っていたから、上司に「俺、プランナーやります」と言ったのが企画職の最初だった。


自分で言うのもなんだが、僕がプランナーになる前よりもプロジェクト自体はだいぶマシになったと思っている。とは言え当時のディレクターやメインプランナーがポンコツだったので、相変わらず全体としては進みも悪く、やっぱり作っちゃ壊しだった。


そんなことを2年ぐらい続けていた時に、金を出しているパブリッシャーから「開発力はあっても企画力では信頼できない」と判断されたんだろう、当時ゲーム業界でも有名だった別の会社の人達が企画に参加することになった。


「あ、この会社は開発ができても企画はできないんだ。恐らく一生下請けなんだ。」と言うきっかけになったのもあり、僕はその会社を辞めた。僕が会社に入る前から始まっていて、辞めた後もしばらく続いていたそのプロジェクトは、足掛け4年かけてもローンチされること無く消えた。


今の僕は、困っているプロジェクトや会社さんに呼ばれることが多い。色んな原因でプロジェクトが進まなかったり、思うような結果を出せずにいるケースがほとんどだ。


昔の話を思い出すに、万一「僕が入っても解決出来なかった」なんてことになったら、あの時の自分とも、その当時有名だったインチキおじさんとも、使えないクソゴミ上司とも、何も変わらない、成長していないってことになる。


自分がプロとして仕事をする以上は「僕が入ったことで解決できた。ゲームが面白くなった。みんなにとって、とても良くなった。」と言ってもらわなければならない。


今しがた人様の会社にお邪魔してお仕事をしているが、誰が誰かなんてことはどうでも良くて、「今の自分がいたからこのプロジェクトは前に進んだ」と仲間に褒めてもらえるぐらいには、頑張ろうと思っている。


と、その当時のアホなおっさんどもに言ってやりたい。名前で仕事すんな。


この双子と
エロい三者通話がしたい。


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Lv.111 ゲームが好きなら遊んでればいい。



最近文字の苦手な僕が、めちゃめちゃ本を読んでいる。映画監督、声優、コピーライター、経営者、作家、漫画家、クリエイター、色々な人の書いた本。

なんでそんなに本を読むのか?端的に言えば「今のままの自分じゃダメな時期」が来たからだと考えています。そういうのが来る度に本の虫になる。

ゲームのお仕事を約15年。自分の会社も作った、専門学校の講師もやっている、本を2冊書いた。ゲームクリエイター志望者向けのイベント主催、ゲームイベントのスタッフ、弟子をとったりもした。

周りから見れば「すごいね」「頑張ってるね」となるかもしれない。だけれど当の本人にしたら、たまたま目の前にそういうことが起きたり、ふいに思いついたりして、「面白そうだからやってみるか。」と思っただけだったりする。単純に毎日が楽しいほうが良いに決まっているので。

それぞれに学びはたくさんあるし、今でも煮詰めるところは多分にあったりもする。とは言え何をするにも1回目のような新鮮さはないし、変に熟れてしまおうものなら「手癖」でやってしまうところが僕にはある。成長したという観点からは本来喜ぶべき部分もあるのかもしれない。とは言え僕の本心が「それじゃ全然面白くないでしょ。」と言ってくるので、そうなると嫌でも「次の新しいこと」を探さないといけない。平たく言えば飽き性。

で、そういう時に「自分のできること」「自分の知ってること」の範囲で物探しをしてしまうと、大体「一度来た道」に辿り着いてしまう。だって、自分の世界がその分の大きさしか無いのだから当たり前。それでは意味が無い。だからこそ「自分の知らないことを知っている人たち」から少しだけヒントをもらって、次の自分が行きたい場所を見つけるようにする。そのために本を読んでいる。

最近僕は色々な人と携わる機会がある。そんな中で1つ、似たようなことを言っている。

「とりあえず今の自分に無い物を1つ手に入れろ」
「それを覚えたらすぐに捨てて、次の1つを手に入れろ」
「自分というOSのバージョンアップを常に怠るな」
「考えるだけで行動出来ない奴は、何も考えていないのと同じだ」

自分としては仕事をする上でも生きる上でも大切だと思ってはいるものの、僕の表現の拙さもあってか、正直なところなかなか伝わっていないように見える。

僕の生徒にしてもそう、弟子にしてもそう、講座を受講してくれる人もそう。一緒に仕事をする仲間の中にすらそういう人がいる。とは言え僕の仕事のうちの一つに「伝える」がある以上は、こっちが先に折れるわけにはいかない。伝わらない理由を自分なりに考えてみる。

特に仕事においては、大体以下の2つに別れる。

1・自分が可愛いから
2・本気じゃないから

1つ目、何か僕が技術や知識や目線について伝えた時、本人は一見理解したような態度を示す。でもしばらくして様子を見ると、何も変わっていない。前と同じことを延々とやっている。それを指摘しようもんなら「でもこれが」「分かってはいるけど」「分かりました」と返してくるのだけれど、どの言葉の裏にも「僕はそのやり方が好きではない、得意ではないので、僕のやり方でやらせてください。」と書いてある。それじゃなんで僕に教えを請うのか?

大体にして君のやり方じゃダメだから、そして本人もその自覚があったからわざわざ僕に訊いてきたのじゃないか?と。無論僕の考え方ややり方が全てに対して必ず最適解になるとは言わない。とは言え今の君のやり方で正解に辿り着くことは無いと分かっている以上は、単に楽して答えを得ようという浅はかな考えだったのではと言わざるを得ない。

僕には弟子が3人いる。
1人は「言わなくても勝手に突っ走ってくやつ」、もう1人は「言ったことの必要不必要を自分の尺度で勝手に決めてしまうやつ」そしてもう1人は「言ってもすぐに忘れてまた勝手に自分の手癖に戻るやつ」

シンプルにどいつもこいつも全然教えがいが無い。「教える」という考えかた自体が驕っている気もするけれど、少なくとも僕の持ってる知識や技術は全部、いつでもいくらでも無料で持っていけというのがスタンスなのにも関わらず、誰も取りに来ない。素直に言えば第一期の3人は、全員弟子と呼べるほどでは無いと思う。いつか僕を超える気が全然しないからだ。

そのうちの1人は「いつか大久保さんが一緒に仕事をしたいと思ってもらえるように頑張ります」と言ってくれた。言葉としては素直に嬉しいんだけど、その時には僕が更にもっと向こう側に行っているから、厳しいことを言うようだけど恐らくそれは実現しないと思う。

まだ3人とも若いというのもあるし、僕が伝える側として不足していることがあるにしろ、本質的には「自分が可愛いから、他人の言葉など受け入れる気が無い」と思えてしまう。そういったことが弟子に限らず、生徒にしても仲間にしてもよく起きる。

自分が可愛いと思ってるうちは絶対に成長なんかしない。だって成長ってのは「昨日の自分を否定すること」なのだから。自己肯定、自己愛が強い人間は成長しない。

もう1つ目の「本気じゃないから」。むしろ個人的にはこっちのほうがたちが悪い。ゲームの仕事は傍から見れば華やかに見えるかもしれない。でもそんなものは全体のごく一部で、地味で楽しくもないことが殆どだ。そういった「つまらないけれど大切なこと」が積み重なるからこそ、最終的にユーザーが触れる「面白いゲーム」になる。

それなのに華やかな仕事だと勘違いをしている人が「外」にいるのはまだ分かる。だって箱の中身を知らないのだから。これが「中」にいるとなると、場合によっては目も当てられないし、ともすれば阻害要因にすらなり得る。

本気じゃないとはどういうことか。

・昔からゲームが好きだから、面白そうと思った
・物を作るのが好きだから、自分に向いていると思った
・専門学校で学んでいるから、ゲーム業界に入れる
・最近のゲームは面白くない、自分のほうが面白いゲームが考えられる
・ゲームに育てられたので、自分もゲームクリエイターになって感動を届けたい

素直に言えば若い頃の自分にも、少なからずそういった感情はあった。ただ、今の自分からすればどれ一つとっても「本気」とは言い難い。と言うよりも、その程度の気持ちで半ばゲーム業界に紛れ込もうものなら、ただ苦しむか、果てに逃げるぐらいしか道は無いと思っている。実際にそういった人間を今まで何人も何人も見てきた。

ゲームが好きならずっとプレイヤーでいればいい。物を作るのが好きならわざわざ仕事になんかせず、趣味でやればいい。専門学校の講師は誰一人として君の就職を保証なんかしてくれない、学費を収めてくれさえすれば優良顧客なのだから。最近のゲームが面白くないなら他の趣味を探せばいい。ゲームに育てられたと思うのなら、今後もお金を払ってゲーム業界に恩返ししてくれればいい。

一見ぜんぶ素直な動機に見えて「ゲームで本気で飯を食う」という観点で見れば、全然ずれていることに早く気付くべきだと。

冒頭のたくさん本を読んでいる~の中で、人生の先輩方は僕と同じことを言っている。アニメが好きでアニメーターになるな。声優が好きで声優になるな。映画が好きで監督になろうとするな。漫画が好きで漫画家になるな。頭のいい奴は、その言葉をすぐに理解出来るはずだ。僕から言わせてもらえば、ゲームが好きでゲームクリエイターにはならないほうがいい。というか、ならないでほしい。

本気ってのはとりわけ、気狂いするほどしつこくないと出来ない。そのためには食べたくないものも食べる根性が無いと出来ない。必要なら相手とケンカもしなければいけない。周りにどう言われようが「それで生きていく」っていう覚悟が無いと出来ない。昨日の自分を常に否定し続けないといけない。そのためには自分が可愛いだなんてくだらない感情はサッサと捨てないといけない。

そういうことが出来てようやく、足りてるか足りてないかの世界なんだと思う。

僕が今までゲームのお仕事をしてきて、何千人って人と携わってきた。でも僕の目線でそういった「本気の人」は多分、手足の指で数えるぐらいしか、まだ出逢えていない。

最後に矛盾するようなことを言うけれど、僕だって次の世代に道や場所を用意してあげたいという気持ちは常にある。だけれど、今後もその椅子を「本気の奴」意外に渡す気は1ミリも無い。そんなことをしたら、それこそ世の中につまらないゲームしか出なくなってしまう。

この双子と夏祭りで恋の射的がしたい。

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Lv.110 それUIじゃないじゃん、OTじゃん。



最近お仕事で、UIやUXのことをやっています。

「え?それってデザイナーがやる仕事じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。これは僕の持論になるのですが、その考え方は半分合っていて、半分間違っていると思います。

と言うのも、プランナーというのはゲームの内容や演出、世界観を考えるだけではなく、「ゲームという体験を通して得られる全てに対して責任を持つ仕事」でもあるからです。

みなさんもたくさんのゲームをプレイしていて、UIメニューや操作が分かりづらい、不親切だと感じたことがあると思います。一体なんでそんなことが起きるのか?

端的に言えば「触る人のことを作り手の誰も考えていないから」です。プランナーも考えてない、デザイナーも考えていない。プログラマーも考えてない。もしくは考えられない。

とは言え動くものにしなければいけない。とりあえずで作る。
とりあえずで作ったものをユーザーが喜んで受け入れるケースはありません。

例えばソーシャルゲームなんかによくある、イベントだのガチャだののバナーがあります。これは作り手である僕たちにとって、「新しいイベントが始まったよ!遊んでね!」「新商品が出ました!ぜひこの機会にお買い求めください!」という”意思”が込められいるはずです。

何故なら、ゲームである以上はユーザーに楽しんでほしいと思うのは作り手として当然ですし、商品が売れてくれないと、サービスを継続することが出来なくなるからです。

それにも関わらず、全然目立たないところにバナーが置いてあったら、どうなるでしょうか?考えるまでもなく「それに気付かない人」が出てきてしまいます。ということは、イベントに参加してくれる人も減りますし、商品を買ってくれる人も減ります。

頭の良い人ならすぐ気付くと思いますが、そんなことをしてしまったら誰も得をしません。遊んでほしい、売れてほしいと思っているクリエイターは大損をしますし、ユーザーも楽しもうと思ってゲームの世界に来たのに、新しい要素に気付かないで「今日は面白くないな。」と思ってしまう。

なんでそんなことになってしまうのか。
作り手、届け手が未熟だと言ってしまえばそれまでですが、新人だろうが十年選手だろうが、プロとしてユーザー、プレイヤーからお金をいただいている以上は、言い訳はできません。

もっと言えば、今は誰でも今すぐゲームを無料で手に入れられる時代です。あまりゲームをしないユーザーですら、クオリティに対しての目が肥えています。

そうなればユーザーとしては分かりづらい物、不親切な物を嫌々やるよりも、他の会社のもっと分かりやすくて面白そうでワクワクするほうのゲームを選べば良い話です。作り手である僕たちにはどうにもならないということになってしまいます。それで良いのでしょうか?

ゲームというものは内容や世界観、本編の作り込み等の重要性も当然ながら、UIのような視覚的情報や触り心地も、本編以上に重要です。見た目がどんなに綺麗だとしても、誤操作連発しまくりのUIなんて、もはやゴミです。

それにも関わらずイケてないUIやUXが、特にスマートフォンのゲームに多いのには、いくつかの理由があります。とりあえず思いつく限り箇条書きにしておきます。

◆プランナーのやりがちなダメUI
・デザインのことはよく分からないから、とUIをデザイナーに丸任せにしてしまう
・デザイナーに「必要な物リスト」という形で、優先度や意味付けをしもせずに、「ただの一覧」で頼んでしまう
・色んな機能を後から後から追加し、足し引きも考えずに隙間にどんどん埋めてしまい、結果的に分かりづらくしてしまう
・使いづらいと最初は思っていたのに、何度も触っているうちにそれに慣れてしまった
・「仕様書を作る段階」で、熟慮、吟味をしなかった
・各画面にも本来ならば「コンセプト」があるはずなのに、それを定義しもせずに「仕様」「都合」で作ってしまった

◆デザイナーのやりがちなダメUI
・ただ派手にすれば良いと思ってる
・画面の収まりの気持ちよさにばかり目が行っている
・「お絵かき」と「UI」の分別がついていない
・視覚的情報にばかり関心が言って「実際触ったらどうか?」を自分で調べもしない
・プランナーに「重要なポイントやコンセプト」を聞きもしないで、自分の「ありもしないセンス」で自由にやろうとしてしまう
・自分としては違和感を感じているものの、プランナーからのオーダーをそのまま「社内下請け」みたいに、何も考えないで受け入れてしまう


大体こんなところでしょうか。イケてないUIのゲームは大体上記のどれか、または複数、なんなら全部をやってしまっています。僕は元々UIデザイナーだったこともあり、デザイナー、プランナー両方の目線でUIを意識しています。というよりも、プレイヤーとしての意識が一番重要なんだけど。だからこそ、こういった陥りがちな間違いをするデザイナー、プランナーが何を考えているかもよく分かります。

とは言え「UIはUI」です。ユーザーインターフェイス。要するに「ユーザー”の”インターフェイス」です。あなた達の私物ではありません。ユーザーが見て分かりやすいもの、触って気持ち良いものでなければ、もはやそれはユーザーインターフェイスではありません。上記のやりがち一覧に、ユーザー本位でやったと思える部分はあるでしょうか?一つも無いですよね。みんな自分の都合や気分で作っちゃってる。それじゃ「OT(俺たちの都合)」じゃん、全然UIじゃねーじゃん、と思うわけです。

僕個人の感想になりますが、いまだにスマホのゲーム、特に日本のソーシャルゲームでUIがイケていると思ったものは一つもありません。分かりづらい、ダサい、センスが無い。プランナーもデザイナーもUI、もといUXを舐めているとしか思えない。もはやなんとなく技術を持っているだけの人たちなので、クリエイターという名札は恥ずかしいからサッサとポケットに閉まってくれとすら思います。

スティーブ・ジョブズはiPodを作った時に、「どんな操作だったとしても、ユーザーに3回以上はさせるな」とデザイナーやエンジニアに指示したそうです。それは音楽を聴くという一人一人の「楽しい時間」「日常的な行動」に対して、複雑な操作や手間という「足かせ」は無意味、ストレスだということを本質的に分かっていたからです。理想として1回や2回も目指した可能性も考えられます。

実際にiPod shuffleはもはや画面すら無い。どの曲が流れるかも分からない。それでも「今日の気分じゃない音楽が流れたなら、曲を1つ遅ればいい。」と、極力シンプルなUI、UXを提供しています。

こういった本質を知らない、捕まえられていないプランナーやデザイナーがUIを仕事にすると、大体前述のリストのような「とりあえず動くもの」「俺たちの都合」になりがちです。

面白いゲームを考えるのが仕事だと思っている学生の皆さん、現役のクリエイターの皆さん、とにかくUIを舐めないでほしい。そこも本気で考えることができれば、ユーザーの感動や体験が何倍も素晴らしいものになるのだから。

ユーザーのことを本気で考えない限り、UIデザイナーを名乗るべきではないと思っています。

この双子を秘書にしたい。

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Lv.109 魔法の鍵と伝説の剣(学生向け)



なんかゲームっぽいタイトル。
今日は前から定期的に開催している、ゲームプランナーになりたい人向けの就職応援イベントでした。

いわゆる就職フェアやセミナーなんかとは違って、「どうやったらゲーム業界に入れるの?」「ゲームプランナーになったら、どんな仕事をするの?」なんてことを、何名かの登壇者にお話ししてもらい、就職するためのヒントやアドバイスを手に入れられる、それはおシャンティなイベントです。

ちなみに最近では、イベント会場に来られない人にも伝えられればと、生放送&アーカイブと言う形でも、イベントの雰囲気や内容を楽しむことができます。


話は変わって、僕はゲーム系専門学校の講師なんかもやらせていただいてるので、そういう意味では「中の人」でも「外の人」でもあります。

一人のゲームプランナーとしては、どうやったら面白いゲームになるのかを毎日毎日考えていますし、若手の子たちにアドバイスをしたりもします。かたや学校の講師の時は「どうやったらゲーム業界に入れるか?潜り込めるか?」と言った考えかたやスキル、作戦を学生の子たちに、なるべくたくさん渡せるようにしています。

ある見方をすれば、建物の中と外、「両方に目が付いている」状態。ゲーム風に言うなら、魔王の城の外と中。で、学生が勇者だとしたら、まだ魔王の城の外にいる状態。

みんなもゲームしてたら分かると思うけど、いきなり魔王の城になんて行けない。レベルも上げなきゃいけないし、強い武器や魔法も手に入れないといけないし。しかも魔王の城ともなれば、入るためにはきっと特別アイテムが必要でしょう。

ここで学生の人たちに一個質問してみたい。

・あなたは勇者
・今から魔王の城(ゲーム業界)に行く
・でもそう簡単には入れない
・入るためのアイテムが必要

こんな条件の中「1つだけアイテムを持っていける」としたら、貴方ならどっちを持って行くでしょう?

A・魔法の鍵
魔王の城の扉を開けることができる特別な鍵

B・伝説の剣
魔王を倒すために絶対必要な特別な剣

おおかたの学生はBを選ぶんじゃないかと思います。まぁこれはこれで間違いではないかなと思う。でも、立場が学生ならば、選ぶべきはAの鍵、です。

いくら魔王を倒す武器を持ってたって、鍵が無かったらそもそも魔王の城に入れないのだから、それではなんの意味も無い。

伝説の剣のほうがカッコイイ?俺は魔王を倒す勇者だ?他の奴とは違う?いくらカッチョいいこと言ったって、入口すらも入れないなら、所詮は口先だけでむしろ「めちゃめちゃカッコ悪く見える」んだよね。

これを就活に例えるなら、企画書や履歴書、面接での自己アピールを「自分の武器だ」と思うのは正しいし、全然間違ってないんだけど、あえて言うならそれは「武器じゃなくて"鍵"」だよね。

ゲーム業界に入るための、扉を開ける鍵。

「俺はコンシューマがやりたいんだ!」
「ソシャゲはゲームじゃない!」
「FINAL FANTASYを作りたい!」
「他の奴と一緒にするな!」

そんな感じの情熱をいくら持ってても間違いではないけど、偉そうなことを言う前に先ずは鍵を用意して、どこの魔王の城でもいいから、先ずは潜り込めと。

自分の生徒にも言うんだけど、「お前らはあと一年後に、晴れて憧れのゲーム業界に入ってるか、全然関係無い仕事についてるか、ニートクズになってるかの三択なんだ。どれを選ぶかは自分次第だ。」と言ってます。

どれが魔王の城で、自分のどんな行動が魔法の鍵になるのかをしっかり考えて、毎日を大事に使ってほしいな、と。その上で「考えてばっかりの奴は何もしてないのと一緒」なので、先ずはサッサと魔法の鍵を作れと。

チンタラしてると他の勇者がどんどん扉くぐっていくからね。

思考派は悪!!
行動派はジャスティス!!

この双子と海デートしたい。

Lv.106 それだけは言うなよな〜。



僕がこの仕事を始めてから、なんやかんやで15年ぐらい経つ。当時はPS2の3Dグラフィックを作ったり、UIなんかをやっていた。

その頃の自分が今の僕を見たら、想像してたのと全然違うじゃん!って言う気もするし、なんだ結構頑張ってんじゃん!とも言いそう。知らんけど。

コンシューマ機の隆盛からPCのオンラインゲームが流行って、ガラケーでソシャゲが流行って、今だとスマホのゲームが主流だったりする。

当然そういったプラットフォームの流行り廃りがあるってことは、裏側で作ってる人達もそれに合わせる形で色んな人達がいるわけで。

家庭用ゲーム機が主流だったころは、端的に言えば「面白いゲームが作りたい!」って情熱があって、職人気質な人ばかりだった。悪く言えばワガママなバカ、クソガキ、キチガイが多くて、何か一つ決めるにもグシャグシャな連中だったし、例に漏れずそ僕もその中の一人だった。

で、PCのオンゲやらソシャゲやらが流行った頃の裏側の人達は、厳しい言い方をすれば「コンソール業界に求められなくて、でも諦められなくて漂流してきた人達」ってのも、何割かいたと思う。面白いうんぬんよりも、KPIが〜数字が〜ってのを求められて、「ほんとはこんなことしたくないのに……。」って感じでどんどん目も心も死んでった人もいた。

それから更に時間が経って、今度はスマホのゲーム。やっぱり相変わらずKPI分析の重要性はあって、そんな中でリッチコンテンツとしての面白さ、目新しさも求められるようになった。そういったゲームが当たり前になってきた頃からゲーム業界に入ってきた人は、遠慮無く言うと「大人しいオペレーター」が随分増えたのかな、と思う。お店を淡々と運営することは出来るんだけど、「お店をもっと良くしたい!」「お客さんをワクワクさせたい!」って言う熱量が殆ど感じられない。

今時のゲーム業界は、僕みたいな純粋なゲーム畑の人もいれば、全然違う畑出身の人もいる。

例えばゲームではないけれど、業務用のシステムエンジニアだった、とかはわりかし分かりやすいかもしれない。他にも営業でした、イーコマースやってました、パン屋でした、パソコン売ってました、建築現場にいました、アイドルコンテンツやってました、旅人でした、歌い手でした。色々。

個人的にはそういった経歴の多様性があること自体は、単純に面白いと思うので、とても歓迎したいと考えている。

ただ、そんな中で特に僕が違和感を拭えない「たった一言」がある。

「ゲームしないんですよね。」
「ゲームには興味無いんですよね。」
「ゲーム、嫌いなんですよね。」

ここらへんの類。

さっき言った通り、今の業界には色んな人がいるから、そりゃそういう人もいるでしょう。

でもね、完全なる私見で言わせてもらえば、そのセリフを言うことで「何か意味あるの?」と。

それを言うとカッコいいの?なにそれ、カッコ付けてんの?それとも何かあったら言い訳できるように、予防線張ってんの?それともバカみたいに額面通り受け止めればいいの?

ってなるわけです。

その上で僕は、いや、俺は敢えて言おう。たとえ本人なりのどんな意図があろうと、その業界に身を置いて飯を食べさへてもらってるのなら、少なくとも俺の前ではその言葉を二度と言うなよ、と。

むしろ同じセリフを、ユーザーの前で堂々と言ってみろ、と。

ゲームに興味が無いってのは、ユーザーに興味が無いってのと同義だ。ユーザーに興味が無いってのは、他人に興味が無いってことと同じだ。

そんな奴がワクワクなんて作るとこは出来ないし、個人の手慰み以上の力を得ることなんて無理だ。

少し手先が器用で、業界に紛れ込んじゃいました。そんな程度でゲームの仕事をしてほしくない。

んーとね、言い方が悪かった。例えば「パン屋がパンに興味無い。」「ミュージシャンが音楽に興味無い。」「映画監督が、映画俳優が、映画に興味無い。」「芸人がお笑いに興味無い。」「サッカー選手がサッカーに興味無い。」

ね?どう考えたって違和感あると思うの。

そりゃ吉牛で働いてる人が牛丼に興味あるかって言われたら、知らんよ。バイトだったら興味あるのは金だろうよ。賄いだろうよ。

でもさ、ゲーム業界って稀なケースを除いて、自分でわざわざ選ばないと働かない場所なはずなんだから、まさか金のためですよってなるのは不自然なんだわ。

だったら経歴や本人の趣味嗜好が色々あるのはいいとしても、「興味無い、好きじゃない」なんて、一緒に頑張ってる仲間に対して言うべきではないんだわ。それな、なーんの意味も無いから!

そんな程度の熱量でユーザーをワクワクさせられるわけねーだろバーカ!ウンコウンコ!!!

どんなに時代が変わっても、プラットフォームが変わっても、大事なのは「ユーザーをワクワクさせたい」って言う気持ちと、作り手の熱量なんです。

この双子に挟まれて圧死したい。

Lv.102 雑記~2015冬~



まとめられるような内容も最近は無いので、ここ最近の僕を備忘がてらに。

いっぱい話す
ここ最近、毎日毎日いろんな人と話します。お邪魔している会社の中だけでも、代表のかた、幹部のかた、人事、別プロジェクトのプロデューサーディレクター、若手プランナー、他にもたくさん。その最中も知り合いの会社に連絡したり、自分が受けているまた別の仕事先のかたに連絡したり、自分とこのサービスの発注先とも。

最近は一日何人と話しているか、自分でも分かりません。かと言って忙しいわけでもなく、分単位、時間になったら、隙間ができたら(というか作って)と言った形でやっているので、頭の中はストリーミング気味ではあるものの、物理的な大変さは感じません。

実は半分意図的にやっていて、色んな人と同じ目線で話しが出来る力というのは、プランナーにとっては必要不可欠じゃないかと思います。多分他のブログでも書いたと思うけど。同じチームの人とは話せる、仲の良い同僚とは話せる、という程度だと、まだ一人前のプランナーになるといった観点からはコミュニケーション能力が不足しているんじゃないかと思います。 

仕事ってそんな
まだ今年も一ヶ月ぐらいありますが、自身も会社を立ち上げたこともあり、仕事に関しては去年ともまた違った、色々なことがありました。今お邪魔している会社さんでは自身、毎日勉強になっているし、自分の会社でも来年に向けて色々な準備をしています。当然仕事なので良いことだけでもなく、半年以上も仕事を頼んでおいてお金を払わなかった会社さん、仕事を頼んでいたけど道半ばで頓挫した会社さん、いつまで待っても連絡をよこさない会社さん、打ち合わせの10分前になってドタキャンしてきやがったとある会社のクソ社長、色んな人に会いました。

こういうことに関して僕自身は「よくあること。」ぐらいに思っているので、それでこっちが文句を言ったり、計画が狂いまくって収支がおかしくなるなんてことはありませんが、自身も経営者の卵として、反面教師にしていきたいなぁと思う次第です。

若手の育成
今は二箇所で若手プランナーの育成をやっています。1こはゲームの専門学校、もう1こは、今お邪魔している会社さんの新人プランナー向けに。学校のクラスは実はプログラマーのクラスなのですが、いざ職業にする際にほかの職業に対する理解も深めていたほうが良いという観点で、プランナーとしての授業を僕が受け持っています。ちょうどこの前「スマホの面白いゲームを考える」という授業で生徒達の発表プレゼンテーションがあったんだけど、こちらが想像していた以上に、ゲームの内容もプレゼンテーション自体も良かったです。

この授業は1回目なので、この後二周目、三周目が続きます。一応意図はあって、一回目の反省点を生かせれば、どう考えても次のほうがより良い企画、書類、プレゼンができる。そうなれば、下手な話就活の時にプランナーを志望しても大丈夫。なんなら3回とも良い企画書が作れれば、ポートフォリオに使えちゃう。そんな目論見でやっています。生徒達の成長が楽しみです。

かたやお邪魔している会社の新人プランナー。彼らは学生と違ってすでにお仕事でゲーム制作の現場にいる分、当然ながら経験では圧倒的にプロな状態です。とはいえゲームという、ある意味複雑な構造のサービスをやるという点では、まだまだ経験はこれからですし、言い換えれば伸びしろだらけの時期です。

以前話した秘密結社の第一回目が先週行われ、これから毎週少人数制で行う予定です。ちなみに一回目の内容は「1・僕の考えたサービスに、プラスワンのアイディアを考える。」「2・一万円をもらって、一ヶ月以内にそれを自由な方法で増やす」というものでした。各セッション30分。この秘密結社では、ただの「聞くだけ勉強会」ではなく、「お題に対して自分なりの解を”時間制限付き”で生み出す。」というのが主眼です。

プランナーというのは企画書や仕様書やスケジュール、データ作成という「ワーク」の部分が目立つこともありますが、本質は「楽しいを作る」ということです。そして、それのためには「面白いとはなんぞや?」という「答えを作る力、生み出す力」が必要不可欠です。

作業に熟れてしまうと、こういった「本当の意味で使うべき脳みそ」が休んでいるケースもあり、そういった場合は若手の伸びしろを奪う危険性もはらんでいます。そうならないためにも、手を変え品を変えつつも、「答えの無い答えを”自分で” 考えれる力」を、半年ないし一年かけて培っていけたらと思います。

自社サービス
来年一月に向けてコソコソ準備中です。一緒に作り上げている仲間もいて、日々良いものになっている実感もあります。立ち上げ間もない僕の会社ではありますが、僕にしか出来ないこと、僕の会社だからやる意味を念頭に、来年の起爆剤の一つにしていきたいと思います。 

遊び
相変わらず格ゲーやっています。そりゃもう毎日毎日。単純に楽しいからやっているというのもあるけど、僕には小さな目標があります。来年の春に開催される、チャリティー格闘ゲームイベントに出る、というのを目指しています。こういったイベント、それこそ「ゲームのチカラって、こんなことも出来るんだ。」という素敵なことだと思っています。そこに楽しみつつも参加できるよう、更に半年ぐらいは修行の日々が続きます。他にも会社対抗のお誘いいただいてたり、昔の同僚と忘年格ゲー大会の予定もあったり、ワクワク。

大体今日はこんなところで~( :3 )< 

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しばらく休むって言ったけど、チラ裏ぐらいの感覚でダラダラ書こうかと。

最近僕は若手の子たちと話す機会が、本当に多いです。。専門学校の生徒たちだったり、仕事のチームの若手だったり。というか、自分も気が付いたらアラフォーに突入してたりするので、当たり前っちゃ当たり前なんだけど。そういった子たちと話すのはこちらも刺激になるので、毎日が楽しいです。

そんな中で、まだまだ仕事の経験不足ではあるけれど、もっと色々な事ができるようになりたい、チャンスを得たい、そういった前向きな子たちもいるので、自分としても何か出来ないかなーと、ここ最近考えていました。

そんなわけで今お邪魔している会社で、僕は勝手に秘密結社「ディレクターを駆逐する会(DKK)」を作ったのです。目的は「プランナーヂカラを付けて、いずれは今のディレクターすらも追い抜く。というか倒す。」という気概でやっていこうという、有志の集まりです。

元々今いる会社では職種ごとに勉強会が積極的に行われてはいるのですが、人数が多すぎるとどうしても「パッシブな会」になりがちなところがあります。誰かが発表して、その他大勢がフ~ンって言っておしまい、みたいな。勿論若い子たちには知らない世界もたくさんあると思うので、それはそれで良いのですが、「知識を貯めるだけで一人前になれるか?」と言われたら、それはやっぱりちょっと違うと思います。

そういったこともあって、秘密結社DKKでは少人数で「考える力、答えを出す力」に絞って、実際に短い時間でお題に対し、自分なりの答えを見つけていくことを主眼にしようと思っています。僕としても、若い子に教える、というよりは「伝える力」を身につけるために、お互いに勉強していけたらと目論んでいます。

僕は元々自分の中にあるポリシーとして「同世代は応援しない」というのがあります。簡単に言えば、僕は僕で自分なりに努力してここまで来たんだよ、でも僕よりもっと頑張ってる奴もたくさんいるよ、なのになんで君はいつまでもそんなところで満足しているの?という疑問があるからです。

人間100人いれば、それぞれが違う生き方をしているし、それに対して僕が偉そうに何かを強要することはありませんが、少なくとも「ゲームを作る仕事」をしているのなら、言葉にせずとも「現状維持」という選択をしている人に対しては、申し訳ないけれど別の人種だと思うようにさえしています。

さんざんこのブログでも言ってきたかもしれないけれど、プランナーは現状維持では絶対ダメです。ここはハッキリ行っておこう。特に最近ではスマホのソーシャルゲームのような「運営維持型」のゲームで働いている人達も多いので、毎週おんなじことの繰り返し、と捉えてしまう人もいます。そうなると、こういったタイプの人もけして少なくはありません。

当然、良い意味での「安全運転」なら運営においては大歓迎ですが、ゲームプランナーの本質は「ユーザーに面白いと思ってもらうこと」です。そういった情熱を傾けられる仕事をしているにも関わらず、なかば作業だけをこなして満足、僕は私は一人前!と思われてしまうのは、正直勿体無いというか、本質的にはプランナーの仕事をしていないじゃん、と僕は考えます。
 
データが得意です、仕様書が得意です、スケジュール管理が得意です。そういった現状のスキルについては今後もおおいに役立てれば良いと思いますが、「そこだけ」を盾に、いつまでも同じことを繰り返しているだけでは、成長も無くただ年をとるだけ、いずれ不要と言われても文句を言うなよ、という危機感さえあります。正直30歳前後の奴はほんとにそこ気をつけたほうがいいよ。本当に知らないよ?

というか、うーん。そういうタイプのゲームプランナーを見るにつけ、怒りというよりは寂しさすら感じます。ゲームの仕事ってもっとワクワクするはずなんだけどなぁ。

話は戻って秘密結社。今のところメンバーは僕を含めて8人!そのうち6人が未来の星です。どこまでやれるかは自分でも分かりませんが、その6人が半年、一年と時間を経た時に、自分の中にある力を今よりも信じられるようになる、そこに向けて可能な限りお手伝いができればと思っています。個人の気概としては、最後の一人がいなくなるまでは続けようと思っていまーす。

Mask-Woman-Hot

Lv.99 その道を何回歩くか。



今月、僕の会社「ゲームのチカラLLC」を立ち上げました。ようやくというか、思ったより時間がかかったというか、諸々考えてこのタイミングだったというか。今のところ出来立てだし会社としてのビジョンとかもそんなにクソ真面目には考えていないので、まずは「僕と仲間でできること」「他がやろうとしないこと」を念頭において、少しずつ庭を広くしていければと考えています。

去年今年と、自分なりに色々な新しいことにチャレンジしてきたこともあってか、気が付いたら肩書きだけはいっぱいになってしまいました。ゲームデザイナー、ゲームプランナー、ゲーム学校の講師、本書き、ブロガー、経営者、万年初心者格闘ゲーマー。

一つの体で全部やっているので、頭の中が忙しいことも時々あります。だけど、どれも自分にとっては刺激的で大切な出来事なので、毎日楽しめていることが何よりというところです。 

僕は周りが思っているほど「肩書き」というものを気にしません。というか、むしろ気にしたくないとすら思っている。何故かと言われると理由はいくつかあって、一つは「肩書きを背負うことで思考に制約が生まれてしまうこと」を嫌うからです。例えばプランナーと名乗ってしまえば、周りにはプログラマーがいてデザイナーがいて、ディレクターやらプロデューサーがいるわけです。

そうなると、「僕はプランナーだからこの範囲まで頑張ればOK」とか「僕はプランナーなので、それについての責任は僕ではありません。」みたいな、線引をするために使ってしまいそうになるのが嫌だからです。当然プログラムを描いたりPhotoShopを触るわけではないですが、この肩書きがあることで制約ができたり、気付かないうちに自ら制約を設けてしまうのは、単純に自分の視野を狭くするケースが大半で、純粋に勿体無いと思うからです。

もう一個が、「肩書きをあたかもブランドだと勘違いしているような馬鹿にはなりたくない。」というのがあります。昔出会った人で「僕はプロデューサーだぞ!」とか「私は超大手有名会社で働いているのよ!」 みたいなことを一々これみよがしにぶら下げている人がいて、「うわースッゲーだっせー!」と思いました。名実伴っていればご立派ですねの一言ですが、正直なところ大体の人が中身はポンコツでした。というよりも、ポンコツに限って肩書きを自慢したがるなー、と。

そういったこともあって、お仕事上は便宜上の肩書きをつけますが、僕自身はゲームを作っている時も本を書いている時もゲームしている時も、「僕」という単位でしか物を考えていません。もっと言うと、男か女か、日本人かアメリカ人か、地球人か宇宙人か、そんなこともどうでも良く、やっぱり「僕は僕」という基準は変わりません。逆を言えば、その最小単位を日々磨いてさえおけば、後から勝手にそれっぽい肩書きを周りが付けてくれるのかなーと。

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話は変わって、一応それなりに色んな肩書きをもらったことで気付いたのが「一回の人生、一職業じゃ勿体無いよね。」ということです。大半の人が会社に勤めて、役職なり肩書きをもらって、何年もその筋のプロとしてやっていくのが普通なのかとも思いますが、前述の通り僕自身は「肩書きなんてどうでもいい、楽しいことを一生懸命やればいい。」という考え方でいます。ともすれば、今後は今ともまったく関係無いことを急にし出すかもしれません。

なんでそんなことを思うのかと言うと、周りで「本当はこんな仕事したくないんだよな……。」とか「この会社に未来無いよな。かと言って転職するにも僕の実力じゃ……」みたいな悩み?不満?を持っている人、本当に多いんだなーと。個人的には「そもそもそんな考え方でやってるから実力もサッパリ伸びないし、仕事が苦しく感じるんだろ、全部お前の責任じゃねーかよ。」と思っている場合がほとんどですが、僕もなんやかんやで会社員勤めも10年ぐらいはやっていたので、気持ちが分からないわけでもありません。

実際問題、仕事をしている最中に上司なりプロジェクトなり会社なりに不安を感じたことなんて数えきれないほどにありますし、今よりも若い頃は不満もそれなりにありました。とは言え、それと同時に「これじゃ駄目だ。誰かが変えなければいけない。だったら自分なりに今出来ることを考えて行動に移そう。」という点だけは、割りと周りとは決定的に違うような気がしていました。

例えば会社の人と呑んでいる時でも、そういった不満を吐き出すことがよくあると思います。それ自体は悪いことだと思いませんし、そういった事ができる仲間がいる事自体は素晴らしいことだと思います。ただ、正直なところ大半の人が溜まったストレスを吐き出して少しすっきりしたら、次の日から「また同じこと」をしているように、僕には見えました。

その人たちが今どうなったかは知りませんが、年をとれば頼まなくても責任というものの荷重が次第に大きくなってしまうので、自己の研鑽を怠ったまま立場だけ上げられてしまったとしたら、それほど苦しいことも無いと思います。少なくとも僕はその瞬間瞬間では「何が最善か?」「ここに自身の時間をかけることで、一体何が学べるか?」というスタンスだけは、若い頃から崩さなかったと思います。

それというのも、「今はこんなことをやっているし、苦しいこともあるけれど、自身が見ているところはもっとずっと先にある。だからこそ、この程度のことぐらい軽くクリアしないといけない。」そういう風に考えていたからだと思います。

言い換えれば、眼前の事象や環境に不平不満を言うのは誰でも出来ますし、それを言ったところで明日急に会社も自分自身も良くならないことぐらい、サッサと気付くべきなんです。そんな無意味なことに労力を浪費するぐらいなら、逆にこの環境を利用してやるぐらいの思考や行動力があったほうが、自らのポテンシャルを引き出せるのでは?というのが僕自身の考え方です。

昔から僕は、「この会社でやることが無くなったら、次のステップに行こう。」とイメージしてから、その会社に入るようにしています。「やりたいことが」ではなく「やることが」です。端的に言えば、その会社に入ることで、自分がまだ持っていない技術や知識、知見などをそこで得られる可能性が高いことを前提に、その実力がついたら一旦のゴール、という感じです。 

もっと言えば、得意技を身に付けたら、サッサとその技を捨てて次の技を探すか磨くかしないといけません。つい最近若い子から「もっと成長したい。」と相談された時のことです。自身が若い頃を思い返しながら、思いつく限りのことを伝えたつもりではありますが、自身も成長の最中、先輩ヅラをしたいとも思えないので、コレだ、という言葉が見つかりませんでした。

ただ、なんとか心に残してもらえるような言葉を伝えたいなと考えて、最後に一つだけ言えたのは「得意技を3つ持つといい。そして新しい技を覚えたら、古い技を一個捨てればいい。」とだけ伝えました。僕で言うと、最初はデザイナーとしてゲーム業界に入り、3Dの技術を覚えて、途中からプランナーに転向し、一時期からは数字を強く意識するようにしていました。そこからは「チームビルド」であったり、プロモーションであったり、今ではブログや本書きなどで改めて言葉の勉強をしたり、経営者の先輩がたに会社をやるとはなんぞやということを教えていただいたり。

僕の中ではゲーム業界に入ったころから、もっと言うと入る前からずっと「面白いことをやりたい。それでみんなと盛り上がりたい。」という一本の道を歩いているだけで、大きなことを表現したくなったら、今までの自分を否定してでも新しいことにチャレンジしよう、というわりとシンプルなことを繰り返しているだけです。その中で結果的に肩書きがあっちこっちウロウロしているように見えるだけだったりします。

すんごい要約すると、あんまり仕事がうまくいかない、面白くないと思っている人って、正直視野も狭いし目標も低くなっているのかなーと思うので、「もっと世界が広いことを知って、その上で先ずは眼前のことを全力でやってみればいい。」と思っています。なげーのでおしまひ。


Lv.98 役に立たないかもしれないけど。



これ、前回の本を読もうっていうのとかなり共通している部分があったりするんですが、お時間があればぜひ。

僕にはゲーム以外の趣味といえるかどうか分からないレベルのものがいくつかあります。散歩とか、妄想とか、読書とか、XVIDEOとか。そんな中でも特に好きかなと思えるものに、恐竜と宇宙があります。

別段人より詳しいというわけではなく、単純に好きというだけ。共通して言えることとしては、ロマンがあるよね的な。小学生の男の子だったら、嫌いな人いないんじゃないかなぐらいに、僕の子供心を今でも刺激してやまない。そこには存在している、またはしていたのに、謎が多すぎる、未だに解明されていないことがたくさんある。そういったところに、ずっと惹かれ続けています。

周りに同じぐらいの温度感で話せる人がいないというのが少し寂しいところではあるけれど、純粋に個人的に好きだという気持ちがあるから、実はあんまり他人に共有したいとも思わなかったりします。一人で図鑑とかWikiとか見ながらニヤニヤしている。うん、とってもいいよ、恐竜と宇宙。

それ以外に僕がちょいちょい興味を持っている中に、というかあんまり人に話したことも無いし、別に話したいとも思わないんだけど、世界中の凶悪犯罪のニュースや記事を見たりとか、ものすごく不謹慎かもしれないけれど、色んな国の自殺統計、精神疾患のメカニズムなんてのを見たりもします。

一応自分なりにいくつか理由はあるんだけれど、共通して言えることは「人間の深層心理が知りたい」というのがあります。もともと昔から「人間観察」が趣味だと言っていたところがあって、わりと人の動向をジーッと見ている時があるんです、僕。多分、仕事でもなんでも、その癖が強いかもしれないし、実は割りと色んなところで役立っている。

例えば楽しいとか悲しいとか、そういった「感情が振りきれる瞬間」という意味では、怒りであったり絶望であったり、人を恨む気持ちであったり、そういったマイナス面の感情も実はまったく同じことだと考えていて、それであれば、そういったことについても少しは勉強しておきたいと思ったのがきっかけだったような気がします。

こういう類の話が好きじゃない人もいるのは分かっているので、ここではたとえ話ですら、するつもりはないんだけれど「その人の感情を突き動かしたものは何か?」という点だけで言えば、そういった興味の持ち方、勉強法もあるのかなと思っています。

ゲームを作る時に、世界観とかシステムについて考えるのは当然として、「ユーザーにどんな気持ちになってほしいか?」ということを考える必要があります。凄い大切な部分。楽しいなー、というのはゲームだから当たり前過ぎるので、例えば「たくさんの敵をなぎ倒す爽快感が気持ちいい。」だとか「hogehogeちゃんが俺のほうを振り向いてくれるまで頑張るぞ!」だとか「大切な仲間を失ってとても悲しいけれど、俺はお前の気持ちをけして無駄にはしないぞ!」だとか、そういう感情の色々。

さんざんこのブログでも言ってきたような気がするけれど、悲しいかなゲームクリエイターにも色んな人がいるので、こういう大切な部分がスッカラカンで、ゲームの仕組みとか世界観だけやろうとする人も実際いたりする。「感情をデザインする」ということは、個人的にはゲームを作る上でキッチリ考えるべき、とてもとても大事なポイントだったりします。

で、いわゆるそういった「感情の定義」をする場合、その「感情がより強まるようなゲームデザイン」をしていくことが必要不可欠になる。となると、当然ながら自分の中に色々な感情の引き出しが無いといけない。バリエーションという意味でもそうだし、楽しい悲しい悔しい許せない、そういった各感情ベクトルごとの「強度」もそう。もっと言えば、そういった色々な感情が複雑に絡んでいるような心理状態であったり、それによって起きる新たな感情の導線を「感じ取れるチカラ」が無いといけない。

ゲームの仕事をしている人の中で、よく「数字が苦手」という人がいます。いわゆる業界的にはKPIと呼ばれている類の。ここで言う数字は、ユーザーの行動の足あととして記録されているものが殆どで、言い換えれば「ユーザーの心がどう動いたか?」ということです。そうなると、数字が苦手と言っている人は「=人の心を読み解くのが苦手、と言っているようなものなので、ゲームクリエイターの本分である「ユーザーに楽しいと思わせたい」という視点から観た時に、ある意味大きな矛盾を抱えていることに気付いていないんだと、僕は考えています。

ユーザー体験を作るという視点から観た時に、嬉しいと思う瞬間、悔しいと思う瞬間を作る。それでも頑張るぞと思う瞬間も作る。これはある視点では「人の感情をコントロールする」という見方でもあるので、余計に自分の中にある感情の手札が無いと、成立しなくなってくる。

何時なんの役に立つかも分からないけれど、だからこそ余計に自分が知らない世界であればあるほど、上っ面でも良いから知っておくぐらいはしておいたほうがいいよね、と思っています。そんなこともあってか、最近は自分とはまったく関係ない仕事や生き方をしてきた人と話すのが、結構楽しかったりします。

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Lv.96 ゲームプランナーは田舎者ではいられない。



今日はなんとなく自分の内側にあるものを適当に。たまにはそういうのも。

つい最近、小中学校時代の友達から連絡が来た。「hogehoge中学のクラスメイトのLINEグループができたから、良かったら入ってよ!」

ふいの連絡ではあったけれど、自分にも懐かしい気持ちがあったので、なんとなく参加。すると自分のことを覚えてくれていたクラスメイトたちから、「おぉ、久しぶり!」「大久保くん!元気?」 と声をかけてもらったり。

懐かしいなと思う反面、気付けばもう二十年も前のことなので、実はクラスの大半の名前と顔を忘れてしまっている。中学を出て以来ずっと会ってない人もいるし、LINEだとニックネームだったり写真が本人じゃなかったり、お互い様だと思うけど印象が薄かった人もいたりとかで、どうやっても思い出せない人もいる。

さすがに1クラス分ともなると大所帯のグループなので、みんな好き勝手に昔のことを懐かしんだり、昔あそこにあった店が今はこんな風になっているよとか、先生を町で見かけたよとか、そういう他愛も無い会話が流れていくのを、ただ見つめる。

それを眺めていて気付いたことがある。「あぁ、みんな変わってないな。」と。うん、なんだろう、良い意味でも悪い意味でもというか、うーん、それともちょっと違うというか。一番気付いたのは「あぁそうか、俺は今、東京にいるんだな。」ということ。

僕は中二の時にゲームの仕事がしたいと思って、21の時に東京に出てきた。そこから、あっという間に十五年の月日が経ってしまった。その間も殆どのクラスメイトは地元にいて、人によってはずーっとガキの頃から付き合いが続いてたりとか、地元からずっと離れないでいたりとか。

良い意味では、日々変わらない穏やかな時間を過ごしているとも言えるけれど、自分にとっては随分前のことであると同時に、ある意味で「捨てた町」での出来事だから、地元のはずなのに全然しっくり来ない。自分でもよく分からない、違和感。

東京に出てくるというのは、ゲームの仕事をしたいと思った時点である意味必然であって、特に住みたいわけでもなんでもなかった。とは言え東京でもそれなりに色んなことがあったから、どんどん自分の中で思い出なり経験なりが上書きされていったのかもしれない。そのせいか、余計に地元が遠く感じてしまう。

兄弟や親戚は全員田舎にいるけれど、いい加減みんな大人だし、それぞれの生活があるので、よほどのことが無い限り会うことも無い。そういったことも関係しているのかもしれない。

そんな僕も時々田舎に帰る。親の墓参りとか、友達の結婚式とか。少し時間がある時は、古い友達と食事がてら会うこともある。そんな中の一人、そいつとは10歳の頃から、気付けば四半世紀の付き合い。僕が中学の時にゲームの仕事をしたいと言ったら、真似して自分もゲームを作る!と言い出した奴。

最初は「俺は本気だけど、きっとコイツは冗談だろう。俺とお前じゃ気持ちの入り方がぜんぜん違う。」と思っていたものの、そいつも高校、専門と出て、地元の小さなソフトハウスに就職し、ゲームプログラマーとして自分よりも一年早くゲーム業界に入った。そんなこともあってか、そいつとは時々連絡をとっては、お互いの仕事の話をすることも。

いつだったかの会話。その友人がスマホのゲームを初めて仕事で作ることになり、通信設計周りで悩んでいた時のこと。僕もすでに何年かスマホのゲーム制作に携わっていたので、自分の中では「こう設計するのがセオリーというか、業界の常識だ。」と言うことを伝えたら、目からウロコみたいな反応をしていた。

本人がスマホのゲーム制作に携わるのが初めてだったのはあるとしても、そこで話したことは何も特別なことではなく、スマホのゲームだったら大体どんなタイトルでも「当たり前」にやっている方法、というか、プログラマーでもない僕ですら知っているような、基本的な設計の話だった。それなのに、本人はえらい驚いた様子だった。

後々になってその会話で気付いたことがあった。僕が学生の頃ですら、インターネットがこれからどんどん高速化して、情報を得ることや働くことに、差や場所は一切関係無くなる、と。 でも、これが全然違った。

端的に言えば、東京に来れば似たような目標や考え方を持った人間が必然的にたくさん集まってくるので、当然、それに伴った会話や情報に出会う機会が増える。でもそれが、田舎で周りにそんなことをやっているのが仮に自分だけだったとしたら、自分で意識して情報を探し続ける努力をしない限り、いくらインターネットがあろうがまったく関係無く、どんどん情報や思考が孤立、鈍化していくんだ、と。

実際問題、彼も年数だけで言えば十年選手なのにに、今だに薄給で雇われていることを知った。東京と地方の違いがあるにせよ、今の年齢でその収入でいるということは、そういった情報の格差であったり、本人のセンスであったりがマイナスの布石になっての結果だという見方も出来てしまう。

で、この話、もう少し広げて話すと、東京にいたとしても情報収集を積極的にやっていない、そういった現役のゲームクリエイターも全然いるっていうお話。なんだったら、情報収集以前にコミュニケーションが苦手とか言い出す始末。ゲームのお仕事と言えど、情報収集や情報交換、コミュニケーションが命だったりする場合もあるので、ここがスッポ抜けているようなタイプの人が要所要所で「しなくてもいい苦労」をしているのを、時々見かける。もっと言えば、せっかく東京にいるのに、それじゃ全然意味無いじゃん、と僕は思ってしまう。少なくとも日本では最高峰の環境が整っているのにも関わらず。

話は戻って、中学のLINEグループと、友人のその話がダブった。やっぱり田舎は穏やかなんだな、と。何も変わらないな、と。それが良い悪いということではなくて、どんなに年齢を重ねたり、町が様変わりしたところで、やっぱり本質的には何も変わらないというか、変えようがない部分が田舎の大半を占めているんだと気付いた。

別に僕が都会に染まったとか、俺って東京人だぜーとか言う話ではなくて、「自分なりにがむしゃらに前に進んできたから、そういった差異が生まれるのも当然だし、たまたま今になってそれに気付いた。」 というのが素直なところで。

でね、一応このブログはゲームプランナー向けに書いているというのもあるから、敢えてこのタイトルにしたんだけど、ゲームプランナーってある視点では「最先端を追わないといけない仕事」という側面があるのね。昔好きだったゲームに対する愛情を捨てろとか、全然そういうことではないんだけど。要するに、ゲームに限らず世の中にある「色んな楽しい」に対して、自分なりの方法で常にアンテナ張り続けてないといけない仕事なのかなと。

そうじゃないと、置いてかれるというか、ハッキリ言えば「必要とされなくなる」のね。実際問題、ゲーム業界もコンシューマ→PCオンライン→ブラウザ→スマホと、僕がいた十数年だけでも目まぐるしく流行りが変わっていて、その中で古い考え方の人、例えば「コンシューマ以外はゲームじゃない。スマホのゲームなんか作りたくない!」なんて思ってる人は、必然的に必要とされなくなるから、遅かれ早かれ消えていくんだよね。ないし、その思考のまんま年だけとってしまう。そうなると、僕の友人のように安く雇われるだけの不遇な末路が待っている。

僕も「個人的な感覚だけ」で言えば、コンシューマを遊んでいるほうが全然楽しいし、スマホのゲームなんて見た目だけゲームにしたコスい集金ツールじゃんとか見下している面も正直、今の今でもあります。そういったゲームを作る側も遊ぶ側も馬鹿だな、と思っている部分、やっぱり何処かしらありますよそれは。だってコンシューマゲームに育てられて、この仕事を選んだんだから。

ただね、僕は今現役でプロのゲーム作りをしている。有名かどうかとか関係なく、少なくとも十数年はそれでご飯を食べさせてもらっている。そうである以上は、自分が携わったタイトルがどんなプラットフォームでどんな内容だったとしても、「自分がやる以上は、ユーザーに絶対面白いと言わせてやる。」という、役に立つのか立たないのか分からない誇りだけは持っているのね。というか、それが無かったらこの仕事しちゃ駄目でしょぐらいに思っているので。

もっと言えば、今後も僕はゲーム業界で今まで以上に頑張っていきたいと思っているし、自分にしか出来ないことを実現するための手段として、自分の会社も作ることにした。要するに、「今の自分を常に否定しながら、どんどん前に行かないといけない。」っていうことを、自ら選んで生きているというか。恐らくこの考え方は、ゲームプランナーとしてやっていくなら、必須のスキル?というか考え方なんだと思っています。

で、そうなると、田舎のことを時々思い出すことはあっても、「戻らない選択」を自分は知らず知らずのうちにしていたんだな、じゃあ違和感があっても当然だよね、だって自分の意思で前に進んでるんだもんね。と、改めて気付いたというお話しでした。

なんの役に立つとか関係無く好きなこと書いちゃったけど、一人でも二人でも共感なり気付いてくれる人がいれば、このブログ的には大丈夫でーす。かしこ。

hoge

Lv.95 イベントレポ「東京ゲームショウ2015~一般公開日編~」



というわけで前回のビジネスデー編に続き、4日間開催されたうちの後半2日間、一般のかたが入場できる日の東京ゲームショウについて、自分なりのレポート。

僕は普段はビジネスデーのみ行くのですが、今年は一般のかたがどんな感じで東京ゲームショウを楽しんでいるのかを体感するために、最終日にもう一度行くことにしました。

東京ゲームショウに行ったことの無い人に説明すると、入場するためにはいくつかの方法があります。ビジネスデーであれば、業界関係者のみが入れるチケットにもいくつかの種類があり、ゲームの制作や運営をしている会社や、ゲームメディア関連の企業によっても手続きが変わってきたりします。当然ながら自分が出展する側の場合は、チケットではなく入館パスが貰えるので、それを使って会場に入ることになります。

一般のかたはというと、基本的には前売り券を予め購入して会場に行くか、当日にチケット売り場で当日券を購入します。(このイベントは入場無料ではないです。念のため。)

色々と体験したいということで、当日券の売り場に並んでみる。普段入っている正面入り口から建物をかなり周って、ようやくそこにチケット売り場がありました。普段行かない場所だから、本当にあるのか不安になって何度かウロウロする始末。それにしてもすごい人の数!晴天だったのが良かった。ビジネスデーは2日とも天気に恵まれなかったので。
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予想していたよりは待ち時間が短かったので、30分もしないうちにチケット購入。この後写真にある売り場と売り場の間から、写真奥のフェンスがあるところを大きく鵜飼して、左手にある会場を目指します。建物的には裏側にあたる通路をしばらく歩いたところで、入場口に来ました。多分ここは一般公開日でも、当日券のかたのみの入場口だと思います。それでも入り口を入ると大きいイベントの垂れ幕が待っていました。
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入って早速、予想してたけど人、人、人!!!どこに行っても人だかり!!!主催発表によると、今年の来場者は歴代2位の記録とのことでした。出展ブースはというと、今年は過去最多となり、普段なら使わない離れの別館も使用することになりました。(普段はメイン会場3箇所のみを使っていたが、今年は更に1箇所を追加した)
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ビジネスデーにもお邪魔したMAD CATZのブースもヤヴァイ!この日もここに来るのを楽しみにしていたけど、さすがにこの状態では立ち止まることすら出来ないぐらいの人と熱量でした。ビジネスデーってやっぱり業界人的には色々お得だなーと。隣の席レベルでウメハラさんと会話出来たりするんだもんな……。致し方ないので、大会観戦は後日動画で観ることにして、他のブースを観に行くことにしました。(だしおさんカプコンカップ出場おめでとうございます!)
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というわけで、個人的に印象的だったものをいくつか簡単にまとめます。先ずは今年PlayStation4で続編が発表された「GLAVITY DAZE」。僕はPS Vitaを持っていませんが、ゲームが発表された時にとても遊びたいという気持ちになったタイトル。どうせSTREET FIGHTER Vが出たらPS4を買うのは決まっているので、せひこの続編はプレイしたいなと思いました。
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お次はスクエニのFINAL FANTASY 14のブース。イベント当日の限定レイド?みたいなイベントをやっていて、参加しているみなさんは自分のアカウントでログインしてプレイしていました。たしかにゲームのファンだったら、会場限定のイベントがあるのって凄い盛り上がると思うなーと、勉強になりました。
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お次はブシモさんのラブライブ!のブース。こちらはステージをまるごとスマホのゲーム画面に見立てて、全員で協力して一曲をプレイするという、体感型のイベントを開催。これもまたこういった会場ならではという感じで、とても良いなーと思いました!
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とか言いつつ、自分はラブライブの原作もゲームも知らない勢なので、イマイチお客さんと同じテンションにはなりきれませんでした。こういうこともちゃんと勉強しておかないとですね。
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こちらはATLASのブース。「ペルソナ5」がつい先日発売延期になって、ユーザーががっかりしていましたね。ノーマークだったけど、「オーディンスフィア」の続編?リメイク?も出るのね!これは楽しみ!PVがめちゃんこワクワクする感じだったので、貼っておきますね。

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その他だと、自分には珍しくSEGAさんのブースでPS Vitaの「初音ミク Project Diva X」の先行試遊。元々音ゲーは好きなほうなんだけど、最近はあんまりプレイしていなかったので、新鮮でした。一回目でダメ評価だったのがイラっとしたので、二回目挑戦したった。
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なんだか会場を歩いてる時に、なにかが足りないなーと思っていたら、今年から使われている4館目のほうにインディーズゲームのコーナーと物販、その他のブースがありました。MADCATZのTシャツ、買おうか迷ったけど我慢してしまった。
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インディーズコーナーとか言いつつも、メジャータイトルもチラホラあったような。個人的には↓の「ガンヴォルト」が前から気になっていたので、こういうとこでも出展しているのは嬉しいなぁと思いました。
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メイン会場でも配布していたエナジードリンクのMONSTERがこちらの会場でも配っていたので並んでみたら、最後の一本ゲットしたwww メイン会場は列が建物の外まで並んでるぐらいだったので、かなり幸運でした。
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というよりも、今回から離れ家も使うことになったけれど、それに気付いている人って何人いたんだろうという疑問もありました。当日の会場マップって全員に配られるわけではないんですよね。チケット買ったからって貰えるわけでもなく。たしか入り口に平積みになってて、自分で持っていくんだったような?せっかく会場が更に広くなったので、もっと案内とかが分かり易いといいなーと思いました。特に物販などは売上に直接影響する部分なので尚更。 次回はもっとホスピタリティの高い会場になっていると良いなと思います!

そんなわけで帰り道。閉館直前までいたので電車が混むだろうなーと思って、少し駅前で時間をつぶしてから帰ったんだけど、全然甘かったw それだけ東京ゲームショウに参加している人が多いということを実感した一般公開日でした。色々勉強になった!来年も楽しみです!!
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Lv.94 イベントレポ「東京ゲームショウ2015~ビジネスデー編~」



というわけで今年も東京ゲームショウに行ってきましたー。
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僕は毎年コンパニオンのおねーさんを激写するのが楽しみで仕方ない各メーカーの作ゲームやイベントを楽しみにしているんですが、今年はわりといつもと違う趣旨で楽しみかたをしたいと思っての参加となりました。というのも、最近格ゲーが好きすぎて、今回も格ゲー関連のブースを見て回るのが楽しかったです。

まぁ最新ゲームの情報とかイベントの雰囲気とかコンパニオンのおねーさんの写真とかは、ゲーム系のサイトでもこれでもかと紹介していたりするので、ここでは個人的な視点で好き勝手書ければと。 

東京ゲームショウは毎年、全4日間開催されており、前半2日間は業界関係者のみが入場できる「ビジネスデー」と呼ばれています。一応僕も業界の人なので、ここ数年はビジネスデーのみ参加していました。理由としては人が少ないほうが色々見れるからです。あとコンパニオンのおねーさんが写真撮影断らないからです。←

今年は自分自信あらためて勉強したいこともあったので、ビジネスデーと一般日を一日ずつ、2日間遊びに行ってきました。今回はビジネスデー編ということで。

先ずは闘会議のブース!僕が会場に入ったタイミングで、Evil Geniuses所属のプロゲーマー、ももち選手の試合がちょうど始まるところでした。これは公式な大会の試合などではなく、「ゲーム大会の演出や雰囲気を楽しんでみよう。」という体験イベントだったらしいです。ももちさんと言えば「ULTRA STREET FIGHTER 4」のケン使いとして有名ですが、当日はコーディーを使って戦っていました。実際の大会の雰囲気を味わうことってなかなか出来ないことだと思うので、こういった大きい画面でギャラリーがいる中戦うのって、楽しそうだなーと思いました。

それにしても、ももち選手。やっぱりプロですね。どのキャラ使っても強い。ゲームが強い上にストイックで気さくでイケメン、一体なんなんでしょうか。
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試合が終わって移動がてら他のブースもウロウロ。
STAR WARS BATTLEFRONT」のブースが、ビジネスデーにも関わらず凄い人だかりで、何台も並んでいるモニターも圧巻だったりで、迫力でした。
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迫力で言うと、Cygames(というかグラブル)のブースも派手だったなー。駅の中も「GRANBLUE FANTASY」の広告だらけだったし、東京ゲームショウのチケットの裏にもプラチナスポンサーだったのかな?ゲームのロゴが書いてあったし、儲かってます感パネェすわー。毎月何十億と儲けてるんですかねー。

当日はグラブルとストリートファイターのコラボが発表されたということで、またまたタイミングよくその発表を見ることが出来ました。ストリートファイターシリーズの最新作「STREET FIGHTER V」の第二回ベータテストについても発表されていました!
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そのあとたまたま立ち寄った、台湾のゲームメーカー「Qubit Games」のこのゲーム、前から気になっていました!「キューボット」というスマホ向けのアクションタイトル。ゲーム自体はいわゆるスマホで人気の「引っぱりゲー」なんですが、世界観とか演出が僕好み。今回は日本でのリリースをしてくれるパブリッシャーを探していますとのことでした。東京ゲームショウは新作ゲームの発表だけではなく、こういった海外のメーカーとの商談なんかをすることもあります。特にビジネスデーの本来の目的という意味ではそっちがメインかもしれません。

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TGSで公開されたPVがあったので貼っておきますね。


SONYさんはVRについて今後ガチでやっていくでー的な感じでした。昨年FacebookがOculusを買収したことが原因かどうかは分かりませんが、つい先日SONYはPlayStationなどのFacebook連携のシステムを来年で終了することを発表しました。ってことは自社でVR頑張りますということなんでしょうか。ともあれ個人的にもVRを使ったゲーム、というかゲームに限らず色々な楽しみかたが広がっていくことを、すごい楽しみにしています。
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そして今回一番行きたかったブース、MAD CATZに行ってきました。MAD CATZは有名なプロゲーマーのウメハラさんを含め、同じくプロゲーマーのマゴさんや、ときどさんが所属している、海外のゲーム周辺機器メーカーです。

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って、普通にマゴさんいるやないかーい!

俺「マゴさんですよね?」
マ「あ、そうですー。」
俺「たくさんの試合、いつも観させてもらってますー!」
マ「ありがとうございますー。」
俺「この前のTOPANGA TVのユン対バイソン、面白かったですー!」
マ「あぁ、あんなこともありますよねー。」
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少しお話させていただいて、写真も撮らせていただいた。最後に握手までしてもらって、本当にプロゲーマーは気さくでいい人たちばかりだ。ちなみにTwitterでこの前観たという試合のオチが出回ってたので、貼っときますね。

って、後ろ振り向いたら普通にウメハラもいるやないかーい!
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ビジネスデーではあるけれど、来場者のリクエストに応えて試合をしてくれてたみたいです。思わず手元を撮りに行ってしまった。(格ゲー好きは試合の映像もそうだけど、上手い人の”手元”をしばしば見たくなるんです。)
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あー、ときどさんもいるー!大きい括りで言えば同じ業界の人なのに、もはやただのお上りさん状態。それだけ僕にとってはスターな人たちなんです。(全員年下だけど)
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って違う違う、そんなことをしにMAD CATSのブースに来たんじゃない。僕が将来的にやりたいと思ってるゲーム関係のことを調べるために来たんだった。というわけであっちこっちにディスプレイされている物を確認に。

MAD CATSのブースでは周辺機器の紹介はもちろん、それを使ったゲームのデモプレイが出来たり、ゲームの映像をTwitchやニコ生を使って誰でも簡単に生放送が出来るための機材なども展示されていました。

無料で遊べるスマホゲーム「GAME START 2015」と、スマホで使えるMADCATZのコントローラーによるデモプレイ。休憩中のウメハラさんが遊んでたので、少しだけお話させてもらいました。
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MADCATZの各種ゲーム周辺機器。もうSTREET FIGHTER V仕様のアーケードスティックが出てるんですねー。今はHORIの「RAL ARCADE PRO.V隼サイレント」を使っているんですが、MADCATZのも一台欲しいなぁ。
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こちら、台湾にあるAVerMedia社の「Live Gamer EXTREME」。誰でも簡単にゲーム機とパソコンを繋いで、ゲーム映像の録画や生配信が出来てしまうというもの。一昔前だとパソコンのグラボやらなんやらを一生懸命設定しないといけなかったりしたんだけど、最近はニコ生、Youtube、Twitchなどの生放送が更に勢いを増してきているので、こういった初心者でも分かりやすいものがどんどん出てくるのは嬉しいの一言。それにしても小さい!軽い!俺も欲しい!最新シリーズでも25,000円ぐらいなので、結構安いと思います。

ちなみにAVerMedia社にも、台湾のプロゲーマー、Gamerbeeさんがいますよ!
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というわけで東京ゲームショウというよりも、ほとんど格ゲーレポートになってしまいました。他にもいっぱい写真撮ったので、まだ東京ゲームショウに行ったこと無いよ!というかたは、会場の雰囲気だけでも感じとってもたえたらなと思います!というわけで後編レポでは一般日のことも書きたいなと思いまーす。

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Lv.93 ねずみ小僧と石川五右衛門



なんだかよく分からないタイトルですね。一応自分なりに意味はあるので適当に。

ゲーム業界に入ってから今まで、本当に色々なお仕事をさせてもらいました。3Dのグラフィックデザイナーに始まり、UIやらアイテムのデザインやらをやらせてもらいつつ、ある時に「あぁ、このままデザイナーでいちゃ駄目なんだな。」と思ってからは、ゲームプランナーとしてのお仕事をずっとやってきました。

職種で言えばデザイナーからプランナーになったというだけのことなので、そんなに珍しい話でもありません。実際にプログラマーからプランナーになった人もいるし。デザイナーからプランナーになってまたデザイナーに戻った人もいます。

そういったこととは別に「仕事の仕方」というのも、職種以上にやりかたを変えてきた、もしくは変わってきたなと、特にここ数年感じています。

若い頃はとにかく技術も知識も先輩に勝てるわけ無いので、とりあえず作業スピードだけは意識しながらやっていました。これってどんな仕事にでも言えるんですけど、先輩や上司は一年目二年目に自分と同じようなスキルを求めていません。出来るわけ無いので。そうなると「頼んだ仕事を誰よりも早く、正しく仕上げてくれる。」ということ自体が、若いうちは評価に繋がりやすいからです。

当時は評価されるためにそうしていたわけではありませんが、自分なりに「5日かかる仕事を3日でやれば、残り2日でもっと良くできんじゃん!まぁオトク!」ぐらいの考えは持っていたように思います。

そういったようなことはある程度場数をこなせば、誰にでも身に付くものでもあったので、数年もしないうちに「次のフェーズ」に進むようになりました。それは「自分が頑張るんじゃなくて、周りの頑張りが生きるような状況を作る。」ということでした。

僕がゲーム業界に入って初めてやったプロジェクトは、長い期間生みの苦しみに耐えている状況でした。メンバーはいつまでこの状況が続くのかと、だんだん元気も無くなってきたり、時には殺伐とした空気になっていたりもしました。僕自身もまだ経験が無いなりに、その状況をどうにかできないかと考えていた時期です。そういった気持ちと、冷静に考えた時に「このプロジェクトのどこがいけないのか?」を掛けあわせた時に、「プランナーがしっかりしていないと、プロジェクトは右にでも左にでも転ぶんだな。」ということを強く感じました。

僕がプランナーになったきっかけは、実は最初からゲームプランナーになりたかったわけではなく、そういったネガティブな状況のプロジェクトが元だったのを、今でもよく覚えています。当時は考え方も若かったので「こんなおっさんよりも俺がプランナーやったほうが全然マシだ!」と息巻いていたので、半分は怒りでプランナーになったようなもんでした。

いざプランナーになってみると、当然ながら外側から見ていた以上に大変な仕事でした。こういう言い方もなんですが、デザイナーやプログラマーはある意味「オーダーが来て、その通りに仕事をやればいい。」という側面があります。方やプランナーは、その元となるオーダーの部分を、考えつつも作りつつも急ぎつつも、他のメンバーよりも先回りしてアレコレやらないといけない仕事です。

「え、仕様書って何?」「あのプログラマー、俺の資料に怒ってるんだけど、何が足りないの?」「あと何ページ作ればゴールなの?」「〆切はあるの無いの?」「取引先がいきなり追加オーダーしてきたけど、どうすりゃいいの?」

こんなことばかりでした。一応自分でプランナーになりますとデザイン上長に言った手前、毎日キツイなぁと思いつつも、そこでへこたれるわけには行きませんでした。必死こいて頑張ったおかげか、デザイン上長には「前よりも全然ゲーム面白くなった。」と言われましたが、いずれにしても商品と呼べるレベルには程遠い状況だったと思います。

最初に働いた会社が少人数だったということもあり、なんでもかんでもやらされていたのはキツかったけど、いざ転職して大きい会社に入って分業になった時には、「あれ、なんか仕事がスゲー楽だぞ。」という感覚がありました。自分なりに最初の修羅場を超えていたたのかもしれません。

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そこからは、やはり場数的に色々なプロジェクトでプランナーのお仕事をしていくうちに、物量をこなすのは別として、少しずつゲームプランナーというお仕事には慣れてきたので、以前のようなキツさは感じないようになりました。そして気付けば、自分にも後輩といえるような奴が近くにいたりして、いつの間にか自分は「教える側、引っ張る側」になっていたことに気付きました。

最初は「一緒に頑張ろうぜ!俺も負けないぐらい頑張るぜ!」みたいな感じで一緒に手を動かしていたんだけど、ある時「あぁ、それだと限界あるな。てか駄目だわ。」と思うことがありました。要するに、自分も一緒になることで後輩に対して「ほら、俺も頑張ってるよ」というのを見せたかっただけで「チームとしての成功は何か」ということとはちょっと違う動きをしてしまっていたんだと。もっと言えば後輩に認められたい=先輩として揚げ足取られないようにという、自衛的な動きをしてしまっていたような気がします。

それに気付いてからは、自分が手を動かすことよりも、現場に多少負担がかかったとしても、「チーム全体として、プロジェクト全体として正しい動き」になるようにという意識で、仕事をするようになりました。多分、ここらへんはディレクターやプロデューサーみたいな、プランナーの上位職になるためには、必要なスキルかもしれません。

まだ経験が若い子たちからすれば、「あのプロデューサーはいっつも仕事もせずに、一体何やってんだよ。」とか思う場合もあるかもしれませんが、意外とチームのためになるようなことを裏ではいっぱいやっていたりするので。(いつか気付いてくれたら嬉しいなぁ) 

で、そういうことが大事だなーと思ってからは、裏方と申しますか、影忍と申しますか。自分がなるべく目立たないように、物陰から手裏剣をシュパっと投げて、一撃必殺一件落着。金の分は仕事したぜ。って言っていつの間にか姿を消すような仕事のしかたがカッコイイと思っていました。あ、それがここで言うところの「ねずみ小僧」です。目立ってないけど仕事してます的な意味で。

若い頃は同じチーム同士でも、上司に対して「ほら、俺が一番頑張ってるでしょ?すごいでしょ?」みたいに、隙あらば自分が目立とうとしていたところ、多分あったと思います。でもそれって、やったとこでなんの意味も無いし、最終的にはチーム力でなんぼだもんな、と気付いてからは、随分と仕事が楽になりました。その頃からかなー。自分がどーのというよりも、後輩や部下に「成功体験させてあげたい」って思い始めたのは。最初の会社に限らず、結構不遇なプロジェクトに携わる機会が多かったのもあったかもしれません。

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で、ここ数年は「やっぱりそのやり方でも限界あるなー。」と思っていたんです。影忍的な仕事のしかたが自分の中では結構な期間、美学だと思っていました。オサレやん、みたいな。でもそれだと、自分が今までやってきた経験を伝えていこうと思った時に、アクションできる幅というか、量が小さいなと。

もっとゲームのお仕事に自分自身が熱中できて、なおかつ他の人にも良い影響を与えられるようにと考えるならば、影忍的論法じゃ多分駄目なんだ、もっと目立たないとかもしれない。少しずつそんな風に考えるようになってきました。ほんとにここ数年。

で、じゃあどうしようかと。目立つったって、Youtuberとか生主になろうなんて思わないし、それをやって意味があるとも思えない。でも「何処か目立つとこに自分から立つ必要はある。」と。そういうことも根底にはあったのか、ネットにスライドをアップしてみたり、ゲームプランナー本を書いてみたり、このブログを始めてみたりと、自分が今まで経験してきたことが誰かしらの役に立てればいいなー的な動きになっていきました。

僕自身ぜんぜん有名なクリエイターでもないし、誰もが知っている人気ゲームのプロデューサーをやったことも無いけれど、逆に考えれば「いつまでもそんなこと言ってたら、恐らくいつまでもやらない。」と思っていたし、それに気付いた時点で「他の人がやらないなら、俺がやればいい。」と吹っ切れたからです。日本人だと「いやー、僕なんかまだまだですよー。」とか「なるべく目立たないように、日々平穏に。いざこざには巻き込まれないように。」って人も多いし、僕の中にもそういう気持ちはあるんだけれど、少なくともゲームプランナーとして本気でやっていくんだったら、それじゃ駄目だと僕自身は思っています。あ、ここらへんが石川五右衛門ね。要するに、同じ悪党やるならコソコソやるより大胆にやれよ的な。

もっと言えば、というか言葉は悪いけれど、そうやって自分に無意味な制約をつけてる人って、本気でゲームの仕事をしたいとは思っていないんじゃないかなーと思っています。プロジェクトが悪い上司が悪い会社が悪いとか言いながら、かと言って状況を変えようと自らアクションするわけでも無く、でも会社を離れるわけでもなく。個人的にはそれで本気だって言われたらゲーム屋としては情けないと思うし、それは「ゲームという仕事に携わりたいだけ」なのかな、と思っています。

そういう人がいても良いとは思うけど、少なくとも自分以上に頑張っているような人達に対して自分は同等だなとか、俺もクリエイターだぞ!なんて思わないで欲しいなぐらいの想いではいます。言い方を変えれば、周りに自分よりも凄いなー、尊敬するなー、カッコイイなーって人がいたとしたら、技術や経験も去ることながら、そういった考え方や行動に違いがあるのかもしれません。いや、知らんけど。

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僕も言いたい放題は別に好きでもないし、それ自体が目的ではないです。どちらかと言うと、これからは自分自身が名前も顔も出して全ての発言や行動に責任を持ってやっていこうと決意したというか。そんなこともあって、ようやく自分の会社を作るって話なんですけど。前置きがクソ長かったね。もっと言うと会社の名前をずっと悩んでたので、決まってからブログでも書くかーぐらいの気持ちで書いたら、こんなんなっちゃった的な。

あ、で、会社の名前は「ゲームのチカラ」 にします。ほんとはもうちょっとオシャカッコイイ系の名前も考えてたんだけど、こっちのほうが何年経っても自分でちゃんと責任持ってやれそうだから。昨日だか今日だかに思いつきました。うん、でも多分大丈夫。

そんなわけで10月からはこの名前で頑張りまーす。
投資家のみなさん、無担保でお金貸してくださーい。(・ω<)bb

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Lv.92 リアルとリアリティの違い



ゲームを彩る上で重要なこととして、世界観や物語、キャラクター設定、演出などがあります。僕はプランナーの仕事の中でも特にそこが苦手なので、お仕事としてはなるべく引き受けないようにしています。とは言えそこがあるのと無いのとではゲームの出来栄えが別ゲーかと思うぐらいに変わってくるので、軽視するわけには行きません。

元となる世界観や物語などの設定については他のプロのかたにお願いしますが、それらがちゃんと生きるための「根本にある動機(バックボーン)」や、最終的な「仕上がり」については、きっちり責任を持ってやる必要があります。

ゲームの世界は現実的なものばかりではありません。例えば剣と魔法の世界だったり、超人的な必殺技を持っている人間がいたり、巨大ロボットやらタイムマシンやらが当たり前に出てきたりします。そういったファンタジーと言うものは「非現実的」という捉え方ができると思います。現実ではありえないからワクワクする。現実にこんなことがあったら凄いよなーという想像でワクワクする。マンガやアニメ、ゲームが好きな人だったら、そういった何かしらのファンタジー的な部分に何度も魅了されてきたと思います。

かと言って、ファンタジーだったら何でもかんでもアリなのかと言われると、意外とそういうこともありません。ファンタジー世界の人達だって食事もするし、疲れたら睡眠をとる。家族がいたり、学園生活を送っていたり、賞金首を狙うハンター=それを生業として生計を立てている人なんてのもいます。こんな書き出しかたをすると、結構普通の現実世界と共通することが多いと思います。

こういったファンタジーの世界を描く際に個人的に重要だと考えているのがいくつかあって、「バックボーンはキッチリ作ろう」と言うことと、その上で「どこをリアルにして、どこを嘘にするか?」ということです。もう少し言うと、「リアルとリアリティの違い」を明確にすることが大切だと考えています。

例えば剣と魔法の~みたいな世界を作る時、じゃあその剣の腕前はどこで習ったの?とか、魔法は誰から教わったの?というようなバックボーンを設定することは、世界観や物語の深みを生み出します。ここを「生まれた時から何も考えずとも、何故か出来てしまっていたんだよ。」としてしまうと、一気に世界が薄っぺらいものになってしまいます。その先の物語もかなり展開しにくくなるでしょう。

ドラゴンボールの孫悟空が、実は生まれたての時に地球を滅ぼすために送り込まれた宇宙人だったって設定、初めて聞いた時はビックリしたものでした。どう考えても後付けだとは思いますが、そういったバックボーンをあてがうことで、一気に物語が立体的でドラマティックになります。ワンピースが早い段階で人気を得た理由の一つに、主人公となるメインメンバー達の子供の頃にあった出来事を、サッサと表現したことはあるのかなーと思います。

人間はそういった人物のドラマに振れることで、よりキャラクターに対して愛着や共感がわくからです。そこがあまりにも非現実的だったり、読者の感覚とは違うものだったら、そこまでキャラクターに対する愛着がわかないと思うので、そういった点でワンピースは上手いなぁと当時から思っていました。

こういったことをキッチリ裏側に設定してあげることで、プロのかたに頼む場合も「なるほど、このキャラクターは人見知りに見えるけど、実は優しい心の持ち主なんですね。」とか、「こういう性格だったら、しゃべり方は結構キツイ感じのほうが似合いますね!」と言ったような、キャラクターを仕上げる時の大きなヒントになります。

これが「主人公、男、23歳」「ヒロイン、女、17歳」ぐらいの設定だけでシナリオライターのかたに頼むようなことがあると、ワケガワカラナイヨとなってしまいます。それぐらいの設定だったらバカでも出来るし、他のゲームの23歳と何が違うのかも分かりません。かと言って「剣の使い手、熱血漢、車輪眼の持ち主」とか足しただけでもぜんぜん駄目。よく素人の同人モノとかでそういうの見ますけど、めちゃんこ寒気がします。

ここで足りないと思うのは、どこで生まれてどんな生活を送ってきたか。その場所はどんなところか。そこで育つことでどんな性格になったか、物語の中で今主人公はどこに向かおうとしているのか、その理由は?と言ったようなことを、キッチリと作っていく必要だということです。それがあることでようやくシナリオライターさんは、「だとすると、こういう部分はこうですか?」とか「次の展開を考えると、ここでこういうことを主人公はしそうですよね?」と言ったような、質問や提案が上がってきます。

こういったバックボーンというものが無い状態では、RPGだけに限らず、他のゲームを作る上でも足りないだらけになりがちなので、きっちりとそういった世界観のセットアップはしましょうねというお話しです。マリオですら「ピーチがさらわれたから助ける」という明確な理由がありますし、スト2のリュウですら「俺より強い奴に会いに行く。」とか、20年以上言い続けています。こういったステレオタイプなりにも、ちゃんとした動機を持っていることは、その後の世界を広めるという意味では、とても重要なことです。

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そしてもう一つ重要視しているのが、そういった世界を演出する上で重要になってくる、リアルとリアリティの部分。ここは人に寄って表現方法や感覚的な部分に差が出るのですが、苦手なりに僕の考え方はこうだよぐらいに思ってもらえればと。

例えばロボット物のアニメなどで、自機に致命的なダメージを受けた時、コックピットに搭乗している主人公が、やたら色々なパネルをいじったり計器を確認したりするシーンがあります。主人公としては不利な状況ではあるけれど、なんとかそれを打開したいという気持ちと、それに伴った焦りが感じられる緊迫したシーンです。

このシーンをリアルに考えてみると、そういった焦っている状況に対してやたらと確認項目が多かったり、複雑な手順を踏まなければいけないというロボットの設計自体が良くない、という見方もできます。アレコレ操作するのを全部オートメーションにしておけばいいじゃんとか、複数の操作をしなければならないところを、ボタン一個で済むようにすればいいじゃんとか思うわけです。

でも、そうしてしまうと「致命的なダメージを受けた→すかさずボタンを一個だけ押す」という流れになり、「それは確かにリアルかもしれないけど、焦る感じがまるでゼロ」となり、リアリティからは遠くかけ離れてしまいます。

ここで言うところの「リアリティ」というのは、ロボット自体の設計がリアルであることは重要ではなく、「焦っているシーンであること」としてのリアリティが必要となります。そうなると、アレコレいじらないといけないほうが、結果的に「リアリティ」は感じられるという論法になると思います。これがいわゆる「リアリティを感じるための嘘」とでも申しますか、結構そういう視点で観るとアニメとかゲームでは、そういった論法をよく見かけると思います。

他にもドラマなどで観られる、セキュリティの硬いパソコンやネットワークなんかを、やたらキーボード操作だけでカチャカチャやって突破する、なんてシーンがありますが、そこも「マウス使えや」とした時点で、何かリアリティからかけ離れるような気がします。

これは、マウス=誰でも使える=庶民的、という無意識の常識があることに対し、キーボードを使う=賢そう、というイメージを誇張するために行われているものと考えられます。「セキュリティを突破できる=頭いい奴」ということを、映像を通してそれっぽく見せるための手法というわけですね。 

宇宙船がやたら隕石をかわすシーンも、屈強な刑事が鍵のかかったドアノブを拳銃一発で破壊するのも、お爺ちゃんが名探偵でことあるごとに殺人事件に巻き込まれる高校生も、宇宙を舞台にした話なのに全員地球語喋れるのも、現実的に考えれば「んなわけねーだろ!」と思うわけですが、そこはここで言う「リアリティ」を表現的に突き詰めていった結果なのだと思います。

ゲームなんかでもそういったことを表現するために用いられているものがたくさんあります。例えば飛空艇ってなんであんな設計で飛ぶんだよとか、なんで死んだ人間が教会に行くと生き返るんだよとか。全部「不思議力(ヂカラ)」って言ってしまえばそれだけなんですけど、何でもかんでもそれで片付けてしまうと先ほど話したバックボーンが薄くなったり、リアリティが無くなったりします。

ここは不思議力なりにちゃんと理屈、というか屁理屈を考えて、その中でプレイヤーである「現実の人」がスッと受け入れてくれるようにしていく必要があります。 宇宙人がやってきてーとか、隕石が降ってきてーとか、時空の歪みがどーたらでーとかとか。なんにせよそういったきっかけを一つ作って、そこから全ての状況が一本の線に繋がるようにさえ考えていれば、この「非現実的な世界」と「リアリティ」は同居できるんじゃないかなーと思います。

長くなったので今日はここらへんで~( :3 )<

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Lv.89 イベントレポ「ゲームプランナー就職クエスト2!」



というわけで、先日からTwitterやらなんやらでお伝えしていた自主イベント「ゲームプランナー就職クエスト2!」を、株式会社マイネットさんの新オフィスで開催させていただきました!

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あいにく天気が悪かったのもあってか、以前よりも参加希望者が少なかったものの、内容自体は前回にも負けず、充実していたのではないでしょうか?急な予定や都合で参加ができなかったかたもいらっしゃったようなので、ここでなるべく伝えていければと表います。

その前にこのイベントの主旨を軽く伝えると、これからゲームプランナーになりたい学生さんや、別の業種で働いているけど本当はゲームプランナーがやってみたいかた向けの、就職「応援」イベントとなります。普通の就職セミナーと違う点としては、自社アピールや採用目的が中心ではなく、まだゲーム業界に入りたての若手や、もう少しだけ先輩の人達から「ゲームの仕事ってどんなかんじなの?」「どんな勉強をすればいいの?」と言った疑問のヒントになるかもしれない内容を、プレゼンテーション方式で発表していくというのが主旨になります。

また、いわゆる企業の就職セミナーというと広い会場でーとか、スーツでーとか、マナーがーとか、どうしても参加する側が緊張してしまうような場面であったり雰囲気があるかと思いますが、就職クエストに関してはぜんぜん私服でいいですし、そういった固い感じはむしろNGぐらいのつもりでやっています。

あとプレゼン以上に重要だと思ってるのが、アフターの懇親会です。普通に飯を食べて、お互いに名前や顔を覚えてもらいつつ、聞きたいこと言いたいことを遠慮無く出し合うっていう。ここが結構就職セミナーだと、意識してかしないでか「意識高いアピ系」「他とは違う視点で物を考えてますアピ系」みたいに、実は微妙に本質からズレたような会話がされてしまうケースもあると思ったからです。

もうちょっと言うと、学生さんたちにしてみれば「ゲーム業界ってどうやって入ればいいの?」とか「業界の人ってどうやったら会えるの?」というのが基本的にあると思っていたので、こういった「きっかけ作りそのものに価値がある」と感じていたりします。

というわけで本題。今回も僕を含めた5名の発表をさせてもらいましたー。(・ω<)b
1「ゲームプランナーの仕事ってどんななの?」
2「社会人一年目だって超活躍できるんです!」
3「学生時代にコレやっときゃ良かった。」
4「絶対ゲームプランナーにはなるな!!!」
5「大手のプランナーとベンチャーのプランナーの違い」

1「ゲームプランナーの仕事ってどんななの?」
僕の担当パート。前述の通りゲームプランナーになりたい人達向けなので、ここは毎回前説的にやる予定になっています。内容としてはゲームプランナーって言っても結構細分化されてるんですよーとか、面白いことを考えるだけの仕事じゃないんですよーみたいな、基本中の基本です。ついでなので僕が過去に作ったゲームの紹介とか、僕がユーザーとして好きなゲームを紹介させてもらったりとか、文字数少なめ色合い多めのスライドで掴みにしたいなと。あとどさくさ紛れに自著の宣伝をさせてもらうのは毎度のこと。

個人的にはせっかく時間を割いて遊びに来てくれてるのだから、入り口から「あー、やっぱりゲームの仕事楽しそうだなー!」と思ってもらえるようにしてるつもりですが、どうなんでしょう。あとは一応トークの一発目なので、お固い雰囲気じゃないんですよーって感じで、来てくれた人にも、次の発表する人にも感じてもらうってのを気をつけていたりしまーす。

2「社会人一年目だって超活躍できるんです!」
こちらはマイネット、「神姫覚醒メルティメイデン」のディレクターであり、脇フェチの松本さんの発表。実はこちらも前回と同じ内容が中心となっており、彼が新卒一年目にどんなことを勉強してきたのかを時系列で追っていくという内容になっています。学生さんが多いイベントなので、業界一年目二年目の若手からのトーク内容には純粋に興味があると思うし、十年選手の僕なんかが話すよりも、よりリアリティを感じてもらえるのかなーと言うのが狙いだったりします。また、彼は若手の中でも期待のエースなので、一年目にしてゲームディレクターになったということ自体が、これからゲーム業界を目指すかたにとっては、とても夢のある話なんじゃないかなーと思います!

前回のイベントの際には「自分の考えた美少女のほうが優れている。先輩は間違っている、まったくもってセンスが無い。」 というくだりがあったんですが、今回はその先輩も登壇側にいたので、表現が偉い丸くなってましたww しかも前回のイベントにも来てくれた子達から「今回はあのくだり無いんすねww」って突っ込まれる始末。そういったラフなコミュニケーションも、このイベントの魅力のような気がしています。

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3「学生時代にコレやっときゃ良かった。」
これまた業界一年目のホープ、マイネット溝口さんの発表。他のかたの内容が「ゲームの仕事はこんなだよ。」「こういうことを経験したよ。」であるのに対し、自身がこの数ヶ月で経験したことからもっと学生の頃にこういうことをやっておけば的なお話しをとても丁寧に説明してくれました。確かにこの視点って学生のかたたちにしたら、とても有意義な情報だなーと思いました。

個人的に一番良いなと思ったのは「ゲームが好きなだけじゃ駄目」で、「作ることも好きじゃないといけない」という点です。これはゲームのお仕事をしている人達なら殆どの人が感じていることだと思いますが、ただ単純にゲームが好きなだけだと、かなりキツイ仕事に感じてしまうと思うからです。その上で言葉で伝える力や、ゲーム以外にももっと「世の中にある楽しい」を体験しておくことは重要だということを、熱を入れて語ってくれました。
 
いやー、マイネットの一年生二年生が優秀すぎて草生える。僕なんて一年目はお絵描き(元グラフィックデザイナー)してれば良かっただけなので、基本なんにも考えていませんでした。
 
4「絶対ゲームプランナーにはなるな!!!」
こちらもマイネットの先輩、「ファルキューレの紋章」のプロデューサーの西村さんのセッション。就職クエストだって言ってるのにこのタイトル、僕が学生だったら気になってしかたありません。内容としてはけしてリアルにプランナーはヤメトケ的なお話しではなく、イメージしているよりも大変なこともたくさんあるんだよというお話し。それに加えて、学生のかたにはイメージがつきづらい部分としてプランナーとディレクターとプロデューサーの違いについて、「辛い部分だけ」にスポットを当てて説明していましたw 思わず後ろで見てた僕も「ヤメローwww」と声を出す始末。

でもそこはマイネットのトッププレイヤー西村さん、もちろんゲームのお仕事の良いところについても語ってくれました。特に印象的だったのは、「自分たちが頑張ったことを何万人、何十万人に届けられること。」という点。ここは僕もこの仕事をしていて気に入っているところで、お店屋さんでは一日に何万人というお客さんと係ることは無いけれど、スマホなどの運営型ゲームでは毎日何万人というユーザーと、ゲームを介してコミュニケーションをとることが出来ます。

ゲームの内容が良ければ楽しんでくれますし、悪ければ当然クレームやお叱りなどをいただくことも。そういったクリエイターとユーザーのコミュニケーションの場としてゲームが存在し、データ分析という形ですぐにユーザーの声が見えるというのは、ゲームならではの部分があるんじゃないかなと思います。

ちなみにこのかたが前回松本ディレクターにディスられた先輩だったので、ここはチャンスだと言わんばかりに後輩の松本さんをトーク中にディスっていましたw ほんとにいい会社だ。

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5「大手のプランナーとベンチャーのプランナーの違い」
こちらゲスト登壇者となる、アップランドから窪木さんのセッション。現在は発売前の新作ゲーム「少女兵器大戦」のディレクターをやっていらっしゃいます。

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色々なゲーム会社を渡り歩いてきた窪木さんならではの視点で、有名企業と立ち上げたばかりのベンチャー企業では、同じゲーム作りでもこんなに違うんだよ、というのを語ってくれました。例えば大手であれば資金がたくさんあるけれど、仕事が細分化されているから、掘り下げて技術や知識を学ぶのは難しいということや、逆にベンチャーでは予算が苦しい分、値段の交渉などの経験もしたり、スタッフの数が限られている分、なんでもかんでもやらなければいけない、工夫をしなければならないという点。

当日も窪木さんが仰っていたように、どちらが良いとか悪いとかというのは、自身がどんなことを学び、実現していきたいかによって変わるので、それぞれのメリット、デメリットを考えてほしいということでした。個人的には当日のたくさんのセッションの中でも、窪木さんのお話しは自身も勉強になりました。というのも、これからゲーム業界を目指そうとしている学生の人達にとっては、色んな会社があっても「中身が見えない」ものだと思うので、こういった生の現場や経験がアドバイスとなることで、就職したい会社に対する知識もそうですし、絞り方に対する視点も広がるのかなと思ったからです。

僕自身も今まで10社近くで仕事をしてきましたが、ゲーム会社と一つに言っても本当に会社によって雰囲気も違いますし、同じゲーム作りに対しても大事にするポイントが変わってきます。そういった意味で学生のみなさんには「将来自分がどんなクリエイターになりたいか?」を一度イメージしてもらい、それに合いそうな会社の情報を探していく、というのは良いかもしれません。

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そんな訳で今回も濃度の高いイベントに出来たのではないかなー?と思っています。学生とクリエイターだけの交流ではなく、同じゲーム業界で人気タイトルのプロデュースをしているかたや、大手出版社のかたにも来場いただき、こちらとしても新しい出逢いの場にできたことが嬉しかったです。それと、前回も遊びに来てくれた子が、今インターン?かなんかでゲームの会社で働き始めたみたい!この報告は嬉しかった!!

こうやって少しずつゲーム業界の輪が拡がっていけば、今以上にもっとたくさんの面白いゲームが出てくるんじゃなかなーと思っています。3回目4回目と懲りずにやる予定なので、ぜひとも次回は遊びに来てくださいねーっ!\(ΦωΦ)/ニャーッ!!!

Lv.86 ゲームプランナー本が増えてきたかも。



ちょいちょいAmazonで自著のランキングとかを定点観測してたりします。というか、いつになったら入荷すんだよチェックなんですけど。

そんなんやってると「この商品を買った人はこんな商品も買ってます。」に色々出るんですよね。近々ゲームプランナー向けの本が何冊か出るっぽいので、ぜひ興味あったら読んでみるといいかもです。ついでなんで読んでもいないのに個人的な感想を迷惑にならない程度に~。

ゲームプランナーの新しい教科書
基礎からわかるアプリ・ゲームの発想と仕掛け
9月1日発売 / 2376円 kindle版 2200円


完全なるライバルになりそうな感じ。営業妨害だよっ!!!星一つでレビュー書いてやるっ!!!嘘です。内容は自著と同じで初心者向けっぽいので、これからゲームプランナーを目指す人にはいいかもですね。自著とちょっと違うところだと、プログラマーを目指している人にもオススメ的に書いてあるので、ちょっと気になるところ。

ゲームプランナー集中講座
優れたゲームはテンポが9割

9月19日発売 / 3672円


サブタイトルがとっても気になりますね。ゲームを作る上ではとても重要なポイントですし、そこでまるっと一冊書いているんだとしたら、結構濃度が高そうかもしれない。自著ではその点については概論程度は書いていたけれど深堀りは出来てなかったので、とっても気になります。

売れるゲームのUI/UX
制作現場の舞台裏

9月1日発売 / 2808円


UI=どちらかというとデザイナー向けかもしれませんが、本来「UX」というのは「どういった体験をユーザーにさせるべきか?」ということなので、プランナーとしても知識や考え方を吸収するという意味ではよさ気かもしれません。最近UXデザイナーとかいう肩書きの人が増えてる気がするけど、UIとUXは全然別物だと俺は何度でも言うぞっ!

中ヒットに導くゲームデザイン
発売中 / 4968円

このタイトルは狙いすました感があってとっても気になります。というのも、ゲームに限らず「大ヒットの法則」「わたしはこうして成功した」みたいな本の場合、割と半分ぐらいが結果論だけ書いてあってなんにも参考にならないケースがありますが、そこであえての「中ヒット」っていうタイトル。スト4の中パンチかと思いました。「成功する」と「失敗しない」は似て非なるものなので、そういう考え方が学べるのだとしたら、かなり興味があります。

ゲームデザイナーのための空間設計
歴史的建造物から学ぶレベルデザイン

発売中 / 7560円


たけーっ!!!それは置いといて、この本で言うところの「レベルデザイン」は、著者が外国のかただと言うこともあるので、恐らく「空間設計」のことをさしていると思います。海外ではFPSなどのアクションゲームをシミュレーションと捉える場合があるのですが、そうなると空間に何を置くことでゲームがより面白くなるか、という観点から、空間設計=レベルデザインという思想が一般的です。日本でのレベルデザインというと、敵の強さとか、宝箱からレアアイテムが出る確率とか、パラメータ調整系の意味合いが強い場合が多いです。いずれにせよアクション性の高いゲームを作る際は空間的レベルデザインも重要なので、そういう意味で勉強することはとても良いと思います。しかし高い。

アプリ・ゲームプランナー完全マニュアル
超絶絶賛発売中売り切れ御礼 / 2052円


で、出~~~~~wwww 自分の本もついでに宣伝奴~wwwwww おかげ様で売り切れが続いているようなので、宝島社さんに増刷の依頼念押ししておきまーす。

ともあれゲームプランナー向けの書籍がジワジワ増えてるのはとても嬉しいことなので、こういうことが小さなきっかけとなって、優秀なゲームプランナーがどんどん生まれる時代が来ればいいなーと思っています!まぁ本を読んだだけでいっちょまえになれるわけは無いんですけど、こういった見える形でゲームプランナーっていう仕事の楽しさが少しでも拡がっていけば最高だなーと思ってまーす!(・ω<)b

最後に以前書いたブログも載せておくので、よければ参考までに~。
Lv.3 ゲームプランナー向けの本 45冊

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Lv.81 コンセプトとかいらないんじゃないの仮説



今日のエントリーはある種の思考実験なので、あんまり役に立たないかもです。

企画のお仕事をしていると、企画資料の中に「コンセプト」というものを入れます。これはゲームに限らず、その他の商品でもサービスでも、「基本コンセプトは◯◯◯です。」という、サービスの軸になる部分を一言で説明するために用いられます。そのほうがお金を出す側、判断する側が分かり易いからですね。必ずしも出資者の側がその類のサービスに精通しているわけではないので、余計にそういったことが重要視されるんだと思います。

僕もそういった類のことは常に色んなところでやっているのですが、最近思うこととして「そもそもコンセプトなんていらないんじゃないの?」と思うわけです。例えば新しいゲーム企画を考えます。「美少女でー、3Dでー、スマホでー、アクションでー。」みたいな。で、そこだけを抜き出したところで「似たようなものはいっぱいある。」となるわけです。で、似たようなものはダメなの?というと、以外と市場というものはそんなことが関係無いケースもあります。

例えばここ数年流行ってたようなソーシャルゲーム、カードゲームなんてものは、一体何個あるんだよと言わんばかりに各社がおんなじような物をアホみたいに出しています。ほんとに国内だけでも3ケタはあるんじゃないかと思うぐらい。ってことは99個は「何かしらの形でパクリ」なわけじゃないですか?似たようなものはいらない、価値が無い、市場に出すべきではないって理屈から考えれば、99個は「不要なはず」なんですよね。

でも、サービスの運営が続いているってことは、そこに一定の需要がある。会社的にも利益が生み出せている。となるため、「ほら、ビジネス的には全然アリなんじゃん。」 という真逆の結論が出るわけです。実際問題、タイミングさえ間違わなければOK的に他社のゲームをパクリまくって出している会社なんて、いくつもありますし、それでユーザーが遊びたい、楽しいと思わせてしまえば、オリジナルの出自なんてことはユーザーの知るところではない、というわけです。

じゃぁそういった世の中の屁理屈は良いとして、その似たようなゲーム100個の「コンセプト」は、それぞれ全部が違うものになっているでしょうか?西洋ファンタジー、学園美少女物、戦国女人化、三国女人化、スポーツ物、まぁ「見てくれの違い」という意味での大きな差別化はされているにしても、さすがに100個ともなるとダダッかぶりの物もあるんじゃないかと思います。要するに、明文化されたコンセプトなんて無い物もいくらでもある、ということです。

そうなると今度は「かぶらないように、かぶらないように」と、だんだんマニアックな方向へ見た目のコンセプトが進んでいってしまいます。戦艦の女体化とか、刀の擬人化とか、家電とか電車とかキノコとかとか。中にはそれでヒットしたものもあるんですけど、これがある一定以上の森まで迷いこんだ時に、誰かが冷静になって「…うんうん……いやいやいやいや!!」って突っ込まないと、本当に需要の無い物が生まれてしまうんですよね。僕から言わせれば企画提案者も経営者も何故もっと早い段階でそれに気付かなかったんだよバーカって感じなんですけど。むりくりひり出したテーマって、もはやソレ、コンセプトじゃないですよね。

かと言って経営者が「既存の物と被らない物を出せ!」とか言ってると、もはや詰んでるような気がするんですよね。「王道=NG、やりすぎな物=NG」って、ある観点からはダブルバインドなわけですし。被らないとうのは先述の通りユーザー的にはそこまで重要なことではなくて、そういったオーダーの根源は「我が社らしさ」とか言うイミフな企業のオナニー体質だと僕は思ってるんですよ。差別化とかって奴もあんまり僕は求められるのが好きじゃなくて。色が違うなら差別化だよバカ!と思うこともしばしば。

で、ですよ?そうなると「最初っからクソ真面目にコンセプトなんて考えないほうがいい。」という結論も、あながち間違ってはいないのかなー、と最近思うわけです。あくまで私的な考え方ですし、コンセプトそのものはいらないにしても「このゲームの一番面白いポイントは?」は絶対に必要なので、そこは履き違えないように注意するべきではありますが。

大体にしてほんとに頭の良い企画者であったり、投資を決定する側は「コンセプトは~」なんてクソまどろっこしいこと、言ってないと思うんだよな。「これを世間にぶっ込んだら沸くと思わない?」「それだ!10億出そう。」 ぐらいの秒殺で価値を決めると思うんですよね。何回も議論を重ねないと価値が見えてこないようなものなんて、最初の時点から怪しいと思っても、そんなに間違ってないのかなぁと。

そんなもんで、今後は企画書なり事業提案書を作る時は、敢えてコンセプトを書かないようにしようかなーと思っています。逆説的に「コンセプトなんて書いてなくても市場的価値を感じる。」物にすれば、結局は同じなのですから。おしまーい。\(ΦωΦ)/

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Lv.80 僕がアメリカに行こうとしていた話。



僕は大好きな映画の一つに「ヒックとドラゴン」というのがあります。シュレックやカンフーパンダを手がける、ドリームワークスのフルCG映画。昨年には続編が全世界で公開され、記録的なヒットを出しました。日本以外で。

実はヒックとドラゴン2は日本では公開されませんでした。僕は海外版の予告トレーラーが公開された時、ワクワクが止まりませんでした。一作目が本当に素晴らしかったので、かなり期待をしていただけに残念を通り越して、怒りすら覚えました。

何故公開されなかったのかについての詳細な事実は分かりませんが、シンプルに言えば「日本で公開しても興行収入が見込めないから」ということだと考えます。恐らく一作目が日本国内ではそこまで振るわなかったのでしょう。

僕はこの映画が大好きですが、パッと見の華やかさという点で、その他のCG作品、例えばトイ・ストーリーとかベイマックスとかアナ雪とかに比べてとても地味な印象を受けます。そういったことも要因なのでしょうか。それとは反して内容はとても素晴らしいのですが。

続編の映画公開を期待した日本のファンたちによる署名活動も行われ、その活動を知ったヒックとドラゴンの映画監督も署名を行ったにも関わらず、結局全国ロードショーというかたちでの夢が叶うことはありませんでした。

しかしその活動もあってか、2015年3月以降、映画イベント系や地方でのプレミアム試写会というかたちでの公開が続々と決まりました。そして、ブルーレイやDVDという形で、日本語版を含めた続編が発売となりました。(やったー!)

当然ファンとしては嬉しいわけですし、実際に続編を本国よりも一年遅れだとしても観られたことに、喜びもひとしおでした(ほんとにメチャクチャ面白いよ!)。前作を超える物語や世界観、演出、僕の歴代ベスト映画にランクインしました。すでに3の公開も決まっており、とても楽しみではありますが、果たして日本で映画として公開されるかは不明です。

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ここまでは別に個人的なファンとしての気持ちを書いただけなので、どうでもいいんですが、実はこういったことが、ヒックとドラゴンに限らず最近増えてきてると思っています。いや、よくよく考えていたらずっと前からかもしれない。

例えばPlayStation4は日本のSONYが発売しているにも関わらず、日本国内では海外よりも半年遅れての発売となりました。それならまだマシでXBox Oneなんて、事実上存在していないかのような扱いです。MicroSoftは結局今年、東京ゲームショウには出展しないことが決まりました。

こういった諸々のこと、なんででしょうか。簡単に言えば「日本という市場にサービスを投入する価値が無い、または価値が"下がった"」からです。昨今ではゲームも売れない、CDも売れない、映画も振るわない、エンタメ産業に限らず、「若者の◯◯離れ」と言われて久しい時代となってしまいました。

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僕がゲーム業界に入ってすぐの頃、周りに「十年ぐらい経ったらアメリカに行く」と言っていました。もともとCGデザイナーだったのもあって、ハリウッドのCG映画制作に携わりたいと思っていたからです。というよりも、その当時から「アメリカで売れるものは世界で売れる」と思っていたからです。映画にしてもゲームにしても音楽にしても、世界の基準はやっぱりアメリカだと思っていました。

要するに、どうせ同じ苦労をするなら「出来上がった物を出来るだけたくさんの人に楽しんでもらいたい」という欲求が、「イコールアメリカ」という答えになっていたんだと思います。

それから実際に十年以上の月日が流れ、思うことが3つあります。 1つは「日本でも世界で勝負できる土壌がこの十年で”少しは”できた」ということ。これは通信環境が整ったことによって、以前よりも海外に向けて日本から色々な物が発信できるようになったということでもあります。とは言え=「日本の作品が世界でも売れる」と考えるには、まだまだ足りていないというのが現状で、その根本には「日本人は英語ができない。英語圏の文化を知らない。むしろ必要性を感じていない。」ということに尽きると思っています。そして今後もその点については解決しないのでは、と個人的には思っています。

もしも、もう少し時代が進んでリアルタイムの音声翻訳等が発達したとしても、結局のところは言葉が分かるようになっただけで、文化に対する理解そのものが進まない以上、この壁を越えることは難しいと思っています。本当に他国の文化を知りたいなら、やはり体ごと持っていくだけの気概と覚悟が無い限り、永遠のテーマになるような気がしています。

2つ目に「やっぱり日本は置いてけぼり」だということ。前述の通り大きいビジネスを動かす際には日本が二の次三の次にされてしまう。これはヒックとドラゴンに限らず、今後も日本で起きうる話ですし、それを解決、脱却するというのは時代が許さない限り、難しい問題だと思っています。

そして3つ目。これはクリエイター目線なのですが、「日本人が日本人向けのものを作ってたらダメ」だということです。当たり前といえば当たり前、でも気付いてみたらなんで?と思うことの一つに、音楽でも映画でもゲームでも、「日本人は日本人のマーケットに対して作品を作る」のです。しかも無意識に。それを敢えて何故か?と言われたら「日本人だから」と答えるでしょうし、それ自体はなんの疑問も無いように思いますが、冷静に考えてみれば「世界中の人に見せたくないの?」と思うわけです。

そう考えるようになってから、僕は物を作る時に「日本人向けには作らない」ということを決めました。これは日本人を無視しようという話ではなく、「どこの国の人だろうが面白いと思える物を作ろう。」ということです。当然そこには日本人もいます。実際に、日本のゲームや映画でも世界中で受け入れられているものはたくさんありますし、特定の誰かに向けた物を作るという考え方自体が、ビジネス的にもどうなのよと思うからです。

似たような話で、かつては「日本で売れた!じゃあ海外でも出そう!」みたいなマインドプロセスがありましたが、全くもってそれではダメで、「最初っから世界を意識して作ったものかどうか?」 が重要になってくる、そういう時代が来てしまったんだと思います。日本は言語的にも文化的にもやはり島国的な思想が強い国なので、エンタメ産業がこうなるのも、ある意味必然だったのかもしれません。

長くなったのでおしまーい。とにかくヒックとドラゴン2は面白いよ!(・ω<)bドーンッ

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Lv.79 ゲームプランナー適正診断。



ゲーム屋さんなので、遊びでそんなものも作ってみる。
◯の数をかぞえてみよー!

1・ゲームプランナーになりたい
2・今でもゲームをたくさん遊んでいる
3・自分が興味の無いゲームでも、流行っていたらやってみる
4・算数は得意なほうだ
5・ゲーム以外にも熱中しているものがある
6・人と話すのが好きだ
7・同姓異性問わず、友達が多い
8・自分の好きなものを人にも薦める
9・ どちらかと言うと、話すよりも聞き役が多い
10・火中の栗は拾うほうが楽だ
11・ ゲームが好きだ
12・流行には敏感なほうだ
13・日々ネットや雑誌などで何かしら情報収集をしている
14・人を楽しませる、驚かせることが好きだ
15・週末は外に出ることが多い
16・ 趣味や授業でゲームを作ったことがある
17・プランナー以外にも、デザインやプログラム、音楽にも興味がある
18・ゲームに限らず、チーム制作の経験がある
19・学校やサークルなどでリーダー経験がある
20・XVIDEOをよく観る
21・尊敬するゲームクリエイターがいる
22・ファッションには気遣っている(身だしなみ程度でも)
23・ 周りの誰よりも詳しい、熱中している分野がある
24・ゲーム系のイベントやセミナーなどがあると、顔を出している
25・物事を決めるのは早いほうだ
26・ TwitterやFacebookなどのSNSをやっている
27・色んな人と食事や呑みに行くことが多い
28・お金が好きだ
29・おっぱいが好きだ
30・誰にも言えない秘密がある


~( :3 )<

30個「天才クリエイター」
1秒でも速くゲーム業界に来い。名声も富もキミのもの。

29~25個「トップランナー」
プロデューサーやディレクターなどのリーダーの素質あり。

24 ~20個「ゲームプランナー」
ゲームプランナーの資質あり。◯が3個増える努力を。

19個~15個「アシスタント」
業界には入れるが、いつまでも下っ端の可能性。

14個以下 「才能なし」
けしてゲーム業界に来るんじゃない。お前にも家族がいるだろう。 


すごいテキトーに作ったから責任とか持ちませんよ~( :3 )<
お友達にも試してみてねーっ(・ω<)b

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Lv.78 今日のゴール。



今日は大手企業に内定の決まった若手の子とご飯を食べてきました。来年の春までインターンという形で集合して、そこからは晴れてゲーム屋一年生としての道が始まるわけです。なんだろう、僕の場合は昔すぎて、自分がその頃何をやっていたのか、全然覚えていません。

今仕様書書いてるんですよー、結構締切が大変でー、プログラマーとちょっと関係がアレでー。みたいな、よく聞く話をしてもらいつつ、自分なりにアドバイスというか、こんなんどうですか的なことを一つ。

めちゃんこスピードを上げる、前にもブログで書いたと思いますが、スピードは武器です。おんなじものを半分の時間でできる。これは特に若手のうちは大きい武器になります。というか、逆に言えばまだ経験も無ければ特技も無い、センスなんであるかどうかも分からないわけですから、他の人と勝負できるところがあるとすれば、スピードぐらいしかありません。

可愛い女の子なら笑顔なり愛想なりが強烈な武器になるかもしれませんが、男の可愛い笑顔なんて見たくもありません。あとは元気ぐらいかなー。

ほんで、どうやったらスピードを上げられるかっていうのは前回書いたので良いとして、意識の問題というのも大事なポイントではと思います。例えば10時~19時の会社だったら、僕の場合は「その日の仕事は17時までに終わらせる。」という意識でやります。で、これがやってみると結構できてしまう場合もあります。(とうぜん業種や職業にもよりますが)

でも、ここで大事なのは「出来たか出来なかったか?」ではなくて「そもそもそういう意識を持って時間を使っていたか?」のほうが重要です。というのも、会社の規則では19時かもしれませんが、19時までに終わらせようと思ってやると、大体終わりません。会社が好きなのか残業が好きなのか知りませんが、大体そういう人は定時を過ぎても延々仕事をしているケースが殆どです。

当然どうやったって忙しい時期や、出来る人にばかい仕事が集まってしまうケースもありますが、基本的には労働時間は長ければ良いというわけではないのは常識ですし、もっと言えば法律で働き過ぎはよくありませんよとしているわけですから、上長が認めているにせよ暗黙のサービス残業にせよ、それ自体が良いということはありません。

そういったこともあって、僕はその17時までに終わらせるという意識は常に持つようにしています。それは別に意識高い系とかそういうことではなく、「早く終わらせて損することは何も無い。むしろ得することが多い」からです。

例えば上司に「この資料、5日で作って」と言われたとして、僕だったら「なんとか2日で作ろう。」と思います。もしも成功すれば3日も余るし、予定より一日遅れたとしても、まだ2日余っています。スピードが速いことよりも、この「時間が余る」ということが、後々大きいアドバンテージになります。

例えば上司に資料を早めに見てもらって、OKかどうかを確認すれば、修正の時間に充てることもできます。もしもOKであれば、とっとと次の仕事に着手することもできるし、 なんだったら気楽にYoutubeでも見てられるし、「最近ゲームを遊ぶ暇が無くて…」とか言ってるような人であれば、他社のゲームを研究する時間に充てられるわけです。定時になったらサッサと帰って、家でゆっくりするなり遊びに出かけるなり、好きなことをできる!どう考えても良いことしかありません。

仕事もやり切った!遊びもやり切った!今日の俺ゴール!!!と一日単位で自分を評価してあげられたほうが、次の日の自分もやる気があるし、ゴール設定が短いほうが人間は頑張りやすいというのもあるので、まずは意識として「17時で終わらせる。」と思ってやることを、個人的にはオススメします。あとついでに、「家に仕事を絶対持ち帰らない。」これも結構色んな意味で大切かと思います。

どうやったらスピードを上げられるかなんて細かいテクニックについては、ツールを死ぬほど使い倒せとか、ゴール設定を先に明確にしろとかぐらいしか無いので、そこについては自分流の方法で最速目指してくださーい。

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Lv.77 相棒制度



僕がゲーム業界の中でも、不可知論的に信じていないことがあります。それは「プロデューサー兼ディレクター」という肩書きです。

仕事上押し付けられた、会社がまだ未成熟で、なんでもかんでもやらなければいけない状況だ、とか、そういう意味でなら分かりますが、本人が自信満々気にその肩書きを見せびらかそうとしているような人だったら、それが例え先輩だろうが有名なゲーム会社の人だろうが、僕は信用しません。

何故かというと、単に「全然別の仕事」だからです。ただでさえ一つの仕事だけでもフルパワーでやったら時間が足りないぐらいの大変な仕事なのに、それを二つも同時にキッチリこなす超人なんているでしょうか。少なくとも僕は「この目」では見てません。

もしそういった肩書きで傍目にバッチリ仕事をしているような人がいたら、恐らくは現場を丸任せにできるリードプランナーか、ないし外向きのスポークスマン的な存在がいるに違いないと思っています。

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僕は新しいチームや会社で仕事をする時に、まず「相棒探し」をします。しかも必ず二人。例えば取引先の期待役割が「ディレクター」だったら、「プロデューサー」と「プランナー」で、相棒になれる人を探しますし、横の連携という意味では「テクニカルディレクター」と「アートディレクター」を探します。もしもいなかったとしても、会社に要求するなり、名指しであなたにお願いしたいですと伝えて、 先ずは先に「チーム構成」を固めてしまいます。

他にも「ゲームのKPIを見てほしい」と言われたら、自分は"運営プランナー" という認識になるので、"開発をリードできるプランナー"と"データをじゃんじゃん作るプランナー"を探します。「ゲームの面白さ責任者」という立場だったら、「資金繰りの責任者」と「演出、世界観の責任者」を必ず確認してから動きます。

何故そんなことをするのかと言うと、前々から言っている通り、ゲームを作る仕事は「チームワーク」で成り立っています。ということは、チームの最小単位である「相棒」がいない組織では、チームどころかただの「グループ」になってしまう。要するに「チーム力が激減ないし無い状態」になるからです。サッカーなんかで例えればわかりますが、フォワードとキーパーを一人の人間が同時にすることはできません。レストランでも、店長としてホールでウェイターを捌きながらチラシを配りながら、キッチンで今日の天気や湿度に合わせて塩加減を調整することなんてできません。

要するに、ゲームだろうが他の仕事だろうが、必ず誰でも相棒が必要になります。上司とか部下とかではなく、仲良しでも友達でもなく、相棒。

そういえば最初に関わったプロジェクトでは孤独だった。今思えば「やる気のある奴にどんどん押し付けよう」という汚い大人たちにまんまとハマっていたのかもしれません。その後無意識に学習したのか、なんやかんやでその時々に相棒と呼べる存在がいたように思います。(向こうがそう思ってるかは知らんけども)

>( ε: )~

そして、相棒ができた時にすごく重要になってくるのが、「お互いが腹を割って話せるか」です。ただ役割をきめただけでは殆ど意味がありません。役割に囚われすぎているチームの場合、その意味が「なんかあった時に誰の責任にするか?」といったマイナスのトリガーとして機能している場合も少なくありません。面白いゲームを作りましょう、それで一儲けしましょう、というシンプルな目的から言えば、あまりにも無駄な時間とエネルギーだということが分かると思います。 

なので、僕は相棒に対してはいくつかのことを必ずします。ちょっとでも参考になれば的に書きます。

1・どこを目指すべきかをしっかりコンセンサスをとる
2・お互いの状況や得意事を把握する
3・同時に、お互いの「苦手」なことを共有、把握する
4・良い面だけを見せずに、困っていることはキッチリ話す
5・あとは優先度と時間の限り、お互いがお互いの仕事を一生懸命やる

わりとシンプルだと思うんですが、どうでしょう?まだ学生のみなさんにはあまり実感がわかない部分もあるかと思いますが、もし親友といえる友達がいるとしたら、上記の1~5がハマっているんじゃないかなーと思います。

仕事においては相手に100%の満足を得るのは難しい問題だと思いますが、上述のようなプロセスを踏むだけでも、お互いの信頼関係は一気にアップしますし、それが連鎖して「みんなに相棒がいる状態」となれば、それが大きなチーム力になると僕は考えています。

「うちは人数が少ないから相棒なんて無理だー!」とか「あんな奴と相棒になるなんて願い下げだー!」なんていう声なき声が会社さんによっては聞こえてきそうですが、人が足りないならサッサと上長に進言すべきですし、アイツが嫌いコイツがムカつくとレベルの低い話をしている暇があるぐらいならその時間で手を動かすべきだと思います。

だって、ゲームを面白くする、正しく作る上では"そんな事情"は知ったことではありませんし、そんな「時間が無い、お金が無い、相棒がいない」というクソみたいな状況で互いが互いに人のせいにしているような状況だったら、「じゃぁもうゲーム作らなければいいじゃん。とうか絶対作っちゃダメでしょ。」としか言えなくなりますもん。

発想と情熱だけで完遂できるほど、ゲームのお仕事は簡単ではないと思いますし、そういった地味で見えない部分に力をキッチリ入れている会社なりチームなりが、後から物凄い面白いゲームを発表したりするケースが多い、というのが個人的所感です。

泥の掛け合いしかしていないクソみたいなチームから名作が生まれてしまったら、逆に予定調和のクソゲーならぬゴミゲーが世の中に出てしまったら?いずれにせよ、たまったもんではありません。長くなったのでおしまーい。(・ω<)b


Lv.76 アホでも分かるように。



最近は久しぶりにゲームデータをカチャカチャと作っていたりします。ちょっとだけストレス。

何がストレスかっていうと、ゲームデータの設計であったり構成であったり思想であったりが、とてつも分かりにくい作りになっています。ゲームというのはチーム仕事ですから、そういったデータであったりプログラムであったり、仕様であったりというものを、みんなでよってたかって作ります。

かと言って「元を作った人間と、それを使う人間」が同じ人とは限らないので、自分にしか分からないような設計は、本来避けるべきなんです。

でも、それが出来ないプランナーは結構多いですし、プログラマーにデータシートの設計を任せっきりにした→すげー使い辛いのが上がってきた→本人曰く「データとして流し込むのにはこれが一番良い」とか言い出す→使いやすいかどうかを決めるのはこっちだよバカヤロー、みたいなショートコントはどこでも起きています。

ほんとにタイムマシンがあったら、こんなクソみたいなデータ設計作った奴を殴りに行きたいとさえ思います。

ここからは少し僕流の考え方になってしまうのですが、「データシートの設計は、プランナーがやるべき」だと考えています。ここ、プログラマーにまかせてはいけません。作ってる最中は相談はすべきですけどね。理由はいくつかあります。

1・最終的にはそのシートを使うのはプランナーなので、「プランナーが分かりやすいかどうか。」が大事だから
2・逆に、プログラマーはデータ構造から考えてしまう人も多いので、この「ユーザビリティ」を意識せずに構成してしまう人もいるから(要するに使いにくい物を渡してくる)
3・分かりやすければ、自分以外のスタッフでも作業ができるようになるから。
4・分かりづらい=1回の作業にかかる時間が長い=コストが高いから
5・ゲームの面白さのキーパーソンはプランナーなのだから、プランナーが自由自在に使えるほうが良い

こんなところでしょうか。特に4に対する影響というのは計り知れないものがあり、おんなじようなゲームに見えるのに、裏側で働いているスタッフがAのゲームでは20人必要で、Bのゲームは7人でやっていたりします。もしもどちらのゲームも売上が同じだった場合、Aのゲームのほうが明らかに資金的にきつくなるかは、想像にたやすいと思います。

本人たちにしたって、スマートな設計にすれば30分で終わるようなものを、5時間も6時間もかけてなんてやりたくないでしょうし、それでやれ残業だ休日出社だという話にでもなってしまえば、バカじゃないの?としか言えないわけです。(設計した奴ないし、改善しようとしていない人に対してね)

例えばデータの並び順とか、一度にいじらないといけないシートの数とか、意味不明なローカル用語使わないとか、参照指定だらけのクソ重いデータ構造にしないとか、考えてみれば分かるようなことをしないようにするだけで、全然良いものになると思います。

難しいデータ構造を理解できる=偉いなんてのは幻想で、いかに「アホでも分かるような設計が出来るか?」のほうが重要ですし、そういった意識で設計ができる人のほうが、プランナーとしては数段上だと言えます。

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こういったことは何もデータシートに限った話ではありません。仕様書だったり企画書だったりも、結局は作った本人のためのものではなく、「他人が見ることで初めて価値」が出ます。ほかにもメールの文面だって、電話の対応だって、スタッフとの日々の会話だって、分かりやすいほうが良いに決まっています。

僕が本を書いた時、一個だけ気をつけていたことがあります。「アホでも読めるように。」です。たとえばゲーム業界の人なら当たり前に使っているような言葉でも、これからゲーム業界を目指す人にしたら、宇宙語なわけです。そういったことをあたかも知っていて当然のように書いてしまえば、読者からすれば価値の無いものになってしまうと思っていたからです。

そういったこともあって元々文章が得意じゃない僕は、本が完成するまでに10回は自分で読んだり、書きなおしたり、構成を直したりしましたし、共著者の岸君が書いたパートに対しても、遠慮なく「これじゃ読者分からないでしょ。」とツッコミを入れまくりました。おかげ様で、知り合いからは「あなたの文章は読みやすいね。」と言われたりして、ちょっと嬉しかったです。(最後は編集さんがキッチリ仕上げてくれたんだけどね)

要するに自分が何か物を作る時点で、「自分以外の誰かが幸せになるような設計ができるかどうか?」という意識がプランナーには必要だということです。こういったことの根源をたどっていくと、前回の「挨拶もできないプランナーはクズ」というところまで行き着くような気がします。

ユーザーを喜ばせたいなら、少なくとも目の前のスタッフを喜ばすぐらいは出来ないとダメでしょ的なお話しでした。かしこ。

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Lv.75 ふるまい



僕はいわゆるプランナー的なお仕事をしているので、自分以外のプランナーをいつも観察しています。

自分とは違ったスタイルやセンスを持っている奴にはライバル意識がわくし、僕よりも経験豊富な人には尊敬しつつも盗んでやろうと思っています。経験がまだ少ない若手でも、やる気や前向きな姿勢がある子たちは大好きですし、僕もわずかながらでも成長の手伝いができればなぁなんて思っています。

その反面、「あ、こいつプランナーの仕事、分かってないな。」とか「適当にやりやがって、ふざけてんのか。」という感情がわいたりもします。これは個人的な「同職同位補正」なので、他の人がどう思うかは知りませんが、名札がプランナーでも、僕が認めたくないような奴も、いっぱいいます。

とは言え結果を出しさえすれば社会的には一人前というのも事実なので、僕が一々苦手なタイプに対してあーのこーの言うことはありません。そもそもに言わないと分からないような奴は、大体言っても分からない奴だったりするからです。

そんな中でもどうしても許せないことが一つだけあります。僕も人間なので。それが「挨拶」です。廊下ですれ違った時とかに会釈の一つも出来ないようなプランナーだけは、音速で俺的ポンコツ認定します。

まぁ、職業に関係なく、同じ屋根の下で働いてるんだったら、誰でもとにかく挨拶しろよぐらいは思っているんですが、それにしたってプランナーが挨拶できないっていうのは特別腹が立ちます。多分、自分なりにこの仕事に誇りがあるからかなぁと思ってみたり。

一応自分なりの理屈を説明させていただきますと、プランナー=「チームをリーディングする、まとめる、持ち上げていく存在」だと僕は思っているんです。ということは、自分の手前の作業をシコシコこなすだけではプランナーに非ず、というわけです。

以前からちょいちょい言ってますが、ゲーム作りはチームワークです。そしてそのチームを引っ張っていくのは、やはりプランナーなわけですよ。ってことは、単純に日々のタスクを捌くだけでは、本質的にはプランナーの仕事はしていないっていうことになります。チームの意識やモチベーションをコーディネートしていくのも大切な仕事の一つですし、仕事に限らず他愛の無い話や相談をしてあげられるような存在を目指していくべきなのかな、と思っています。(あくまで僕の理屈ではですよ)

で、その理屈から言うと、挨拶もろくに出来ないような奴が、どうやってチームをまとめられるのかっていう話。なので、僕は挨拶出来ないプランナーというものは、無免許で高速を爆走している違反者並みに危ない存在だと思っています。

実際に、僕が尊敬しているプランナー職の方々は、挨拶は当然ながら、日々の振る舞いにも気を使っています。チームメンバーは辛い状況に無いか、ガス抜きしてあげたほうが良いか、他のメンバーとちゃんとコミュニケーションをとれているか、そういったことを冷静に見渡しつつ、ちゃんとチームメンバーの一人一人が前向きになるためのアクションをしている人が殆どです。

例えば笑顔で挨拶されて、気分の悪い人なんていないですよね?毎日書く日報に返事を書いてくれるリーダーがいたとしたら、「あ、うちのリーダーはちゃんと自分のことも見てくれてるんだな。」と思いますよね?そうしたほんの少しのアクションだけで、チームの力は見違えるように変わってくることを、優秀なプランナーは知っているし、実戦しているんだと思います。

一見話が大きくなりすぎのようにも見えると思いますが、実際のところ、本質的には間違ってないのかなと思いますし、挨拶もろくに出来ないプランナー=やっぱりチームリーディングは出来てないケースがかなり多いかと思います。僕に言わせれば、タスクオペレーターではあるけれど、けしてゲームプランナーではない。

もっと言えば、目の前の一人も笑顔に出来ないような奴が、ゲームクリエイターとしてユーザーを感動させたいなんて言ってた日には、片腹痛いわけです。

これからゲームプランナーを目指すかたは、企画書の書き方とか仕様書の書き方なんて、どうせいつか覚えるんだから、ぜひみんなが爽やかな気持ち、前向きな気持ちになるような挨拶だけは出来るようにしておいたほうが良いと思います。実際問題、就職活動を控えている人だったら、すぐにそれを実感すると思います。コミュ症っぽい人と、元気に挨拶する人が面接に来たら、どう考えたって会社は後者を採用するでしょうし。

礼節無くして大功成らず。挨拶、とっても大事。

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写真素材:MIKA☆RIKA

Lv.74 MOTHER2好きの決心的な何か



今日は朝の早い時間から、任天堂の岩田さんの訃報がありました。世界中のゲーム業界人、ゲームファンにとって、とてつもなく大きな衝撃となってしまいました。僕もMOTHER2が大好きだということもあって、一個人としても本当に悔しいです。

僕は毎年東京ゲームショウの季節になると、ゲーム業界のお友達が開いてくれるパーティーに遊びに行きます。そこには業界関係者がたくさん遊びに来るので、同窓会みたいな気分でいつもワクワクします。ほんで、一昨年のパーティーの時、ちょうど直前に岩田さんの前の任天堂社長、山内さんが亡くなられました。

そんなこともあって、パーティーのお酒を気分的には献杯というかたちで呑みました。それから二年、誰しもまさか岩田さんがこんなに早く逝かれてしまうだなんて思ってもいなかったでしょうし、また今年のお酒もそうなってしまうことに、特別な寂しさを感じます。

山内さんが亡くなられた年のまだ寒い時にも、鬼才と言われた飯野賢治さんが亡くなられました。数日前まで普通にTwitterでつぶやいているのを見かけていた中での出来事に、衝撃を覚えました。 僕は飯野さんのTwitterを今でもフォローしているし、ある時Twitterで絡んだら、他人の僕にも気さくにカッコイイ感じのリプライをくれたりして、嬉しかったのを覚えています。

一昨年のパーティーで一緒に献杯してくれたかたが、山内さんが亡くなられたことに「一つの時代が終わった感じがしますね。」と仰って、確かにまだ30年ぐらいの若い産業ではあるけれど、確実に時間は進んでいるんだな、と感じたのを覚えています。

僕はちょうど20年ぐらい前からゲーム業界を志して、その頃は毎週必ずファミ通を買って、毎回毎回ワクワクして。それから「自分も絶対面白いゲームを作れる人間になるぞ!」と思い続けて、今。

自分が想像していたような状況とはちょっと違うけれど、運良く今でもその気持ちは変わっていないようです。それも同じ業界で自分と一緒に戦ってくれた仲間や、何も知らない僕にたくさんのことを教えてくれた諸先輩方のお陰だと思っています。

ただ、その「ちょっと違う」というところ。あんまりうまく言葉に出来ないんだけど、そのまんまでいいのかな?と思います。だって、ちょっと違うわけでしょ。大体合ってるとしても、「ちょっと」違う。何が違うのかなーと5分ぐらい考えてみる。

で、多分今はこの言葉が一番腹落ちする気がしてるんだけど、僕は「ゲーム業界に携わりたい」わけではなくて、「面白いゲームでユーザーをワクワクさせたい。」っていうのが14歳の時からの夢、というか目標なんだと。その上で、ほんのちょっとだけでもゲーム産業全体にとって、良いきっかけを作っていきたいんだなーと。

何年か前から本当にいい出逢いがたくさんあって、自分自身色々と勉強をさせてもらいながら、おぼろげな次の目標も少しずつ見えてきました。

やっぱり僕はゲームが大好きだし、ゲームを作る仕事や仲間を誇りに思っているし、その「ちょっと違う」を、ここ数年かけて軌道修正していって、「みんなが好きなゲームを作る人。」になっていきたいなと思います。今の自分の表現力では、これが精一杯。

飯野さんや山内さん、横井さん、岩田さん。そういった人たちが頑張って作り上げてきた「ゲーム業界」の次の世代として僕自身、今一度初心に帰る気持ちで、「本当の自分」になっていこうと思います。んー、なんだかちょっとだけ、オネットから旅立つネスの気分。不安半分ワクワク半分。やったるぜー!

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Lv.73 知らない世界に突撃するおはなし。



最近、自分なりのゲームプランナー論というのを、なんとなくですが確立しようと思っています。というのも、僕自身このお仕事を十年以上やらせてもらって、最近では若い子や学生たちに教える、というか伝えるような機会が増えてきたからです。

何年かまでは自分自身が頑張れば良くて、経験から得たことはあくまで”自分の感覚”でやっていたため、「一々言葉に落としてなかった」 のです。そうなると、自分がやってきたことをいざ伝えようとなった時に、どういう表現をすれば良いのかが、ここ数年の課題だったわけです。

で、自分なりに色々な表現方法を試してみる。それでも場合によってはなかなか伝わらない。当然自分と相手では経験してきた量であったり、それに伴う視野だったりが違うわけだから、一朝一夕で身につくものばかりではないわけです。

そんなことを何回か繰り返していくうちに、自分の中で一つだけ行き着いた答えがあります。「作法や技術なんて、誰だっていつかは覚えるから、それよりももっと大事な事がたくさんある。」ということです。何を言いたいかと申しますと、ゲームプランナー?というよりもエンタメ系クリエイターというものは、表現方法の違いこそあれど「面白いを作る。」「面白いを提供する。」ということが唯一にして最大のお仕事です。

眉間にシワを寄せてエクセルをカチャカチャすることはあくまで手段であって、その先に何を作って、何を世の中に出して、それを手に取った人たちにどんな感情になってもらうのかが、とっても大事なわけです。そうなると当然ながら「作り手である自分自身が、楽しんでないと意味が無い。」ということになります。

ほんで、それは仕事だけに限定してしまうのも、本来はおかしいと思うわけです。ゲームに限らず、世の中には面白いことがたくさんあります。知らないことがたくさんあります。そういった「外の世界にあるもの」については、どんどん積極的に興味を持とう、というのが、今の時点で僕ができる唯一のアドバイスな気がします。

実際のところ、僕がゲーム業界にいて「この人面白いなー。」「この人は素晴らしいな!」と思う人は、大体ゲーム以外にも熱中しているようなものがある人のほうが断然多いです。かくいう僕も、ここ5~6年、ずっと格闘技を習っていたりします。まだまだ上手になりたいと思いますし、ゲームのお仕事が「頭を使って体は不健康」なお仕事なので、バランスを取るという意味でも、結構楽しんでやれていると思います。

そんなわけで「やったことが無いことはやる。」ぐらいの気持ちで、時間なり興味なりお金が許す限りは、自分の世界をどんどん広げていく奴のほうが、将来的に最高のエンタメ屋になれるんだろうなーと思います。最後に、僕が最近やってみた新しいことをいくつか紹介しますねー。

1・ガチャガチャの本体を買った
ちゃんと業務用のやつ。家にガチャガチャあるって、ちょっと憧れるでしょ。 
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2・EMS干渉波を体験した
あの「お腹にまくだけで腹筋運動」ってやつ。どんなもんかなーと思いつつ、普通にテレビショッピングで購入。スイッチ入れて、強度を上げると「ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ !!!」ってなります。
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次はどんなことしようかな~( :3 )<

Lv.72 ゲームプランナー就職クエストⅡ



以前のエントリーで書いた「プランナーズカフェ」について、本当は7月中に開催しようと思ってたんだけど、気が付いたら7月も半ばになってしまいました。(ズコーッ

で、それと言ってはなんですが、今年3月に銀座のマイネットさんで行った「ゲームプランナー就職クエスト!」の続編をやることになりました。多分8月?夏休み中のかたもいるかもですね。場所は外苑前に移転したマイネットさんで再度やらせていただくこととなりましたー。(ヤッターッ

前回のイベントを知らないかたに軽く説明。

・ゲームプランナーになりたい!と思っている、学生、別業種のかた、ゲーム系の別の職種のかた達が対象
・現役のプランナー職(プロデューサー、ディレクター、プランナー)が数名登壇し、ゲームプランナーを目指すかたへのアドバイスと応援メッセージ
・イベント終了後は食事を兼ねた交流会
・参加費は無料(にしたい


みたいな感じです。 前回は定員40名に対し、おかげ様で満員御礼となりました。今回は新オフィスということもあって、もしかしたらもう少し多く募集できるかもしれません。それと、前回の反省点や勉強になった部分をいかして、もうちょっとイベントとしてもパワーアップできたらなんて妄想しています。

とか言いつつ、今の時点で日取りもゲスト登壇者もぜんぜん決まってないので、とっとと交渉しないとでーす。とりあえず頑張って用意するので、お楽しみに~( :3 )<


Lv.71 イケるかイケないかは、まだ分からん。



ゲームのお仕事をしていると、同じ会社の別チームだったり、他の会社の発売前のゲームだったり、色々なタイミングで「他人のゲーム」を話題にする機会があります。

そんな中で、時に「あのゲームは売れないな。」とか「なんでああいう面白いゲームをうちの会社でも作らないんだろう。」なんてことを好き勝手に思うこともあったりします。

悲しいかなゲームのお仕事をしていると、自分が好きなゲームばかりを作れるわけではありません。そうなると人によっては、やりたくもないジャンルや世界観だったりすると露骨にテンションが下がり、当人のパフォーマンスも全然出ない=じわじわと駄作としての完成に向けて時間を消費しているだけ、なんてこともあったりします。

僕個人としてはどんなゲームの担当になったとしても「絶対面白いものにしてやる!」と意気込んでやっているので、世間が認めるかどうかは置いといて、手抜きでゲームを作った記憶は一度もありません。 (多分)

そんな僕でもゲーム開発をスタートしてから完成するまでの間に、不安になる瞬間がちょっとだけあります。ゲームのお仕事では「α版、デモ版、モック」などと言われる、ゲームの一番面白い部分だけをかいつまんだ物を作ることがあります。それを使って「こんなゲームを作りましょう!」というのを分かりやすく説明することが目的です。

~( :3 )<

ちょうど最近、とあるゲームのデモ版を制作中です。数ヶ月前にゲームのコンセプトや完成度の基準についてはキッチリと定義しました。それから現在、今のところ完成形のイメージにはほど遠いようなクオリティです。

ゲームというものは「ただボタンを押して動けば良い」という物ではありません。操作感であったり演出であったり、色味であったりキャラクターの個性、そしてゲームバランスであったり。「あらゆるエンタメ的要素が複合的に絡み合って」、ようやく面白くなってきます。また、その面白さというものもゲームによって大きく定義が変わってきます。

美少女ゲームだって言ってるのに、女の子のクオリティが同人以下のクソみたいな絵だったら誰も遊んでくれないだろうし、アクションゲームなのにテンポが悪かったら、もはやゲームですらありません。RPGなんてパラメータが命なんだから、演出以上に気を付けないといけないのはレベルデザインだったりします。

で、何が言いたいかと言うと、作る前の段階から「完成形を強くイメージする。」というのがゲームプランナーにとって重要なスキルであるのは当然として、実際に制作の段階に入った時に、「どういう順番で作っていくことがベストか?」ということを、常に考えながら現場に指示をしっかりと出していかなければならないという点です。

自著でも書いたような気がしますが、同じゲームを作る場合でも、プロデューサーやディレクターによって「作る順番」は大きく変わってきます。今から作るゲームは世の中に一つしか無い=決められた制作ルールや手順が無いからです。ビジュアルや演出を優先すべきか、ゲームのアクション部分を優先すべきか、基盤となる裏側のシステム開発を優先すべきか。 その時々の判断で、リアルタイムに細かい順番が入れ替わったりもします。(それがかなり苦手な人もいますが)

そんな中でも絶対にブレてはいけないのが、「完成形のイメージに近づくためには、今何をすべきか?」という点です。ここが迷いながら開発をしてしまうと、完成がどんどん遠のいていきます。そしてそれと同じぐらい大事なことが「最後の最後はこれでもかとしつこく細かい部分を調整すること」です。

「予定してた要素はすべて入れたはずなのに全然イケてない。」 という状態が通過点として、ゲーム制作には必ずあります。まだ細かい調整を何もしていないからです。逆に言えば、100でも200でもしつこくアニメーションのタイミングやボタンの操作感、キャラクターや背景の色味を詰めていくだけで、まるで別物のようなクオリティになるのもゲームです。要素を入れただけで満足するのは同人か趣味制作であって、ここがプロとしてゲームを作る上での大きな違いになります。(最近ではインディーズでもクオリティの高いゲームもたくさんありますが。)

この「要素を入れただけの段階」のものを額面通りに見てしまうと、クオリティが全然低いように見えてしまいますが、それを見たまんま感想を言うような人はプロではありません。ここから生まれ変わったかのようにゲームが変わっていく、変えていくことが、ゲームを完成させるためにはとても大切なことです。

そういうことを分かっていれば、例え不安な状況でも「イケるかイケないかは、まだ分からない。言い換えれば自分たち次第でいくらでも変えていける。」と思えますし、そういったマインドこそがゲームプランナーにとって一番大切な力かもしれません。

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写真素材:欣欣さん

Lv.70 ゲームプランナー本を書いた時の話。



今月はあんまりポストが少ないですね。ネタはあるけど文章にまとめるのがめんどいだけです。

うん、文章がめんどい。僕は文章が苦手です。多分、あまり言葉を知らないし、世の中を知らないからです。そんな僕でも、本を書くことができました。不思議ですね。

以前もどこかで書きましたが、「僕が何故本を書いたのか?」については、実は色々な理由があります。

1・こういった本がいつか出てくるのを待っていた。でも10年経っても誰も書いてくれなかったから自分で書いた。
2・こういう本があれば、それをきっかけにゲームプランナーを目指す人が増えると思った
3・本を一冊書けば、それが「実績になる」と思っていた
4・印税生活
5・上から目線への逆襲
6・文章の練習


本を書こうと思った一番のきっかけは、上述の1、こういうのを本当に誰も書いてくれなかったからです。世の中の他にある職業だったら参考書はいくらでもあるのに、ゲームプランナーの本が無かった。有名なクリエイターの誰かが作ってくれれば、みんな買うと思ってたのに、誰も作ってくれない。じゃぁいいよ、自分で書くよ。みたいな。有名無名なんて気にしてたら、これから先も誰も書いてくれないだろうと思ったからです。

ゲームプランナーを目指す人が増えたら。これも実際は後付ですが、きっかけが掴めずに諦めてしまうような人が一人でも増えれば、将来「自分が楽できる」と思ったからです。ある程度業界が長くなれば、当然それなりに責任の大きい仕事を任されます。そうなると、いつまでも自分が新人の頃にやっていたようなことをやり続けるわけには行きません。が、しかし、ゲームプランナーは本当に業界的にも足りていないのが現状です。

そうなると、「自分一人で三人分の仕事をする。」という場面に出くわしているプランナーのかたも多いかと思います。実際僕も過去にはそんな経験を何度もしています。若いうちは根性だ愛情だ残業だで頑張れるかもしれませんが、年をとった時に同じような体力のかけかたを出来るわけが無い。だから後進を今のうちに育てておく必要があるかと思ったからです。ゲーム業界の十年先、二十年先のために。

ほんで「実績」。本来、実績というのは他人に認められてこその物だと思いますが、本を書く=ほぼほぼ自努力だけで「なんちゃって実績」が作れるからです。「本と書いてる人=なんだか偉い人、なんだか賢そうな人」みたいな世の中のイメージってありますよね?僕、ぜんぜん中卒なんですけどね。

当然物質的な本という形になるためには、出版社さんや編集さん、DTPデザイナーさんなど、本当にたくさんの人の力が合わさっての結果なわけですが、中身という意味では自分の努力でどうとでもなるとでも思ってたので、それならと頑張ってみた次第です。そういう意味では、本の企画提案を宝島社さんが受け入れてくれたことや、編集長に掛け合うべき価値がある!と思ってくれた編集担当さんの判断、編集長から突っぱねられても押しの一手で諦めずに提案し続けてくれたことが、僕にとっては一番の実績、評価だったのかもしれません。

本を一冊書くと、色々なところからお声がけいただく機会が増えます。「本を読みました!」「とても勉強になりました!」「ぜひうちでセミナーをやってほしいです!」そんな感じで新しい出会いがあったり、お仕事をいただく機会もあります。そういった「次へのアクショントリガーとして、本をそこに置いた」というのも、実は本を書いた一つの狙いだったりします。

印税生活。さすがにこれは全然意識してませんでした。お金はもらえたら当然嬉しいですが、こういった類の本なので、100万部とか売れるものではないのは最初から分かっていましたし。どちらかというと、ずーっと何年も必ず何冊かずつ売れていく、そういった息の長い本になってくれたらいいな、という願いはあります。

上から目線への逆襲。この本を書く前に、とある人に「今本の企画と提案用の粗稿を書いてるんですよ。」と言った時のこと。「んー、まだ出版社にも提案してないんでしょ?こういうの初めてなんでしょ?しかも人と書いてるんでしょ?その人も初めて?じゃぁ途中で頓挫するね。」と。

こういうの言われると、俄然「見てろよクソヤローが、テメーの狭い尺度で偉そうにモノ語ってんじゃねーぞ。(憤怒)」と思いました。基本、叩かれると反逆したい性格なので。で、一応それは成功したわけです。一応ね。やったー。

で、最後が「文章の練習」。いざ本を一冊書き切ってみると、これが一番の目的だったのかとさえ思います。僕は本当に文章が苦手です。仕事でも文章系のお仕事はお断りするぐらいに。とは言え一応ゲームプランナーなので、いつまでも苦手と言っているわけには行きません。完成した本はそれなりに見やすいように仕上がったかと思いますが、少なくとも250ページぐらいのボリュームを、20~30回は読みなおしましたし、構成やら言い回しやら誤字やらを、何度も何度も直しました。自分が気に入らないところが無くなるぐらいまで、それはしつこく。

実はこのブログも、一回書いて浸け置きして、見直しつつもリライトしてから公開している場合もあります。書きなぐっただけの時は、かなり文章や表現力が酷いのは今も変わらないから、せめて読む人が少しでも読みやすいようにと、一応直すわけです。

そんなもんで、本の原稿を書き始めた最初の頃のなんて、小学二年生の作文レベルだったような気さえします。そして何十回も見なおしたとて、やはりそこは文章の素人。最後の最後は編集さんの多大なる力によって、みなさんが読んでいる、とっても読みやすい完成形となりました。 

本の企画提案をしたのが7月、お店に並んだのが10月。なんてスピード感なんだ。ゲーム業界のぐだぐだ進行とはエライ違いだ。夜中の3時でも平気で鳴る電話。出版業界、怖いっ!!!この三ヶ月の濃度は、ここ数年でも一番ぐらいの濃さだったように思いますし、その短い期間でかなり色々なことを勉強させてもらったように思います。

そんな感じで、特にとりとめの無い日記になってしまいましたが、何か物を作るときのきっかけになれば幸いでーす。 アプリ・ゲームプランナー完全マニュアル、買ってね!←(・ω<)bティーンッ

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写真著作:怕水的青蛙

Lv.68 すぐに試したい!ゲーム業界 呪いの言葉58選



業界の闇をまとめてみたよ♪

あ行
・あの会社、ヤバイらしいよ(あのかいしゃ やばいらしいよ) / 一発目にしてこの破壊力。ある程度この業界が長いと、聞きたくもないのに聞こえてくる噂話。明日は我が身。

・イイ感じで!(いいかんじで) / デザイナーやプログラマーが「どういうものを作ればいいんですか?具体的に教えてください。」と質問したのに対し、ポンコツプロデューサーやポンコツディレクターがまともな説明もせずに放つ暴言。お前のいい感じなんか知らないよ!という現場のチベットスナギツネのような冷たい目。同義語:よしなに

・椅子寝り(いすねり) / 「ゲーム業界四大寝り」のうち、中級程度とされる奥義。一つの椅子に寄りかかって寝るパターン、複数の椅子を連ねて簡易ベッドを作るパターンなど、技としてのバリエーション幅が頼もしい。

・売上(うりあげ) / 「…俺は数字なんかじゃ決して測ることのできない、最高に面白いゲームを作りたいんだっ……!!!」というクリエイター達の妄想とは裏腹に、常日頃から会社に求められる最大にして唯一のお題。著名クリエイターやプロデューサーでも大変なんだから、大丈夫。

・お問い合わせ(おといあわせ) / 熱心なユーザーの皆様からの質問、応援、相談、罵倒。お客様あってのゲームサービスとは分かりつつも、別件でクソ忙しい時に致命的な問い合わせが来るとデスマーチフラグ発動。

・お亡くなりに(おなくなりに) / クソ忙しい時に作業PCが完全に死んでしまった状態。共有サーバーにデータを上げるのが億劫な、ものぐささんほど阿鼻叫喚。

・俺が仕様書だ(おれがしようしょだ) / 新しいメンバーがプロジェクトに参加した場合、手練れであればあるほど、早い段階で「仕様書を見させていただけますか?」という質問が来る。そんな時に返すクソカウンター技。ゲームを作ることに一生懸命になりすぎて、ドキュメントなんてまともに残っちゃいない。俺がガンダムだ。

・俺はこっちのほうがいい(おれはこっちのほうがいい) / プランナーでもない人からのアドバイスという名の、俺も参加させろ横槍&スーパーちゃぶ台返し。ゲームというのはある程度できてくると、周りがアレコレ言いたくなる魅惑の代物。偉い上司に言われると断りにくかったり、チームのメンバーが納得行かないと「こんなの作りくたくない!」と駄々こねられたり、なんだか色々と大変。

か行
・(◯◯さん)、会社辞めるってよ。(かいしゃやめるってよ) / 青天の霹靂。まだプロジェクトの最中だというのにメインメンバーがドロップアウト。予定の大幅な変更を余儀なくされる、下手したらタイトルのリリースに致命的なダメージ、しかしそんな物理的なことよりも、実は精神的なダメージがチームに蔓延することのほうが遥かに恐ろしい。

・回収(かいしゅう) / 主にソフト形式のゲームにおいて、ゲームの進行が不可能になるなどの致命的なバグが見つかった際に、自主的にゲームソフトの回収を行う行為。スマホやパソコンのゲームであれば不具合修正用のパッチやアップデートを行えば良いが、昔のコンシューマ機ではそうもいかなかった。場合によっては会社が潰れるぐらいのダメージ量。

・開発中止(かいはつちゅうし) / 大規模な予算と人員、期間をかけてきたにも関わらず、世に出ること無く星屑となった残骸タイトル。中止になる理由は様々あるが、作っていたクリエイター達にしてみれば、数年という重い時間と情熱が、ゴミ箱にティッシュがごとく投げ捨てられる瞬間。

・開発と運営は仲が悪い(かいはつとうんえいはなかがわるい) / 純粋に面白いゲームが作りたい開発、売上を作らなければ無意味だと考える運営、この二大勢力の意思は神をもってしても揺るがず、故に生まれる軋轢と度重なる不毛なる争い。

・休日出社(きゅうじつしゅっしゃ) / 最初はイケると思っていたスケジュールも開発が進むごとに暗雲が立ち込め、気がついたら20連勤30連勤という高次元世界の彼方を目指す光の戦士たち。

・(◯◯さん)、今日も休みです(きょうもやすみです) / まさかな、まさかな、と思いつつも起きてしまう悲しい物語。おかげでボッコリ空いてしまったスケジュールの穴。調整につぐ調整でまともな予定も組めなくなり、もはや現場は何をしているかさえ分からなくなってくる。

・(◯◯部長)、ゲームのこと全然分かってない(げーむのことぜんぜんわかってない) / クリエイターも経営や管理のことが分かってないのに言ってしまう、悲しき咆哮。

・広告費?無いよ?(こうこくひ ないよ) / 面白いゲームなら宣伝しなくても売れるという都市伝説の元に、プロジェクト費用の大半を開発に充ててしまい、結局「面白いのに全然売れない」という誰も幸せにならない伝説を築くための高位呪文。

・香ばしい(こうばしい) / ゲーム業界には変な人が多いという都市伝説を具現化するかのごとく現れる鬼神。ちょっとネジが外れてるとか、そういう次元じゃない。当人の潜在能力を解放してしまうと、プロジェクトは光とも闇とも分からない新世界へと誘われてしまう。危険度★★★★★

・この人数で…ですか?(このにんずうでですか) / 求められているゲームのクオリティやボリュームに対し、明らかにスタッフ数が足りない時に出てしまう、ため息魔法。かと言ってすぐすぐどうにかなるわけもなく、現場は界王拳。そして後に、上司達もあの時の進言が戯言ではなかったことを知る。が時既に遅し。

・誤爆メール、誤爆メッセ(ごばくめーる ごばくめっせ) / 世界を一瞬で終わらせることの出来る人類史上最大最悪の殺戮兵器。

さ行
・サービス終了(さーびすしゅうりょう) / 世界の終わり。運営型のゲームにおいて、遅かれ早かれ避けて通れない事実上のエンディング。ユーザーは悲しい気持ちになったり金返せと言いたくなったり。いずれにしても会社的にもクリエイター的にも、どテンション下がりな呪文。

・残業(ざんぎょう) / 概ね全員の敵。定時に帰らない、帰れない、空気的に。一体誰が決めたのか。労働と賃金が比例しない状態が続くと社員がゾンビ化ないし、バーサクモードに突入する。

・残業代無し(ざんぎょうだいなし) / せっかくゾンビになったのに、「ゾンビは人間ではないから、残業代は払えないよ?」的に法律度外視で発生するマイナスイベント。ゲーム業界でも定期的に問題提起される強敵。戦う方法は一つ、企業の内情を勇気を持って然るべきところへ伝えるのみ。故に諸刃である。

・締め切り(しめきり) / 存在はしないはずなのに、確かにそこにいる。そんなホラーじみた存在。毎日が締め切りといった過酷な状況ともなると、界王拳だエナジードリンクだタイムワープ(深夜残業、休日出社)だと全ての技を駆使する必要が出てくる。個人的には締め切りは「やってくるもの。」ではなく、「自ら突っ込んでいくもの。」と考えると、全然怖くなくなる。

・終電までは今日(しゅうでんまではきょう) / 定時も過ぎ、会社や法律的には「今日は終わったはず。」にも関わらず、ボーナスタイムだと言わんばかりに発動する技。本来であれば最後の手段にすべきところを、何故か日本人は最初の手段にしてしまう。残業なんて、この世から無くなればいいのに。みなさん一人一人の活動が世界を変えます。

・終電が無くなった(しゅうでんがなくなった) / 怒り、悲しみ、虚無、開き直り、様々な感情が一度に湧き起こり、もはや自分でも何が起きているのか分からない状態。いっそのこと誰もいない会社でゲームでもしようと思い始める。

・仕様です(しようです) / どう考えても仕様として成立していない書類にツッコミを入れた際に、三流プランナー等が返す下級魔法。しかしクライアントという敵が使ってしまうと、社会的空気バイアスで超強力な魔法になってしまう特殊ルール付き。基本的には「これじゃ困ります。」の一点ばりで良い。そんな仕様書を書く奴が100割悪い。そんなクソプランナーがいるうちは世界に平和は訪れない。

・仕様変更(しようへんこう)  / 「あの時はこれでいいって言ったのに、全力で違うものになってんじゃないですか!!!」現場が大混乱の渦に巻き込まれてしまう、上級全体攻撃魔法(闇属性)。巻き戻しの量が軽微ならばまだ良いが、場合によってはパーティーメンバー全員のHPが一桁になった挙句、仲間同志で残り少ないHPを削り合う(ディスり合う)という、セカンドステージまで生んでしまう。これまた魔法を使う人間の立場や、詠唱までにかかってしまった時間に寄ってダメージ量が大きく変わる。

・仕様書はありません(しようしょはありません) / 「仕様です。」ならまだ刺し違えて痛み分けにもできるのに、そもそも無いと来たもんだ。航海図も無いのに既に船にはたくさんの船員が乗っており、港はすでに離れている状態。こうなってしまうと火消しが得意な勇気ある者が「飛行機は飛びながら作る理論。」という、にわかには信じがたいジョブアビリティを駆使し、副作用としてHPを削りながらも、全員で不確かな未来へ向かうしか無い。というかちゃんと作れよ。保存しとけよ。常に最新版に更新しろよ。

・情報錯綜(じょうほうさくそう) / 一時間もすれば、さっきの情報は古くなる。そんなストリームな状況の開発現場も少なくはない。そうなると「情報は命に等しい」となり、情報収集や交通整理に注力できるメンバーがいない場合、一人一人の間に時空の歪みが生まれてしまう。冷静に考えればすぐそこに座っている仲間ですら、もはや何年も前、もしくは何年も未来の姿を時間差で見ているのだ。

・スケジュール的に無理です(すけじゅーるてきにむりです) / 「仕様書が無いと作れません」→作る→「この仕様書では、細かい部分が分かりません。認めれられません。」→ちゃんと作る→「スケジュール的に無理です。」→最初から言えよ。なんで二言目には否定文しかお前の口からは出ないんだ。そんな不毛なやりとりの常套手段。その資料を叩きに、受け取る側として最低でも3つぐらいのプランコーディネートができてこそ、プロとしてようやく半人前だという自覚が必要。

・スピンアウト(すぴんあうと) / 自身の力を外の世界でもっと試してみたい、起業したい、こんな会社嫌だ、ちくしょう転職だ、そんな時に発動する時空移動魔法。一体が唱えるならまだしも、時に集団詠唱をしはじめるからたちが悪い。あんなに笑顔だった同僚や上司ですら、未来永劫敵国と化す。

た行
・魂は家に置いてきた(たましいはいえにおいてきた) / 今から向かう我が城国が瘴気(しょうき)に襲われた時、唯一人間としての正気を保つための自衛魔法。難点は、あまり効果時間が持続しないこと。メンバーの大半がこの状態に陥った時、近い未来に落城、もしくは一発逆転大ホームランという奇跡を待つ、ないし起こすしか無い。

・ダンボール寝り(だんぼーるねり) / 「ゲーム業界四大寝り」における、上級奥義。机の下や通路にダンボールをめり込ませ、さらにその中に自分をめり込ます。単純に床に寝てしまうよりも保温性が高いため、秋から冬にかけては想像を超えた効果が期待できる。

・机寝り(つくえねり) / 「ゲーム業界四大寝り」のうち、誰でもわりと簡単に習得できる技。自席につっぷして寝る方法。机の板面が硬いため、長時間休眠には向かないのが難点。

・積みゲー(つみげー) / ゲームが好きでゲーム業界に入ったのに、気がつけば残業フェスタ休日出社フェスタで時間はみるみると削られ、まともにゲームを楽しむ時間すら奪われてしまう。とは言え「これだけはやるお!これだけはやるお!」と、先ずは気持ちからと購入だけはしてしまうために生まれてしまう、悲しき天空の塔。

・出来ます!(できます) / 上司や取引先に対し、できもしないのに何も考えず勢いで言ってしまうことで未来が灰色になる低級魔法。

・出来ません!(できません) / 出来ますが駄目だからって、出来ませんも大概だ。プロとして金貰ってるんだったら、せめて実現方法の提案の一つもしてみろと思う、これまたクソみたいな低級魔法。すーぐ出来ませんベースでしゃべるクリエイターはゲーム業界に必要ありません!

・デスマーチ(ですまーち) / ぐぐればいいと思う。

・徹夜(てつや) / 説明はいらないと思う。この世から無くなれとは思う。

・デバッグ用のスケジュール、確保してません(でばっぐようのすけじゅーる かくほしてません) / 開発にお熱を上げてしまったせいで、スケジュール全体の95割程消化してしまった時に気付く地獄。このままでは世の中に出すことができない、しかし会社はそれを絶対許さない。…界王拳…界王拳しか無いのか?…持ってくれ…俺の体っっ……!!!で済むなら最初から確保しておけば良いだけのスケジュール。しかしどこの会社でも大体、何故か亜空間に飛ばしてしまう。 愚かなり。

・デバッグ用の予算、確保してません(でばっぐようのよさん かくほしてません) / ……う…うそだろ………?と思うけど意外とありがちな罠。そうともなると自腹デバッグ(開発メンバーで作りつつもテストもやる)という選択しか無い。

・倒産(とうさん) / あんなに面白いゲームを出していた会社ですら、星屑になる。それだけ会社経営は大変とも言えるし、過去のヒットタイトルにすがって道を誤ったとも言える。それでも超絶人気タイトルであれば、他の人気メーカーが権利を買い取るなどの奇跡が起きる場合もある。

な行
・なる早で(なるはやで) / 仕事を振られた時に「いつまでやれば良いですか?」の質問に対して返ってくる言葉。なる早ってどのぐらい?今日?明日?時速何km?スイングバイで加速?亜光速?人に物を頼む時はキチンと日時は指定しましょう。

・なんとかなりませんか / 予算もスケジュールも限られている中でクライアントが発動する、値切りや品質向上、追加仕様依頼の時に使う魔法。相手の立場が分かっていない人に限って、(きっとこの人は魔法使いだからなんとかしてくれる…)と思い込みがち。現実を見ろ、魔法使いなんているわけ無いだろ。

・なんにもしてないのにパソコンが壊れました!なんにもしてないのに!(なんにもしてないのにぱそこんがこわれました) / そんなわけが無いだろ!!!!!

は行
・廃課金(はいかきん) / 自分が作ったゲームが好きすぎて、給料から自腹で課金する勇者タイプに多い行為。もはや一人マネーロンダリングである。実際に自腹で遊ぶことで「ユーザーが嬉しい瞬間、くやしい瞬間」などが身をもって体感できるため、一回ぐらいはお試しでやってみたほうがクリエイターとして感覚が良くなる。

・爆死(ばくし) / プロジェクトメンバーの全勢力をかけて、いざ世の中に出したにも関わらず、ユーザーのニーズや流行りを捉えきれずに亜光速で世の中から消えていくゲームタイトル。端的に言えばマーケティングやユーザー動向等の不足や、現場が「これは面白いはず。」と世間とのズレも気づかずに思い込みだけで進んだ結果でしか無い。とは言えそういった中から爆発的ヒットタイトルが生まれるのも事実なので、今後もそれだけは、僕達がやるしか無い。

・バグ(ばぐ) / ゲーム屋にとっては敵でしかない上に、状況に寄っては無限増殖的に現れるため、全てを構っていたらキリが無い。そんな時、バグを「エロい女」と脳内翻訳すれば「小さいバグ=小柄でエロい女」「致命的バグ=超絶エロい女」となるため、同じ状況でもちょっと楽しくなってくる。とは言え状況はまったく解決していないことを忘れてはならない。

・パクリという名のオマージュ(ぱくりというなのおまーじゅ) / 人気が出た他社の発明的ゲームを、横からすかさず丸パクリする行為。クリエイターというよりも、経営者サイドがやりがち。ビジネスとしては正しいかもしれないが、エンタメ産業の成長という点では全然イケてないことは忘れないでほしいものだ。

・派閥(はばつ) / 開発と運営、プランナーとプログラマー、AさんとBさん、現場と管理職、どんな形でもありがちな世の中の縮図。人間は自分と同じ趣味嗜好の相手を仲間と認知するため、当然ながら同じ話題に乗れる相手同志で固まりやすい、それが仕事においては時として面倒なことになる。ゲームを面白くするためには何の関係も無いことに、時間とエネルギーを費やしていることに早々に気付けない極めて低俗で愚かな行為。日々平和でいたいものですね。

・不具合(ふぐあい) / バグと同様に「エロい女」に脳内変換すれがおk。

・ブラック企業(ぶらっくきぎょう) / 今や流行り言葉を過ぎ、常用語となった説明不要の闇帝国。何をもってブラックとするかは難しいところでもあるが、労働基準法(主に残業代踏み倒し、超過労働)、セクハラ、パワハラが横行しているようなら闇帝国認定されてもおかしくない。企業は神ではない、あくまでただのハコなのだ。世界が闇に侵されてしまう前に、誰かがエクスカリバー抜いたらいいんじゃん。(適当)

・風呂入りたい(ふろはいりたい) / 連日の徹夜で家にも帰れない状況ともなると、こう思う。その昔、月~金まで家に帰れないという状況が続いた時に、同僚から「大丈夫か?」と心配されたが、体調ではなく体臭だったという甘酸っぱい思い出。後に「ギャツビーで全身を拭く」という新技を編み出すものの、夏なのに体が超絶冷えてしまう。

・報連相(ほうれんそう) / どうしてもここがスッポ抜けるタイプの人間がいる。おかげで何の情報が正しいのか、最新なのかが分からないので現場は混乱の渦に。「デスクワークだけが仕事じゃないという認識」が出来るかどうかが大事。

・補填対応(ほてんたいおう) / ちゃんとテストで確認したはずなのに、いざ本番環境(お客さん向け)にデータをぶっ込んだら発生してしまう大量のバグ。おかげでユーザーは憤怒、鳴り止まないお問い合わせメールの通知。事象に応じたお知らせを音速で書き上げ、どんなお詫びの品を差し上げれば神々の怒りは鎮まるのかと、日々戦々恐々。

・ポンコツ社員、ポンコツ上司(ぽんこつしゃいん ぽんこつじょうし) / ゲーム業界には職人気質な人の割合が多い反面、こだわりが強いのか憧れだけで潜り込んだのか、謎のパラメータ設定の人間がどこの会社にも一定の割合でいる。あけすけにポンコツな者もいれば、一定条件を満たすことでポンコツの才を発揮する者もいる。ともあれそんな状況でもゲームは作らなければいけない。「ゲーム作りというゲーム」で高スコアを叩き出すのは、当事者である我々しかいないのだから。

ま行
・まだですか?(まだですか) / 「仕様書はまだですか?」「確認はまだですか?」「実装はまだですか?」「追加人員はまだですか?」世の中はまだですかで出来ていると言っても過言ではない。それにしたって社会人だもの、煽るような態度はとらずに「すみません、どのぐらいまでに出来そうですか?」ぐらいには言い方を気をつければ、小さな平和が一つ生まれるというもの。

・間に合いません(まにあいません) / 出来る出来ると言っていたから信用していたのに、締め切りギリギリになって発動される闇系魔法。個人単位、チーム単位、取引先単位と、色々な形で唱えられる。何故途中報告をしなかった、頼む前の段階でもっと深く思慮しなかった。そんな、一生取り戻すことの出来ない時間だけが、ただ虚しい。こうなったら全員で界王拳だ。

・真ん中に落ちたボール(まんなかにおちたぼーる) / 5W1H的な社会人として一般的に常識とされていることでも、忙殺された状況ではなかなかうまくやれない時もある。それに加えて当人の資質によっては情報共有やコミュニケーションが苦手、なるべく責任のかかる仕事は請け負いたくない等の精神的バイアスがかかり、結果的に大事なミッションが廊下の隅やらゴミ箱やらに散見される事案。経験上、火中の栗は拾ったもん勝ち。

・三十路の壁(みそじのかべ) / 夢を描いていざゲーム業界に入ると、作るのが楽しすぎてあっという間に10年ぐらいは経過してしまう。作るのが楽しいからこの仕事を選んでいたはずが、若い業界なのか、三十代前後で「圧倒的スペシャリスト」か「若手をまとめるリーダー役」かを社会的に迫られてしまう。どちらも選ばず、または気付かずに年を重ねてしまうと、会社的には安く使われ続けるか、向いてもいない管理職を無理やりやらされてしまい、本人の志気がダダ下がりになってしまう。いずれにしてもキャリアプランを考えることは大事だねって話。

・モテない(もてない) / ゲーム屋をやってて十何年、それが理由で女の子からモテたことはない。(こちらの理論は実証済みとなります。)

や行
・床寝り(ゆかねり) / 机寝りや椅子寝りでは体力が回復しない、中途半端はダメだ、眠い時に重力に逆らうなんて、とんだ愚行である。職場の床にそのままダイレクトアタック。硬い、冷えるなどのリスクあり。

・夜更かし(よふかし) / 仕事が遅かろうが平日だろうが、遊びたい盛りの俺は遊びたいんだ!結局睡眠時間を削ってゲームやら録り溜めたアニメやらを消化し、次の日はエクトプラズムが半分漏れた状態で仕事をすることになる。睡眠大事。

ら行
・リジェクト(りじぇくと) / リンゴマークの会社やら、ふんふふカーで世界地図を作る会社やらが行う、「おたくのゲーム審査したけどNGでした。」となる審査結果。ある意味で最強最悪最高位の魔法。理由は様々あるが、エロ、サードパーティ製の広告SDK入れ込み、プラットフォームの課金スキームを無視してみかじめ料を払わないようにする等の行為を意図してやると、かなりの高確率でリジェクトされる。

・(◯◯さん)、連絡がとれません。(れんらくがとれません) / 「遅れます。」「休みます。」などの連絡が来ているならまだしも、完全に音信不通と来たもんだ。社会人としては最低最悪の行為である。当人は自分の精神世界に逃げ込んでいる可能性が高く、このまま時が過ぎればいつか平和が訪れると思い込んでいるケースもある。

・ロールバック(ろーるばっく) / ユーザーのとってもとっても大切なゲームデータがなんらかの理由でぶっ飛び、数日前、数週間前までプレイヤーデータが巻き戻ってしまう、闇系時空魔法。「金返せ」「運営死ね」「何このクソゲ」「もう辞めたるわ」「訴えますよ」など、クリエイターが一番聞きたくない言葉ランキングのトップ10で埋め尽くされる問い合わせメールの嵐。

わ行 
業務連絡:わ行で何かあれば、大久保までご連絡ください。

~( :3 )<

大丈夫かこのエントリー。(気にしない)


L.64 せっかく一生懸命つくったのに……



今日も凝りずに念仏。

僕が十何年前にゲーム業界に入った時に一つ思ってたこととして「よーし、これからゲーム業界で頑張って、絶対面白いゲームを世の中に出したるぞ!!!」という熱量や意気込みがありました。今でもその気持ちに変わりはありませんし、そこに1ミリでも近づくために何をすればいいのか、日々思いを巡らせています。

ゲームというエンタメ産業をやっている以上はプランナーに限らず、先ずはこの気持ちがとても大切だと思っていますし、そこが足りていない人には正直なところ、ゲームの仕事に関わってほしくないなとさえ思っているぐらいです。

ただ、そんな中でも「熱があればいいってもんじゃないっしょ。」と思うような人も時々いて、その振る舞いが目に余るところがあります。思いつく限りまとめる。

1・人の話を聞かない人
なんの根拠化自分の考えたアイディアが一番だと思い込んでしまい、周りからの提案や注意を受け入れられないタイプです。会話力の基本が足りていないせいか、相手の言葉の真意を汲み取れない人に多いみたいです。心理学的にも「心理的リアクタンス」っていう状態になりやすい人、自分のアイディアを否定される=自分自身を否定されているような気分になってしまう傾向があるみたいです。ひどい人だと、いつの間にか勝手に色んな物を作ってしまう人なんてのもいました。こうなると心を柔らかくする運動をしてからじゃないと手がおえません。

2・世界観にこだわりたいとか言う人
一見良いことに聞こえますよね。しかしゲームを作る以上は世界観や物語、キャラクターも超絶大事ではありますが、それらを作りこむためにはそれ相応の時間がかかります。当然ながらゲームを作る上ではそればっかりやっているわけにもいかないので、限られた時間や予算、人員の中で「バランス」を意識しながら一つの物にまとめていく必要があります。そう考えると、一人の人間が「このゲームは世界観が重要で~、僕もこだわりがあって~」と意固地になって、いつまでもそこから手を離さないようなことをしている場合は、プロジェクトに大きなダメージがあるケースも少なくありません。

組織的な決定で言ってもプロデューサーやディレクターが上流であるのは変わらないので、必要以上の領域に対してシナリオ屋さんやアートディレクターが踏み込んできたり、自分の拘りを押し付けてくるのは単に迷惑なだけだったりします。ともすればプロジェクトを私物化しているようにも見えます。そのアイディアが圧倒的に価値がある場合以外は、お前のしょうもないオナニーに付き合わされる側の身にもなれよ、としか言えません。僕的にはスーパーめんどくさいので、「それやることで売上が上がるんだっけ?」と質問して、とっととスレストしてしまいます。

僕の知っている本当にプロとしてご飯を食べているようなシナリオ屋さんやアート屋さんは、あくまでプロデューサーやディレクターがどこへ向かおうとしているのかをキッチリ嗅ぎとって、それに合わせた最高のアウトプットを叩き出してくる人たちです。

3・勿体無いとか言い出す人
ゲーム制作では、せっかくみんなで頑張って何ヶ月もかけて作ってきたものでも、ゴミ箱にポーンする時があります。理由は様々ですが、AとBという選択を迫られた時に、Aを捨ててでもBを選択したほうが、結果的にユーザーにとって良い物になる=自分たちにとっても良い、という判断がそこにあるからです。

当然一生懸命作ってきた側としては「せっかく一生懸命作ってきたのに」と思いますし、思い入れや愛着もあるのは分かります。とは言え、いつまでもそこにすがりついていたところで、ゲームそのものが良くなるわけではありません。何かしらの決断が降った以上は、気持ちを切り替えて新たに頑張るしかありません。

そういった事が日々、ゲーム単位でもシステム単位でもイラスト一枚でも起こりえるのがゲームのお仕事です(計画性が無いでそうなった場合は論外ですが)。そこはもう「じゃぁもっと良い物作ってやんよ畜生めぃ!!」と思えるぐらいのメンタルと気概が無いと、このお仕事をするのは正直キツイと思います。無数の屍の上に、名作が立つんです。

4・アーティストぶってる人
「俺、キャラとストーリーと音楽にはこだわりたいんだよね~。」とか、面白そうなとこだけやりたいって言っちゃう感じの人。ゲーム作りには仕様書作成とかデバッグとかスケジュール進行とか、クソつまんないけれど悶絶大切な仕事もたくさんあります。そこを誰かに丸投げにしておいて、おいしいところだけ食べようとするのは、ハッキリ言えば迷惑ですし、ゲーム作りをする人間としては何も足りていません。ラノベ作家か映画監督にでもなってくださいと思います。

ゲームに限ったことではないですが、お仕事なんて大半が地味なことばっかりです。それを喜んでやるような人なんていません。かと言って、それが無ければそもそも「お仕事としては成り立たない」んです。そういった苦味も受け入れて真剣に向き合える姿勢が無ければ、他のメンバーと同じ土俵でやれるわけがないのだから、とっとと他の業界行くなりなんなりしてくれよと思います。 

5・言うだけで行動しない人、できない人
ゲームにおいて、ふいに降りてくるアイディアというものは、時として神からの思し召しかよと思うぐらいに価値があります。ゲームを作る上では「面白くするアイディア」「効率良く作るアイディア」「より華やかに感じるアイディア」などが日々飛び交っています。そんな中で、アイディアとは呼べないレベルの「理想」は言うくせに、どうすればそれが実現出来るのか、それを責任持ってやれるのかという話には一切触れようとしない輩もいます。口先だけの人が職場で嫌われるのはどこの業界でも当然のことだと思うので、例に漏れずゲーム業界でも迷惑なので、出て行け~。 オマエゲーム作るな~。

6・かと言ってクリエイティブを見下している人
1~5でボロカス言った手前アレですが、以前若手プロデューサーでちょこっと成功した瞬間に態度が急変した奴がいて、「ぶっちゃけクリエイティブがどーのとか言う奴、ウザいんすよね。売れるかどうかに関係無いことに、労力割きたくないんスよ。」みたいなことを10年先輩の僕に知った風にほざいてました。まず礼節がなってないのは体育館裏で腹パンするとして、「じゃぁオマエってさ、一体何作ってんの?それ、ゲームじゃないの?」と思いました。

金を稼ぐだけだったらゲームの仕事なんて非効率極まり無いですし、その若者は他社の成功例をひたすらパクるだけで、自分の中からイノベーションを生み出そうという姿勢や気概が感じられない小粒キャラでした。実際にその後どん詰まってたみたいだけど。(まぁ若いから多少はしょうがないけどね)

僕の持論ですが、プロデューサーは一番偉いわけじゃなくて、プランナーやプログラマー、デザイナーさん達にお願いをして、力を少しずつお借りして、みんなを成功体験へ導くのがお仕事です。デイリーの売上だの課金率だのについては一生懸命講釈をたれるわりに、チームビルドやユーザーの気持ちにはまったく興味無い、ゲームに思いを込められないような時点で、売上を達成してようがしてまいが、僕から言えば三流です。

(ΦωΦ)ニャーッ!!

そんなわけで、一見お仕事において一生懸命考えている、こだわっていると思えるようなことでも、冷静に考えたらイケてない考えや自分に気付けるかどうかというのは、結構大切なスキルだと思っています。ゲーム作りはファンタジー世界のことではない。これでもかと95割がリアルなので、そこらへんを踏まえて頑張っていきまっしょい!

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Lv.62 ゲームのトラウマ



GW期間中はゲームしすぎなぐらいゲームしてしまいました。

WiiUの新作ゲーム「XenobladeX」「スクールガールストライカーズ」「天空のクリスタリア」「ゲーセンラブ。」「神姫覚醒メルティメイデン」「シンデレライレブン」とか色々。特にXenobladeXは発売前から楽しみにしていました。というのもWiiUは他のコンシューマ機に比べてタイトルの本数がとても少ないので、超大作RPGともなると期待せずにはいられなかったからです。とか言いつつ、ゼノシリーズは殆ど遊んだこと無いけど。←

なんか物凄いぶりにRPGというものをやった気がします。というのも仕事基準で考えてしまうと、ここ数年はスマホのゲームをプレイしている時間が圧倒的に多かったからです。隙間隙間でコンシューマのゲームも遊んではいましたが、なかなかまとまった時間がとれないとなると、スマホのような「隙間時間ゲー」にウェイトが寄ってしまうというのは、世の中の流れに自分も乗っているんだなー、と。

で、あんまりにも久しぶりにちゃんとしたRPGをやってたら、色々なことを思い出しました。僕の「RPGトラウマ」というものを。僕はRPGも好きですが、全然得意ではありません。FFシリーズは10あたりで諦めましたし、ドラクエは1~8ぐらいは遊んでたはずなのに、どのシリーズも一度もクリアしたことありません。ロマサガにいたっては1で冒険早々からクソデカイ敵にぶっ殺されたのがトラウマになり、何この不条理クソゲーと思って以来一度も遊んでいません。(世間的には超名作なのにね)

で、XenobladeXをやっていて、過去のRPGで経験したそこらへんの嫌な思い出群が走馬灯のように蘇ってきました。何故そうなってしまうのかをメモがてら書いておいて、将来自分がRPGを作ることになった時の参考にしたいなと思います。

1・まったく人の話を聞いていない
先ず、ストーリー進行や町の人がしゃべる話を聞くのがとても億劫です。こっちの空気も読まずに勝手に好き勝手喋り出す登場人物達、なのにその会話の内容を一々覚えていないと、次の目的地を見失います。そうなると「あれー、俺どこに行けばいいんじゃーい!!!」となり、しらみつぶしに町中を、大陸中を、世界地図上をウロウロすることになります。

僕が若い頃にFF7をプレイしていた時「ケットシーの招待はhogehogeなんだよな。」って友達が言った時に「……え………?(そもそも誰かが正体だという概念で見てない)」ってリアクションしたのを今でも覚えています。というか、その後にすかさず友達が「え?何?オマエそんなことも分からないでゲームしてたの?それでゲーム業界目指してんの???絶対無理だろ。」って言ったんだよね。今野くん、元気にしてるかな?僕はゲーム業界で元気に暮らしているよ。おかげでストーリーの仕事だけは絶対引き受けないけど。←

2・超絶道に迷う
広大なマップダメ、ゼッタイ。何故あんなに無駄に広いのでしょうか。最近流行りのオープンワールドゲームともなると、もはや嫌がらせのために作ったとしか思えません。XenobladeX、オープンワールドなんだよね。ストーリーについても前述通り、あんまり聞いてないんだよね。まずもって最初の街が超絶広すぎる。覚えられない。しかも道に迷うくせに「広大な世界だウヒョーッ!!!」とか言って、可能な限り遠くまで行こうとする癖があるんだよね。まだ一週間ぐらいしかプレイしていないのに何回「…ここは何処だ……」ってなったか分からない。何も無い海を10分ぐらい泳ぎ続けた時は、もう終わったと思いました。

3・レベル上げつらたん
これは宿命と言ってもしょうがないですが、何かの目的を達成するためにザコ敵を何匹も倒さないといけない、これがとてつもなく辛い。昔はそれでも一生懸命やっていましたが、今となっては持ってかれる時間が悶絶勿体無いと思うようになってしまった。効率の良いレベル上げの方法などもあるんでしょうが、スマホのゲームに慣れてしまった今、フィールドをウロウロしてザコを探す時間すら「ゲームをしたい気持ちの間に挟まってる”なんでもない消費時間”なんだよな。」と思ってしまう次第。ともあれRPG好きはレベル上げがしたいわけではないというのを再確認しました。

4・ 卑怯にクソ強い敵
前述のロマサガライクに、XenobladeXでも遠出すればするほど、鬼クソ強い敵が急に現れて即死ダメージで襲ってきます。何度でも死にます。なんなんだよ。僕はこの広大な世界で美しい景色を楽しみたいだけなのに。昔のJRPGなんかと違って、オープンワールドだとそういうことも普通の出来事としてあるもんだから、タイムマシンに乗ってきた僕としてはこの理屈を不条理なものだと考えてしまいます。真・女神転生IMAGINEをやってた時もウロウロしすぎて、気が付いたら周りは絶対勝てないような敵ばっかりになったのを思い出した。そうなったらもはや終わりです。(XenobladeXは安全な場所までワープできるから大丈夫)

5・複雑なゲームシステム
前述のようにスマホのシンプルなゲームに慣れてしまったせいか、コンシューマRPGの「覚えなきゃいけないことだらけ。」な感じがすでにヤバイ。しかもUIにも色々なものが表示されていて訳わからん。しょうがないから一個一個覚えていくとして、さっき教わったアレはいつ使うんだとか、結局どの組み合わせが一番いいんだとか、頭の中で色々なことを考え続けながらも物語を進めないといけない感じの疲労感がたまりません。

良い意味ではやり込み要素ということなんでしょうが、昨今のコンシューマ離れの一端が、この複雑極まったゲームシステムなんじゃないかと、僕なんかは思ってしまいます。

6・ストーリーに理屈を求めてしまう 
どんなゲームでも大体冒頭で大枠の世界観と、プレイヤーの目的を説明すると思います。で、それが「その世界の常識」となり、ゲームが進行していくわけじゃないですか。ゲームの世界なのでファンタジー理屈や嘘っぱちがある程度入ってる。それはそれでいいとして、僕の場合、変なところで引っかかる癖があります。(人の話聞いてないくせに)

「仲間が死んだばっかなのにお前元気出すの早いな!」とか「お前いつ寝てんだよ!」とか「宇宙人なのになんで人間語使えるんだよ!」とか、そんなんツッコミ出したらキリが無いところが気になってしまいます。リアルである必要は無いけれど、作り手が絞り出したものに対して「あぁ、ここは適当だな。ツメが甘いな。」と思うと、結構一気にテンションが下がります。リアルは不要だけど「リアリティ」は必要だと思うんです。多分、最近のゲームはグラフィックや映像がリアルだからこそ余計そう思うのかもしれません。

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って、こんだけ不満があるってことは、僕はRPG向いてないんじゃないかと思うじゃないですか?でも「好き」なんです、RPG。広大な世界観とか、冒険とか、剣と魔法とか、そういうのってやっぱりゲームじゃないと体験できないじゃないですか?上述のような不満が綺麗さっぱり解消されているような素敵RPGがあったら最高だなとも思いますし、本当に将来自分がRPG作るんだったら、全部とは言わないまでも、そこらへんをキッチリこだわって作っていきたいなと思います。

さーて、地球を飛び出してまだ惑星ミラに行ってくるかー。

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Lv.61 Z戦士



今日はただの私的念仏。

数年前に一緒のプロジェクトだった仲間達との呑みでした。その中の一人が新天地で頑張るということで、卒業お疲れ様&新しい場所でも頑張ってね的な。当時一緒に戦っていた10人にも見たない小さなチームのみんな。今となってはみんなバラバラの場所で、それぞれの道を歩いています。

ゲームのお仕事に限らないかもしれませんが、転職することは決して珍しくない業界です。僕も今まで4つぐらいの会社を転々とし、フリーになってからもたくさんの会社にお邪魔しています。それがグルっと巡り巡って、また昔の仲間と仕事をする機会なんかもあったりします。

僕はその時々で、本当に良い仲間に出逢うことができているなと思います。いつかまた集まって一緒にやりたいな、と。でも、恐らくそれは叶わないんだろうなとも考える。何年か経てば、みんな偉くなったりお給料が上がったり、新しいことに興味が出たり、大切なものが変わったりすから、そういう意味では必然なのかもしれません。

僕はずっと、志のある人同志はどんどん集まるべきだと思っていましたが、今日の呑みで感じたことは、むしろどんどん散り散りになるべきなのかな、と。そのほうが広範囲にわたって色んな人達に熱量を伝えていくことができるかもしれないからです。それで、またそこから新しい熱が生まれて、その人がまた旅立って、ずっとそれの繰り返し。そういうふうにうまく回っていけば、ゲーム業界全体の熱量がいつか今以上にググンと上がるような気がします。 

===卍(卍ΦωΦ)卍テテコテテコ

話は変わって、昔複数の新規タイトルが同時に発足した部署にいた頃のお話。確か7本ぐらいのプロジェクトが同時にスタートしました。各プロジェクトのリードマンはプロデューサーやプランナーではなく、「自分の考えたゲームを出したい!」という高い志のエンジニアやデザイナーの人たちでした。たくさんのゲームを同時に作って、その中からヒットタイトルを生み出そうという会社の戦略です。

当然ながらそれぞれのプロジェクトのリードマンは自分のゲームを完成、そしてヒットさせるべく、日々チームメンバーと共に頑張って作っていきます。とはいえゲームプランナーとしての経験があるわけではない人が殆どだったので、ゲーム開発が思うようにいかない場面も多かったように思います。

それから月日が経ち、現在もサービスが提供されているものは、たった2つとなりました。他のゲームはリリースこそされたものの、後に様々な理由でサービス終了しました。会社が事業でやっている以上は、これはこれで一つの結果だと思います。

僕が今でも時々思い出すことは、その7つのプロジェクトでプランニングリードとしてチャンスに掛けたメンバーのうち、今でもプランナーとして活躍しているのが、たった一人だということです。他の人は元々の技術職に戻ってしまった。

色々あった上での本人の選択ですから、それに対して僕が言えることは何もありません。だけど、ゲームプランナーというお仕事をずっとしている自分としては、思い出すたびに少し寂しい気持ちになります。「自分の考えたゲームが世の中に出せるかもしれない。」という点だけ見れば、とても華やかに見えるのがゲームプランナーの魅力ですが、それと併せて実際のゲームの面白さや事業計画、人材獲得、進行管理、チームビルド、締め切り、プロモーション施策など、地味で辛い仕事もプランナーにはたくさんあります。むしろそういったことが殆どの割合を占めます。

当然開発期間中も上司に進捗や完成度、魅力を伝え続けなければいけませんし、いざリリースとなれば、売上という形で結果を出さなければいけません。そういった数多くの面倒なことをやり切った上で、ようやくプランナーとして一つ仕事をしたと言えると思います。そういう点から見れば、ずっとゲームプランナーをやっている僕としては「ゲームプランナーの仕事って傍目から見るよりずっと大変でしょ?今後は軽々しく踏み込まないでね。」と物申したいところもありますが、一度体験してみたぐらいで引き下がるのは、正直勿体無いと思っています。

上述のような面倒なこと、辛いことというのは僕もゲームプランナーになりたての頃から嫌というほど経験してきたけど、そんなものでも何回か経験してしまえば、大して怖いことでもないからです。人間が起こした問題なんて、人間が解決できることが殆どなのだから。そこを越えた先に本当の面白さが待ってるのに、と。ゲームプランナーの仕事、楽しいのになぁ。

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前半と後半はそれぞれ別の話ですが、ある観点から見た時に「飛び出した人たちと、守りに入った人たち」とという見方もできるのかな、と。前述のように人それぞれ人生の選択がありますから、どちらがどうと言うつもりはありません。だた、30代前後で守りに入ってしまい、そのまま勝負を仕掛けずに進んでしまうのはキャリアパス的に危なっかしいと、僕個人は思っていたりします。フリーランスでやっているならまだしも、会社員ならなおさらです。単純な話、若手で伸びしろがある子を半分の金額で雇ったほうが会社としては都合が良かったりするからです。守りに入りかけた人たちが、いつかまた攻めに転じてくれたらなぁと期待しています。

そして僕は今後もずっと勝負する側でいたいな、と思っています。だってそのほうが断然ワクワクするんですもん。

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Lv.60 論理vs感情(乱入キャラもあるよ)



ゲームのお仕事をしていると、しばしば「論理的に考えるべきか、感情的に考えるべきか。」というジレンマにぶつかります。で、大概の場合「自分は論理的だから」「俺は感情優先だから」と言ったように、自分の性格を軸にして物事を決めがちな人もいます。

お仕事としてのゲーム作りにおいて熱量が必要なのは当然のこととして、 コンピュータ上で動くためには論理的な思考も必要になります。時々「ボクは絵も描けないし、プログラミングもできない、だからプランナーをやります。」みたいな人を見ますが、そういう場合はわりとガッツリ感情に寄ってる人が多いような気がします。そうなると、面白いとこばっかり考えて、ちゃんと論理的に煮詰めていかないといけない部分がおろそかだったりして、結局のところその人が考えたゲームやアイディアはイマイチだたり、仕事をする上ではその当人すらイマイチな場合もあります。

どっちが大切かと言われれば「どっちも大切」です。個人の好みで好き勝手に決めて良いものではありません。僕はグラフィックデザイナー出身だということもあり、ゲーム業界に入りたての頃は感性をとても重要視していました。しかし、プランナーになってからは何処までも論理でした。画面仕様、データ設計、レベルデザイン、制作進行。さながらリアルタイムでパズルゲームを数学的にパチパチやっているような感覚が、ゲーム作りにはあります。 とは言えなんのために作っているのかと言われれば「ユーザーの感情をふるわせるため。」なので、やっぱりどっちも大切なのは間違い無いようです。

で、いつだったかに気付いたのですが、「論理か感情か?」という考え方をするから、無意味なジレンマに囚われるのだなぁと。2つの物体が存在しているようにイメージしてしまうと「どちらかを選ばないといけないような気がする。」「両方を気にしながらやらないといけないのが辛い。」みたいな、誰にも頼まれていないはずの感情に苛まれます。

いつだったか読んだ本に「情理」って言葉があって、僕的解釈だと「論理と感情を繋ぐ接着剤、または道」みたいなものなんだなぁと。二つの離れた島があって、そのままだと独立したそれぞれの物なんだけど、そこに情理っていう橋をかけてあげたら、どっちからも行き来できるようになってみんな幸せに暮らしましたとさ、的な。

そこからもう少しアドバンスして、情理=「論理と感情を掛けあわせた言葉」 とすることにしました。実際は違いますよ?本質的には大体合ってるけど。

で、そこからは何かゲーム作りで物事を考える時は、「情理的に合ってるか合ってないか?」というように考えるようになったら、ずいぶん楽になりました。端的に言うと「感情的にあ合ってるけど、論理的には間違っている。」もしくはその反対、というものでは、ゲーム的にはイケてないものが生まれやすいような気がしているので、この「情理的に合っているか?」であれば、両面を満たしている結論だけが導き出せるんだと思います。 

もう少し言うと、ユーザーの気持ちは「感情と論理の間をゆらゆらと行き来する。」と思っているので、その「ユーザー感情のストーリー経過」という意味でも、この情理的に考えるということは、合っているように思います。

そんななんで、感情的なタイプのかたも、論理的なタイプのかたも、ゲームプランナーを目指すのであれば、そんな感じの考えかたもあるかもなーと思ってもらえたら、ちょっとだけ嬉しいでーす。なんだか今回はテレビ寺子屋みたいだったね。(ΦωΦ)ギラーンッ

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こちらの写真は「フリー素材アイドルMIKA☆RIKA」のお二人でーす。(・ω<)b

Lv.59 ボクと砂漠と水(レベルデザインの念仏)



クソブログも、質はともあれ結構なエントリー数になりました。以外と続くもんですね。

今日は少しだけレベルデザインのお話を自分なりに。レベルデザインっていうのはゲームにおける「ゲームバランス」であったり「難易度設定」のことを言う場合がほとんどです。敵の強さだったり、弾の数だったり、複雑さだったり。

ほんで、コンシューマに限らずスマホのソーシャルゲームなんかでも、当然ながらレベルデザインというのは行っています。例えばプレイコストだったりイベントランキングの報酬内容だったり閾値だったり、ガチャの排出率なんかもそうですね。で、むしろソーシャルゲームのほうが「レベルデザイン=売上」に直結するようなもんだから、いい加減なことはできないという点で、現代のゲームプランナーの中でも必須スキル化しているようなところもあります。 

まだ業界の経験が無いかたなら良いですが、現役で「ちょっと数字は苦手で…」と言ってるような人は、結構どこかで真剣に勉強しないといけないと思います。僕はソシャゲが流行る前のPCオンラインゲームが人気だったころにそこらへんは上司に嫌ってほど叩き込まれたので、わりと昨今のお仕事はやりやすいかなぁと思っていたりします。

前置きはこれぐらいとして、レベルデザインにおける「イケてる状態、イケてない状態」というのはどんな感じでしょうか?ゲームバランスというものは正解があるようで無いようであるようで、と言っためんどくさい性質の物なので、マニュアルらしいものが作りにくいというのが難点です。

例えばアクションゲームがステージを進めていくうちに、どんどん難しくなるのは想像がつきやすいと思います。RPGなんかでも、後から出てくる敵のほうが強力ですよね。でも、「それだけ」でしょうか?単純にステージや敵が強くなっていくだけなら、変な話新人でもできちゃいそうな気がしますよね?でもなんか、そんなんでもないっぽいんですよね。 多少の抑揚は必要でしょう。そこらへんも自著ではわりと簡単にですが書きました。 でも、やっぱりそれでもまだ足りないんですよね。なんなんでしょうね。

ソーシャルゲームなんかでは、ぶっちゃけユーザーに対して「どうやって喉が乾いた状態を生み出すか?」というのが主眼になっていたりします。例えばガチャで可愛いキャラクターが登場して、「この娘欲しい!→でもガチャだと出ないかもな…今月お金が…→え、初回半額?→しかもオマケもついてる?→その上今ならゲット率xx倍!?!?→だけど本日限り!!?!?!?!」というように、欲しいけど届かないけど届きそうだけど欲しいけど、という状況をいかに作るかに対してアレコレ小細工を考えていたりします。

あと、こうやって「複数の判断材料をポイポイ投げる」ことで、判断力を鈍らせるというのも、ソーシャルゲーム全盛の頃から脈々と続いているように思います。「射幸心を煽り」とかっていうアレですね。特にこれはゲームに限ったことではなく、「今ならポイントxx倍!」とか「長期契約なら月額料金割引!」とか、色んな商売でもやってますよね。深夜の通販番組とかね。携帯電話の料金設定、あんなに無意味に複雑なもの、一体誰が得するんでしょうか。(胴元でしょうけど

で、良いか悪いかは別として、レベルデザインにおいてもこの「喉が乾いた状態」という意識を知っているかどうかで、最後の出来栄えがずいぶん変わってくるように思います。アクションゲームなんかでも「あれ、ジャンプしてもこの段差届かない→どうやったら登れるんだろう?」という状況があったりしますよね。それがいわゆる「喉が乾いた状態」です。それに対して、「あ、あんなところに木箱がある→(アレをここまで持ってこれたら、登ることができるかも?)」という状態が「水が飲めるかもしれない状態」になります。

木箱を運ぶ方法をすでに学んでいるのであれば、「確定で水が飲める状態」ということになりますし、まだ方法を知らないのであれば、「新たに喉が渇いた状態」だということになります。で、木箱を運んで段差を登れた。ここが「喉が潤った状態」ですね。ゲームでいうところの達成感であったり、気持ち良いポイントになったりします。こうやって屁理屈で並べていけば、レベルデザインそのものはそんなに難しくはないように感じるんじゃないかな?と思います。

ただ、上述のようなことを考える「そもそも」のこととして、「なんで段差を登らせだかったの?」という部分がすっぽ抜けていたら、まったく意味がありません。段差の上には何があるでしょうか?便利アイテムが置いてあるかもしれないし、広大な景色が広がっているかもしれないし、可愛い女の子が立っているかもしれません。もしかしたら何も置いてないかもしれない。で、そこに辿りつけたプレイヤーは「一体どんな気分」になるでしょうか?もっと言えば、そこに辿り着くまでのプロセスにおいても、「どんな気分だった」でしょうか。

ここが僕的には「レベルデザインの本質」だと思っています。 レベルデザインというのは、前述のような数値設定や敵の配置、複雑な要素で判断力を鈍らせるというのは、あくまで小手先のことであって、本来のレベルデザインというのは「ユーザーの心のデザイン」だと考えます。

「ここで学習してもらおう」
「ここでビックリさせよう」
「ここで悔しい思いを一回させておこう」
「ここで達成感を盛大に祝おう」


と言うように、何かしら作り手が仕掛けた物に対しては、この「どう思わせたいか?=心のデザイン」が先にできていなければ、それ以外の小細工は全て役に立ちません。 逆にそこさえちゃんと抑えていれば、その心のデザインに対して、色んな方法やアイディアが浮かぶ場面が多くなります。

実はこのレベルデザインというのは、ゲームプランナーのレベルデザインだけに限らず、ディレクターがチームビルドをする時や、プロデューサーがどんなプロモーションを打つかを考える時にも、とても役立ちます。もう少し端的に言えば、「自分が他人の心を動かす瞬間を考える。」というのがレベルデザインの本質だと思っています。

エクセルカチャカチャしてるだけでレベルデザインやれてると思い込んでいるような人は、もう少し広い視野でここらへんを突き詰めると良いような気がします。先ずは隣に座ってる人を一日三回でも笑わせることができれば、レベルデザインはそんなに難しいことではないような気がします。かしこ。~( :3 )<ネムーィ

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Lv.58 イベントレポ「OGC2015」「ニコニコ超会議2015」



ここ数日、ゲーム系エンタメ系のイベントに参加してきました。

「OGD2015(Online Game Conference)」
先ずはOGC2015。ゲームの中でもオンラインゲームに特化したカンファレンスイベント。今回初めて参加しました。朝から夜までAとBの2ブースに分かれて、著名な方たちの講演やライトニングトークを行うイベントでした。

ちょうど、今年も8月にパシフィコ横浜で開催される、日本最大のゲームカンファレンスCEDECのオンゲ特化版と考えると、イメージしやすいかもです。CEDECよりはかなりコンパクトな感じではありますが、ゲーム産業の未来や、それを支える裏側の技術など、業界の人なら知っておいて損の無いような情報が詰まっている感じでした。

残念なのは所用のために後半からしか参加できなかったので、神羅カンパニーの和田さんやサイバーコネクトツーの松山さんの講演を観ることができませんでした。あと、たまたま知人に会ったのですが、当日は他のゲーム系イベントとタイミングが重なったこともあって、いつもよりはイマイチ盛り上がりに欠けていたようです。

良かったことは、初めてOculusRiftを体験しました!デモ映像を観るだけのやつだったんだけど、だいぶハイスペックなPCを使ったデモだったので、かなりリアリティのある体験が出来たと思っています。解像度に関してはまだまだ荒いのは前々から知っていましたが、ゲーム業界にとってもこれからが楽しみな分野です。

その他諸々メモ書き(超簡潔)
OculusRiftの大変なところ / 両目用の映像レンダリングするのとトラッキングした時に違和感を感じさせないようにするための技術が大変。色々ずるいことをしないとアレがナニ。70~90FPSぐらいを維持できないと「ヘッドマウント酔い」する

UnrealEngine4 / ←を使ったアイディアには資金提供をしているよ。

スクエニの考えるAIの未来 / 現実とハード(ソフト)の中間がもっとスムーズになって、街全体がAI化する未来が来るよ。

これからの組織作り / やれるところはどんどんアウトソーシングしろ。人事とか採用とかもだ。プロデューサー、ディレクター、アートディレクター、テクニカルディレクターだけ中の人にして、後は外にポインするのも主流。(うん、知ってた

アフターの懇親会でおしゃれ代表←が出てきたから超高速で食べて会場を後に。

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「ニコニコ超会議2015」
こちらも初めての参加。元々ぼくはニコ動見ない、ボカロ分からない、歌い手踊り手知らない人なので、事前知識ゼロのまんま突撃。これまた入場したのが閉館の二時間前ぐらいだったので、多分ぜんぜん楽しめてないのかなぁと思いつつ。

会場に入ってからすぐにイベントブースの入り口まで行くと、一番小さいホールの入り口があるのね。そこでなんだかすごい盛り上がってるライブ。曲は知らない。でもみんなすごいテンション。こういう時は「訳がわからないけど混ざってみる」が僕のポリシーなので、観客の中に突撃。やっぱり曲は全然分からないんだけど、お客さんの熱気をその場で感じられるというのは、ライブの良いところだと思いました。

時間が無いので次へ移動、と思いきやまたライブスペース。こちらはニコニコ超音楽祭のブース。でんぱ組も出てたのね。かなり遅い時間だったので、最後の陸上自衛隊中央音楽隊の演奏のみ観ることができました。有名なアニメやボカロの曲を吹奏楽団が演奏。アクエリオン、ポケモン、ドラゲナイ、進撃の巨人、みっくみくにしてあげる、お客さんテンション上げまくりだったので僕も混ざってワッショイワッショイ。

最後にサプライズ?でラスボス幸子登場!千本桜歌ってお客さん大喜び。そりゃこんなん盛り上がるわ。
↓は陸自中央音楽隊の別のやーつ。

ライブ終了後には夏野さんが出てきて、来年もニコ超やりますよ、今年も全国版の「ニコニコ町会議」もやりますよ。来て欲しい町の募集を今日から始めますよ、みたいなことを仰ってました。

ともあれ時間が閉館前だったので超高速で他のブースにダッシュ。メインブースではグランドフィナーレ的にコンパニオンのおねーさん達が一列に並んでました。クッ……来年はもっとガッツリ撮ってやんよ…と思いつつ会場を後に。

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「オマケ 大道芸」
会場から駅に向かう途中に大道芸。僕が今まで見た中では一番の人だかり、パフォーマーのたいちさんは元々サーカスでピエロや空中ブランコをやっていた人で、今でも人を楽しませるのが好きだからと、色々な場所でパフォーマンスをしているそうです。芸がすごいのはもちろんのこと、その場にいる観客を楽しませようとする語りかけであったり、空気の作り方が素晴らしいなと思いました。

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まとめ
カンファレンス、超会議、大道芸。僕もエンタメ屋さんのはしくれとして仕事をしているので、こういった場はいつも刺激になります。というか、刺激を通り越していつも嫉妬してしまいます。と言うのも、ゲーム屋さんの特性として、「パフォーマンスをしている時=作ってる時」なので、お客さんとの距離ってなかなか遠いんですよね。

だから、ライブとかパフォーマンスとか、「お客さんとその場で一体感を楽しめる」という形式のエンタメには、昔から常に嫉妬しています。もちろんゲームでも様々な方法でお客さんとの距離を縮める方法はあるのですが、未だにそこに辿りつけていないのが僕の課題。まぁ、良い意味では今後もずっと嫉妬しつづけて、それをエネルギーに、より面白いゲームを作っていきたいなと思いました!

ともあれ今年もまだCEDECや東京ゲームショウがあるし、今から待ち遠しい!来年はニコ超にコスプレで参加でもするかなぁ。\(ΦωΦ)/ニャーッ!!!

Lv.56 ランダムエンカウント、シンボルエンカウント



ゲーム用語です。

ドラクエとかFFとかみたいな、フィールドをウロウロしてたら敵が急に現れるのがランダムエンカウント、ロマサガとかMOTHER2みたいに敵が予め見えているのがシンボルエンカウント。以前業界の大先輩(ゲーム翻訳の偉い人)に聞いたのですが、エンカウントという英語は無いそうです。"Encounter your rival" みたいな表現が正しいそうです。

今日はお昼と夜に、初めましてをしました。一人は来年から社会人として頑張る予定の若者。とある企業について質問があったとの理由で会って、ランチがてらお喋り。夜には同業他社のかたから、どんな人か興味があると連絡をいただいたので、じゃぁ会いましょうと一杯呑みながら、色々なお話し。

プランナー本を出してから、嬉しいことに本当にたくさんのかたにお声がけいただき、新しい出会いがここ半年でも数えきれないほどありました。僕自身が想像していた以上に。僕自身は分かりやすく華やかなキャリアやヒットタイトルを持っているわけではありませんが、本をきっかけに似たような悩みや苦労、不安、ゲーム産業の可能性を感じている人が、こんなにいるんだな!というのを改めて実感しています。

僕は今しがたお仕事でも、人と人、会社と会社を繋ぐようなお仕事をしています。この「出会う」っていうことはお仕事をする上でとても大切なことだと思っています。会社との出会い、上司との出会い、同僚との出会い、取引先との出会い、同志との出会い。お仕事なんて、自分一人で出来ることはたかが知れているので、そういった出会いを繰り返していくことで、自分自身も少しずつ磨かれていくんだと思います。

ちょうど僕の去年のテーマが「色んな人に出会う。」で、今年のテーマが「続・もっと色んな人に出会う。」なので、今後もまだまだたくさんの人に出会って、お互いにとっての良い関係や、新たな可能性を生み出すきっかけになればと思っています。

東京はさながらエンカウント率高めのリアルRPG、ポリゴン数も凄いし面白いでーす。(ΦωΦ)ニャーッ!!

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Lv.55 ガチゲーマーとKPIと私



最近は昨日のことも忘れる勢いで、もはや以前も書いたんじゃねーか的なネタをまたやってる疑惑が。

今日はあんまり楽しくない、KPI(重要業績評価指標)について自分なりに適当に。以前からブログでもちょくちょく書いている通り、スマホの課金型ゲームをお仕事にする場合、何度となく「KPI」という言葉を職場で聞かされます。端的に言えばゲームの毎月の売上であったり、それを達成するための間接値(チュートリアル突破率とか継続率とかARPPUとか)のことを、まるっとKPIと言う場合が多いと思います。

最近の僕は色々なゲームのKPI値を分析して、より数字が上がるような施策を考えたり提案したりというお仕事もしていたりします。以前も書いたように、新人でもKPIという言葉を叩き込まれるような雰囲気がここ数年では当たり前となっているので、良い意味ではゲーム業界にも数字に対する理解のある人が増えているかなぁと思います。その反面「数字を知った気になっているだけの人。」「やっぱり数字が苦手な人。」も如実に浮かび上がっているとも言えます。 

僕も若い頃に上司に数字を叩きこまれた際に、当時はその本質を全然理解していませんでした。10万人のユーザーがいます。そのうち10%が課金しています。一人あたりの月平均単価は5千円です。今月の売上はいくらでしょうか?まぁ、5千万円ですよね。そんなの小学生でも分かりますよね。そこから人件費だの広告費だのキャリア決済だのを引いていくと、利益が残って利益率何%みたいな。

でも、↑ぐらいのことだったら1日もあれば覚えられるので、それ自体はあんまり意味が無いです。もう少し丁寧に言うと、「眼前に結果として出ている数字を読むだけ。」だったら誰でも出来るので、それだけでは無意味だと言うことです。たまーにそういうポンコツプロデューサーを見かけます。

KPIという言葉も便利なんだか不便なんだかいい加減なもので、人に寄って受け止め方が違います。

・絶対に達成しなければいけない数値指標
・↑で見たような結果速報値だと思っている人
・他タイトルと比較して、相対的にイケてるかイケてないかを推し量るための数字

当然上述のような要素も含んではいますが、どれも本質ではないと個人的には考えます。というのも、お仕事にしている場合は数字を結果として見るのではなく、「作る」必要があるからです。例えば、今からつくるゲームで毎月1億円の売上を立ててください、というミッションがあったとします。ここは会社からのお達しなので、クリエイターが勝手に変えることは出来ない、絶対的なルールとして決められます。

そうなると次に、「どうやって1億円を稼ぐか?」ということを考えなければいけません。上述のようなスマホの課金型ゲームであれば、「何人からいくらずつ貰って、合計1億円にするか?」という考え方になります。最後の帳尻さえ合えば、1千万円ずつを10人からでも、10円ずつを1千万人からでも、OKということになります。とは言え、ゲームの中で何を売れば、その数字が達成できるかは、いずれにせよ難しいことだと思います。

まだあまりそういった数字に触れたことの無い人にしてみたら、一人からいくら貰えるかを考えなさいと言われても、分からないと思います。かと言って「アイテムは多分100円ぐらいでー。ガチャは1回500円でー。」とテキトーにやったところで、それでは売上の見込みが立ちにくい、というよりか、上司に根拠を求められた時に、まともな返答が出来ないかと思います。

どうすればそこらへんの数値の感覚が身につくか?と聞かれたら、個人的な経験上では残念ながらたくさんのサンプルを見るしか無いのかなと思います。僕は多分20~30本ぐらいのゲームの数字を見てきたので、こういう場合はこう、昔はこうだったけど、今はこう、みたいなのがようやく「ただなんとなくあるだけ。」の状態です。そういう意味ではソーシャルゲームを1~2本しか運営していない会社の場合、サンプル量が足りないで結果的に苦労される場合も多いかと思います。

いずれにしても、一応覚えておいて損は無いのと、今後ゲーム業界でゲームプランナーをやる場合に、「このKPIを伸ばすためには、こういうゲームシステムを入れましょう!」みたいなシチュエーションが本当に多いと思うので、順を追って身に付けるといいと思いますよ!順番で言うとこんな感じでしょうか。

1・知る / 先ずは何も知らないと思うので単語なり意味を覚える。ついでに言うと苦手意識をここで捨てちゃう
2・覚える / それぞれがどういう因果関係で、ユーザーの動向と連動しているかを理解する
3・試す / 新しいシステムなり、ゲームバランスなりを調整してみて、数字がどう動くかを体感する
4・考える / 伸ばしたいKPIに対し、どんな施策を打てば上がるかをゲームデザインとして考える
5・作る /  自分が狙った通りのKPI値を作れるような全体的なゲームデザインを設計する
6・忘れる / 1~5が当たり前にできるようになったら、意識せずに勝手にイメージできるようになる


こんな感じでしょうか。最近ではガンホーの森下さんやモンストの岡本さんが「KPIは意識しません」とか言っていますが、アレは半分ウソで半分本当だと思います。上述の1~5を経ていると、一々細かい数字なんか見ずに、「単純に ”面白い”にだけ注力していれば、勝手に数字は上がる」という理屈から、そう仰っているんだと思います。

で、数字を当たり前にやるようになっても、絶対に分からないことがあります。簡単に言うと「実際にそのゲームを遊んでみないと、数字の意味が完璧には分からない。」という点です。 先ほども述べたように、僕は色んなゲームの色んな数字を見ます。過去の各種KPI値がダーッと並んだエクセルとかを見るわけです。でも、それを見ただけではどんなゲームかとか、ユーザーさんがどこに熱中しているゲームかなんて分かるわけがありません。せいぜい「チュートリアル突破率がゴミだな!」とか「ARPPUが悶絶アレだな!」とか、他コンテンツとの比較値が認識できる程度です。そういう場合もやっぱり「原因となっている事象」については、ゲームそのものを遊んでみないことには究明できません。

なので、数字分析というと頭良さそう、つまらなそう、地味そうみたいな色んなイメージがあるかと思いますが、僕の場合は「一回本気でそのゲームをめちゃくちゃ遊ぶ」ようにしています。もうユーザーに入り混じってガチ課金して、ランキング上位常連とか目指します。以前、自分が担当していたゲームでランキングイベントの一位を取ってしまったこともあります(ほんとはダメ)。その時は寝ている時間以外はひたすら画面を叩いていました。そうやって一回ガチでゲームを遊ぶことで、数値とゲームプレイの両側面から、ようやく色々なヒントや答えが浮かび上がってきます。

今のゲーム業界、意外とこれやらない人が多い。仕事で忙しいのかゲームが元々好きじゃないのか、エクセルいじるのが好きなのか知りませんが。いずれにしても自分がやっているサービスを自分自身が熱中して遊べていない時点で、数字についても中途半端にしか理解していない可能性が高い=ユーザーのことも全然見てない=KPI改善や売上の計画も立てられない、となります。(ゲームが好きじゃないならとっととやめちまぇ!)

ものすごい長くなってしまいましたが、「数字を勉強するなら、同じかそれ以上にゲームも本気で遊ぼう。」というお話しでした。またねー!(・ω<)bドュクシーッ

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Lv.54 呑みにケーション。



先日もチームの有志で呑んできました。

仕事の話はほどほどに、好きなアニメ、ゲーム、TRPG、声優、アイドル、女の子の好みなどを25~35歳ぐらいの男連中が好き放題言う。世代による感覚の違いなんかも、結構お楽しみ要素だったりします。(当日は愛川欽也さんが亡くなられたという話題があって、若い世代は「アド街ック天国」、上の世代は「なるほど・ザ・ワールド」でパッツリ分かれました。ニャンコ先生はいなかった。)

単純に呑みの場が好きというのもありますが、このお仕事をしている上で必要になってくる「お互いの性癖を晒す。」というのがあります。お仕事にしていると日々作業に追われたりして、「エンタメとはなんぞや?面白いとはなんぞや?」みたいな物がほっぽらかしになってしまうケースも少なくありません。

かと言って、ゲームそのものの本質は「面白いかどうか?」「それはどう面白いのか?」というのが絶対条件のため、「締め切りは守れたけど、面白いかどうかは分からない。」となってしまっては、本末転倒どころか、やってることが無意味になってしまいます。

そんなこともあって呑みにケーションにおける、お互いの好きな物事を披露し合うというのは、以外なほどチーム力を作る上では大切なことだなぁというのは、常日頃感じています。逆を言えば、そういったコミュニケーション量が足りていないチームは、傍目に見てもイマイチお互いが何を考えているか分からずに仕事をしているように思います。

前回もブログで言ったような気がしますが、「自分の好きな物事を語れる力」というのは、ゲームプランナーの仕事をする上では必須スキルなのかもしれません。「企画考える→仕様書作る→”メンバーに説明する”」ここですごく重要になります。

キャラクターがジャンプして、◯ボタンを押すと攻撃ができます、という「説明的」な部分だけを伝えるだけでは、それ自体がどう面白いのかは全然伝わりません。デザイナーもプログラマーもただの作業者ではありませんから、この「どう面白いのか?」というのを知りたがっています。で、当然ながらゲームの骨格を考えているのはプランナーですから、プランナーの口からその面白さを伝えてもらうことを期待しています。

なので、どこが面白いかよく分かってない、または面白いとは思っているけれど、うまいこと伝えられないというのは、結構ゲームの完成度に影響が出てしまうぐらいにマイナス点だと思います。そういったことを養うためにも、呑みにケーションに限らず日々のコミュニケーションの中で、自分の好きなことを語れる力や、相手にワクワク感が伝わるような表現が出来るようになるというのは、プランナーとして大きい力になると思います。

ガチムチ真面目キャラとかカマトトぶってる奴とか、八方美人タイプの人だと、なかなかゲームプランナーには向いてないように思います。どんどん飲み会開いて、どんどん性癖晒しましょう!僕はおっぱいが大好きです!

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Lv.53 ドラクエなんて作ったことない。



ここ最近、ゲーム業界に入りたてのかたや、ゲームのお仕事を目指しているかたとお話しをする機会が増えました。

そんな中で色々な質問をされます。そんな中でも結構答えにくいな、と思うものがいくつかあります。

「大手にはどうやったら入れますか?」
知りません。とっとと実力磨いて、履歴書送れよ!以外、なんのアドバイスがあるでしょうか。実力も磨かずに、ただ侵入ルートを教えてください的な意味であれば、うまいことコネクションを作るしか無いんじゃないでしょうか。僕だって大手で働いたこと無いんですから。

「専門学校はどこがいいですか?」
知りません。僕は代々木アニメーション学院に通っていましたが、他の専門学校のことなんて知るわけもありませんし、どこの学校でも謳っている「就職率◯◯%!!!」みたいなのは、あんなん嘘です。いや、嘘っていうとアレなんですけど、一般職に就職したのも計算に入れてたりとか、特定の科の分だけ計算してたりとか、なんか謎に都合の良い解釈を誇大広告してるだけです。だって、そのほうが生徒集まるじゃないですか。専門学校もビジネスですからね。

当然、本当に素晴らしい講師が一生懸命教えている教室もあるでしょうけど、基本僕は専門に通わないとゲーム業界に入れないというのは無いと考えています。実際一緒に働いている仲間でゲームの専門学校通ってましたって人のほうが断然少ないんだもん。もっと言えば、今しがたお邪魔している会社さんで、「最初っからずっとゲームのお仕事をしています。」っていうキャリアのかたは、一割もいないです。それでも毎日一生懸命ゲーム作ってるんですもん。まぁ強いて言うなら、同じような志を持った仲間が見つけられるなら、どこの専門学校でもいいじゃんと思います。

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でね、でね、まだゲーム業界に入ったことが無いなら、そういう質問が浮かぶこと自体は自然だと思っているんです。でもねでもね、「有名メーカーで働けなかったら」「就職に有利じゃなかったら」みたいな価値観って、そもそも本当に大丈夫ですか?というのは、むしろこっちから質問したいぐらいなんです。

かくいう僕も中二からゲームのお仕事に就きたくて、やっぱり当時は僕も何も分からなくて、質問できる相手もいなくて、「やっぱり専門言ったほうがいいかなぁ。でも金がなぁ。」とか思いつつも、十八でなんとか100万ぐらい貯めて、けっきょく専門通っちゃったしね。

でも僕は入りたいメーカーとかは無かった。いや、あったっちゃあったけど、そこに入れなかったらゲームのお仕事諦めようだなんてことは、1ミリも思わなかった。「嫌でも絶対ゲームを仕事にしてやる。」としか思ってなかったと思います。本当にそれ以外やりたい仕事が無かったから。

で、まだゲーム業界を目指しているみなさんに一言だけ言えることがあるとしたら、ゲーム業界で働いている人の九割以上が、ドラクエもFFもソニックもマリオも、作ったこと無いんですよ。そういうゲームは有名だから、当然そういった面白いゲームや華やかなゲームに目線が行きがちだとは思いますけど、大半の人がそこまで有名じゃないゲームをお仕事にしているんです。

憧れのゲームやメーカーがあるのは全然良いことだと思うんですけど、ゲームクリエイターを目指しているんだったら、ドラクエでもFFでもない、「誰も見たことのない、最高に面白いゲームを自分が作るんだ!」という気持ちでいてほしいな、と思うんです。うん、本当に。

だからとりあえずは、どんな手段使ってもいいから、諦めずにしつこくゲーム業界のドア叩いてくれれば良いと思います。有名無名とか、専門通うかどうかとかは気にせずに。

あ、でも俺、ドラクエ作ったことあるや。←

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Lv.52 もう弟子なんてとらないなんて言わないよなんて絶対なんて



今しがた新作ゲームの初期設計を夜な夜な、やっています。

企画の骨格やターゲット、ビジュアルコンセプトなんかは大体もう決まっている。僕は、大体次にゲーム画面とかをイメージし始めるんですが、心配性なところもあるのでゲームデータ設計も並行してやるようにしています。自著の後編レベル9「ゲームのデータを設計しよう!」でもお話ししているあたりです。

ゲームというのは、ユーザーのみなさんに見えるようなものから見えないようなものまで、とにかくデータとパラメータが膨大にあります。プレイヤーのレベルとか、敵のパラメータとか、ガチャの確率とか、本当に色々。

で、久しぶりにゼロからベースでゲームデータの設計をしてみると、「おぃメチャンコ多いぢゃねーかよぉぉぉおおっ!!!」となるぐらい、本当に多い。カテゴリで分けたデータシートが大体20~30種類。それぞれのシートにまた10~20ぐらいの細かいパラメータ。ってことは300とか400とか、パラメータがあるってことですよね。で、そこにアイテムだのイベントデータだの、いっぱい作るわけです。

メンドクセェェェエエエエエエエエエ!!!!!
楽しくネェェェエエエエエエエエエエ !!!!!

っていうテンションで地味にやっています。楽しくないからって、これやらないとゲーム完成しないんですもん。

僕がデータの設計をしている時はいくつかの事を考えています。

「できるだけプログラマーさんが開発しやすいようにしよう。」
「できるだけプランナーが運営しやすいようにしよう。」
「新人でも分かりやすいデータデザインにしよう。」
「無駄や矛盾が起きないように気をつけよう。」
「ユーザーにとって楽しくない、意味があまり無いパラメータはなるべく減らそう。」

大体こんな感じでしょうか。手はパラメータをカチャカチャやっていますが、頭の中はデータパラメータの海を泳ぎながら、まだそこに無いゲームの「脳内プレイ」を何百回もやっています。頭の中でプレイができないと、ゲームの完成形が見えない=どういうパラメータが必要か分からない、となってしまうからです。

で、こういうお仕事は何度もやってきているから出来るのは当然として、「いつまでも自分がやってちゃいけないよな。」と思うわけです。中途半端なキャリアの僕みたいな状況の人からすると、「出来るかどうか?」と「やるべきかどうか?」というのは、全然別の話になってきます。

端的に言うと、僕が出来ることはどんどん若手の人達も出来るようにして、僕はそれ以外の大切なことに立ち回るとか、ゲームを完成させる上ではデータ以外にもたくさん大変なことはあるので、そっちをやれるようになろうというお話しです。

そんななんで割と真面目に、1~2名お弟子さんを募集しますよ!ゲーム業界にとっとと飛び込みたい!プランナーのお仕事やりたい!僕にも私にも面白いゲーム作らせろ!あたい、17歳の可愛いコスプレ好き美少女です!ゲームの作り方教えてくれたら、おねーさんが他のこと色々教えてあげるわよ♥←

そういうかたで興味があれば、僕のFacebookなりTwitterなりにぜひご連絡くださいませよ!
キミがいーないとー、なんにーもー。できないわけーじゃなーいとー。

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写真素材の著作は欣欣さんにありますよー。台湾美少女最高やっ!!!←

Lv.51 インターネットになんか書いてない。



僕がインターネットとか言う文明の利器に初めて触れたのは、たぶん中学生の頃でした。

当時は、通信方式がダイヤルアップ接続とかいうへっぽこ回線で、今のように動画や大容量のゲームを楽しむことなんて出来なくて、イラストを見たり掲示板に書き込むぐらいしか楽しさが無かったように思います。今の平成世代の人たちは、わりとインターネットが当たり前の環境で育ってきたのかなーと思います。 

ゲームプランナーのお仕事をしていても、ネットを使う機会は頻繁にあります。企画書用の絵素材を探す。知らない言葉の意味を学ぶ、ユーザーさんの意見を見る。FacebookやTwitterで同業者から業界の情報を入手する。息抜きに面白動画を観る。←色々です。

少なくともインターネットなんてものが存在しなかった、ファミコン世代のゲームプランナーよりは、一つの事を調べる時のスピードが劇的に上がったのではと思います。 

しかし個人的な感覚では、ゲームプランナーというお仕事をする上で必要な情報については、インターネットには3割ほども書いていないと思っています。例えば「必ずヒットするゲーム企画」なんてものは、少なくとも僕は一度も見かけたことがありません。すでにヒットしたゲームのクリエイターインタビューなどはありますが、それでは意味がありません。あのゲームは何人ぐらいのスタッフ数で、どのぐらいのお金がかかっているか?なんて情報も、なかなか知ることは出来ません。

他にも、パズドラやモンストが毎月どのぐらいの売上を上げているかなんてのは、分かりません。機密情報だから外に出せないというのもそうですが、せいぜい関節的な予測値を考察している後追いアナリストのブログが拾えるぐらいです。参考程度にはなったとしても、今の自分の仕事に対してすぐに役に立つことは、あまりありません。

最近僕は、色々な会社さんにお邪魔する機会が多いです。そうすると、その会社が今どんなことに困っているかとか、こんなパートナーを探しているとか、「生の情報」を聞かせてもらうこともあります。そういったことは「外に出しにくい情報」であると同時に「日々移り変わっていくもの」であるため、「インターネットに載せてる暇すら無いぐらいの速さ」である、という見方ができると思います。

で、ここで何を言いたいかと申しますと、ゲームの企画という仕事をするのであれば「調べる」ということは重要な一つの技術ではありますが、あくまで「考える」という基板の上に対し、サポートツールとして使える程度だということです。ネットがあればなんでもかんでも調べられるようになったとか、そんな風には考えないようにしましょう、というところです。

今から新しいゲームを作るのに、それの答えがネットに載っているわけはありませんし、一緒に頑張っている仲間が何に頑張っているのか、疲れている奴はいないのか、こいつらの良いところはなんなのか?どういうチームワークを形成すれば、最高のゲームが作れるのか?そんなことがネットに載っているわけはないのだから。

自分という存在を基点に、今から面白いゲームを作ります。このゲームの最大のポイントはここです。それらを実現する仲間たちはこいつらです。こういったことは「自分達が考えて、自分たちが作っていくもの」なのだから、ネットばっかり見たとこで答えなんか書いてるわけないですよね的なお話しでした。面白動画は観る。←

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Lv.50 イベントレポ「ゲームプランナー就職クエスト!」



去る2015年3月27日(金)、銀座の株式会社マイネットさんでゲームプランナー向けのイベント「ゲームプランナー就職クエスト!」が開催されました。

僕自身こういったイベントでお話しすることや運営が初めてだったのですが、予想以上のエントリー数(満席!)、そしてイベント自体もとても楽しいものとなりました。ざっくりと当日のイベントの振り返りと、懇親会のレポをしたいなーと。 

「ゲームプランナーの仕事ってどんななの?」
トップバッターということで僕のお話。イベント自体が「ゲームプランナーになりたい!」というかた向けの内容なのもあり、なるべく分かりやすくゲームプランナーというお仕事について説明させていただきました。すでに仕事にしている人たちにとって当たり前のことでも、外側からは見えないこともたくさんあるよね的な意味で。

ゲームプランナーというお仕事は、ある意味「なんでもやる雑用係」という考え方もできますが、その全ての思考や行動が、最終的にはユーザーの「面白い!」に繋がるためのアクションなんですよー、的なことを言ったように思います。 しっかり自著の宣伝もさせていただきましたよ!

「クリエイティブフリークスの考えるキャラクターゲームプランニング」
京都からは株式会社クリエイティブフリークス代表のふぃぐまさんによる講演。こちらは「ゲームにおけるキャラクターの重要性」や「発想と行動さえあれば、少人数でもゲームは作れるよ!」 といった、僕にとって発見の多かった講演内容でした。今まで発表した「ねんしょう!」シリーズなどを事例としてご紹介いただき、さらに、今まさに公開したばかりの最新作「べんきょう!」ついてもご紹介いただきました。

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「社会人一年目だって活躍できるんです!」 
こちらはイベント会場でもある、株式会社マイネットの新卒一年目、松本啓志さんによる講演。ご本人のこの一年間をカレンダー形式で振り返り、その時その時でどんな体験や気付きがあったかを紹介。「ファルキューレの紋章」「神姫覚醒メルティメイデン」における、「美少女キャラクターへのこだわりがいかに大切か?」について、来場者みなさんの関心と笑いを得ていました。

今回のイベントでも特に松本さんの講演が、来場者のみなさんにとって距離感(新卒とか年齢とか)が近いこともあり、個人的には一番「リアリティ」を感じてもらえたのでは?と思っています。 

「ゲーム雑誌編集からゲーム作りへ」
ムラクモゲームス株式会社、代表の遊佐さんによる講演。過去、ゲーム雑誌編集のお仕事から、ゲーム業界に至るまでの経緯についてのお話。「紙媒体では将来ご飯が食べられなくなるかもしれない。」「今後もずっとたくさんの人に求められる仕事ってなんだろう?」「自分の強みと弱点をしっかり把握して、それに合わせたアクションをしよう。」などのお話を、とても分かりやすく説明してくれました。

とりわけ「好きなこと、得意なこと」を武器にするためには、むしろ「自分の弱点を知る」というのは、遊佐さんに限らず誰もが悩むことだと思うので、来場者のみなさんにとっても印象の強いメッセージだったのではと思います。

「まったく別の業界からゲームに転身!」
こちらも株式会社マイネットから、「エンジェルマスター」のディレクター、船見さんのお話。前職では電子書籍で日本のマンガを海外に広めるというお仕事をしていた船見さんが、ゲーム業界に入るまでの経緯や、転職をする際に大切にしていたことについて語っていただきました。また、何か面白いことを考える時に、自分の中にいるもう一人の自分が「本当にそれでいいの?」と囁く。それとの葛藤こそがゲームプランナーのお仕事だと言っていました。僕は普段そういった意識でいたつもりはありませんが、言われてみると確かにそうだなーと気付きました。

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そんな感じで、同じプランナーという職業でも、結構色々なパターンで来場者のみなさんには発表できたのかなーと思っています。5人の講演を終えてからはゲストと来場者のみなさんで懇親会。みんなで大久保自腹のピザ←を食べながら、親睦を深めました。色々なかたと挨拶させていただく中で、「本当に今日のイベントは楽しかった!」「マイネットで働いてみたいと思いました!」「大久保さんの本読みました!」など、色々嬉しい言葉が聞けて、ほんとにこのイベントをやって良かったなと思いました。

個人的にはまだ高校生の子や、ゲーム系の専門学校に通う子たちがお互いに初めてなのに同じ夢を持ってる同志、仲良くしてた姿を見られたのが、すごい嬉しかったです。僕も言うてまだ十年そこらしかこの仕事をしていないので、そういう意味ではぜんぜん新人のつもりではいますが、こういった次の世代の子たちが夢を持って頑張っていることに、少しでも力になれれば素敵だなぁと思いました。

まとめ
そんなこんなで個人的にも良い一日となったイベント。成果としてはイケてた気がするので、また間を開けずに2回目3回目と開催できたらなーと思っています。あと、このイベントはいわゆる「真面目系セミナー」とは一線を画す雰囲気でやりたいというのがあるので、今後はもっとフランクで誰でも参加できるような感じにできたらと、あれこれアイディアを妄想しています。

ともあれ登壇いただいたみなさん、運営に協力いただいたマイネットのみなさん、そして何よりイベントにご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございました!ではまた次回。~( :3 )<

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Lv.49 勉強足らず。



ぼくは多分このお仕事を12年ぐらいやっています。もう途中から数えるのめんどくなってきました。

最初は3Dのグラフィックデザイナーとしてキャリアが始まり、何故か気付いたらプランナーに転向、そこからプロジェクトの制作進行管理をやってみたり、小さいゲームでディレクターやらせてもらったり、オンラインゲームのプロデューサー(半笑)をやってみたり。

気付いたら十年選手になってたので、今度は若手の教育係みたいのも経験させてもらい、そうこうしているうちに起業家な方たちとお話する機会が増えてきて、今では人と人や、人と会社、会社と会社を繋ぐなんてこともお仕事の一環としてやってたりします。

契約形態もアルバイトやって、会社員やって、派遣やって、フリーランス。なんとまぁ世間から見たらフラフラしていることでしょう。こうやって書きまとめてみると酷いもんだな!親も心配するわそら!!

まぁ、その時々でやっていることは違うんだけど「ぜったい面白いゲーム作るぞ!」というところだけは、まったく何も変わらないんですよね。そのために「今自分が何をすることが、チームとしてベストか?」というだけなので。もっと言えば、色んな視点から同じ物を見つめられるようになること自体が、自身のスキルに繋がるとも思っています。

実際問題、一つの職業だけを経験している人だと、プロジェクトを推し進める上での視野が狭くなるように思います。「デザイナーはプログラムのこと何も知らないよなぁ。」とか「社長はデザインのこと何も分かってないんだよ。」とか口にしてる人、ちょいちょい見ます。そんなこと、実際はどうでもいいんですよね。お互いが得意技を持ってて、それらの組み合わせでゲームなり、ゲーム産業なりが出来上がっていくわけですから。

もっと言えば、相手に理解を求めるなら、自分も自分以外の人たちが何を一生懸命やってるのかを理解すべきだし、もっと言えば一回自分でやってみれば良いんだと、ずっと思っています。大体そういうツッコミを入れるとほとんどの人は自分の庭に引っ込むのも知ってますが。そういうのもあって、「プランナーって楽そうだね。楽しそうだね。」みたいなことを言われるのはあんまり好きじゃありません。やりたいならいつでも来いよと。実際に僕みたいにグラフィックデザイナーからプランナー、プログラマーからプロデューサー、運営からお坊さんになった人もいます。絶対そういうの、面白いと思うんだけどな。

まぁそんなことはどうでも良く、今は本当に一日一日が勉強だなーというのを、経験を追うごとに改めて感じています。瞬間瞬間では一生懸命やって、それなりにこなせるようになって、自信にも繋がって、という感じでしたが、僕の悪い癖で「おんなじことやってると飽きる。」というのも相まって、スルスルと「業界内ジョブチェンジ」をしてきたような気もします。

多分今後も、「知ったつもりでいたゲーム業界、実際は知らないことばかりじゃん。」という気持ちを抱き続けながら、自分なりに道を開いていくんだろうなぁと思います。これからゲーム業界を目指すかたは、不安も色々あるでしょうけど、とにかく一回飛び込んで、色々な世界をどんどん覗いてくれると嬉しいです!~( :3 )<プォ~ッ

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Lv.48 冒険の書か、セーブか。



ゲームプランナーのお仕事は悶絶たくさんあるわけですが、中には細かすぎてめんどくせーわりに結構大切なものもあります。その中の一つに「ラベリング(文言設定)」というのがあります。会社によって言い方は違いますが、簡単に言うと「ゲーム内用語の統一表記を決めましょう。」という話です。

例えば「このゲームではセーブデータのことを、”冒険の書”と言いましょう。」とか「ガチャのことを”召喚”と言いましょう。」と言ったように、ゲームの中で使われる言葉をちゃんと決めて、世界観の演出であったり、日々作る資料内でもその言い方をしましょうね、的な物を作ります。

昔のゲームではわりと当たり前だった気がしますが、最近のソーシャルゲームなどでは人手が足りない、コンシューマ時代の人ではないためそもそもその文化が無いなどの理由から、ラベリングをしていないプロジェクトもあります。

しかし、これがやっていないとめんどいことになりがちです。例えば上述のガチャのことを召喚と言いましょう。と言っているのに、資料などでちょいちょい「ガチャ 」と表現していたりすると、ユーザーさんへお見せするお知らせなどでも、つい「ガチャ」と表記してしまったりするケースもあります。そうすると、「え、説明にはガチャって書いてあるけど、メニューのどこにもガチャなんて無いよ?」みたいなことになります。

そんなに致命的な問題じゃないからいいじゃん、と軽く見がちなかたもいるかと思いますが、僕はそう思いません。例えばコンビニなどではお客さんが去る時に「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」などと言うと思います。でも、これって病院や薬屋さんでは基本言いません。「お大事に。」と言います。何故でしょうか?また来てね=病気しろ、怪我しろ、という意味になるからだと思います。

他にも、ディズニーランドでは、お客さんのことを「ゲスト」、スタッフのことを「キャスト」と言っています。これは、魔法の国を楽しんでもらうのだから、商売っ気を感じる言葉は絶対に使わないようにしましょう。というサービスの一つとして考えられているからです。

で、ゲームを作る僕らとしても、そういったことは日々考えるわけです。「セーブデータ」と「冒険の書」では、同じ物を指していても、雰囲気がぜんぜん違うと思います。MOTHER2とかだと「はなす→パパ」みたいな。こういった世界観に合わせた言葉を設定するということは、1ミリでもユーザーにその世界を楽しんでほしい、のめり込んでほしいという、クリエイターの想いだったりします。

だから、安易に「セーブ」という言い方をしても良い場合もありますが、どうせなら世界観にマッチした言葉を選びたいわけです。実際に現場では、「◯◯◯のことを、このゲームではなんと言おうか?」と、たくさんのアイディアを出すケースもあります。何個も何個も出していくうちに、「これだ!」というものが出る場合もありますし、いつまで経ってもしっくり来ない場合もあります。

当然「セーブ」という言葉自体はゲームユーザーなら誰でも知っているような”常用語”なので、それを意として使う場合は良いのですが、なんも考えずに「マイページ」とか言っているゲームなんかを見ると、ちょっと寂しい気持ちにもまります。ブラウザゲーでもないのにマイページ。せめてそこは「ホーム」だろっ!!!

そんな感じで一生懸命名前を考えるわけですから、当然それをユーザーにも浸透させたいわけですし、現場でもその用語を使って会話をしたいわけです。かといって後から入ってきたメンバーに「タイトル専門用語」 をすべて理解してもらうのも大変なので、そのためにも「ラベリング=そのゲームの用語集」を作ることが、とても大切になってきます。

それさえあれば、ユーザーに向けて言葉を使う時、スタッフ同士で会話をする時、相手に説明する時、どんな場合でも共通の用語として使うことができます。ソーシャルゲームなどではどんどん新しいシステム追加などがされるため、日々ラベリングも追加更新していく必要がありますが、むしろ早い段階から用意しておかない=どんどん新要素が増えていくため、企画開発の段階からこういうのは用意しておいたほうが良いと想いますよ。

まとめ
1・そのゲームに合った言葉を選ぶ
2・↑でユーザーのワクワク感を最大化
3・用語集作っておくとみんな幸せ!

現場からは以上でーす。(・ω<)

Lv.46 IPってなんですか。



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今日は任天堂とDeNAの資本提携発表がありました。仕事しながら適当に観ていたんですが、個人的には「よく分かんないっす!」という感じでした。会社単位でのお話は一般人にはよく分かりません!スマホで任天堂のキャラクターが出る?とか、新しいゲーム機?プラットフォームを作るとか、なんか色んなお話をされていたと思いますが、まだハッキリとユーザーにどんな新しい体験が訪れるかはよく分からない感じで終わりました。

そんな中で 何度か岩田さんが仰っていた「任天堂が持つ強力なIPをたくさんのプラットフォームに提供する」というところが一番気になりました。ゲームのお仕事をしていてもよく聞く言葉です。IPは日本語で言うと「知的財産権」のことです。法律的な観点からだと分かりづらい&めんどくさいので、ゲーム業界的に言うと「マリオバージョンのパズドラが出るらしいよ!」とか、「パズドラにドラゴンボールのキャラクターが出たよ!」とか、そういう他の会社が持っているキャラクターの権利を使うような時にはよく聞きます。

他にも妖怪ウォッチのように「ゲームがヒットしたから、キャラクターを使って漫画を出そう!アニメにしよう!グッズにしよう!」的な場合にも使います。逆パターンだと、ドラえもんとか、ふなっしーとかですかね。

僕たちゲーム屋さんは、当然ながら自分たちが一生懸命作ったゲームがヒットしてほしいと思って日々頑張っているわけです。で、時には売上がすごいことになってヒャッホーィ!となったりもします。特にソーシャルゲームが当たり前になった昨今では、ゲームクリエイターも毎月の売上なんかがミッションだったりするので、売上が一円でも上がるように色んなことを考えて、日々運営をしています。

毎月の売上達成や売上の大きいタイトルをやっているチームは当然ながら他のチームよりも評価されますし、本人たちももしかしたら鼻が高いかもしれません。ただ、いわゆる運営系のゲームをやっていると陥りがちなこととして「毎月の売上」が最終ゴールになりがちです。当然それはそれで大切なことなので一生懸命やるわけですが、そこを達成したとして、次の目標は「更なる売上」というのが大体のオチです。そのため、単純にそこだけを追いかけている状態では、やはりゲームクリエイターとしてはモチベーションの維持が難しいようにも思います。

個人的には「売上達成」と「ヒット」はまったくの別物だと考えています。どこかで見た話ですが「ヒット」とは本来、人の胸を打つ、とかそういう意味だったようです。それで考えれば、売上達成はゴールではなく、むしろ通過点として考えるべきで、その向こう側にある「ヒット」をしたい、とゲーム屋さんとしては思うわけです。

で、そうなるとソーシャルゲームで「毎月の売上を達成するぞ!」というのもとても大事なんですが、それ以上に「どうやったらヒットするか?」を考えることのほうが、ゲームの作り手、届け手としては重要なのかなと考えています。前回のブログ(Lv.44 俺的カードゲーム考察)で書いたように、ゲームとしてただ楽しませるだけではなく、キャラクターに対する愛着であったり、世界観のファンだったりが生まれるように「仕向ける」必要があると思います。

そのために重要になってくる大きな要素の一つが前述の「IP」だと考えています。マリオだったりファイナルファンタジーだったりドラクエだったりは、元々ここで言うところのIPではありませんでした(法的にはIPですが)。しかしゲームのヒット、続編の発売、新ジャンルの登場、アニメ化やグッズ化などと歴史を重ねていくうちに「みんなが知っている。」「このゲームなら次も絶対面白い。」と言ったような”IP化”に成功したタイトルでもあります。

僕はゲームを考える時や作る時、担当タイトルをもっと良い物にしようと考えている時は、常にこの「IP化まで持っていけるかどうか?」を意識しています。それを仲間に説明する時にはIPという言葉はあまり使わずに、「このゲームがヒットして、抱きまくらが販売されるとこまで行こう!」とか「テレ東でアニメが始まるとこまでがゴールや!」とか「東京ゲームショウでレイヤーさんが出現するとこまで行こう。」と言ったような説明をします。

要するに、売上達成の向こう側、ゲームの外側でキャラクター達がどんどん大暴れするような状況をプロデュースしていこうね、ということです。美少女系のカードゲームのようなタイトルを扱っている場合、「可愛いか、可愛くないか?」と言った端的な意見や感想は誰でも持っているのですが、「この娘たちをどうプロデュースしていくか?」という視点からの話があまり出ないような人やチームもいます。そのような思考状態では、可愛い娘が何人いたところで、半分、というかかなりの割合を損していることになります。そんな時にも「このゲームに神セブンをちゃんと作ろう。」というお話をよくします。↓のような感じだと、分かりやすいと思います。

1・個人的(作り手)にはこの娘は可愛いと思う(✕)
2・俺たち(作り手)はこの娘が可愛いと思う(✕)
3・ユーザーの中に人気の娘がいることを理解している(◯)
4・こちらが仕掛けたキャラクター達がユーザーに「ヒット」している(◎)


こんな感じでしょうか。一枚のイラストを見て可愛い可愛くないといっているうちは、まだ1か2ぐらいの状態かと思います。3までくれば「どの娘が人気か?」というのが分かりますが、「ユーザーの反応ありきで結果として理解しているだけ」では、今後もいつどの娘が人気が出るか分かりません。そのため、ある程度のブレがあったとしても「4」に集中してキャラクターの良し悪しは決めるべき、プロデュースしていくべきだと考えます。

そうすれば、ただ単純に日々の売上を作るだけの運営vsユーザーの体力消耗戦よりも、遥かに「ヒット」や「IP化」に近づくように思います。言い換えれば「ユーザーではなく、ファンをどうやったら作れるか?」という、ゲーム屋さんとしての大きな目標であるともとれます。何よりもそういった状況を作る側が一生懸命セットアップして、その結果ユーザーが”心から”盛り上がってくれれば、 僕ら作り手としてもめちゃくちゃ楽しいじゃないですか。ね。

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Lv.45 キミと逢えない時間。



Twitterでつぶやいた内容をまんま転載奴ー。

あんまり自分で考えたゲームのネタをこういうとこで話すの好きじゃないんだけど、ちょっと前から作りたいなと思ってるのがあって。「キミと逢えない時間。」ってタイトルなんだけどさ。いわゆる美少女ゲーなんだけど。
1日の間で会える時間(プレイできる時間)が限られてるのね。朝と昼と夜、それぞれ10分とか。ほんで、その僅かな時間で自分の気持ち伝えたり、相手の顔見たりするわけ。

会える時間が短いから、それだけ「大事な時間」になるでしょ?ゲーム的にも、彼女との時間的にも。テーゼとしては、ソシャゲが押し並べてイベント張り付きの体力消費ゲーだから、逆を行きたいなぁと。

課金したらお時間延長!とかだと元も子もないので、マネタイズうんぬらは後から考えるとしてさ。だってゲームって好きな時に好きな分だけ、が基本だと思うの。それにちょっとの「逢えない切なさ」みたいなテーマ性と申しますか。

1日に数十分しか遊べない。だから一生懸命遊ぶ。時間は尊い。余った時間はゲーム以外のこと楽しむ、みたいな。どうですかねー?

あれだ、時計マークが画面に出てるの。ほんでどんどん時間が過ぎてく。分針が一周したら今日はもうおしまい。また明日会おうね、みたいな。何故か、まほろまてぃっく(アニメ)を思い出した。

そういや最近、前から好きな娘が結婚したんだ。一年に一回しか会えない娘でさ。そういうモンニャリした感情をちゃんとゲームに込めたいよね。

クラウドファンディングで作ってみようかな。キミと逢えない時間。

ほんでね、ゲームの中で恋させたらいけないなとは思うの。どっちかっつーと「あぁ、恋っていいもんだなぁ。」と感じてもらえたらというか。ゲームしてる場合じゃないな!みたいな。僕がゲーム屋さんになった時からずっと言ってることなんだけども。

↓が僕の気持ちにこびりついてるうちは、ソシャゲでもなんとか切なさとかワクワクとか何かしらの感動をなんとか入れ込みたいと思いまーす。

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Lv.43 好きな物語る力(ヂカラ)



最近は念仏系が多いクソブログはこちらでーす。

今日はゲームとは関係あるようで無いようである、好きな物を語る力について好き勝手に。僕は5年ぐらいジークンドーという格闘技を習っています。今の若い世代はあまり知らないかもしれませんが、香港のアクションスター、ブルース・リーが編み出した、対ストリートファイト用の武術です。

習い始めたきっかけは、30歳になって金銭的な余裕もすこし出来てきたし、趣味を一つ増やしてみたいなと思ったこと、どうせなら自分が楽しめるもの、そしてゲームのお仕事はわりと不健康な部類なので、健康維持、体力維持のために始めました。格闘技を習うこと自体初めてだったのですが、これが結構面白くて気がついたら何年も続けています。今ではある程度ジークンドーについて詳しくなったかもしれません。

あと僕は宇宙と恐竜が好きです。ざっくりと言うとロマンがあるなぁ、どこまでも探求できるなぁと言うのが理由です。他にもスヌーピー、リロ・アンド・スティッチ、シュレック、ヒックとドラゴン、そして女子のおっぱいが好きです。

音楽については雑食なのでコレ!というのはありませんが、Acid Black Cherry、くるり、植松伸夫、Vasen、THE HIATUSとかが好きかもしれません。西野カナとかも良いと思うよ!ゲームは言わずもがな、大好きです。

ほんで、この好きなものっていうのは、それを享受している時も楽しいけれど、誰かにそれを「いかに好きか?」を語っている時も楽しいと思うんですよね。相手が興味持ってくれるかはまた別の話ですが。

僕は元々無趣味で多趣味な人間なので、誰かにめちゃんこ語れるほど詳しい物はありませんが、たまに何かについて熱く語っている人がいると、羨ましくなります。以前、道すがらに出会った人とゲームの話題になったとき。その彼はたしかパワプロが好きだったのかな?

僕にずーっと、自分がいかにパワプロが好きかをアレコレ語ってくるんですよね。で、すごく楽しそうにしていて。その彼に対しても羨ましいと思いましたし、そんなにワクワク語るような面白いゲームを作った人たちに対しても羨ましさと、ちょっとした悔しさを覚えた気がします。それと同時に、「自分もそうやって熱く語ってもらえるゲームが作りたい!作るぞ!」と思ったことを覚えています。

ちょいちょいブログでもお話しているように、最近のゲーム企画では↓のようなことが必要になります。

1・商品コンセプト
2・ターゲット
3・KPI(重要業績評価指標)

商品のコンセプト~は、車とかだったら「低燃費」とか「荷物がいっぱい積める」とかですね。ターゲットは「主婦」とか「お金持ち」とかですかね。で、KPI。これは商売によって指標が変わるのですが、まぁ簡単に言えばその商品を出した時にどのぐらい売れるかの根拠立てと申しますか、確率と申しますか、保証値というか。

企画を考える時に当然↑は作るわけですが、なんか個人的に足りないというか、もう少し分かりやすくてズバーンと来るような言葉は無いかなぁと一時期考えていました。それでここ数年になってようやく納得できたのが「その商品を触ったユーザーに”なんて言わせたい”か?」ということです。

例えばゲームなら「何この超絶クオリティ!」って言わせたいのと「なにこの世界観ワロスwww」「一々エロいよぉぉおおっっっ」って言わせたいのとでは、全然違うゲームができますよね。このユーザーに「一言目に言わせたい言葉」を考えるのを、最近は特に大事にしています。というか、この言葉がキッチリイメージ出来る=上述の1~3を包括しているから、楽だし便利なんですよね。

もっと言うと、この定義は前述の「ユーザーの語りたい言葉」と直結しているのかなと。だからきっと分かりやすいんだと思います。実際にユーザーが口にしなくても、2chなりTwitterなりストアのレビューなりに書き込んでくれれば、同じ意味になります。

僕がそう考えるようになってからは、お客さんや知人からの反応もある意味「狙った通り」になる確率がアップしました。「やったー!」という気分にもまりますし、何よりも自分が作ったものでユーザーが楽しんでくれていることは何物にも代えられません。

それに加えて「言わせたい言葉を考えるということ」は、自分もやっぱり何かしら熱中している物が無いと理解しづらい、またはなかなか出てこなくなるので、やっぱり無趣味よりは好きなことがあったほうが良いなぁというのを再認識したのもこのイメージが湧いた頃からです。

そんななんで、今後も武術と宇宙と恐竜とおっぱいを探求していきたいと思います。まとめかた酷いな。あとで絶対リライトしよーっと。~( :3 )<

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Lv.41 SNSは最高のオモチャ説



ゲームプランナーというお仕事をしていると、考えように寄っては世の中にあるあらゆる物を楽しむことが大切なんだと思う時があります。

例えば飲み屋に行った時、僕は必ず「○○○と、△△△と、あと店員さんのオススメ一つ!」と言います。で、できるだけ持ってくるまでメニューは言わないでもらうようにします。そうすると店員のチョイスが楽しみになったりするじゃないですか。たまに明らかに高いメニュー持ってくる人もいますが、それも込みで面白いと思うんです。行きつけのところだったら「3000円でご飯食べたい。」と言えば、ご主人のおまかせコースが出てきます。

仕事とかも「いかに超音速で終わらせるかゲーム!」みたいな考え方でプレイしているので、うまく行った時は「高スコア叩きだしたぜヒャッホーィ」てなもんです。そんな感じで、起きてから眠るまでの間に起きる出来事をなるべく楽しむようにすれば、日常がちょっと面白くなるかなーなんて思っています。

僕はFacebookとTwitterは定期的に何かしらつぶやいてます。大体がしょうもないネタばかり。でもこれも、個人的には遊びの一貫でやっている部分があります。端的に言うと「こういうことをつぶやくと、どういうタイプの人が反応するか。」を調査していたりします。ちょっとしたつぶやきで沢山の人から好反応を貰えたら嬉しいじゃないですか?「へー、こう言うつぶやきはむしろ女子ウケがいいんだー。」とか「あぁ、こういうつぶやきに対してはみんな一言申したい気分になるのか。」とか、そういった感じ。つぶやく時間とか頻度とか、文字数なんかも研究対象ですね。

あと、Twitterの場合はまたそれよりも面白くて、誰かが何かをしゃべっているのを見た瞬間に、レスを返します。なるべく相手が喜ぶか、面白がるような。それでウケたら嬉しい。で、Twitterの場合色んな人が色んなことをバラバラにじゃんじゃん喋っているから、頭の中をカチカチ切り替えながらどんどん違う話題に対してレスを付けていく。この頭の切り替わりが個人的にはゲームっぽくて好きです。おっぱいおっぱい言ってたと思ったら落ち込んる人に声をかけたり、かと思えばアカデミックなこと言い出したり。やっぱりおっぱいおっぱい言ってたり。

でもこれって、実はゲームを作る上でのトレーニングにも結構なってるんですよね。ゲームプランナーっていうお仕事は面白さとかお金とか時間とかチームとか、色んなことを考えながら進めていくお仕事なので、自分の好きなとこだけとか、一辺倒な思考では駄目な部分があるので。そういう意味でカチカチ切り替える訓練としてはTwitterが最高のオモチャだと個人的に思っています。

それに、ゲームってもの自体が「作り手→ゲーム→ユーザー→反応→ゲーム→作り手」という風にコミュニケーションツールの側面を持っているので、ある意味余計な部分をかいつまんだSNSで自分以外の人に何かしらを投げかけてその反応を見るというのは、ゲームとの親和性も高いし、練習器具としてはかなり完成度が高いと思うんです。

そんななんで、あんまりSNSとか使わないですっていうプランナーを見るとナンデヤネンと思います。勿体無いを通り越してバカじゃないの?ぐらいの。SNSを使わないことと言うよりは、他人の反応を見るのが面白いと思えていないのは、ゲーム企画者としては大事なものが欠けているように思えてしまうんです。

そんななんで、これからゲームプランナーを目指すかたにはぜひSNS、というかそれに限らず世の中のもろもろを遊び倒してほしいななんて思いまーす。(ΦωΦ)ニャーッ!!!

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Lv.40 忙しアピールはあかんマン

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ゲームの仕事は毎日毎日現場がテンヤワンヤです。

こんな言いかたもなんですが、労働基準法的に完全まっ白なゲーム会社なんて無いんじゃないでしょうか。(敵を作る気は無いぞーっ!敵を作る気は無いんだからなーっ!)

忙しい理由にも色々あります。

1・明らかにこなせない物量が降りかかってくる。でも〆切までに倒さないといけない
2・急な仕様変更。作っちゃ壊し作っちゃ壊しで巻き戻りが大発生。でも〆切は変わらないから界王拳
3・チーム全体のタスク内容や順番をコントロールできていない。調整担当不在
4・手を動かしちゃダメな人が手を動かしてしまっている
5・クリエイターの能力がそもそもポンコツクソヤロー
6・開発環境の何かしらにトラブルが起きた


他にも色々ありそうですが、ゲームを作る仕事は設計図がはっきりと決まっている他業種の製品に比べると、曖昧さとか「もっと良くできる。」 といった”ブレ”があったりもします。そのため、全体的なスケジュールや計画の精度が低いことで「無駄に忙しい」ような人やチームも少なくありません。

どんなにスケジュールがキッチリしているプロジェクトであっても、山場はあります。 勝負時に頑張ることでぐっとクオリティが上がって、それでユーザーに楽しんでもらえるなら、とほとんどのクリエイターは思っているはずです。かと言って、無闇に根性根性で残業休日出社すれば物事が進むかと言うと、そうではない場合もあります。

ゲーム作りはチーム仕事ですから、色んな人が関わります。企画だったりプログラムだったり絵だったり音楽だったり。それぞれが忙しいタイミングや、こなさなければいけない物量がバラバラなため、そういった状況では全体を見渡すリーダーの能力次第で、プロジェクトの精度は大きく変わってきます。

僕は「忙しいです。」と言葉にすることが悪いとは思いません。現場のスタッフに限っては。 ただ、リーダーが忙しい、余裕が無いという言動をすることは、なるべく避けたほうが良いと考えています。リーダーが忙しそうな顔をしていたら、上司は「こいつ大丈夫かな。」と不安になりますし、スタッフたちも「◯◯◯さん、忙しそうだから声がかけづらいな……」なんてことになり、コミュニケーションロス=プロジェクトの精度を下げてしまいます。

僕がこのリーダーは優秀だなぁと思う人は、自分がどんなに忙しい状況でも、絶対に顔には出しませんし、むしろジョークを言うぐらいの余裕があります。声をかけられた時だって「おぉ、どうしたどうした?なになに、隣に座りなよぉ。」と、顔と態度でちゃんと部下の話を聞くつもりを演出しています。そうすれば上司からは「うん、こいつに現場任せておいて大丈夫だな。」と思ってもらえるし、部下からも「◯◯◯さんはいつも僕の声をちゃんと聞いてくれる。この人のためにも頑張ろう!」となる確率がぐぐっと上がります。

こういった日々のちょっとした態度や言葉、表情って、リーダーにとってはすごく大事なんですよね。チームビルドをする上では。まだ若手でリーダーになりたての人にいきなりそういったことを要求するのは酷だと思いますが、何年も自分が忙しいアピールしてるなぁ、と思った人は、嘘でもいいから一回余裕全開な顔だけでもしてみると、意外と上述のようなテンヤワンヤの何割かは解消されると思いまーす。(・ω<)~+キュピィンッ

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Lv.39 ロンドン・ブリッジ、東京タワー



先日イギリス人のCGクリエイターのかたと一緒にご飯を食べました。

彼は90年代の日本のゲームやアニメのに惹かれ、日本で働いてみたいと何年か前に来日したそうです。色々と経験していくうちに新しい目標も芽生え、将来的にはイギリスと日本のゲーム文化の架け橋になりたいと思っているとのことです。

僕にはその彼以外にもゲームのお仕事をしている外国人のお友達や仲間がたくさんいます。みんなやっぱり日本のサブカルが好きで、日本で働いています。そんな僕はと言うと、10年ほど前は「いつかアメリカで働こう」と思っていました。と言うのも、ゲームを作る仕事をしていると、どうせならできるだけ多くの人に遊んでほしいなと思うわけです。

かと言って、日本で作ったゲームをそのまんま海外で出しても全然売れないケースもたくさんあります。昨今ではソーシャルゲームで勢いのついた会社が「今度は海外だ!」とか言って、日本でバカ売れしたゲームをアジア圏だ北米だヨーロッパだと出して、撃沈して帰ってくるようなパターンもありました。任天堂の倒し方は知らなかったみたいです。

ゲームに限らず、日本人はあまり外国の文化や流行を知りません。端的に言えば日本にいればなんでも揃うし安全だし、明日のご飯に困るようなケースは他の国に比べても少ないからです。安全な国にいれば、ある見方としては、想像力が奪われてしまいます。ほとんど何も考えなくても生きていけるからです。そうなると英語なんて覚えなくてもいいし、どこかの国で戦争が起きていたところで気にしなくても良いわけです。

話はちょっと戻って、世界全体で見てもゲーム市場は10年前ともまただいぶ変わってきました。昔はゲーム=日本がトップという時代もありましたが、今は昔の物語です。日本製の新しいゲームハードが海外で先行して発売されることなども、そういった時代の流れによるものだったりします。

じゃあ今後も日本のゲーム業界はどんどん元気が無くなってしまうのかというと、それは日本にいるクリエイター達次第です。僕自身はソーシャルゲームの隆盛の流れの中に身をおいている立場として、それはそれで新しい可能性を日々模索していきたいと考えてもいますが、かと言って「それだけがゲームです。日本はこれからもずっとそうです。どんどんガラパゴス化します。海外?知りません。」というのは死んでも嫌です。

そうなると日本人として、というよりは一人のクリエイターとして、新しい道を切り開くための気概であったり実力であったり、仲間やアクションが必要だと思っています。 

この10年前後でも、悪いことばかりがあったわけではありません。先述のソーシャルゲームも国内においてはここ数年で新しい楽しみ方を含めて急激な成長や進化を遂げましたし、昔は日本のゲームを海外で出す時は海外用に見た目や雰囲気をアレンジしていましたが、アニメなどが海外で「そのままの形」で受け入れられるようになってきているため、うまくやれば日本製のゲームでも勝負ができるポイントが生まれてきています。

僕が海外で働いてみたかった理由の一つに「アメリカで売れるものは世界で売れる。」というのがありました。映画でも音楽でもゲームでも、アメリカでヒットした物は必ずは世界中で売れます。ということは、「できるだけ多くの人に楽しんでほしい。」という理屈から言えば、海外で働いたほうがどう考えても良いからです。

だけどそう思うようになってから10年ぐらいが経ち、考え方がすこしだけ変わってきました。一つは「時代が少し変わってきた、やり方次第で日本からでも世界に発信できる。」ということ。そしてもう一つは、「日本製を海外に。」という考え方を捨てることです。どういう意味かと言うと、「面白いものを考える。」という段階では、最初から「日本だけを意識しなければ良い」という話です。マリオでもスト2でもソニックでも、面白いものは世界が受け入れます。「無意識下で日本人向けに作らなければ」、実はその可能性はそもそも高くなります。(甘いよとか対岸で言ってる人はそのまま対岸にいてね。)

それを実現するための一歩として、やはり海外の文化や思想については少しずつでも学ぶべきだと考えています。英語が喋れるようにならなくたって、知ろうとすることは出来ます。日本にいる外国人のかたたちと話すこともそう。そうやって自分が知っている世界の外側をのぞく癖を磨いていけば、今は気付いていない視点だったりチャンスだったりが、自ずと生まれてくると思います。かしこ。

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