ゲームプランナー

Lv.38 八英雄と竹槍忍者



今度ゲームディレクター8人+僕で、社内勉強会をすることになりました。文章で書くのが悶絶めんどくさいので、今回は箇条書きでお楽しみください!←

【趣旨】
・ゲームディレクター全員をパワーアップさせる
・そのためのテーマを募集する
・良いアイディアは実現に向けてアクション

【狙い】
・結果的にユーザーの「ゲーム体験」を向上させる
・上述に伴うサービスの売上、利益向上へと繋げる

【要するに】
・ディレクターがパワーアップすれば、結果的にユーザーも会社も嬉しいことになる。
・特にゲームのようなサービスを主体としている会社では、ディレクターの「面白力」「引き出し力」「馬力」が超重要なファクターになる 。逆を言えば、つまらないディレクターでは役立たず。
・これから入ってくる新しいメンバーのためにも現メンバーがパワーアップしておく必要があるし、それで生まれる思想や文化、熱量を伝えていく準備を、今のうちからしなければいけない。
・プロデューサーも楽ができる→もっと上層部が楽できる→社長暇になる。
・それって会社が良い状態。もっと新しいことにチャレンジできる状態。

みたいな感じどえーす。今日はもう寝まーす。~( :3 )<

Lv.37 ランチゲー「ドブル」



今日も会社の仲間が新しいゲームを仕入れてきてくれました。

海外では有名な「Dobble(ドブル)」というゲームです。丸い形のカードに描かれた色々なイラスト。カードごとに違う絵柄があったりしますが、必ずどのカードにも同じ絵柄があります。これを使って4種類ぐらいのゲームが楽しめます。やっぱり文字で説明してもアレがナニなので動画。
 

他のカードゲームに比べてルールが覚えやすいので、みんなで盛り上がれると思います。反射神経が何気に必要だったりして、僕は結構苦手だと思ってたんですが、運もあってか初プレイで買ったりできました。

で、個人戦も面白かったんだけど、またオリジナルのルールでチーム戦でやってみたら、それはそれで面白かった。

1・誰とチーム組んでるか分からないほうが面白い
2・ゲーム開始前に、好きな番号を言ってもらう
3・番号に応じてチームが2つに別れる。でも本人達は誰が敵か味方か分からない(ゲームマスターだけ知っている)
4・そのままゲーム開始。敵か味方か分からないけど、相手にカードを押し付ける。
5・ゲーム結果。味方に攻撃しまくってたりして負けたりする。


最近アナログゲーを遊んでるからか、一個だけアナログゲーのアイディアを思いついてて、どこかで形にしたいなぁと思っていまーす。 ドブルも面白いので、興味があれば遊んでみてくださいね!(・ω<)~♪ティーンッ

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Lv.36 ゲームプランナーになりたい人、この指とーまれ!╰U╯



そいつは私のおいなりさんだ。

来たる3月27日(金)に、ゲームプランナー志望者向けのセミナーを開催することになりました!
場所は都内、3つぐらいの会社さんと一緒にやらせていただきますよ!

これからゲーム業界に入りたい学生さんや、ゲーム業界に転向しようと思っているかたを対象としています。 当日はゲームのお仕事ってどんな感じなの?とか、現役で活躍している若手プランナーやディレクターからのアドバイスとか、業界のかたとの懇親会とかも予定していますー。

具体的な情報はまた少ししたら、ブログなりでお知らせできればと思います!
Come and! Join us!!!(・ω<)~+キュピィンッ

Lv.35 で、出~www ヘイスト唱えな奴~~wwwww



今週はわりとゆるんゆるんのスケジュールなので、思いついたらブログ。

今日は仕事の効率化、というか超速化について自分なりに ベロベロと書こうかなぁと思います。お仕事をしていると、内容やクオリティと同じぐらいに、仕事の効率化が重要になります。効率化と一言で言っても、色々な効率化があります。

1・手を超速化
簡単に言うと、10の手間がかかることを5でやりましょうと言うことです。物理的に手を早く動かすこともそうだし、仕事で使うツールを熟知したり、ショートカットを鬼使いこなしたり、なんだったらキーボードやらマウスやらも自分が一番使いやすいもに変えたり。自分の仕事の早さは自分でしか作れないので、そういった意味では一番手っ取り早い効率化がこれです。僕は自分がよく使うツールに関してはほとんどメニューUIからの操作は行わず、ショートカットを使っています。長年使っているツールだと、ぜんぶ頭に入ってるんですね。なんだったらデフォルトのショートカット設定が気に食わなければ、自分が一番最速だと思う並びに変えてしまいます。

2・頭を超速化
いくら手が早くとも、”今の状況を踏まえた上で何がベストか”を理解していなければ、その効果は半減します。というか、判断が間違ったまま手が早いだけだと、むしろ巻き戻りが発生するので、結局なんの意味もありません。たかだ一個使いこなせるツールがあるだけでは全然初級クラスです。「状況」というのは、日々お仕事をしている中で色々なケースがあるので、ここでは具体的なことは言えませんが、一つ言えるとしたら「個人として一番効率が良いこと」と「チームとして一番効率が良いこと」というのは、大体相反していると思います。端的に言えば自分が一番早いと思っているやりかたは、大体間違っています。なので、頭の超速化を考える時は、最低単位は「自分」ではなく「チーム」という単位で考えると良いかなーなんて思います。 頭の超速化とは「答えを出す速さ」や「判断力」ということなので、そこが間違っているうちは手だけが速くてもなんの意味もありません。とりわけリーダークラスの人は手を動かすより頭動かす!

3・人に振る超速化
こういうお仕事をしていると、プランナーでもデザイナーでもプログラマーでも、職人気質な人が多いので、急がないといけない時に限って「自分がやったほうが速い」と思ってしまい、実際にそうしてしまうケースがあります。しかし、仕事を振れる仲間や部下がいるのであれば、実力が半分程度の人だったとしても、振ったほうが全体としては速い場合があります。というか、もし自分の半分の実力の人が3人いたなら、明らかに振ったほうが速いですよね。そういう「全体の動き」を捉えずに自分がやったほうが速いと思ってしまうのは、新人ならまだしも中堅かつ管理する立場であれば即刻やめたほうが良いレベルです。(たまに超人クラスの人がいるので、そういう人はまた別の話ですが……)

大体この3つをやっていれば、仕事が遅いとか言われることはありません。「全体として何がベストか?」を考えて、それに対して必要なアクションを最小限でこなす、ただそれだけだと思います。そういったことを間違ったまま「ヘイスト唱える暇あったらもう1ターン打撃加えるはwwwww」とか、忙しい時に限って言ってるかたは要注意かもです。

まぁ実際のところ効率化なんて全部やれるようになったところでお仕事の入門編程度なので、それってそもそも何のためにやってたんだっけ?とか、余った時間でもっとサービスを良くできるぜ!というマインドセットが抜けていれば、ほとんど何の意味も無いんですけどね。(・ω<)~♪ティーンッ

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Lv.34 本当にその役目は終わったのか?



休みの日なんでゆったり書ける。

みなさんマイケル・ジャクソン、好きでしょうか。最後のワールドツアーを目前に若くして亡くなってしまった、世界のスーパースターです。実現されることの無かったツアー「THIS IS IT」は、そのオーディションやリハーサルの風景を繋げて、映画化、映像化されました。



その映像の中で僕が好きなシーンがあります。リハーサルのステージ上に立つマイケル、音や光のタイミングについて、スタッフに細かい指示を出します。スタッフからすれば「うーん…それはどうだろう?」という気になったのでしょう、「いや、こっちの方がいいよ。」と言います。でもマイケルはそれでは納得しない。で、それを理解してもらおうと思った時に出た言葉。

「解ってほしい…これは…(んーと)……愛なんだ。」

映像を見た当時は「何言ってんだこの人。」と思ってたんですが、最近なんとなく理解できるようになってきました。モノ作りという仕事をしていると、当然ながら「物を作ること自体」に情熱を注ぎがちです。それ自体は悪いことではないと思います。しかし、その「物の向こう側」には、それに触れる人がいて、その人の中に生まれる感情があります。

要するに、事象であったり物体であったりという意味での「物」というのは、人と人との間にある「中間デバイス」に過ぎず、あくまで受け取る側の心が動くところまでで一つの物語が完結します。それはゲームも同様で、僕は自分が作ったゲームの中身よりも、それを遊んでくれた人達がどんな気持ちでいるのか、そっちのほうが断然気になります。


以前僕が携わってゲーム。サービス自体は残念ながらずいぶん前に終了してしまいましたが、そのゲームをきっかけに、今でもユーザー同士が交流を持っています。登場キャラクターについて熱く語ってくれたり、色々な思い出を話してくれたりしています。サービスが終了する時にはユーザーのみなさんからお花や想いを込めたアルバムを作って送っていただき、作り手として想像以上の経験が出来たと思っています。

僕はゲームを作るということは「神様になること」だと考えていた時があります。自分が想像した世界が形になり、それをユーザーが遊ぶ。でもそれは少し違うんだな、というのを気付かせてくれたタイトルだったように思います。

普通、ソーシャルゲームやオンラインゲームのような通信を前提としたゲームが終了する場合、以後ゲームそのものをプレイすることができなくなります。仕組み的な話をすれば、ユーザーのプレイデータは全てサーバ上で管理されているので、そのサーバを落としてしまえば、アクセス出来なくなるからです。

ということは、自分が一生懸命育てたキャラクターや、一緒に遊んだ仲間達、冒険の軌跡、そう言ったものには二度と触れられなくなるわけです。今でも年に数十本のソーシャルゲームがサービス終了を迎えており、今後もその流れは変わらないのだと思います。作り手としても辛いことですが、ユーザーのほうがもっと辛いと思います。

でも、その担当していたサービスは違った。サービス終了にあたり、オンライン上に残していたユーザーの情報を全てローカルに移せるように”無理矢理改造”しました。要するに、いつでも育てたキャラクター達に会えるようにしてから、サービスを終了したんです。当然もうアップデートはされませんし、ストアからは消えているアプリなので、これからそのゲームを遊びたいと思っても、無理です。

僕は当時すでにそのプロジェクトから離れていたので、それを知った時に「愛だな。」と思ったんです。きっと会社の許可もとらずに、裏側で勝手にこっそり進めていたのかなぁと。でもそれは正しいと思います。「ユーザーが頑張って手に入れたキャラクターや”思い出は、すべてユーザーのもの。」という答えを、作り手として最後に残したんだと。おいそれと他の人が真似できることではない。

もしも自分が神様だったら、その世界に起きることは全部知っていると思うんです。でも、このサービスからは教えてもらったことのほうが断然多かった。そんなこともあってか、少なくとも僕のゲーム論からは神様説が無くなりました。何論かはこれからも模索し続けることになるとは思いますが、少なくとも「愛が込められていないもの」は作らないように、届けないようにしないといけないなと。

ともあれ、物理的にサービスが終了したとしても、ユーザーの想いや体験が終了していないのなら、その役目はまだ終わっていないんだと思います。

いつしかちゃんと何かしらの形で皆さんにお返ししなくちゃです。かしこ。


ファンの方からいただいた、登場キャラクターの自作イラストが書かれたチョコレート!
愛だな、愛っ。本当にありがとうございま!!!(・ω<)~♪ティーンッ

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Lv.33 社内勉強会やってきました。(その2)



今日の内容は以前書いた「スーパー化」についてでした。
面白い物をもっと面白くしてみよう、しつこく考えてみよう、自分が一番面白いものを作れると自己暗示をかけてみるのもいいんだよ、的な。

その時例えで出したのは、例えばログインボーナスが固定のものではなく、毎日3つの中から自分の好きなものを選べるとか。ローディング画面はTipsじゃなくて、可愛い娘が入れ替わり立ち代わりで自分の名前(プレイヤー名)を呼んでくれて、ついでにTipsをやさしく教えてくれるとか、そういう感じでした。

モノ作りのちょっとしたジレンマとして、「面白い物を作ってるはずなのに自分で面白さを説明できない」ケースがあります。言葉が見つからないとか自信が無いとかっていうよりも、ずっと一緒にいると感覚がマヒるんですよね。そうすると改めてどこがいいとか、言葉にできない。でも企画マンとしてはそれじゃ駄目だと思うんです。

プロデューサーを説得する場合、新しいメンバーにゲームの魅力を伝える場合、お客さんに喜んでもらう場合、どんな時でも自分の込めてきた「想い」を、どんなにたどたどしくたって全然良いから、言葉に出来ないといけない。自分で分からないなら、お客さんに直接聞いてみると良いと思います。ハマってくれてるユーザーさんなら、いっぱい言葉を持ってると思うから。

もう一個勉強会の内容で出したのが、「面白い」と「面白そう」の違いというか、重要性というか。端的に言うと

面白い → 実体験
面白そう → 想像体験


って言い方が出来るんだと想います。面白い~はそのまんまなので分かりやすいと思います。僕らゲームクリエイターは毎日毎日、もっとゲームを面白くしようと思っているし、それでお客さんたちを楽しませようとしているわけです。でも「想像体験」は意外と見過ごしがちだったりします。

例えば「おっぱい揉む→面白い」で「おっぱい揉みたい→面白そう」だったら、分かりやすいですよね。揉みたいとも思ってないのに、いつの間にかおっぱいを揉んでることはありません。そんな裏山な状況、マロリーでも助走付けて殴るレベルです。最初に「揉みたいっ!!!」って思うから、何らかのプロセスを経て、揉むわけです。(酷い例え)

ってことは、「すんごいおっぱい揉みたい!と心が動く瞬間」を、作り手としては考えないといけないですし、ちゃんと演出しないといけません。そうじゃなかったら誰もおっぱいを揉んでくれないのですから。 (もういい)

ちょっとした小細工でそれっぽくすることも出来ますが、一番簡単なのは、「1・揉みたいと思わせるべき場面がどこか?」を考えて、 ここだと思った場所をじーっと見る。それで「2・揉みたい度」が70点以下だったら、どうやったらあと20点30点アップするかを考える。これだけだと思います。

それが出来ないから困ってるんですよ~と言う人は、やっぱり頭の中にある色々な物がコネクトしてないと思います。「”ある”んだけど”繋がってない”状態」「面白いものは分かってるはずなのに、自分では考えられない(伝えられない)状態」にハマってしまってると思うので、とりあえずメイドカフェでもキャバクラでも行けばすぐに分かると思いますがどうでしょうか?

ともあれこの「しつこく面白さを追求する」ということと「面白そうを追求する」の二つ。これはモノ作りとしては妥協しちゃ駄目。全力の全力でやって、それでようやくスタートラインだと思います。たくさんおっぱいって言えたので満足。←

Lv.32 今日はネタが無い。



ほんとに今日はネタがありません。そんなに毎日なんか出ませんよね、かぶってもアレだし。そんななんで、最近僕が気になるゲーム周りのことをテケトーに。

マリオカート8が売れてない
今までのマリオカートシリーズで一番売れてません。大失敗と言われたゲームキューブ版のダブルダッシュよりも売れてない。この前新コースとキャラクターが追加されてすごく楽しかったですし、もうそろそろまた新しいアップデートがあるので、元々の特性である「気の長いセールスタイトル」として、今後も伸びてほしいなと思います。だって面白いんだもん。 



ゼノブレイドクロス
4月29日発売!WiiUに大型RPGが来ること自体がすごく嬉しいです。ドラクエは来てくれたけど10なので僕は手を出していないですし、FFも来てくれてない。そうなるとテイルズなりペルソナなり、もう少しJRPGが来てくれてもいいんじゃないと思うんですが。ファミコンやスーパーファミコンの頃のサードパーティたちが、今一度「面白いゲームはこう。」とWiiUに参戦してくれると嬉しいんだけどなぁ。



No Man's Sky
これだけのために本体買ってもいいと思えた久々のタイトル。この世界に入ったら二度と戻ってこれないんじゃないかぐらいにワクワクしている。ともすれば悶絶クソゲーかも?ということを含めて、自分の目で確かめてみたい!



絶体絶命都市
東日本大震災の影響もあって最新作が発売中止になっていたタイトル。数年の時を経て、ようやく新作が出るようです!タイトル自体の権利を当時のメンバーが新会社作って買ったっていう、ちょっと裏側ではドラマティックなことがあったりもしたので、そんな熱意が込められたタイトル自体がそこにあることが、とてもドキドキします。前作のダウンロード版が配信開始になってので、ちょっとやりたい。



ピグブレイブ
お友達が作っているタイトル。アメーバピグのほんわかした世界観でファンタジーRPG。音楽はロマサガやパズドラのイトケンさんが絡んでるみたいです。個人的にはオンラインRPGはあんまりやらないけど、ちょっとダラダラやってみようかなと思ったり。 



CEDEC 2015
年に一度開催されるゲーム業界向けのカンファレンス。今年はスピーカーとしてエントリーしようと思いつつ、忘れてた。ネタも微妙にまとまってない。週末に必要なことまとめて、応募してみよう。

お仕事周り
最近はほんとに色んな会社のかたとお話しする機会が多くて、それがきっかけで色々勉強させてもらえてるなぁと実感しています。フリーランスという生き方を選んでいる以上は「人との繋がり」は何よりも資産になるので、引き続き色々なかたと会って、それを基点に会社さんや自分自身、ゲーム業界全体を盛り上げていけるようなアクションに繋げていきたいなと思っています。

今日はこんなところでぃ~( :3 )

Lv.31 打撃 vs 関節



最近は帰りの電車で夢現な大久保です。

今回はお仕事をする上で、僕なりの考え方について適当にべろべろと。僕はフリーランスという形でゲームのお仕事に携わらせていただいています。具体的にどんな仕事をしているかというと、最近はソシャゲの運営計画策定だったり、KPI分析だったり、仕様書を作ったりとかとか。こういった「手を動かすお仕事」というのはとにかくたくさんあるので、自分一人では全体のほんの少し程度しかできません。他のプランナーやデザイナー、プログラマー達と少しずつ手分けすることで、ゲームが出来ていくわけです。

こういった「直接攻撃」というのはお仕事においてとても大切ですが、僕のような新人でもベテランでもない中途半端な時期にいる場合は特に、「そればっかりやってては駄目」だと思っています。と言うのも、お仕事というのは全体で見れば直接攻撃的なものもたくさんありますが、それ以上に直接攻撃じゃないものもあります。どっちか片方だけをやっていれば成り立つかと言えば、決してそんなことはありません。

例えばプログラマーのリーダー、みたいなお仕事だったら、部下のパフォーマンスを出すために、自分は全体のコントロール(タスク分配、スケジュール管理、完成度チェックなど)に集中すべきなので、みんなと一緒になってコードを書くべきではないと思います。コードレビューぐらいはやるとしても、自分も直接攻撃の一員になってしまうと、全体として何が起きているのかを把握している人がいない状態になってしまいます。 とかく直接攻撃出身の人は自分も現役でありたいという欲求が強いので、その気持ちを制してでも、全体としての結果にこだわるアクションをすべきだと考えます。これはいわゆる「間接支援」だと思います。

当然ゲームプランナーにもそういった間接支援的な動きはあります。例えば若い子達に企画書や仕様書の書き方を教えてあげれば、自分は企画書を書く必要はありませんし、それで会社全体にカッチョイイ資料を書ける人数が増えれば、会社としてもパワーアップしたことになります。自分が200%で頑張るのではなく、全体で20%パワーアップすれば、結果的にはそのほうが優れている場合もあります。二倍頑張って得られるのは、「仕事した気になった。」ぐらいのことではないでしょうか。 僕はちょうど今々、そんな自分が十何年分ぐらいは経験してきたことを、次の世代に向けて伝えていたりします。

僕自身は自分のスキルを自分だけのものとは考えないタイプなので、自分ができることや知ってることはどんどん伝えて、若い子達がどんどんパワーアップして、そのうちビシューンッて追い抜いてくれればいいなと思っています。当然僕もそう簡単には負けたくないので、自信が少しでもパワーアップできるような勉強なり修行なりを日々しているわけですが。

ともあれ最近はそういった「間接支援」をすることで、全体としてのパフォーマンスや結果を大きくしていくようなお仕事のしかたが楽しい&大切だなぁと思っています。これがもう少し大きくなると、企業さんで足りていない人材なり職種を探してきて紹介するだとか、開発が得意な会社さんと運営が得意な会社さんを繋いでお互いのビジネスが成功するようなきっかけ作りをするとか、コンテンツとユーザーの間にメディアを作って仲介するとか、そういったようなお仕事もあるのかなと思います。

仕事、というとデスクワークや一生懸命手を動かすことを考えがちな人もいるかと思いますが、こういった間接支援的なお仕事も、同じかそれ以上に大切なんだというのが最近の感想です。とは言え、どちらが大事とか好きとかではなく、「どっちも大事というマインド」がなんやかんやで一番重要だとは思っています。誰かに言われた言葉で、「30前後になったらスペシャリストかジェネラリストのどちらかを選択しないと詰む。それにすら気づかないでどちらも選ばずに年をとってしまったら、社会的には用が無くなってしまう。」というのがあります。特に若い業界なのでなおさら。

それで言うと僕は自分自身が一生懸命手を動かすよりも、そういった「現場な人たち」が安心して実力を発揮できるようなフィールド作りが今は自分らしくお仕事ができるのかなぁと思っています。特にオチなし。

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Lv.30 ストーリーを考える。



凝りもせずにしつこく更新。

今日はゲームを作る上で重要になる、ストーリーについて少し。しかしいわゆるRPGなんかのストーリーではなく、「ユーザーストーリー」についてです。例えばスマホのソーシャルゲームなんかをやっていると、お客さんに喜んでほしいというのは当たり前として、「どうやってお客さんに喜んでもらうか?」ということが重要になります。

ゲームをダウンロードして、起動して、タイトル画面が出て、チュートリアルがあって、本編があって。ユーザーはゲームを順番に遊んでいきます。そうなると、初めてのゲームだった場合「ん、これは一体なんだろう?」とか、「これはどういう意味があるんだろう?」とか、色々と”カベ”にぶつかるわけです。それが「良いカベ」だったらいいんですが「悪いカベ」もいっぱいあるわけです。ゲームのルールが難しいとか、UI(ユーザーインターフェイス)が不親切とか、課金しないと全然楽しめないようになってる、とか。

で、さっきの「どうやって喜んでもらうか?」という考えから見れば、意味も無いところでユーザーにストレスを感じてもらいたくはないわけです。そういった良くない部分は”KPI”という形で数字の情報として必ず現れます。例えばチュートリアルが不親切だったり、ゲームの面白さが十分に伝わらなければ、「チュートリアル突破率」というKPIの値が悪い数値として出ます。ゲームを開始した人が100人で、チュートリアルを突破した人が10人だったら、多分そのゲームはイケてないことになります。仮にその先にどんな面白い要素が待っていたとしても。

で、運営型のゲームを作っていると、そういったことが他のシーンでも何回も訪れるわけです。そんな時に僕はそれを「ユーザー帯」に分けて考えます。例えば今日1万人のユーザーが遊んでいたとしても、全員同じ遊び方はしていないわけです。まだ今日始めたばかりの人もいれば、何ヶ月も熱中している人もいるわけですから。僕はそれを大体ざっくりと↓のように一回分けます。

1・初心者…ほんとに今日始めたばっかの人。ルールも魅力もまだ分かってない。
2・初級者…ゲームの遊び方や大まかな世界観は理解した人。でもまだ面白いかは人によって違う。
3・中級者…ゲームを楽しいと感じてくれた人。課金するかしないかはまだ判断しかねる。
4・上級者A…ゲームに魅力を感じ、少しなら課金もして良いと考えている人。
5・上級者B…ゲームに魅力を感じ、定期的に課金もして良いと考えている人。
6・上級者C…ゲームに魅力を感じ、かなり課金して、ゲーム全体を楽しみたい人。
7・上級者D…ゲームに魅力を感じて長期的に楽しんではいるが、課金はしない人。


上記だけでも7つのグループに分かれます。同じ日に1~7に該当する人たちがたくさんゲームをプレイしていたとして、それぞれが違う目的で遊んでいるわけです。目的がある、ということは、その目的の達成に向けて遊んでいる。逆を言えば、目的が達成できない、または目的が無い場合は遊ばないわけです。

目的の達成うんぬんについては、「レベルデザイン」という形で、簡単には手が届かない、でも不条理ではないぐらいの絶妙なバランスを提供することで、ユーザーはそれを「やりがい」や「手応え」として体験してくれるわけですが、「目的が無い」は、かなりマズイわけです。

端的に言えば「大魔王を倒してしまった世界」だったら、もうそのRPGを遊ぶ理由は無いはずです。それに近いような感覚がソーシャルゲームにおいても実はあるんですね、「ユーザーそれぞれ」に。それではダメなので、作り手としては「次のストーリー」をちゃんと用意しなければならない。しかも一種類ではなくて、前述の1~7に該当するすべてのユーザー達に向けてです。

ゲームを運営していると、「もうそろそろ次の上位レアリティでも作ろうか?」なんて話が出ます。しかし、そのアイディアはさっきの1~7の全員が楽しいものでしょうか?違いますね。上位レアリティ=上級者向けです。しかも課金前提だとしたら、6のガチ課金者向けの施策ということになります。それ自体は売り上げを作るための計画の一旦なので否定することはありませんが、1~6に至るまでの流れの中で途中にブツッと物語が切れている部分があったとしたら、その効果は半減します。

要するに、前述の1~6に至るまでには、ユーザーがゲームに魅力を感じてくれて、もっと遊びたい、ずっと遊びたいと思うための「心のストーリー導線」が必要になるわけです。それをすっ飛ばして奥座敷を綺羅びやかにしたところで、ユーザーのほとんどはその部屋があること自体知らずに、その建物を出てしまうわけです。

とかくゲームを作る側がハマりやすい点として、「個人のプレイスタイルだけで物を考えがち」「物事を”要素”で捉えがち」というのがあります。この二つの考えで物を作ると視野が狭くなり、実際はユーザーがぜんぜん求めていないようなものを提供してしまうことにもなりかねません。

そんなことにならないように気をつけたいのは、「ユーザー一人一人 (1~7)のストーリーをちゃんと考えて、ゲーム内容や、UI、レベルデザインなどの全ての要素は、それに合わせた形で作るようにする。」ということです。これが出来ないと今どきのゲームプランナーとしてはイマイチなのかもしれません。ていうか、昔のファミコンとかでもそういう基本形はちゃんと入ってるし、学ぶべきことがいっぱい詰まっているような気がします。真面目な文章書いちゃったので腹筋します。

Lv.29 ゲームクリエイターと宇宙とYシャツとセーラー服と機関銃と私



こんばんは。今回はネタもネタなのですごい雑な感じでお届け。

みなさん、グランドクロスというものをご存知でしょうか。僕達が住んでいる地球は、太陽の周りをぐるぐる回っています。 太陽系惑星のほかの惑星、水生とか金星とかもぐるぐる回ってます。で、それぞれの惑星が太陽の周りを公転する速さは違います。そうなると、惑星同士では追い抜いたり、追いぬかれたりとかを日々してるわけです。

で、その惑星達が自分達の好きな早さでぐるぐる回ってると、あるタイミングで↓のような感じで十字状に並びます。
カーディナル・グランドクロスと最後の審判 

これ自体が不吉なこととされてるとか、重力が変わるとかなんとか色々言われていますが、詳しいことは知りません。十何年かに一回ぐらいの割合で起きるそうです。そう考えるとあんまりすごい現象のような気もしないね。

で、僕はふいにこれを「ゲームクリエイターの転職」と重ねて見てしまったのです。僕の知る限り、ゲーム系のお仕事をしている人はジョブホッパー(よく転職する人)が多いように思います。もっといい仕事がしたい、こんなブラック起業は嫌だ!← など、理由は様々でしょうが、とっても多い印象です。他の業界を知らないのでアレですが。そんな僕も正社員時代だけでも4社、フリーランスでお邪魔している会社も含めたら二桁ぐらいは行くのではないでしょうか。

僕は太陽の周りをぐるぐる回りながら、次々と転職しているんだな、とイメージしちゃったんです。いや、全然関係無いんですよ、全然。僕がただの宇宙好きなだけなんです。ぐるぐる回ってると、「あぁ水星さんこんにちはー。以前もどこかでお会いしましたよねー。」とか「火星さんしばらく見ない間に随分昇進されちゃって~!」みたいな。いや、意味不明ですがこのまま行きますよ。

そして十年もぐるぐる回ってると、どこの会社に行っても大体知り合いがいるんです。その人達も、僕とは違うタイミングで違う星をぐるぐる巡っていたわけです。ほんでね、それを考えた時にゲームの会社っていうのは、一つの会社を指して考えてもあんまり意味がなくて、ゲーム業界全体で一つの生命体みたいに考えたほうが良いなと思ったわけなんです。(いよいよ頭がおかしい発言)

だってね、どうやったってクリエイター、というか職人の人達は、自分の力を試してみたいとか、表現をしたいとか、そういう欲があるんです。同じ会社に居続ける人ですら、日々何かに鬱屈としてる人をよく見ます。それで、今いる会社でそれが出来ないなら次の会社、という選択もあると思うんです。だって、自分を成長させたいための選択なんだから。

だから経営者やら管理職の皆さんは、人材がちょこっとその場を去ったぐらいでケンケンしないでほしいなと思うんです。だってこの法則でいくとですよ?どうせまた似たような人材が貴方のところに流れてくるんですから。そんなみみっちいことを言わず、ゲーム業界全体がこの公転によってどんどん昇華されていると考えれば、産業としての未来は明るいような気がします。どうでしょうか?(こんなこと言うと方々から嫌われそうだなぁ。)

モノ作りは知見を深めることで成長する生き物ですから、一つの箱の中に閉じ込めておくというのは、ある意味大きなジレンマだと思うんです。アリアハンの外にはもっと強いモンスターがいるということを知らないままでは、世界平和もクソもありません。一回放流した魚がいつかブリになって帰ってこれば良いと思うんですよ。 帰ってこない確率高いですけど。

そんななので、僕は一つの場所に居続けるよりは、ぐるぐる公転することをお薦めします。僕達もといゲーム会社は、同じ太陽系の惑星なのです!ぐるぐる回ってグランドクロス!!!ってそれじゃ不吉じゃねーかよ!と思うでしょ?いやいや、このゲーム業界に足を踏み入れた時点で、グランドクロスごときの不吉レベルじゃないんですよ。残念でしたね。←

Lv.28 ゲームランチ「ワンナイト人狼」



今日はお昼休みにチームのみんなと「ワンナイト人狼」を遊んでみました。元々あるゲームの人狼を、短時間で遊べるのがウリ。面白かったです。と言いたいところだけど今日はイマイチでした。

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知らない人のために簡単に説明すると、カードには村人、占い師、怪盗、「狼」っていう役割があって、それを裏返した状態で、みんなで好きなのを一枚とる。→相手に見えないように自分の役割を確認する→もっかい机に戻す→ゲームスタート。で、狼は誰かを当てるゲームです。当てたら人間の勝ち。当てられなかったら狼の勝ち。ほんで、本編に入る前に、以下のことをします。

1・みんな下をむいて目をつむる。そして机をトントンし続ける。
2・占い師→トントン中一番目に目を覚まし、みんなが伏せたカードの中から一枚だけ好きなのを見て、誰が何の役割なのかを確認できる→また下を向く。
3・怪盗→二番目に目を覚まし、みんなが伏せたカードの中から一枚だけ好きなのを見て、自分のカードと交換できる→また下を向く。
4・狼→三番目に目を覚まし、狼が二人いる場合はお互いが狼であることを認識できる→また下を向く。


ここまで他の人はみんな目をつぶってなきゃいけないので、誰が占い師で怪盗で狼か分かりません。ほんで本編スタート。みんな「俺は人間だよ!狼じゃないよ!」と嘘をつきます。占い師は「◯◯◯さんは、狼でした。」とか、ほんとのことを言えます。怪盗もかな。(記憶曖昧)狼の人は、一生懸命自分は狼じゃないよアピールします。バレないように。

そういった会話の中でヒントを得て、時間が来たら全員で狼だと思う人を指さす→カード開く→勝敗決まる。うん、やっぱり文字にすると面白さが全然伝わらないね。 で、そんなことはどうでもよくてですね。狼、占い師、怪盗はまぁなんかゲーム的な役割があるから良い。「村人」には何もやることが無い。ここがダメだった。しかも今日は3回やったのに、俺ぜんぶ村人だった…。村人って基本、最中は何もやること無いんだよね。「私は村人です。」って言っても、本当だから全然心理戦にもならないし。狼探す得票権だけあるみたいな。

何が言いたいかと言うと、「全員がゲームに参加出来てない感。」が物足りなかった。ゲームの基本としては

1・ルールがある
2・一定のランダム性がある
3・戦略や戦術で勝敗が決まる

ここらへんを守っていれば、ゲームになると思うんです。でも、5人なり8人でプレイしてるとかだったら「4・全員が面白い」というのは最低条件だと思います。その点ワンナイト人狼は惜しいと感じてしまいました。(自分が村人以外をできてたら、もうちょっと違かったかも)

で、人様の作ったゲームを面白くないというのは簡単なので、そこは企画屋さんとしていくつかルールを考えてみようと思うわけです。以前も「ごきぶりポーカー」のルールを変えて、個人戦からチーム戦にしたら面白かったので。

足し算型のアイディア
 村人にも何かしらのスキルを付ける。それで余計に誰が誰だか分からなくする
グローバルアイディア
 必ず何かしらの方法で、「全員が嘘をついている状態」にする


実際は↑のを入れようと思うと、色々もう少し考えないといけないんですが、ここらへんが入るともうっちょと全員で盛り上がれるような気がします。

ともあれ最近はアナログゲーが面白いので、僕も何か考えてみたいなと思いました!(・∀・)


Lv.27 社内勉強会やってきました。(その1)



今日はお世話になっている会社さんの有志で、企画職向けの社内勉強会をやりました。

第一回目のテーマは「ゲームってなんじゃろう?」です。日々お仕事でゲームを作っていると、なんでか知らないけれども「自分が好きなゲームと、自分が仕事で作っているゲームは”別物”だと思いがち」になってしまう時があります。でも広義の意味ではどっちもゲームだし、共通して言えることとしては「面白いもの」であることは変わりません。

特に最近はソーシャルゲームの隆盛が相変わらずすごいので、ソーシャルゲームとしてのゲームの作り方、考え方に”収まりがち”になってしまうケースも少なくないのではと思います。パズドラとかモンストとか、ヒットしているゲームの仕組みが面白い→うちでもそれをやろう、みたいな流れ。当然ヒットゲーム=たくさんのユーザーに指示されているわけですから、それらを何かしらの形で再現することによる一定の面白さはあると思います。でも、「面白いとされている物から貰う。」ということと「面白いを根本から本質的に考える。」 ということは、少し違うように思います。パクりはダメだよねとかそういう意味ではなく。

で、もう一回戻って「ゲームって何よ?」っていうことで言うと「面白い」という単純な言葉に置き換えられるわけです。作り手がわざとユーザーに「つらまない」と言わせるために一生懸命作るゲームなんてものは無いので、当たり前と言えば当たり前ですが。それに、もっと単純に「面白い」という言葉だけで考えれば、別にゲームじゃなくたって、世の中にはたくさんの面白いことがあるわけです。スポーツとか、アニメとか、恋愛とか、食べ物とか。言い換えれば、ゲームというのは世の中にある面白いの「一部」であって、尚且つゲーム発で面白い物というのは実はあんまり少ないのではと考えています。

現実:恋愛が楽しい→ゲーム:恋愛シミュレーション
現実:スポーツが楽しい→ゲーム:サッカーゲーム、野球ゲーム
現実:冒険小説が楽しい→ゲーム:RPG


例えばこんな風に。

そんななんで、「面白いゲームを考えよう。」となった時に、普段から「ソーシャルゲーム」っていう狭いマインドで考えるのは少し勿体無いし、少し広げて「色んなプラットフォームのゲーム」から考えるとしても、随分マシだけど、まだちょっと凝り固まっている気がします。で、「世の中のあらゆる面白い物の”こういう部分のワクワク”を、なんとか翻訳して担当しているゲームの中に入れられないか?」と考えるようにすれば、少し視界が開けるように思えませんか?僕だったら、武術とか、宇宙とか、恐竜とか、おっぱいとか。

もちろんスマホのゲームにはなかなかマッチしないものもあるし、入れたところで思ったような面白さにならないものもあります。でも、「たくさんの面白い」を知っていたり、見つけようとするクセと、「これゲームに出来ないかな?」という着眼点さえ持っておけば、今よりは面白いゲームが考えられるのではないでしょうか。

端的に言えばプランナーという職業は「考える仕事」というか、むしろ考えるだけじゃ全然ダメなので「答えを出す仕事」なので、「考え力」が高いほうが良いに決まっています。自分がゲームを作る時に「あれ、なんか考え方が凝り固まっているなぁ。」と思うようであれば、一旦手を止めて、もう少し広い視野で「面白い」を眺めてみると、結果的に面白いゲームが作れるような気がします。いや、知らんけど。

※当日の資料は大根と宇宙で↑を例えていました。(何
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Lv.24 香ばしいのはダメだ。それだけはダメだ。



今日のはわりと大切なお話。

僕が書いた本には、本編の内容とは別に6名のプランナー系クリエイターさんたちのインタビューが載っています。ゲームのお仕事について語っていただいていたり、どんな気持ちで日々ゲームを作っているかとか、どれもクリエイターを目指すかたにはとても良いメッセージが詰まっていると思っています。僕もとても刺激になりましたし、同じゲームプランナーなのに内容も一人一人違うので、とても面白いと思います。

そんな中で一つ、タケウチさんの「ゲームのお仕事と言えど、他のお仕事と同様に社会人なので。」というところが個人的には「あー、大切だなぁ。」と、特に最近思っています。タケウチさんの言う通り、「ゲームクリエイター」とは言いつつも、決して「アーティストではない」んですよね。毎日会社に通って、みんなにオハヨウゴザイマスして、朝会があったり、会議があったり、有給があったり、予防注射があったり、忘年会があったり。そう、ゲームクリエイターは普通のサラリーマンでもあるのです。

当然ながら、どんなにめちゃんこ才能があったとしても、遅刻ばっかりしてたら上司に怒られます。廊下ですれ違ったときに挨拶もろくに出来なければ、無礼者扱いされます。我慢できずに女の子のおっぱいを揉んだら、セクハラで首が飛びます。というかゲーム業界追放です。そんな奴いるのかよ!と思う人もいるかもしれませんが、恐らくゲーム業界はその他の業界に比べて、ネジが5~6本外れているような人間とのエンカウント率は高いのではと思います。十何年も業界を眺めていると、ここでは言えないようなポンコツクソヤローがたくさんの、おいでよ!野生の牧場です。

そんな僕も、最初の頃はとにかくそこらへんがポンコツでした。名刺の渡し方、受け取り方、お客様に来ていただいた時の椅子に座る位置、ほんとに何も知らなかった。メールの書き方もろくに分からなかったし(ToとかCcとかBccとか)、書類のホッチキスとめるのが右か左かも知らなかったりして上司に怒られたり。さすがに今はなんとかやっています。なんとかね。(チラッ

そういう意味では、最近の人達はなんだか賢いなーと思う人がほんとに多いので、僕なんかが心配する必要なんて無いかと思っています。とは言えいきなり全部を完璧にこなすのは難しいので、そういう時に役立つヒントがあるとしたら、「バランス型」を目指そうということです。これは社会人として、時々言われることです。元々人それぞれに才能や得意分野も違いますし、情熱を注げるポイントも様々だと思います。とは言え「共同体の中でのバランス」を無視するわけには行きません。僕なりの解釈で「バランス」を言うのであれば、「クリエイターと社会人のバランス」は、なるべく気を付けていったほうが良いのかなと思います。

例えば、超絶悶絶面白いゲームを考えられる人がいるとします。でも、ろくに挨拶もできないし、コミュニケーションも苦手だとします。自分のやりかた以外は認めたくないとかマジで騒ぎ出したりします。それを数字で表した時に「クリエイター100:社会人0」という対比だとします。こうやって見ると、相当ポンコツ感があるように見えますね?ネジが20本は外れていますコレは。実に香ばしい。

では逆に、ゲーム屋としては死ぬほど才能が無いとして、でも社会人としては完璧だとします。性格も最高!それを数字で表すと「クリエイター0:社会人100」となります。うん、多分他の職業では才能を発揮するかもしれませんが、ゲーム屋さんは向いてないと思います。もしくはゲームクリエイターをまとめる部長職なら向いているかもしれません。

当然、本人の努力次第で伸びていく部分もあると思いますが、偏りすぎではダメです。自分自身を客観視した時に「あぁ、自分はこういうところがガッカリだなぁ」と自省するクセを付けておけば、そのうち「クリエイター65:社会人35」ぐらいにはなるように思います。端にビジネスマナーということだけではなく、自分がゲームクリエイターとして働けるということは、自分には出来ないたくさんの技術や知識、努力を重ねてきた「仲間と働く」ということです。仲間に対する尊敬や感謝を無くしては、いくら才能が100だったとしても、一緒に働くことは難しい、というか無理です。少なくとも僕はそんな奴とは働きたくありません。

そんなポンコツクソヤローにならないためにも、これからゲーム業界を目指すみなさんには、この「バランス感覚」を日々意識して欲しいなと思います。日々才能を研鑽しつつ、クリエイターとしてもカッコ良く!一緒に働く仲間にもステチ!と言われて、社会人としてもまぁ立派!そんな素敵なニュージェネレーションがゲーム業界を席巻する日を、僕は楽しみに待っています!

このエントリーを書いてて何が苦しいって、自分が社会人としてぜんぜん立派ではないことです。←
とにかくアレだ、一緒に頑張っていきましょうよねっ!(雑)

Lv.22 ゲーム魂セミナーやりまーす!



今日のとある若手ディレクターとの会話。

俺「M君のプロジェクト、すごい調子いいみたいだね!」 
M「あざーす!」
俺「でも、他のプロジェクトが元気無いみたいだね。」
M「そですねー…。」
俺「アイディアを出し続ける熱量が枯渇してるのかもね。」
M「なるほど……そうだとしたら、どうにかしたいですね。」
俺「じゃぁ、魂について好き放題語る社内勉強会でもやるか!」
M「そうですね!」

と言うわけで、来週から全3回の「ゲームに魂を込めるとはなんぞや勉強会」を開くことにしました。主催は僕。元々僕の業務契約に、若手の教育というのがちょうどあったので、ここは楽しく好き勝手にやらせていただこうかと思います。

過去のブログで「コピペプランナー」と例えていたけど、やっぱりゲームプランナーである以上は、内側から吹き出るぐらいの情熱であったり、変態と呼ばれてもなお止められない妄想であったり、何がなんでも人をワクワクさせたい気概だったりが必要なんだと思います。

運営型のゲームの場合、ある程度の売り上げに達してしまうと、ある意味脳みそは半分寝ててもどうにかなる場合があったりするんですが、それはある意味職務怠慢ともとれますし、やっぱりゲームプランナーという意味では寂しい気もします。そんななんで、今一度プランナー陣の「情熱係数」をグワーッ!!!っとアップしたいなと思っています。みなさん僕なんかより全然頭が良くて優秀な方たちばかりなんですけどね。熱量と賢さは少し違うものなのかな、と。

勉強会が面白い感じになったら、結果をこちらでもレポートしたいと思いまーす!

Lv.20 それ、股間で書いてるの?



昔僕が携わっていたソシャゲのお話。

そのゲームはプレイヤーが学校の先生になって、美少女の生徒達を育成しながら、地球の平和を守るような内容でした。 実際のところ地球の平和はわりとどうでもよく、学園での日常をおもしろおかしく描いている、ほんわかしたノリのものでした。

ゲーム中の節目節目では美少女達の台詞があり、それは毎回イベントのたびに新しい美少女達の側面を見ることができました。ユーザーのみなさんからもご好評いただき、ゲームユーザーとしてではなく、作品のファンとなっていただけたかたも、いらっしゃったのではと思っています。

運営型のゲームをやっている時は、作り手、届け手として当然ながらユーザーの声が気になります。楽しんでくれてるかな?と思うわけです。そうなるとストアのレビューだったり、2chだったり、Twitterだったりを見るわけです。 当然良いことも書いてあれば、悪いことも書いてあります。中には「もっとこうなったら、今よりも面白くなると思います!」と丁寧にアイディアや意見をくれるかたもいらっしゃいます。ほんとに嬉しい。

で、いつも通りつぶやきパトロールをしている中、気になるつぶやきを見かけます。「このシナリオ担当、股間で書いてないな。」という書き込み。登場キャラクターの台詞についてのツッコミだったと思います。僕はラノベとか深夜アニメ属性が弱い人間だったので、見た瞬間は「まぁ、素人でこういうこと言いたい奴っているよねー。」ぐらいの印象でしかありませんでした。こっちはプロでお金もらってやっているわけですし、相手は恐らくただのラノベ好きとか、そんなもんだろう、ぐらいの。実際のところ僕はキャラクターの台詞や世界観を担当していたわけではないので、その時はそこまででした。

それから適当に月日は流れ==卍(卍・∀・) 卍

とある別のゲームの企画を考えている時でした。真面目にコツコツ考えていたので、ちゃんと仕上げればそこそこ面白いもの、売れるものにはなるだろうな、と考えていました。ただ、それと同時に何かしらが大事なものが足りていないような気もしていました。 で、ふと気が付くわけです。

「あ、テンションだ。」

アクションゲームで~、簡単操作で~、レイドとかPvPとかあって~、通信対戦とか~、世界観はこんなで~。大体そうやって足し算的に物を考えていると、理路整然とは、まとまったものができるのですが「それでどうやってユーザーの心が震えるのか?」というのとは、全然関係の無いとこだけに一生懸命になっている、という言い方、見方もできてしまいます。

で、ふいに股間の話を思い出すわけです。システムは考えた、世界観も考えた、PLも書いた、でも股間は考えてないじゃないかっ!!!(効果音:ドーーーンッ!!!!!) 

ファミコン初期の頃なら「股間」は無くてもゲームシステムそのものが面白ければ大丈夫だった時代かもしれませんが、今や股間は欠かせません。僕が常日頃から言っている「ユーザーではなく、プレイヤーでもなく、”ファン”を作らないといけない。」というのと「股間」は、恐らく同義語なんだと気付きました。

なんでこんなことを書いたのかと申しますと、仕事にしているとやれ〆切だの予算だの人間関係だの、面白くもないことに脳みそが持ってかれてしまう時があるわけです。でもそれ自体は目的達成のための作業でしかないので、そんなつまらない部分に心まで持っていかれないようにしましょうね、というお話でした。

そんなこともあって、僕は企画を考える時、システムを考える時、施策を考える時、どんな時でも股間を意識しています。今日もあなたの股間にロックオン!こんなかんじで良いでしょうか。

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Lv.19 ゲーム企画書がわりと早く作れる方法かも。



毎度毎度とりとめも無く。

今回は企画書を作る時に、なんだかいい感じにならないなーと思うかたがいたら、少しはお役に立てるかもしれません。(知らんけど。)

企画書を作る時に、やりたい事や妄想、悩んでいるところなどがごちゃ混ぜになってしまう人もいると思います。ある程度数をこなしている人なら当たり前にできることだと思いますが、コンセプトやらターゲットやらジャンルやら、色々な企画の構成要素をキッチリスッキリ一本の筋を通すことは、何気に難しいことだと思います。一番やりたいことに対して後付であれこれ”カタマリ”をくっつけるだけでは、一つの企画としてまとまっているとは言い難い仕上がりになってしまいます。 

僕でもアイディアを思い付いてすぐは結構とっちらかっている事も多かったり、適当に考えていたところが後からギャーッてなったりする時もあります。そんな時に僕が気を付けていることは「ターゲットに合っているか?」が主軸ではありますが、それに伴った「キーワード設定」がめちゃんこ重要だと考えています。

例えば「アクションRPGを作りたい!」 というふうに、ジャンルから先行してゲームを考えたとします。そうなると、ターゲット設定や世界観は後付けになってしまいます。そんな時はすかさず、そのゲームを「誰に遊んで欲しいか?」を考えます。「自分と趣味が合う人」というのは最悪過ぎるので、速攻その企画をゴミ箱にぶち込むべきですが、「コンシューマゲームのアクションが好きな人。」というのであれば、その人に合ったものかどうかで考えることで、意外とそれ以外の要素を決めやすくなります。

「アクションが好き=ゲーム好き、そこそこゲームプレイに自信がある。」となるので、世界観やゲームバランス、マネタイズ等は「ゲームが好きな人前提」で考えれば良いわけです。もしターゲットが「スマホのゲームしか遊ばない女性や中高生向けに。」となるのであれば、当然その人達向けにUI(ユーザーインターフェース)や操作性も考えなければいけません。

ターゲットがキッチリ決まったとして、上記のような諸々の要素は、「そのターゲット層の範囲でも、一番多くの人がポジティブに感じるもの。」にする必要があります。何故かというと、たくさん売れないと困るからです。お仕事でプランナーをするということは、好きな物を作れるわけではないので、できるだけ沢山の人がプレイしたいゲーム企画であり、ゲームデザインである必要があります。もちろんその定義は会社だったり、今狙うべきタイミングだったり、色々な要素が絡むことになるので、企画そのものの良し悪しさえタイミングに寄って変わってしまったりするのですが、いずれにせよ売れるために全ての狙いがパチンとハマっている必要はあります。

で、「ゲーム好きのためのアクションRPG」。ここまでは決まったとします。次に決めないといけないのが、世界観です。世界観というのはストーリーではないです。世界観です。舞台設定とでも言えば良いんでしょうか。例えばそのアクションRPGは、西洋ファンタジーでしょうか。戦争物でしょうか。未来でしょうか。過去でしょうか。

そういった舞台のセットアップをしなければ、まだジャンル以外は何も決まっていないのと一緒です。もっと言えば、世界観や時代設定をするよりも前に大事になってくるのが、「そのゲームでユーザーをどんな気持ちにしたいのか?」です。逆を言えば、そこさえ決まっていれば、他の要素はなんとでもなると思います。

例えばそのゲームの重要なキーワードを「中二病」としましょう。そうすると、時代が未来だろうが現代だろうが、どう考えても登場人物やアクションシーン、必殺技などは中二病が炸裂する必要があります。ここを「ハイクオリティ、本格アクションRPG」とかすると、一気に真面目そうで、グラフィックがやたら綺麗なゲームになりそうですよね?この「キーワード」というのは、僕個人が思うに、先ほど述べた「どんな気持ちにしたいか?」と同義だと考えています。要約すると、「アクションゲーム好きのユーザーに、「何この中二病ゲーワロスwww」と言わせるゲーム」ということになります。

これが決まっていれば、登場人物、世界観、時代設定、演出、大まかなストーリー、ゲームシステム、その他諸々も含めて、思い付いたアイディアの全てを「中二か中二じゃないか?」で評価することが出来るようになります。充分に中二感を出せている部分は合格、全然中二になっていないところは不合格ないし、再考すればいいわけです。ホラーゲームなら、当たり前のキーワードとして「怖い怖くないか?」という基準になると思います。「怖くないホラーゲーム」って、もはやなんなんですかってなりますよね。

ともあれこの「キーワード」というのを設定しもせずに、部分部分で考えていると、面白くないものや矛盾を後から後から足すような感じになってしまうので、わりと早い段階で決めてしまうのをオススメします。 多分それで企画のまとまり方が何倍か早くなると思います。前回のブログでシナリオとかストーリーとかは苦手だと言いましたが、ここはちゃんと考えてまーす。

Lv.17 脳を鍛える大人のクソゲトレーニング



「クソゲーってなんだろう。」
今日も色々楽しいことがあった、大久保です。

今回はいつものあんまり面白くもない座学的なものをちょっとひん曲げて、「クソゲー」についてお話したいと思います。クソゲーと言ってアナタはどういうゲームをイメージするでしょうか?ゲームバランスがクソ、グラフィックがクソ、ストーリーがクソ、 操作性がクソ、致命的なバグがクソ。明らかにアレのパクりだからクソ。クソゲーにも色々な定義があると思います。

個人的にはゲームバランスがクソ、が一番最低だと思っています。せっかくゲームデザインが面白いのに、ゲームバランスのせいで全然面白くなくなる。山登りでようやっと九合目まで来たのに転げ落ちるぐらい勿体無い話ですし、何故最後の最後で頑張れなかったんだと思うわけです。

さて、なんで世の中にはクソゲーが生まれてしまうのでしょうか?これはめちゃんこ簡単で、「作った人がクソだから」です。企画自体がそもそもクソだったり、企画はイケてたのに開発メンバーがクソだったり、チームの人間関係がクソだったり、〆切や予算の設定がそもそもクソだったり、理由はとにかく色々です。でも、端的に言えば「人為的に起こされた事故の産物」なので、作った人がクソという結論になります。

しかし、クリエイターだってクソゲーを世の中に出そうと思って作ってるわけはありません。むしろ死ぬ気で頑張って、なんとか面白いゲームを出そうとしているケースの方が断然多いです。なのに何故かクソゲーが生まれてしまう。実は現場の人達のせいであることは少なく、そのプロジェクト担当の上長判断がクソ、その上長をそのポジションにした上長の上長がクソ、そんな上長の上長を雇っている社長がクソというふうに、最終的には一番偉い人の責任だったりします。

まぁそんなわけでビジネスである以上は色々な人が絡んで、色々な思惑がそこにはあって、そういっためんどくさいパワーバランスの中でゲームを作らなければいけないケースも沢山あるわけです。これからゲームクリエイターを目指すかたたちには、ぜひそんなシガラミの中でも負けない心でいつか名作、ヒット作をドーン!!!と世間に発表してほしいなと思います。

「磨きぬかれたクソゲー」
と、ここまではクソゲー発生のメカニズムについてお話しました。

で、少しだけ企画のお話。ゲームプランナーのお仕事をしていると、ある意味職業病なのか、道を歩いててもお風呂に入ってても、ゲームのアイディアを思い付く時があります。その時は面白いと思っていても次の日には忘れてたり、なんでこんなクソゲーを思い付いたんだろうと思ったり。

ゲームの企画は「100考える→10は面白い→1は実際に制作まで行ける」と言った風に、開発やリリースに進むまでに、星の数ほどの残骸を産み出します。一発で超面白い企画を考えられる人なんて、いないんじゃないでしょうか?もしそんな人がいたとしても、頭の中では超高速で100考えて、ようやく1を言葉にしているんだと思います。

で、ここからが急展開なんですが、「クソゲーだっていいじゃない?クソゲーを作ってみようよ!」と今日は思っているんです。何言ってんだバカヤローと思われそうですが、「これはクソゲーでしょ!」と言われるような物を意図的に作ることがいかに難しいかを知ってほしいんです。先述の通り、ゲームクリエイターのみなさんは「面白いゲーム」を作ろうとしていて、でも何かが足りなくて、結果的にクソゲーを世の中に出しています。そう、本当は面白いものを作ろうとしているんです。

そう考えると、意図的にクソゲーを作ろうなん普通のクリエイターでは出来ません。ただのウケ狙いでゲームを作るだけだったとしても、それではある意味「面白い」になってしまうので、クソゲーとも言えなくなってしまいます。 ユーザーが「何このクソゲーwwww」と笑いながらツッコミを入れているようではまだ面白いから駄目なんです。心の奥底から「俺の時間と金を返せ。」を言われるようなクソゲーをどうにか作ってみましょうよ!

……。

ね、クソゲーの企画を一生懸命考えている時点で、既にクソゲーを作ることなんて無理なんです。

まとめ。何が言いたいかと申しますと、面白いゲームを作ろうとするのと同じぐらいに、クソゲーとは何か?ということを頭の中で深堀りしましょうということです。「何が面白いか?」と「何がクソか?」を同じぐらいの強さでしっかり頭の中でイメージできて、それを言葉に出来るのなら、きっと面白いゲームが作れるはずなんです。良い物を作る上では駄目な物についても色々と学ぶことが、結構プラスになるんじゃないかなーと思います。

それでそのプロジェクトが大失敗したとしても、企画自体は面白いのだから、全力で誰かのせいにしましょう。←

Lv.16 ツール探しの旅、ショートカットの旅



オッス!オラ悟空!うそうそ!

今日はゲームプランナーのお仕事をする上で欠かせない「ツール選びと使いこなし」についてお話したいと思います。ゲームのお仕事をする場合、かなり色々なソフトを使います。デザイナーであればPhotoShopや3Dモデリングのソフトだったり、プログラマーでも色々な言語のプログラミングソフトを使ったりします。

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当然プランナーにも、よく使うソフトがあります。ゲームデータを作る場合はExcelやgoogleのスプレッドシートを使いますし、企画書を作る場合はPowerPointを使ったりします。大体ここらへんはどこの会社でも共通なのですが、テキストエディタに限っては人それぞれ好きな物を使っているようです。

僕が使っているエディタは「真魚(まな)」というフリーソフトです。気に入っているところは、タブで複数のテキストファイルを同時に使えることです。ゲームプランナーの場合はいくつかの資料を同時に見ながら作業する場合もあるので、その点でタブで複数ファイルを扱えるのは、かなり便利だなぁと思います。

表計算、プレゼンテーション、テキストエディタ。大体この三つがあればプランナーとしては仕事ができるのですが、よりかゆいところに手が届くように、こんな物も使っていますよ的なものをご紹介したいと思います。

仕様概要書作る「WorkFlowy」
ネット上で書ける&折りたたみ機能が超便利。シンプルさもすごい良い。

仕様書作る「google Document」
文字に色をつけたり画像を差し込めるので楽。ネット上で編集閲覧を複数人で出来るのも良い。

タスク管理「付箋帳」
スケジュール管理ではなく、自分の作業をメモるために使用。一々ソフトを立ち上げないで良いから楽。

マインドマップ「Frieve Editor」
何か企画を考える時に使う。と言ってもホワイトボードで手書きした方が早い場合も。

画像ファイル確認「IrfanView」
PhotoShopが無い環境でPSDファイルを確認するだけの時に超便利。PhotoShopが入っていても、一々起動せずに軽い動作で見られる。

ファイルネーム修正「リネーム君」
同じような名前のファイルをたくさん同時に修正する場合に便利。

IME「google日本語入力」
テキストを入力する場合は必須。メールを打つ場合等は何倍も早くなる。オンラインで自動的にどんどん更新される点も素敵。

ランチャーソフト「ぷちらんちゃ」
ミニサイズのランチャーソフト。デスクトップが散らからない=効率的に作業ができるので便利。

画像切り抜き「snipping tool」
Windows標準搭載のツール。画面上の好きなとこだけ切り抜けるので、説明用の素材を作る時には重宝します。

オンラインストレージ「DropBox」または「GoogleDrive」
あっちこっち移動する機会が多い人には何かと便利な保存場所。プロジェクトで共有する場合にも使用している会社は多いです。

チャットツール「チャットワーク」
ブラウザ上でチャットができるので、一々ソフトの起動が必要無い。グループ管理もできるので、超便利。

名前管理「Facebook」
え、ツールじゃないでしょと思うでしょ?色んな会社の方と頻繁に初めましてこんにちはをしていると、もはや名前が覚えられなくなります。名刺をもらったとしても同じことです。そんな時にとっととFacebookでフレンド申請してしまえば、後からどうにかなるので意外と大丈夫です!(何が

僕は大体このぐらいでほとんどの仕事をまかなえているような気がします。使い慣れてしまってずいぶん経つので、似たようなソフトでもっと便利なものがあれば、ぜひ教えてください!ついでなので、仕事では使いませんが、趣味でよく使うソフトも紹介しておきます。大体無料のものが多いので、興味があればぜひ一度触ってみてくださいね。

2Dソフト「PhotoShop」
なんやかんやで絵を書く、テクスチャ等の素材を作る場合は便利。昔は10万円もしましたが、今はオンラインで月1000円とかで使えてしまう。

3Dソフト「Metasequoia」
無料で3Dモデルが作れる。プラグインも充実。そして軽いのが何よりも魅力的。有償版を使えば他の3Dソフトとの相性も良い。

3Dソフト「Shade」
レンダリングやアニメーションを作りたい場合にお薦め。ポリゴンモデリング機能はあんまりイケてないので、フィニッシュワークとして使うと良い。エントリーモデルであれば、価格が安いのも嬉しい。

ゲーム制作「インディーゲームクリエイター」
プログラミング不要でアクションやシューティングなど、どんなジャンルのゲームも作れてしまう。本気でやればプロ並みのクオリティ、製品版なども作ることができる。

おまけの3Dソフト「SculptGL」
ソフトではなく、ブラウザ上ですぐに使える3Dソフト。ポリゴンの頂点モデリングではなく、スカルプトという粘土をこねくりまわすような操作で遊べる。無料&インストールしなくて良いのが素敵。

最後に、ツール自体が便利だった場合は、なるべくショートカットキーを覚えるか、自分専用にショートカットの位置をカスタマイズすると良いです。そうすることで更に効率的に仕事が出来るので、 アホみたいな量をこなせるようになる、または残業なんかしないでサッサと帰れるようになります!←

Lv.15 たまにはKPIとか



今回はソーシャルゲーム等を運用する際に必要になってくる「KPI」について、好き勝手に書きたいと思います。

これからゲーム業界を目指すかた向けに説明すると、ソシャゲをプレイしている時に裏側で取得される、様々なパラメータのことを言います。今日は何人遊んでくれたとか、何人が課金してくれたとか、大体平均何日ぐらいでユーザーが飽きてしまうとか。そういった様々なユーザーの動向を色々な値で取得、分析することで、どうすればもっと数値が改善されるのか、売上に繋がるのか、次のアップデートやイベントはどんなものにするべきかなどの指標とすることができます。

実にたくさんの分析値があるのですが、その中でも特に個人的に重要視している物だけをテケトーに紹介したいと思います。また、昨今色々な会社さんで気にされてる数値でも、個人的にはどうでも良いと思っている値についても言いたいなと思います。

継続率
プレイヤーがゲームを初めてプレイしてから、何日ぐらい継続して楽しんでくれているかを指します。 例えば今日100人が登録して、7日後には20人しかプレイしていなかったら、「7日後継続率20%」となります。ただ、この継続率というのは会社によって計算のしかたがマチマチなので、一見あっちの会社からは物凄く良い数字が聞こえてきたりなんてこともあったりして、比較参考としてはアテにならないなと個人的には思っています。3パターンぐらい紹介。

1・登録日からたまたま7日後にログインしていた人の割合
2・登録 日から連続で7日間ログインしていた人の割合
3・継続率ではなく、残存率で見る場合

1は先に説明した、一般的に継続率と言うと一番多いパターンかもしれません。初日にゲームをプレイして、たまたま何日目かにログインできなかった。でも7日目にはまたログインしていた。こういう場合は1です。2は、ゲーム初日から「毎日続けてログインしてくれたユーザーの割合」です。当然ながら1よりも低い数値が出来るケースがあります。低いから悪いということはなく、「いかに熱中してくれているか?」を図るという意味では、2の方が断然良いような気もします。3は、1とか2を逆の視点から見てるだけですが、「平均x%のユーザーが残ってくれる。」と見るよりも「平均x%のユーザーが脱落してしまう。」と見たほうが、何故脱落しているのかという観点で改善施策を考えられそうなので、個人的には3が良いと思っています。

また、説明では7日間でお話していますが、個人的には「前月残存率」「前々月残存率」というように、ユーザーを二ヶ月ぐらいのタームで見るようにしています。と言うのも、継続率なんてものはキャンペーンをやったり広告をかけたりすることで、平気で上下動する頼りない数字だからです。それらを解決するためにFQ5とか言う数字の見方もありますが、僕は面倒なので見ません。一週間プレイしてくれた、やったー!とぬか喜びをするよりも、二ヶ月三ヶ月と長期にゲームを楽しんでくれるユーザーを増やすためにどうするか、をちゃんと考えて、その中にゲーム開始当日や3日後、7日後までモチベーションが維持できる状態を逆算して作っていくというのが本来のような気がします。いや、知らんけど。

課金率
ゲームをプレイしてくれているユーザーの中で何%の人が課金してくれているかを表します。100人がプレイしていて、5人が課金してくれている場合は5%となります。一日単位で見る場合もあれば、月単位で見る場合もあります。概ねどこの会社でも重要視する傾向がありますが、この値も広告やキャンペーン等でたくさんの人が一度に登録してくれた場合などにブレやすい"相対値"なので、僕はほとんど見ません。それよりも「課金ユーザー数(PU)」で見た方が"絶対値"なので、多いか少ないかが分かり易いですし、その値次第でどんな施策を打てば良いのかが考えやすいと思っています。

課金率と同時によく見る値として「ARPPU」 というのがあります。例えば月の売上が5千万円だとして、月の合計課金ユーザー数が1万人だったとします。そうすると「50,000,000÷10,000=5,000」となり、月のARPPUは5千円になります。PUとARPPUを相対的に見ることで、課金ユーザーの体質やサービスの健康状態を見ることができます。

PU多い、ARPPU低い =課金率が高いので、売上が安定しやすい。さらに課金率が安定する、もしくは現状よりもARPPUの上がる施策を考える。

PU少ない、 ARPPU高い =コアなユーザー層が多い。初心者とのゲームバランスが極端に離れている可能性がある。もしくは長期的にサービスを続けているために起きている。PUが増えるための施策を考える。

ざっくりとはこんな風に見ています。また、個人的には「合計PUが何人か」よりも、月の頭から月末にかけて、PUがどのぐらいの速度で増えているかを「積上PU」という形でよく見ます。1日目に100人で、2日目に他のユーザーが50人課金、3日目にまた別のユーザーが70人課金、としたら、3日目の時点での積上PUは220人です。この速度を追うことで、今月の目標売上に対して大丈夫そうかどうかがなんとなく分かるようになります。また、その数値次第で月内に新しい施策を行うかの指標にもまります。 

それと同時に、当日のPUの中に「このゲームに初めて課金したユーザーが何人いるか。」 もよく見ます。今日のPUが100人だとして、そのうち新規PU30人といったふうな感じです。新規PUが少ない=古いユーザーしかいない、または最近ゲームを始めたユーザーは課金をしたいと思っていないというように捉えられるので、改めてゲーム全体を見渡して、新しいユーザーでも課金したいなーと思うようなアイディアを考えることになります。

他にも色々な数値があるのですが、僕は大体↑の値以外は補助的には見るとしても、さして重要視はしていません。端的に言えば「継続率=ユーザーからのゲームの面白さに対する評価」「課金率、ARPPU=ユーザーがお金を払いたいと思う価値があるかどうか」なので、この二つを見ることは、「ユーザー(楽しみたい)」と「会社(売れたい)」 という単位で考えるためには一番シンプルな見方だと思っています。

「課金率高いよねー、低いよねー」とか、どこと比較しての根拠だよみたいな、実際は数字があまりよく分かっていない人や、変にあれこれCPAだのLTVだの色んな数字に踊らされてしまう人がたまーにいますが、頭が良すぎて結局アホじゃん、と静観してます。結局のところ数字というのはユーザーのみなさんがゲームをプレイした時に感じた「気持ち」が「行動」になって、その結果がたまたまログとして残っているだけに過ぎません。意味もなくたくさんの数値を見て「俺、分析してるわー。」と自己満足にひたるよりも、なるべく単純に見た方がゲームの面白さを考えることに集中できるよね、というお話でした。

ゲームプランナー志望ですって言って、ラノベ見ながらシナリオ書きたい(それ以外は興味無い)と思っているようなかたは、ゲームをお仕事にするにはこんなことも必要なんだなーと思ってくれると嬉しいです。かしこ。

Lv.14 円滑なコミュニケーションが出来るかた



こんばんは、寝ても覚めてもゲームのことばかりを考えているわけでもない、大久保です。(宇宙とか恐竜とかおっぱいとか、おっぱいとか)

今日はゲームプランナーの求人サイトとかによく書いてある、「歓迎スキル、必須スキル」について。 このスキルというのは業界でお仕事をする上で最終的には欠かせないものではありますが、当然人に寄って技術的な差であったり、アプローチの差異があったりするものなので、このぐらいまで出来てればOKというのは正直無いのかなと思っています。

例えば「エクセルを使える方」と書いてあったとして、どこらへんまでをエクセルが使える方とするのか、意外と曖昧だったりします。普通に文字や数字を入力するだけだったらアホでも出来ますし、触ったことが無くてもそんなのは一日で覚えられます。現役のゲームプランナーだって関数だのマクロだのVBAだのなんて、出来る人もいれば出来ない人もいます。

将来的にはそれなりに使いこなせる方が良いのは当たり前として、そういった「手を動かすだけの技術」は個人的には「必要になったら必死に覚える。ないし事前にちょっと覚えとく。」 ぐらいで良いのかなと思っています。(面接官にやる気無いと思われたらアレなので、堂々と「やったことありません!」とか言われるとちょっと論外ですが)

で、そんな要求スキルの中によくある「人と話すのが好きなかた」とか「円滑なコミュニケーションが出来るかた」 とか言うのが、エクセルなんかの技術よりも重要になってくるので、それを僕なりにお話できたらと思います。

自著でも書いていた気がしますが、ゲームプランナーという職業は他の職業に比べて、他人と話す機会がとても多いです。企画書の魅力を伝える場合は経営者なり出資者とお話をしなければなりませんし、仕様書の説明をするためにはデザイナーやプログラマー、サウンドの人とも話します。リリース直前ともなれば広報とかWebとか、コラボをやるんだったら他ゲーム会社の人とかとも話すわけです。

そう考えると、そもそもコミュ障ではゲームプランナーに向いてません。なので「話をするのが好き」 というのは元より、「色々な人と色々な話題が出来る必要」が出てきます。無論ゲーム業界に入ってすぐにそれだけのことをやることはありませんが、いずれにせよ必要な力になるのは変わりません。

で、じゃあ具体的にどういうコミュニケーションスキルがあれば必要充分なのか、というのを一応僕なりにまとめてみたので、もし少しでも参考になれば嬉しいなと思います。責任は持ちませんが。← 

1・自分から話かける
2・ちゃんとワクワクを伝える
3・相手を喜ばせる、相手の痛みが分かろうとする
4・大事なところでは遠慮しない
5・他人は他人だと言うことを正しく理解する


多分こんな感じかな、と思います。 

「1・自分から話しかける」
ゲームを作るということは、たくさんのスタッフと一緒にゲームを作ります。内容や規模によって様々ですが、10~20人と話すような機会もあります。みんなそれぞれがそれだけの個性だったり性格だったりするわけで、コミュニケーションベタな人だっています。特にお花畑系デザイナーとかギーク系プログラマーとか。中には廊下ですれ違った時に挨拶をしても、目を逸らすわ返事しねーわみたいなポンコツクソヤローもほんとにいます。個人的には挨拶もろくに出来ないような奴はゲーム業界を一秒でも早く追放したいぐらい嫌いなのですが、とは言えど同じチームのメンバーだったりする以上は、ないがしろに出来ないのも事実です。 

で、嫌いだったとしても「嫌い」というのはあくまで個人の感情なので、プロジェクトを円滑に進めるためには一切なんの関係もありません。そうなると、嫌いな奴ですらこちらから積極的に声をかけてしまうわけです。嫌いだったとしても、このプロジェクトを進めるために必要な知識や技術を持っているスペシャルな人なので、一定以上の尊敬はあるわけです、本来。プランナーとしては、仕事中に自分の性格を優先したところでろくなことは無いので、そう言った人達ともわざと積極的に話すことが出来るようになれば、チーム力がグッとアップすると思います。

「2・ちゃんとワクワクを伝える」
1にも関わることですが、「話す」というのは、単にこういう物を作ってください、と説明するだけのことを指しません。情報伝達という意味では当然説明も必要ですが、ゲームを作るというのはエンタメを作る=「ワクワクする感情を作る」ということです。そうなると、ここにボタンがあって、押すとhogehogeが表示されて、と説明するだけでは、ワクワク感はぜんぜん伝わりません。

「ここでボタンを押すとピコン!という音と共に、ホゲホゲがニュルンっと表示されて、ユーザーは「あ、分かり易いね」と思います。」と言うように、ユーザーから見て「どんな気持ちになるか?」を伝える必要があります。デザイナーやプログラマーもロボットではないので、「それを入れることで何が楽しいの?」「ユーザーはどういうふうに喜ぶの?」というのを知りたがっています。それが無い状態で説明をするのは、到底伝えてるとは言えません。

何がどう面白いのか、を伝えるために「何故(Why)」と「何故ならば(Because)」と必ず伝えられるようになりましょい。

「3・相手を喜ばせる、相手の痛みが分かろうとする」 
 今度は、ちょっとめんどいです。2のような伝え方が出来るようになっても、相手が変われば伝わり方が少し変わってしまう場合もあるということです。先ほども言ったように、ゲームを作る上では色々な人が関わります。役職も違ければ性格も違いますし、ベテランもいれば新人もいます。普段遊ぶゲームの好みだって違います。あまりゲームをしない人だっています。

そうなると、「こう言えば伝わるだろう」 と思っていたところで、全然伝わらないケースもあります。また、伝わったところで「いやー、それ面白くないっしょ」みたいなことを言ってくる人や、「内容は分かったけど、それを作る時間が無いよ」みたいなことを言う人もいます。

先ず一つに、「同じことでも言う相手によって言葉は変えた方が良い」 ということです。同じことでもデザイナーやプログラマーなどの職業によって大事にしているポイントも違いますし、リテラシーの差がある場合は伝わり方にも差が出ます。なんにせよ重要なのは「ユーザーがこう思うために、ここをこうするんです。」というのは変わりませんが、それをAさんに伝える場合はこう、Bさんに伝える場合はこう、という風に、「話している本人にちゃんと伝わる」という共通結果のためには、こういった小細工も必要だったりします。

ともあれ「バカでも分かる言葉をなるべく選ぶ」 というのが良いと思います。これは別に相手をバカにしているというわけではなく、その方が全員に伝わりやすいからです。スティーブ・ジョブズとかみたいな頭の良い人のプレゼンテーション等を見れば分かると思いますが、「なるべく簡単な言葉を使って、人の心を動かす」ということを心掛けています。賢い人ほどバカ向けの言葉を選ぶというのは、そういうことだと思います。

「4・大事なところでは遠慮しない」
1~3までで大まか大切なことはすべてだと思いますが、それだけでも駄目な時はあります。こちらの作りたい物は伝わった、ワクワク感も伝わった。それでも、「工数が足りないです。」とか「個人的には好みじゃないな。」とか言い出すようなクソみたいな輩もいます。 二言目には出来ない、やりたくない、みたいなことを言う奴は死んでしまえと思っていますが、本当に死なれたら全力で困るので、そんな諸々がありつつもこちらの意思をしっかり通す必要が出てきます。

工数が足りないというのなら、他の作業と照らし合わせて優先度を設定してあげればいいし、好みがどーのとか言い出したら、「今回はユーザーがこういう想定なので、こちらで行きます。」と言い切れば良いだけです。ここらへんになると不毛なケンカになるようなケースもありますが、プランナーである以上は遠慮してはいけません。相手がベテランであろうがワガママクソヤローだろうが、プランナーである以上は組織的には上位職となります。別に偉いとかそういうことではなく、ゲームを作る流れの中では上流工程であり、意思決定者であるということです。

ここで遠慮をしてしまうと、他の人の意見や文句で「作るものが歪んでしまう」ので、結果的に工数が膨らんだりクオリティが下がったり、チーム全体のモチベーションが下がったりしてしまいます。そうならないためにも、ここはちゃんとプランナーとして旗を振るべきだと思ったタイミングでは、相手が誰であろうと毅然とした態度で押す必要があります。そういう意味では「平和主義を装った事なかれ主義」な人は、ゲームプランナーには向いていないかなと思います。別にじゃんじゃんケンカしろという意味ではないですよ。念のため。

「5・他人は他人だと言うことを正しく理解する」
端的に言えば3で言ってることとあまり変わりません。ドライな意味での他人ではなく、「自分以外の人達がいるおかげで、ゲームを作れるんだよ。」というのをちゃんと理解しましょうという意味です。自分=プランナーという立場の時に、「なんでプログラマーの◯◯◯さんは理解してくれないんだろう?」みたいな出来事がままあります。そういうのが積み重なっていくと、「◯◯◯さんとはなるべく話さないようにしよう。」みたいになってきます。それでは「円滑なコミュニケーションとは真逆」です。

プログラマーの◯◯◯さんが自分を理解してくれないというのは、言い換えればアナタがプログラマーという職業なり特性を理解してないとも言えます。職業的なことだけではなく、その人本人を自分が理解しようとしていないという場合もあります。職業、性格、好み、大切にしていること、今日の気分、体調、みんな人間なのだから色々なことがあります。そういったたくさんのパラメータがある中で、一緒にゲームを作る仲間のテンションを上げるのは、プランナーの仕事だと思っています。

一人一人の個性を理解した上で、それぞれに合わせたモチベーション作りをコーディネートしてあげる、これが出来たらスーパープランナーなんじゃないんでしょうか。いずれにせよ上流工程=チームを引っ張る責任者なのがゲームプランナーなので、物理的なことだけではなく、チームメンバー全員の「心を引っ張れる存在」になれるように、ぜひ頑張って欲しいなと思います。

長文になりましたが、「円滑なコミュニケーションの出来るかた」という一言にはここらへんが詰まっているような気がします。いや、知らん。 おしまひ。

Lv.13 ゲーム系カンファレンスってなんざんしょ



週末にまとめて書きたい。でもあんまりネタもありません。

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今日はゲーム業界系の「カンファレンス」 についてお話したいと思います。和訳しちゃうと「会議」ってことになってしまうんですけど、簡単に言うとセミナーみたいな奴です。どんなもんかと言いますと、有名なゲームメーカーのクリエイターさん達がスピーカーとなり、ゲーム業界関連のホットな話題を話してくれます。参加者もほとんどがゲーム業界関連の人達で、自社では得られない知識や技術、業界全体が今どんな流れの中にあるのかなんてことを知ることができます。

また、イベント終了後には参加者同士の懇親会が開かれるケースも多く、同じ業界の人達との交流を楽しむことができます。 名刺交換とか、お互いの会社の情報交換とかとか。で、ゲーム業界の人じゃないと参加できないかと言うと、全然そんなことはありません。ほとんどの場合はゲーム業界を目指している学生さんとかでも参加できるんじゃないでしょうか?

有名どころだとCEDECとか、東京ゲームショウ(TGS)とか、E3とか。TGSは新作ゲームが遊べるイメージが強いと思いますが、クリエイターさんのトークショーみたいなことをやっているケースもあるので、業界的な視点で見れば結構勉強になるのではと思います。知らんけど。

KANSAI CEDEC
2015年2月7日(土) 大阪芸術大学スカイキャンパス(あべのハルカス24F)

GDC(Game Developers Conference)
2015年3月2(月)~6(金) サンフランシスコ モスコーニセンター

CEDEC 2015
2015年8月26(水)~28日(金) パシフィコ横浜

E3(Electronic Entartainment Expo)
2015年6月16(火)~18(木) ロサンゼルス コンベンションセンター

東京ゲームショウ
2015年9月17(木)~20日(日) 千葉幕張メッセ(※一般日は19、20日のみ)

※場所が海外だったり、参加費が結構高めのものもあります。

上記はゲーム業界全体で行っているものなので、とても大きいサイズですが、それ以外にもいくつかの会社で協力して行っている、比較的小さいものも、探せば本当にたくさんあります。僕が先日参加した「LEADERSカンファレンス(参加無料)」もその一つです。この会自体はゲーム業界だけに限らず、起業を考えているかた向けの内容なども行われていたりもします。

他にも裏CEDECと呼ばれる業界関係者の交流会や、こんなのとかこんなのとかもあるので、気になるカンファレンスやセミナー、勉強会などがあったら、ぜひ参加してみるのも良いと思います。就職活動的なアプローチ以外にも、ゲーム業界の人と直接色々なお話ができるメリットがあるので、きっと楽しいと思いますよ!いや、知らん。

Lv.11 プロデューサー、ディレクター、プランナーの違い(前編)



多分自著の中でも書いたんですが、ざっくりし過ぎのような気もしたので、ブログで改めて備忘録がてら書いておこうかと思います。

ゲーム業界を目指しているかたや、まだゲーム業界に入って間も無いかたは、プロデューサー、ディレクター、プランナーの違いがあんまりよく分からないと思います。実際のところ会社の風土やチーム、人数規模、実際にそれをやる人によっても少しずつ違いはあるのですが、個人的にはこうなんじゃないかなと思うものをご紹介できればと。

先ずその前に、この説明をする際には3種類の見方に分けられると考えています。「役割」「魂」「リレーション」の3つ。それぞれで説明したいと思います。

「1.役割の場合」

プロデューサー
1・売り上げの責任者
2・ゲーム作りに必要な資金集めをする担当 
3・お客さんにゲームをどうやって伝えるかを考える担当

ディレクター
1・ゲームの面白さの責任者
2・ゲームを作るチームのキャプテン
3・ユーザーがどうハマるかを一番考える担当

プランナー
1・ゲームを具体的にする責任者
2・仕様書やデータを作る担当
3・担当業務の範囲で進捗を円滑に進める担当 

ざっくり言うとこんな感じでしょうか。あくまで僕が考える理想のイメージです。特にプロデューサーとディレクターの違いが分からないかたのために説明すると、ゲームの内容を考えることや、実際に作るのはディレクターです。プロデューサーはその出来上がったゲームを出来るだけたくさんの人に知ってもらい、「面白そう!欲しい!」と思わせるための様々なアクションをする人です。例えば広告をどこにどんな風に出せば良いのか、どんな演出をすればより好印象になるのか、とかですかね。

プランナーはディレクターが「こういうのを作るぞ!」と言った物を、より具体的に仕様に落としていったり、その内容をデザイナーやプログラマーに説明することが基本的なお仕事だと思います。そして出来上がってきたゲームのデータを入力したり、ゲームバランスがイケてるのかをチェックするのもプランナーのお仕事です。

この「役割」という見方の時は、それぞれが何を手分けすることでゲームを作ることが出来るのかが、わりと分かりやすいかと思います。 


「2. 魂の場合」

プロデューサー 
1・何このゲーム面白そう!とユーザーに言わせる係

ディレクター
2・このゲーム超面白い!!とユーザーに言わせる係

プランナー
3・ディレクターと同じ


端的に言うと、ゲームはユーザーが遊ぶことで完成品になります。「遊びたい!」と思ってもらえなければ意味がありませんし、実際に遊んでもらっても「何このクソゲ。」と言われたらそれでおしまいです。1の役割というのは、そもそも何のためにやるかと言うと、この「ユーザーにどう思ってもらうのか?」で考えて、それを手分けしているだけに過ぎません。そういう意味では、プロデューサーはそこにゲームがあることをたくさんのユーザーに伝えることが仕事で、なおかつ「面白そう!やってみよう!」と思ってもらえるところまでが、一つのゴールです。

片やディレクターとプランナーは、実際にユーザーがゲームをプレイしてくれた時に、「やっぱりこのゲーム超面白い!」と言ってもらうという意味では、役割はまったく一緒です。ゲームの大きい部分(ゲームデザイン、主要なゲーム要素、それらの要素のどこが面白いポイントなのか?)はディレクターがやるとして、もう少し細かいけれど大切な部分(画面の見易さ、操作のしやすさ、ゲームバランス)を、プランナーがやります。

大きい部分と小さい部分、これはどちらが欠けてもクソゲーになるので、そういう意味ではゲームの完成度に対し、ディレクターとプランナーは対等であるとも言えます。せっかくプロデューサーがたくさんのユーザーにゲームを買ってもらうことに成功しても、ディレクターとプランナーがポンコツな場合はユーザーがそこで離れてしまうので、「お客さんを連れてくる人と、もてなす人」の間でズレが出てしまわないように、共通のイメージを持つことが大切です。

共通のイメージとは、「このゲームの一番の魅力はどこか?で、それをユーザーにどう感じてもらうか?」です。こちらについては長くなるので、後編で書きたいと思います。(※結局書いてない)


「3. リレーションの場合」 

プロデューサー
1・予算を出す相手に「ぜひお金を出そう!」と思ってもらう 
2・ディレクターと「相方」になる
3・お客さんに声を届ける、お客さんの声を聴く

ディレクター
1・プロデューサーのイメージを理解する
2・プランナーに自分のイメージをしっかり伝える
3・お客さんの心を読み解く

プランナー
1・ディレクターのイメージを理解する
2・デザイナーやプログラマーに完成形のイメージをしっかり伝える
3・お客さんの気持ちになる


ここで説明していることは、1の役割や2の魂のように「自分に依存したもの」ではなく、「自分ではない誰かのために何をすべきか」を書いています。仕事というのはパソコンをカチャカチャすることではなく、チームワークだと僕は思っています。チームワークというのは自分のことも去ることながら、一緒にゲームを作る仲間とのリレーションデザインがとても重要です。

ぶっちゃけて言えば「役割はこなせて当たり前」「魂は持ってて当たり前」なので、このリレーションが出来るか出来ないかで「チーム力=ゲームの完成度」が大きく変わってきます。ゲーム業界ではこだわりの強い人も多いので、お互いが譲らずに軋轢が生まれるようなケースも少なくありませんし、自分の領分以上のことはやらないというドライな態度の人もいたりします。

しかしそんなやり方では良いチームとは言えませんし、良いチームじゃないのに良いゲームが作れるわけがありません。サッカーだったらフォワードがいてミッドフィールダーがいて、ディフェンダー、ゴールキーパーみんながチームワークで勝利します。映画やドラマだって、役者さんやカメラさん、照明さんに音声さんのチームワークで一つの映像が出来上がります。

それを実現するためには、役割や魂以上にこのリレーションに対する「意識の係数」が大切だと思っています。だいぶ長くなったのでこれで前編はおしまひ。

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Lv.10 アナログゲームを遊ぶ



今日はゲーム作りの勉強会と称して、僕の家でゲームをたくさん遊びました。

スト4、ララクロフト アンド テンプル オブ オシリス、スペランカー、マインクラフト。まとめて色々なゲームを遊ぶ機会があまり無いので、こういうタイミングでたくさんのゲームを遊んで仲間とあーのこーの言うのは、とても楽しいなぁと思います。 

ひとしきり”デジタルゲー”を遊んだ後は、アナログのカードゲームをプレイしました。どれも結構面白かったので、良かったらやってみてください。文字で説明してもなかなか面白さが伝わらないと思うので、見つけた動画を貼っつけておきますね。

犯人探しゲー「犯人は踊る」

嘘見破りゲー「ゴキブリポーカー」

五目並べ的な何か「ニムト」


ここで紹介したのは全部友達に持ってきてもらった物なので、僕も何かアナログゲームを買おうかなと思いました。それと、こういうゲームはそれなりに人数がいないと遊べない、または面白くないケースも多々あるので、こういう機会を作って遊ぶのはとても有意義だなぁと思いました。何か面白いアナログゲームがあったら教えてくださいねー。(・∀・)

犯人は踊る ¥1,400

ごきぶりポーカー ¥1,800

ニムト ¥1,360

Lv.9 ゲームの作り方勉強会



一年ぐらい定期的に、知人を僕の家に呼んでゲーム勉強会を開催しています。

仕様書の書き方企画の書き方、カードゲームのルールを自分達で変えて実際に遊んでみる、みんなでゲーム企画を考えて見せっこする、最新のゲームをみんなでワイワイ遊ぶ。 

色んなアプローチでゲームを考察してみる会です。プランナーという仕事は「面白さ」を作るのが一番大切なので、常日頃からそういった視点が必要だと個人的には思っています。会自体はプランナーだけではなく、デザイナーやプログラマー、なんならゲーム業界ではない人も自由に参加しています。

仕事上での面白さの責任はプランナーに比重がありますが、それを体現するにはデザイナーやプログラマー、作曲家やパブリッシャーなど、本当にたくさんの人の力が必要です。なので、面白さの責任がプランナーにあったとしても、面白さそのものはみんなで作り上げていくものなんだなぁと最近は特に思います。

そんな勉強会も、1月17日をもって、一旦最終回となります。理由はいくつかあるのですが、一番大きいのは「身内だけではなく、もっとたくさんの人が参加できる場にしていきたい。」というのがあります。そんなわけで早速ですが、2月か3月あたりに、都内ですが誰でも参加できるプランナー向けの勉強会&セミナー(無料)を開催予定です。

ざっくり言うと「ゲームプランナーになりたい学生さん」か「ゲームプランナーに転職したい方」 をメインで考えています。セミナーの詳細については、決まり次第ブログなりTwitterで報告したいと思います。

あとLINEスタンプの審査が通過したので買ってください。かしこ。

Lv.8 やってはいけないゲーム



ゲーム屋さんのお仕事あるあるを一つ。

ゲームは当然ながら、誰かが最初に「こんなゲームを作りましょう!」と企画提案するところから始まります。それがゲーム性だったり世界観だったり、マネタイズだったり豪華イラストレーターだか声優陣だかだったり。一番のポイントになる部分はゲームによって様々ですが、企画が通るか否かについては端的に言えば「売れそうかどうか。」ということになります。ゲームもあくまでビジネスなので。

で、ゲームの大枠を決める→世界観やビジュアル決める→メインイラストレーターやら声優やら~、みたいな流れがあるんです。ここらへんってそのゲームの核になる部分かつ華やかなところなので、ゲーム開発の中でも特に楽しい時期です。だけど「すぐに楽しくない時期」がやってきます。

企画「このビジュアルで行こうと思います!」
プロデューサー「もっとこういう世界観がいいんじゃない?」
エグゼクティブプロデューサー「俺はこういう雰囲気の方が好きなんだけど?」
パブリッシャーの偉い人「この絵柄じゃ金出せないよ?(……あの時OKって言ったのに…)」
デザイナー「俺の意見も聞けよ!」
プログラマー「僕はあのアニメのあの娘が好きなんだよっ!!!」
その他色んな人「俺が俺が!俺(ry」


みんな言いたい放題です。ほんとにこんなことは、よくあります。 個人的にはプロデューサーとパブリッシャー以外の意見はどうでも良い、というかそんなのに構ってる時間は無いので、とりあえず黙っとけって感じですが、とは言えこの引っ張り合いが長く続くのは誰にとっても良くないので、何かしらの方法で解決を試みます。

最終的には「急がないと時間無いよ!お金漏れ漏れだよ!」という空気の中で進みながら決まったりもするんですが、ビジュアルに限らず「楽しそうなとこだけ首ツッコミたがりー」とうのは意外なほど多い業界かもしれません。

これを映画で例えてみましょう。俳優の選出は作品のヒット確率や作風にマッチさせるために、プロデューサーかディレクターが大方やると思います。もしもそこに小道具さんやカメラさん、特効さん、衣装さんが首突っ込んできたら、どうなるでしょうか?はい、いつまでも映画ができませんね。

なので、楽しそうなとこだけ病は大概にしましょう。企画は企画でそこそこ大変なんです。本気でやりたいのなら、ペンタブなりキーボードなりを全力で叩き割ってから、ちゃんとプランナーに転職すべきです。みんなそれぞれに役割があって、領分があって、責任分界点があってお仕事をしています。それはゲームでも一緒です。

ゲームを作るプロセスの中で一番やってはいけないのが、この不毛な「パワーゲーム」なんですーっ。
プランナーさんはそんな中をスルスルすり抜ける能力も大事だぞっ(ヽ'ω`)ゲッソリ

Lv.7 ゲームは一日15時間まで



最近会社にゲーム機持ってってます、Wii U。
お昼休みの息抜きに、会社の人とスマブラ、マリオカート。


いやー、面白い。やっぱりゲームは面白い。みんなでやるともっと面白い。

朝は電車でスマホのゲーム。会社に着いたらゲーム業界のニュースチェック。仕事で一生懸命ゲーム作り。昼休みの息抜きにゲーム。家に帰る時もスマホをまさぐる。家でホッとしたら寝る前まで、「今日の俺お疲れ!」と言わんばかりにご褒美にゲーム。日付が変わったらログインボーナスゲットしてから就寝。
 
……どんだけだって話です。ゲームは一日一時間と育てられてきたし、 自分の子供がそんなんだったらゲーム機を全力で取り上げる勢い。スティーブ・ジョブズも子供にはスマホだのタブレットは持たせなかったそうです。←

そう、こんなのは仕事だから許されるんです。ゲームのお仕事をしてて個人的に唯一自慢できるのが「仕事中にゲームしてても怒られない。」です。だって仕事ですから。当然「ギャハーーッwww何このアレがナニでワロスwwwww」とか騒いでたら上司に怒られます。静かに淡々とお仕事をしている人もいるので、迷惑です。

一時期は寝ても覚めてもゲーム漬けな日々が嫌になってしまった時もありましたが、辛さの壁をいつしか抜けたのか、今は寝てる時以外はなんだかんだで頭の隅っこでゲームのこと、というかエンタメ?というか、「みんなで楽しめる物を作るぞ!」と、考えているような気がします。

僕は時々、自分が選んだお仕事のことをスポーツ選手に例えて、「自分はアスリートなんだ」と思うようにしています。プロなんですよね、お金もらってる以上は。プロでも二軍だったり三軍だったり、一軍の中でもスーパースターがいたりはしますが。プロのスポーツ選手って、それこそ練習や試合中だけじゃなく、食事や睡眠ですら、自分の仕事のために調整されてるんですよね。本当にプロだなー、と見てて思うんです。

当然そんなに極端な意識で僕はやっていませんが、「四六時中おもしろい物を探してる。」という意味では、ちゃんとプロ意識はあるのかなぁとか、この仕事を選んで本当に良かったなぁとか思っています。特にオチはないです。今年もいっぱいゲームを遊ぼう!

Lv.6 ゲーム作りっていうゲーム



ゲームを作ることをお仕事にすると、プランナー(プロデューサー、ディレクター含む)の場合、「3つのゲーム作り」をする必要があります。


1つ目は言葉まんまに 、今そこに無い「新しいゲーム」を完成させるために、日々アイディアだの仕様だのデータをせっせこと作って、「ユーザーが触れるゲーム」を完成させること。

2つ目は、ゲームを作る「チーム作りのゲーム」。メンバー編成やスケジュール調整、チーム連携デザインや、メンタル面のケア等を日々マッシュアップしていくことです。僕達はゲームクリエイターなので、1を一生懸命やりたいし、実際やりがちではありますが、この2のゲーム作りがイケてないと、信じられないぐらい完成度が低くなったり、大幅な開発遅延や予算の圧迫、計画修正などが必要になってしまいます。

毎日パソコンの前でキーボードをカチャカチャやるだけでは面白いゲームにならないのは、この2つ目をできてないか、ないがしろにしているか、気付いてないか。何かしらの問題を抱えたまま無理矢理走ったことによって、結果的にそういった問題が起きてしまいます。

そして3つ目は、 「このゲームがちゃんと世の中に広まるようにするゲーム」です。面白いゲームを考えた、いい感じのチームでいい感じに仕上げた。それだけではぜんぜん意味がありません。それを今度はたくさんの人に知らせなければいけませんし、知らせるだけでは駄目で、「魅力的に感じてもらう必要」があります。

それは宣伝とか広告とかサイト作りとか、そういう形で当然「予算を使って」広めるので、そもそも予算が限られている場合は色々な工夫をしなければいけませんし、そういった制約の中で「ちゃんと魅力的に」することが課題となります。

3は開発チームではない部署や人間がやる場合がほとんどなので、 クリエイターとして参加している場合はそこまでの実感が沸かないのが現状です。とは言え、そういったゲームを広めてくれる人達に対して、ゲームのどういうところが魅力的なのかを伝えられるのは、やっぱり開発側の人間だと思っています。


よく考えてみれば、2と3はゲームに限らずどんなサービスでも行うことではありますが、これすらも「ゲーム感覚」で考えて、与えられたアイテムや残機をうまく駆使して高得点を叩き出す。そういう意識でやれば、よりそのゲームを楽しんでくれる人が増えることになると思いまーす。

Lv.5 企画を”スーパー化”する



スマホとかパソコンの課金型ゲームをお仕事をたくさん経験していると、時々こういうことがあります。

「さて次の大幅アップデート、何を実装しようか?」
「やっぱレイドっしょ。」


僕は正直あんまりこんな感じの会話が好きではありません。色々なタイプのソーシャルゲームをプレイされているかたなら分かると思いますが、フレンドやらギルドやらPvPなんてソーシャル的な要素を、たくさんのゲームで体験すると思います。何故それが入ってるのかと言えば、ユーザー的に言うと「面白いから」、作ってる側からすると「売り上げが立つから」 という単純な話ですし、それ自体を否定することはありません。

僕が嫌だなーと思うのは、KPI考察とかもせずに、なんも考えないで提案しているように思える、もしくは自分が好きなゲームシステムを言いたかっただけのように聞こえる時があるからです。当然本人がそう考えているかはまた別の話ですが、「ちゃんとこのゲームにマッチしているか?より多くのユーザーが求めてくれるか?」ということが、ないがしろにされているように感じてしまうのです。

例えばピースフルな農園系のゲームに、PvP(ユーザー対戦)は合いません。いきなり人の畑に乗り込んで農作物を荒らし、家畜を血祭りにし、納屋を燃やすなんてゲームでは、ぜんぜん農園系っぽくありません。(…でも面白そうですね……)  どう考えてもPvPとかGvGは、RPGや戦争物などの”バトルがある前提のゲーム向き”だということが分かると思います。

じゃあバトル系のゲームだったら入れれば良いのかというと、そうでもありません。一人でまったりするのが好きなユーザーだってたくさんいます。現にメガヒットしたパズドラにはギルドだとかGvGだとか、複雑なしがらみを考慮した要素はほとんどありません。

良いか悪いか、という結論にはまったく興味がありませんが「もし入れるのであれば」、ユーザーが最大限楽しんでくれるように、より工夫をすべきですし「マッチしないようであれば」、入れなければ良いだけだと考えています。

それを前提として「実際に入れることになった」としたら?ここからが個人的には大事だと思っています。先ほどの「ギルド」を入れることになったとしましょう。ざっくり言えばユーザー同士を特定のグループにして、グループの仲間同士で一緒にゲームで盛り上がろうということだと思います。

当然ゲームシステムとして詳細に落としていくためには、ギルドはどうやれば結成できるのか?ギルド結成の条件にレベルなどの制限を設けるのか?ギルドには何人まで参加できるのか?参加するためにはリーダーの許可が必要か?そもそもギルドに参加すると、どんなメリットがあるのか?など、細かい要素をちゃんと考えなければいけません。

まぁそんなのはお仕事なので当たり前として、 ここで言いたいのは「そこらへんで見たシステムをそのまんま持ってきて、ほんとに大丈夫?」と言うことです。あっちのゲームではすごくマッチしているかもしれないけれど、こっちのゲームでは少しアレンジが必要かどうかを、一回ちゃんと考えようということです。

例えば、「ギルドを結成する→レベル20にならないと出来ない」というケース。すでに二つめんどくさいです。自分で結成しなければいけないめんどくささ、レベルを上げないといけないめんどくささ。もっと言えば結成した後は一生懸命他のユーザーを勧誘しなければいけないわけです。勧誘したのに参加してくれない、逆に誰からも勧誘されない。なにそれダセェ、どっちらけじゃないですか!!!

では、そのめんどくささをクリアした形でギルドというゲームシステムを作ることはできるのか?ここを常にちゃんとユーザーに合わせて考えるようにすることが、ゲームプランナーにとって何よりも大切だと思っています。例えば月曜の朝に、ゲームを遊んでいるユーザーの中からランダムに7人組が作られて、今週一週間は仲間としてプレイするという仕組みにしてしまえば、結成とかレベルキャップとか勧誘とか、そんなめんどくさいことはしないで済むわけです。そして一週間経ったたら自動解散、また新たなギルドが自動結成されれば良いのです。(実際にFINAL FANTASY BRIGADEであったシステム)


要するに、「1・何か新しい要素を入れよう!→2・既存のあのシステムが最近流行ってるみたい!→3・ちゃんとこのゲームないし、このゲームのユーザーにマッチさせよう、アレンジしよう!」という「3」の流れを必ずやりましょうね、というお話です。

長々と書いた手前アレですが、僕はこの3のことを「スーパー化」と言っています。フレンド機能ではなく、スーパーフレンド機能!!!ログインボーナスではなく、スーパーログインボーナス!!!ギルドではなく、スーパーギルド!!!決して余計なものを付け足すことを指しているのではなく、「どうすることでよりたくさんのユーザーが魅力的に感じてくれるか?」を考えることが大切です。

この「スーパー」の部分を日々ちゃんと一生懸命考えることで、より良いゲームシステムや、ユーザーにとってより気持ち良い体験に繋がっていくのではと思っていまーす。

Lv.4 コピペプランナーの憂鬱



しょうもない念仏なので、死ぬほど暇してたらどうぞ。

ここ三年ぐらい、スマホでゲームを遊ぶ人が物凄い増えました。スマホ自体もどんどん性能が上がってるので、色んなジャンルや体験ができるゲームが出てきたと思います。それ自体は個人的に今後も楽しみですし、僕自身もそんな中で他には無いゲームをドーン!とリリースできたらいいなと日々思っています。(予算提供してくれる会社さん、お待ちしておりまーす。)

そんな中ある視点から見ると、個人的には「将来だいじょうぶかな?」と思っていることが一つあります。端的に言うと、「ヒットゲームをすぐに真似するゲームプランナー」ないし、ゲーム会社が異常に増えたのかなと思います。家庭用ゲーム機やPCゲームの頃はそこまででもなかったような気がしますが、 スマホのブラウザゲームらへんから、そういったことが著しいのではと感じています。

例えば「神撃のバハムート」 がめちゃんこヒットしたら、それの模倣というか類似というか、まんまやろみたいな「コピペゲー」が尋常ではないぐらい増えました。ゲームシステム、画面構成、パラメータ設計、報酬設計。いたるところがコピペです。で、そのコピペゲーを作った人にゲームコンセプトを聞いてみれば、「神撃のバハムートがベースで…」と言う説明をされます。

「ゲームのコンセプトは何ですか?」という質問に対して堂々とそう言われても、僕としては「いやそうじゃなくて、んーと~…あぁ…めんどくせ。」となります。

業界的な事情で言えばそういったコピペでも、ある程度のヒットが見込めるならサッサと作って出してしまえば、それなりの売り上げや利益が上げられると言うのもありますし、それに対して一定の理解は僕も業界人として、解っているつもりです。ただ、それは恐らく会社としては「それで儲けた後に、次の狙いがある。」と考えるのが普通じゃないかな?と僕なんかは思うわけです。と言うのも、会社は利益を上げた後の展開を考えておかなければいけませんし、同じことを繰り返して利益が上がり続けるようなケースはなかなか無いからです。

で、そのあたりまで差し掛かってきて問題になるのが、さっき話した数えきれないコピペゲーを作った裏側の人達、言葉は悪いですが「コピペプランナー」の存在です。そういった人達に、「次の新しいゲームを考えよう!」と言うと 、何故かコピペの流れから離れられない人がとても多いように思います。出てくる企画もそんなのばかりで、まるで呪縛から逃れられないようにさえ見えます。さて、何故そうなるのでしょうか?

A 神撃のバハムート → コピペゲー濫造
B パズドラ → 「パズ」で「ドラ」なゲームはそこまで出なかった


AとB、似ているようで若干違うと考えます。Aは大きく言うと、見た目や世界観を変えて、別のターゲット層を開拓することを目的としていると思います。(モバマスとか、戦国系とか、三国系とか) 実際にそれで成功しているタイトルもたくさんあるので、そういった意味ではビジネス的には良い部分もあると思います。

Bはというと、パズドラ大ヒットの後に「次のパズドラは作るのは俺達だ!」 と色々なメーカーがこぞって、パズドラの「パズ」の部分を別のものにして、色々なジャンルのゲームとしてリリースされました。(ロードラとか、ドラゴンポーカーとか、モンストとか) まぁ「パズの部分は避けよう」というのも、一体誰が決めたんだよ的な謎の空気はありましたが。

ヒットゲームの後追い評論をこのブログでするつもりは無いので、そういうのは分析ごっこが好きな人達に任せるとして、AとBではどこがどう違うように感じるでしょうか?スーパーざっくり言うと、企画そのものの落とし所が「コピペで行こう!(模倣)」と「次のヒットはこれじゃないか?(模索)」の違いだと思っています。そういう切り口で見れば、結構大きく違うと思いません?そう思ってるのは僕だけでしょうか。 

で、話は戻って「コピペプランナー」はA側に圧倒的に多いように思います。僕は元々コンシューマ出身なので肌感としてはB側の人間です。「次はこんなゲームが流行るんじゃないか?」ということを、頭の隅っこで常に考えています。だから余計にA側がそう見えるだけかもしれませんし、ここでA側を否定する気も全然ありません。

A出身でもB出身でもハイブリッドな方でも、今後のゲーム産業を盛り上げていく人達であることは変わりませんし、将来何が流行るかなんんてことを予想できる人なんて、業界人でもそんなにいないと思います。

ただ、どんな物がヒットするか分からないという状況の中で、A的思考とB的思考、どちらが求められるでしょうか?これは明らかにBです。(ちょっとここでは言い切ろう) B側の人が優位ということではなく、「B的な思考を持たないと、次の新しいゲームが生み出せない≒次のヒットが作りにくい」ということです。

元々ビジネスなんて最後の最後はギャンブルなので、AだろうがBだろうが売れそうな物ならなんでも良いのですが、確率論的に言えばAばかり連発するのではヒット率は下がる一方なので、どこかでBという勝負を仕掛けなければいけません。

なので「新しいゲームを作るぞ!」ってなった時に、自分がA側だなー、と思った方は要注意です的なことを一番ここでは伝えたいな、と。それにA的思考のゲームプランナーばっかりが業界全体を占めたら、未来はクソゲーしか生まれないじゃないですか。それは個人的には超絶嫌なので、是非ともやめてくださいよと。

なので、普段から「模倣」じゃなくて「模索」 する練習をしておかないと、どの道お仕事が無くなると思いますよー。いや、知らないけど。

Lv.3 ゲームプランナー向けの本 53冊



去年僕が本を書いた理由の一つに、「ゲームプランナー向けの本が極端に少ない。」というのがありました。随分前から、誰か書いてくれないかな?と思っていて、いい加減待ってられないから自分で書いたという経緯です。何故プランナー向けの本が少ないのか?という理由を、個人的にはこう考えます。

1・やることが膨大過ぎて、一冊になんかまとめられない。
2・「面白さ」というのはなかなか理論体系化できないため、そもそも本にすることが難しい。
3・ 流行り廃りが激しい業界で、情報がすぐに古くなってしまう。

1に関しては、そう思います。実際のところゲームプランナーというのは広義の意味で考えれば、プロデューサー、プロジェクトマネージャー、ディレクター、プランナー、レベルデザイナー、シナリオライターも、ぜんぶがプランナーという枠に入ります。そうなると、それぞれに特化した知識や技術が必要なのだから、一冊になんてまとめられるわけがありません。自著でも書きたいことの半分も書けなかったと思っています。

2に関しても「何が面白いのか?」を定型化することが難しいのは事実ですが、そもそも「”面白い”って何? 」ということであれば、なんとか文字に起こせるのではと思っています。3については書く側の問題だと思っていて、ファミコンだろうがoculus riftだろうが、面白さの本質部分は変わらないと思っていますし、本質的な部分だけを書くように気をつければ、古びないと考えています。

ともあれそういったことから、ゲームプランナー向けの書籍が少ないのかなと思っています。だけど、調べてみれば結構たくさんあるようで、ここにメモがてら書いておきます。興味がある方は読んでみてください。

ゲーム企画、ゲームデザイン系


業界に入る方法、企画、仕様、開発、運営までの流れ系



シナリオ系


世界観設定系


クリエイター系


その他


こうやってみると結構あるじゃん!!!~(:3)

Lv.1 とりえあず



ゲームプランナー向きのブログがもうちょっと増えたらいいなぁと思って。個人的な所感をつらつらと。

去年はゲームプランナー向けの書籍を出させてもらったので、座学的なものは一通り書けたかなと思ってます。


当然本に書いてあることだけでは全然足りなくて、際限なく細かいことを日々ゲームプランナーは考えています。

業界的に言うと、最近いただくお仕事はほとんどがスマホ向けの課金型ゲーム。当然それはそれでこれからも面白さを追求していくべきなんだけど、”それだけがゲーム” という考え方になるのは少し寂しいので、最近は自作ゲームも開発を始めました。 2015年中には発売したいなと思っています。

自作ゲーの利点は、開発最中でも情報をじゃんじゃん公開できるので、そんな中で色々な人のアイディアや意見をもらいながら、いい感じに仕上げていければなと思っています。

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