仕様

Lv.110 それUIじゃないじゃん、OTじゃん。

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最近お仕事で、UIやUXのことをやっています。

「え?それってデザイナーがやる仕事じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。これは僕の持論になるのですが、その考え方は半分合っていて、半分間違っていると思います。

と言うのも、プランナーというのはゲームの内容や演出、世界観を考えるだけではなく、「ゲームという体験を通して得られる全てに対して責任を持つ仕事」でもあるからです。

みなさんもたくさんのゲームをプレイしていて、UIメニューや操作が分かりづらい、不親切だと感じたことがあると思います。一体なんでそんなことが起きるのか?

端的に言えば「触る人のことを作り手の誰も考えていないから」です。プランナーも考えてない、デザイナーも考えていない。プログラマーも考えてない。もしくは考えられない。

とは言え動くものにしなければいけない。とりあえずで作る。
とりあえずで作ったものをユーザーが喜んで受け入れるケースはありません。

例えばソーシャルゲームなんかによくある、イベントだのガチャだののバナーがあります。これは作り手である僕たちにとって、「新しいイベントが始まったよ!遊んでね!」「新商品が出ました!ぜひこの機会にお買い求めください!」という”意思”が込められいるはずです。

何故なら、ゲームである以上はユーザーに楽しんでほしいと思うのは作り手として当然ですし、商品が売れてくれないと、サービスを継続することが出来なくなるからです。

それにも関わらず、全然目立たないところにバナーが置いてあったら、どうなるでしょうか?考えるまでもなく「それに気付かない人」が出てきてしまいます。ということは、イベントに参加してくれる人も減りますし、商品を買ってくれる人も減ります。

頭の良い人ならすぐ気付くと思いますが、そんなことをしてしまったら誰も得をしません。遊んでほしい、売れてほしいと思っているクリエイターは大損をしますし、ユーザーも楽しもうと思ってゲームの世界に来たのに、新しい要素に気付かないで「今日は面白くないな。」と思ってしまう。

なんでそんなことになってしまうのか。
作り手、届け手が未熟だと言ってしまえばそれまでですが、新人だろうが十年選手だろうが、プロとしてユーザー、プレイヤーからお金をいただいている以上は、言い訳はできません。

もっと言えば、今は誰でも今すぐゲームを無料で手に入れられる時代です。あまりゲームをしないユーザーですら、クオリティに対しての目が肥えています。

そうなればユーザーとしては分かりづらい物、不親切な物を嫌々やるよりも、他の会社のもっと分かりやすくて面白そうでワクワクするほうのゲームを選べば良い話です。作り手である僕たちにはどうにもならないということになってしまいます。それで良いのでしょうか?

ゲームというものは内容や世界観、本編の作り込み等の重要性も当然ながら、UIのような視覚的情報や触り心地も、本編以上に重要です。見た目がどんなに綺麗だとしても、誤操作連発しまくりのUIなんて、もはやゴミです。

それにも関わらずイケてないUIやUXが、特にスマートフォンのゲームに多いのには、いくつかの理由があります。とりあえず思いつく限り箇条書きにしておきます。

◆プランナーのやりがちなダメUI
・デザインのことはよく分からないから、とUIをデザイナーに丸任せにしてしまう
・デザイナーに「必要な物リスト」という形で、優先度や意味付けをしもせずに、「ただの一覧」で頼んでしまう
・色んな機能を後から後から追加し、足し引きも考えずに隙間にどんどん埋めてしまい、結果的に分かりづらくしてしまう
・使いづらいと最初は思っていたのに、何度も触っているうちにそれに慣れてしまった
・「仕様書を作る段階」で、熟慮、吟味をしなかった
・各画面にも本来ならば「コンセプト」があるはずなのに、それを定義しもせずに「仕様」「都合」で作ってしまった

◆デザイナーのやりがちなダメUI
・ただ派手にすれば良いと思ってる
・画面の収まりの気持ちよさにばかり目が行っている
・「お絵かき」と「UI」の分別がついていない
・視覚的情報にばかり関心が言って「実際触ったらどうか?」を自分で調べもしない
・プランナーに「重要なポイントやコンセプト」を聞きもしないで、自分の「ありもしないセンス」で自由にやろうとしてしまう
・自分としては違和感を感じているものの、プランナーからのオーダーをそのまま「社内下請け」みたいに、何も考えないで受け入れてしまう


大体こんなところでしょうか。イケてないUIのゲームは大体上記のどれか、または複数、なんなら全部をやってしまっています。僕は元々UIデザイナーだったこともあり、デザイナー、プランナー両方の目線でUIを意識しています。というよりも、プレイヤーとしての意識が一番重要なんだけど。だからこそ、こういった陥りがちな間違いをするデザイナー、プランナーが何を考えているかもよく分かります。

とは言え「UIはUI」です。ユーザーインターフェイス。要するに「ユーザー”の”インターフェイス」です。あなた達の私物ではありません。ユーザーが見て分かりやすいもの、触って気持ち良いものでなければ、もはやそれはユーザーインターフェイスではありません。上記のやりがち一覧に、ユーザー本位でやったと思える部分はあるでしょうか?一つも無いですよね。みんな自分の都合や気分で作っちゃってる。それじゃ「OT(俺たちの都合)」じゃん、全然UIじゃねーじゃん、と思うわけです。

僕個人の感想になりますが、いまだにスマホのゲーム、特に日本のソーシャルゲームでUIがイケていると思ったものは一つもありません。分かりづらい、ダサい、センスが無い。プランナーもデザイナーもUI、もといUXを舐めているとしか思えない。もはやなんとなく技術を持っているだけの人たちなので、クリエイターという名札は恥ずかしいからサッサとポケットに閉まってくれとすら思います。

スティーブ・ジョブズはiPodを作った時に、「どんな操作だったとしても、ユーザーに3回以上はさせるな」とデザイナーやエンジニアに指示したそうです。それは音楽を聴くという一人一人の「楽しい時間」「日常的な行動」に対して、複雑な操作や手間という「足かせ」は無意味、ストレスだということを本質的に分かっていたからです。理想として1回や2回も目指した可能性も考えられます。

実際にiPod shuffleはもはや画面すら無い。どの曲が流れるかも分からない。それでも「今日の気分じゃない音楽が流れたなら、曲を1つ遅ればいい。」と、極力シンプルなUI、UXを提供しています。

こういった本質を知らない、捕まえられていないプランナーやデザイナーがUIを仕事にすると、大体前述のリストのような「とりあえず動くもの」「俺たちの都合」になりがちです。

面白いゲームを考えるのが仕事だと思っている学生の皆さん、現役のクリエイターの皆さん、とにかくUIを舐めないでほしい。そこも本気で考えることができれば、ユーザーの感動や体験が何倍も素晴らしいものになるのだから。

ユーザーのことを本気で考えない限り、UIデザイナーを名乗るべきではないと思っています。

この双子を秘書にしたい。

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Lv.76 アホでも分かるように。

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最近は久しぶりにゲームデータをカチャカチャと作っていたりします。ちょっとだけストレス。

何がストレスかっていうと、ゲームデータの設計であったり構成であったり思想であったりが、とてつも分かりにくい作りになっています。ゲームというのはチーム仕事ですから、そういったデータであったりプログラムであったり、仕様であったりというものを、みんなでよってたかって作ります。

かと言って「元を作った人間と、それを使う人間」が同じ人とは限らないので、自分にしか分からないような設計は、本来避けるべきなんです。

でも、それが出来ないプランナーは結構多いですし、プログラマーにデータシートの設計を任せっきりにした→すげー使い辛いのが上がってきた→本人曰く「データとして流し込むのにはこれが一番良い」とか言い出す→使いやすいかどうかを決めるのはこっちだよバカヤロー、みたいなショートコントはどこでも起きています。

ほんとにタイムマシンがあったら、こんなクソみたいなデータ設計作った奴を殴りに行きたいとさえ思います。

ここからは少し僕流の考え方になってしまうのですが、「データシートの設計は、プランナーがやるべき」だと考えています。ここ、プログラマーにまかせてはいけません。作ってる最中は相談はすべきですけどね。理由はいくつかあります。

1・最終的にはそのシートを使うのはプランナーなので、「プランナーが分かりやすいかどうか。」が大事だから
2・逆に、プログラマーはデータ構造から考えてしまう人も多いので、この「ユーザビリティ」を意識せずに構成してしまう人もいるから(要するに使いにくい物を渡してくる)
3・分かりやすければ、自分以外のスタッフでも作業ができるようになるから。
4・分かりづらい=1回の作業にかかる時間が長い=コストが高いから
5・ゲームの面白さのキーパーソンはプランナーなのだから、プランナーが自由自在に使えるほうが良い

こんなところでしょうか。特に4に対する影響というのは計り知れないものがあり、おんなじようなゲームに見えるのに、裏側で働いているスタッフがAのゲームでは20人必要で、Bのゲームは7人でやっていたりします。もしもどちらのゲームも売上が同じだった場合、Aのゲームのほうが明らかに資金的にきつくなるかは、想像にたやすいと思います。

本人たちにしたって、スマートな設計にすれば30分で終わるようなものを、5時間も6時間もかけてなんてやりたくないでしょうし、それでやれ残業だ休日出社だという話にでもなってしまえば、バカじゃないの?としか言えないわけです。(設計した奴ないし、改善しようとしていない人に対してね)

例えばデータの並び順とか、一度にいじらないといけないシートの数とか、意味不明なローカル用語使わないとか、参照指定だらけのクソ重いデータ構造にしないとか、考えてみれば分かるようなことをしないようにするだけで、全然良いものになると思います。

難しいデータ構造を理解できる=偉いなんてのは幻想で、いかに「アホでも分かるような設計が出来るか?」のほうが重要ですし、そういった意識で設計ができる人のほうが、プランナーとしては数段上だと言えます。

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こういったことは何もデータシートに限った話ではありません。仕様書だったり企画書だったりも、結局は作った本人のためのものではなく、「他人が見ることで初めて価値」が出ます。ほかにもメールの文面だって、電話の対応だって、スタッフとの日々の会話だって、分かりやすいほうが良いに決まっています。

僕が本を書いた時、一個だけ気をつけていたことがあります。「アホでも読めるように。」です。たとえばゲーム業界の人なら当たり前に使っているような言葉でも、これからゲーム業界を目指す人にしたら、宇宙語なわけです。そういったことをあたかも知っていて当然のように書いてしまえば、読者からすれば価値の無いものになってしまうと思っていたからです。

そういったこともあって元々文章が得意じゃない僕は、本が完成するまでに10回は自分で読んだり、書きなおしたり、構成を直したりしましたし、共著者の岸君が書いたパートに対しても、遠慮なく「これじゃ読者分からないでしょ。」とツッコミを入れまくりました。おかげ様で、知り合いからは「あなたの文章は読みやすいね。」と言われたりして、ちょっと嬉しかったです。(最後は編集さんがキッチリ仕上げてくれたんだけどね)

要するに自分が何か物を作る時点で、「自分以外の誰かが幸せになるような設計ができるかどうか?」という意識がプランナーには必要だということです。こういったことの根源をたどっていくと、前回の「挨拶もできないプランナーはクズ」というところまで行き着くような気がします。

ユーザーを喜ばせたいなら、少なくとも目の前のスタッフを喜ばすぐらいは出来ないとダメでしょ的なお話しでした。かしこ。

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Lv.48 冒険の書か、セーブか。

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ゲームプランナーのお仕事は悶絶たくさんあるわけですが、中には細かすぎてめんどくせーわりに結構大切なものもあります。その中の一つに「ラベリング(文言設定)」というのがあります。会社によって言い方は違いますが、簡単に言うと「ゲーム内用語の統一表記を決めましょう。」という話です。

例えば「このゲームではセーブデータのことを、”冒険の書”と言いましょう。」とか「ガチャのことを”召喚”と言いましょう。」と言ったように、ゲームの中で使われる言葉をちゃんと決めて、世界観の演出であったり、日々作る資料内でもその言い方をしましょうね、的な物を作ります。

昔のゲームではわりと当たり前だった気がしますが、最近のソーシャルゲームなどでは人手が足りない、コンシューマ時代の人ではないためそもそもその文化が無いなどの理由から、ラベリングをしていないプロジェクトもあります。

しかし、これがやっていないとめんどいことになりがちです。例えば上述のガチャのことを召喚と言いましょう。と言っているのに、資料などでちょいちょい「ガチャ 」と表現していたりすると、ユーザーさんへお見せするお知らせなどでも、つい「ガチャ」と表記してしまったりするケースもあります。そうすると、「え、説明にはガチャって書いてあるけど、メニューのどこにもガチャなんて無いよ?」みたいなことになります。

そんなに致命的な問題じゃないからいいじゃん、と軽く見がちなかたもいるかと思いますが、僕はそう思いません。例えばコンビニなどではお客さんが去る時に「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」などと言うと思います。でも、これって病院や薬屋さんでは基本言いません。「お大事に。」と言います。何故でしょうか?また来てね=病気しろ、怪我しろ、という意味になるからだと思います。

他にも、ディズニーランドでは、お客さんのことを「ゲスト」、スタッフのことを「キャスト」と言っています。これは、魔法の国を楽しんでもらうのだから、商売っ気を感じる言葉は絶対に使わないようにしましょう。というサービスの一つとして考えられているからです。

で、ゲームを作る僕らとしても、そういったことは日々考えるわけです。「セーブデータ」と「冒険の書」では、同じ物を指していても、雰囲気がぜんぜん違うと思います。MOTHER2とかだと「はなす→パパ」みたいな。こういった世界観に合わせた言葉を設定するということは、1ミリでもユーザーにその世界を楽しんでほしい、のめり込んでほしいという、クリエイターの想いだったりします。

だから、安易に「セーブ」という言い方をしても良い場合もありますが、どうせなら世界観にマッチした言葉を選びたいわけです。実際に現場では、「◯◯◯のことを、このゲームではなんと言おうか?」と、たくさんのアイディアを出すケースもあります。何個も何個も出していくうちに、「これだ!」というものが出る場合もありますし、いつまで経ってもしっくり来ない場合もあります。

当然「セーブ」という言葉自体はゲームユーザーなら誰でも知っているような”常用語”なので、それを意として使う場合は良いのですが、なんも考えずに「マイページ」とか言っているゲームなんかを見ると、ちょっと寂しい気持ちにもまります。ブラウザゲーでもないのにマイページ。せめてそこは「ホーム」だろっ!!!

そんな感じで一生懸命名前を考えるわけですから、当然それをユーザーにも浸透させたいわけですし、現場でもその用語を使って会話をしたいわけです。かといって後から入ってきたメンバーに「タイトル専門用語」 をすべて理解してもらうのも大変なので、そのためにも「ラベリング=そのゲームの用語集」を作ることが、とても大切になってきます。

それさえあれば、ユーザーに向けて言葉を使う時、スタッフ同士で会話をする時、相手に説明する時、どんな場合でも共通の用語として使うことができます。ソーシャルゲームなどではどんどん新しいシステム追加などがされるため、日々ラベリングも追加更新していく必要がありますが、むしろ早い段階から用意しておかない=どんどん新要素が増えていくため、企画開発の段階からこういうのは用意しておいたほうが良いと想いますよ。

まとめ
1・そのゲームに合った言葉を選ぶ
2・↑でユーザーのワクワク感を最大化
3・用語集作っておくとみんな幸せ!

現場からは以上でーす。(・ω<)

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