最近は暇さえあれば格ゲーばっかりの大久保です。全然成長しないあたりが僕の駄目なとこ。

実は僕、格ゲーだけじゃなくって、本当の格闘技を5~6年習っています。30過ぎたあたりから、体力が落ちないようにしたいなーとか、どうせ何か習うなら実用的なものがいいなーとか思って、以前勤めていた会社の近くにたまたまジークンドーを教えているところがあったのがきっかけです。(最近サボリ気味だけど)

僕は時々、肩が痛むことがあるので、そういう時は練習をすることができません。とは言え休みにしてしまうのも勿体無いので、そういう時は練習に参加せず、他の生徒がやっているところを見に行ったりします。そして、他の人のやり方だったりクセだったり、良いところ悪いところを分析したりもします。そういうのを「見取り稽古」 と言うらしいです。

見取り稽古
ほかの人の稽古や試合を見て学ぶこと。優れた技や剣風、あるいは一本を評価できる「眼」も重要な技能であり、見取り稽古はその意味でも重要である。by日本辞典

確かに自分以外の人がやっているところを見るのはかなり勉強になりますし、その上で自分のやり方を再度確認してみたり、直したりなんてこともあります。また、自分よりも若い生徒にアドバイスをする時でも、「自分が正しく出来ていないことは、人には伝えることが出来ない。」なんて気付きや学びがあったりします。どうやったら相手に上手く伝わるか?なんてことも勉強になったり。

これって別に本当の格闘技だけに限ったことではなく、格ゲーでもなんでもそうなんですよね。僕はスト4が大好きなんですけど、全然上手くない。成長もしない。でも久しぶりにまたプレイし始めて、やっぱりもう少し上手くなりたいなーと思って。

なので最近は暇さえあればゲーセンに行って他人のプレイを見たり、明らかに自分よりも強い相手に対戦を挑んでみたり、家に帰ってもやっぱりYoutubeで上手いプレイヤーの動画をひたすら観たりしています。そうすると、「あぁ、こういう方法があるのか!」とか「確かに俺はこういう悪いクセがあるなぁ。」とか、やっぱり気付くことが多いんですよね。

これは仕事でもやっぱりそうで。僕自身、ゲームのお仕事をしていて「これだけは絶対誰にも負けない!」と思う要素は、一つとしてありません。ただ強いていうなら「自分より凄いと思う奴のことをよく見ている。」という観察の目はあるかもしれません。例えばデータの作り方、企画の発想方法、時間の使い方、人心掌握術、そういった色々な要素がゲームプランナーには必要なのですが、そういうのが得意なそれぞれの先輩や同僚を見て、「あ、それはいいな。上手いな。」と思ったら、必ず「俺流にコピーする。」をします。

そうすると何が起きるかって、Aさんの企画力、Bさんの交渉術、Cさんの仕事スピード術、そういった物が全部入りになった「結果的にオリジナルキャラ」が出来るわけです。元はコピーかもしれないけど、僕流のチョイスで一つの体の中に混ぜ込んだ時点で、それは他の人とも違う武器になるわけですから、有用なオリジナリティなんじゃないかなーと。いや、周りの評価は知りませんけどね。

ほんで、意外とこれって出来る人と出来ない人がいるなと僕は思っています。例えばコミュニケーションが苦手とか、アイディアを考えるのが苦手とか、時間を効率良く使うのが得意じゃないとかとか。若いうちは部分的に得意技があれば、リーダーや周りが支えてくれるから良いですが、ある程度年齢が行ってからも苦手なものをそのままにしていると、どこかのタイミングで伸び悩む時期が来てしまいます。

特にゲームプランナーっていうお仕事は、「絵とプログラムと音楽以外の全部をやる人」という特性があるので、得意技が一つや二つだけでは、賄えない部分がどうしても出てきてしまします。デザイナーでも「イラストは得意だけど、UIや画面構成を考えるのは苦手。」とか、プログラマーでも「構成を考えるのは好きだけど、バグの少ないコードを手早く書くのは不得意。」なんて人をよく見かけます。 

「苦手」というのは紐解いてみれば、「コピー力(ぢから)」が足りないのかな、なんて思います。そしてコピー力の根幹にあるのは、「自分よりも他人のほうが凄い」という尊敬の姿勢なのかな、とも。「僕は今までこういうやり方をしてきたので、それ以外のやりかたは知りません。やりたくないです。」みたいな雰囲気の人って、要するに「自分が大好き。」というのが根っこにあるおかげで、自ら成長を止めてしまっているように見えてしまいます。とっても勿体無い。

プログラマーでも、なかなかいい感じで仕事が出来ない人がいると、大体その人は「他人のソースコード見ていない。」という確率が凄い高いです。自分の家の庭をいじるだけで上手くなるのは10段階の2ぐらいまでがせいぜいだと思うので、そこから先はやはり他人がどんな風にしているのかを学ぶ方向にシフトしていかないと、気が付いたら幅の無い仕事を淡々とこなすだけの日々、なんてことに成りかねません。

面白いゲームを作るためにも、互いが互いにもう一段階パワーアップしたほうが良いのは言うまでも無いので、そういった刺激をし合えるチーム作りであったり、自身の日々の研鑽を心がけていければ、きっと誰にも真似出来ないクソ面白いゲームが作れるんじゃないかなーと思っとります。

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