昔僕が携わっていたソシャゲのお話。

そのゲームはプレイヤーが学校の先生になって、美少女の生徒達を育成しながら、地球の平和を守るような内容でした。 実際のところ地球の平和はわりとどうでもよく、学園での日常をおもしろおかしく描いている、ほんわかしたノリのものでした。

ゲーム中の節目節目では美少女達の台詞があり、それは毎回イベントのたびに新しい美少女達の側面を見ることができました。ユーザーのみなさんからもご好評いただき、ゲームユーザーとしてではなく、作品のファンとなっていただけたかたも、いらっしゃったのではと思っています。

運営型のゲームをやっている時は、作り手、届け手として当然ながらユーザーの声が気になります。楽しんでくれてるかな?と思うわけです。そうなるとストアのレビューだったり、2chだったり、Twitterだったりを見るわけです。 当然良いことも書いてあれば、悪いことも書いてあります。中には「もっとこうなったら、今よりも面白くなると思います!」と丁寧にアイディアや意見をくれるかたもいらっしゃいます。ほんとに嬉しい。

で、いつも通りつぶやきパトロールをしている中、気になるつぶやきを見かけます。「このシナリオ担当、股間で書いてないな。」という書き込み。登場キャラクターの台詞についてのツッコミだったと思います。僕はラノベとか深夜アニメ属性が弱い人間だったので、見た瞬間は「まぁ、素人でこういうこと言いたい奴っているよねー。」ぐらいの印象でしかありませんでした。こっちはプロでお金もらってやっているわけですし、相手は恐らくただのラノベ好きとか、そんなもんだろう、ぐらいの。実際のところ僕はキャラクターの台詞や世界観を担当していたわけではないので、その時はそこまででした。

それから適当に月日は流れ==卍(卍・∀・) 卍

とある別のゲームの企画を考えている時でした。真面目にコツコツ考えていたので、ちゃんと仕上げればそこそこ面白いもの、売れるものにはなるだろうな、と考えていました。ただ、それと同時に何かしらが大事なものが足りていないような気もしていました。 で、ふと気が付くわけです。

「あ、テンションだ。」

アクションゲームで~、簡単操作で~、レイドとかPvPとかあって~、通信対戦とか~、世界観はこんなで~。大体そうやって足し算的に物を考えていると、理路整然とは、まとまったものができるのですが「それでどうやってユーザーの心が震えるのか?」というのとは、全然関係の無いとこだけに一生懸命になっている、という言い方、見方もできてしまいます。

で、ふいに股間の話を思い出すわけです。システムは考えた、世界観も考えた、PLも書いた、でも股間は考えてないじゃないかっ!!!(効果音:ドーーーンッ!!!!!) 

ファミコン初期の頃なら「股間」は無くてもゲームシステムそのものが面白ければ大丈夫だった時代かもしれませんが、今や股間は欠かせません。僕が常日頃から言っている「ユーザーではなく、プレイヤーでもなく、”ファン”を作らないといけない。」というのと「股間」は、恐らく同義語なんだと気付きました。

なんでこんなことを書いたのかと申しますと、仕事にしているとやれ〆切だの予算だの人間関係だの、面白くもないことに脳みそが持ってかれてしまう時があるわけです。でもそれ自体は目的達成のための作業でしかないので、そんなつまらない部分に心まで持っていかれないようにしましょうね、というお話でした。

そんなこともあって、僕は企画を考える時、システムを考える時、施策を考える時、どんな時でも股間を意識しています。今日もあなたの股間にロックオン!こんなかんじで良いでしょうか。

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