自分とは違ったスタイルやセンスを持っている奴にはライバル意識がわくし、僕よりも経験豊富な人には尊敬しつつも盗んでやろうと思っています。経験がまだ少ない若手でも、やる気や前向きな姿勢がある子たちは大好きですし、僕もわずかながらでも成長の手伝いができればなぁなんて思っています。
その反面、「あ、こいつプランナーの仕事、分かってないな。」とか「適当にやりやがって、ふざけてんのか。」という感情がわいたりもします。これは個人的な「同職同位補正」なので、他の人がどう思うかは知りませんが、名札がプランナーでも、僕が認めたくないような奴も、いっぱいいます。
とは言え結果を出しさえすれば社会的には一人前というのも事実なので、僕が一々苦手なタイプに対してあーのこーの言うことはありません。そもそもに言わないと分からないような奴は、大体言っても分からない奴だったりするからです。
そんな中でもどうしても許せないことが一つだけあります。僕も人間なので。それが「挨拶」です。廊下ですれ違った時とかに会釈の一つも出来ないようなプランナーだけは、音速で俺的ポンコツ認定します。
まぁ、職業に関係なく、同じ屋根の下で働いてるんだったら、誰でもとにかく挨拶しろよぐらいは思っているんですが、それにしたってプランナーが挨拶できないっていうのは特別腹が立ちます。多分、自分なりにこの仕事に誇りがあるからかなぁと思ってみたり。
一応自分なりの理屈を説明させていただきますと、プランナー=「チームをリーディングする、まとめる、持ち上げていく存在」だと僕は思っているんです。ということは、自分の手前の作業をシコシコこなすだけではプランナーに非ず、というわけです。
以前からちょいちょい言ってますが、ゲーム作りはチームワークです。そしてそのチームを引っ張っていくのは、やはりプランナーなわけですよ。ってことは、単純に日々のタスクを捌くだけでは、本質的にはプランナーの仕事はしていないっていうことになります。チームの意識やモチベーションをコーディネートしていくのも大切な仕事の一つですし、仕事に限らず他愛の無い話や相談をしてあげられるような存在を目指していくべきなのかな、と思っています。(あくまで僕の理屈ではですよ)
で、その理屈から言うと、挨拶もろくに出来ないような奴が、どうやってチームをまとめられるのかっていう話。なので、僕は挨拶出来ないプランナーというものは、無免許で高速を爆走している違反者並みに危ない存在だと思っています。
実際に、僕が尊敬しているプランナー職の方々は、挨拶は当然ながら、日々の振る舞いにも気を使っています。チームメンバーは辛い状況に無いか、ガス抜きしてあげたほうが良いか、他のメンバーとちゃんとコミュニケーションをとれているか、そういったことを冷静に見渡しつつ、ちゃんとチームメンバーの一人一人が前向きになるためのアクションをしている人が殆どです。
例えば笑顔で挨拶されて、気分の悪い人なんていないですよね?毎日書く日報に返事を書いてくれるリーダーがいたとしたら、「あ、うちのリーダーはちゃんと自分のことも見てくれてるんだな。」と思いますよね?そうしたほんの少しのアクションだけで、チームの力は見違えるように変わってくることを、優秀なプランナーは知っているし、実戦しているんだと思います。
一見話が大きくなりすぎのようにも見えると思いますが、実際のところ、本質的には間違ってないのかなと思いますし、挨拶もろくに出来ないプランナー=やっぱりチームリーディングは出来てないケースがかなり多いかと思います。僕に言わせれば、タスクオペレーターではあるけれど、けしてゲームプランナーではない。
もっと言えば、目の前の一人も笑顔に出来ないような奴が、ゲームクリエイターとしてユーザーを感動させたいなんて言ってた日には、片腹痛いわけです。
これからゲームプランナーを目指すかたは、企画書の書き方とか仕様書の書き方なんて、どうせいつか覚えるんだから、ぜひみんなが爽やかな気持ち、前向きな気持ちになるような挨拶だけは出来るようにしておいたほうが良いと思います。実際問題、就職活動を控えている人だったら、すぐにそれを実感すると思います。コミュ症っぽい人と、元気に挨拶する人が面接に来たら、どう考えたって会社は後者を採用するでしょうし。
礼節無くして大功成らず。挨拶、とっても大事。
写真素材:MIKA☆RIKA