僕がインターネットとか言う文明の利器に初めて触れたのは、たぶん中学生の頃でした。

当時は、通信方式がダイヤルアップ接続とかいうへっぽこ回線で、今のように動画や大容量のゲームを楽しむことなんて出来なくて、イラストを見たり掲示板に書き込むぐらいしか楽しさが無かったように思います。今の平成世代の人たちは、わりとインターネットが当たり前の環境で育ってきたのかなーと思います。 

ゲームプランナーのお仕事をしていても、ネットを使う機会は頻繁にあります。企画書用の絵素材を探す。知らない言葉の意味を学ぶ、ユーザーさんの意見を見る。FacebookやTwitterで同業者から業界の情報を入手する。息抜きに面白動画を観る。←色々です。

少なくともインターネットなんてものが存在しなかった、ファミコン世代のゲームプランナーよりは、一つの事を調べる時のスピードが劇的に上がったのではと思います。 

しかし個人的な感覚では、ゲームプランナーというお仕事をする上で必要な情報については、インターネットには3割ほども書いていないと思っています。例えば「必ずヒットするゲーム企画」なんてものは、少なくとも僕は一度も見かけたことがありません。すでにヒットしたゲームのクリエイターインタビューなどはありますが、それでは意味がありません。あのゲームは何人ぐらいのスタッフ数で、どのぐらいのお金がかかっているか?なんて情報も、なかなか知ることは出来ません。

他にも、パズドラやモンストが毎月どのぐらいの売上を上げているかなんてのは、分かりません。機密情報だから外に出せないというのもそうですが、せいぜい関節的な予測値を考察している後追いアナリストのブログが拾えるぐらいです。参考程度にはなったとしても、今の自分の仕事に対してすぐに役に立つことは、あまりありません。

最近僕は、色々な会社さんにお邪魔する機会が多いです。そうすると、その会社が今どんなことに困っているかとか、こんなパートナーを探しているとか、「生の情報」を聞かせてもらうこともあります。そういったことは「外に出しにくい情報」であると同時に「日々移り変わっていくもの」であるため、「インターネットに載せてる暇すら無いぐらいの速さ」である、という見方ができると思います。

で、ここで何を言いたいかと申しますと、ゲームの企画という仕事をするのであれば「調べる」ということは重要な一つの技術ではありますが、あくまで「考える」という基板の上に対し、サポートツールとして使える程度だということです。ネットがあればなんでもかんでも調べられるようになったとか、そんな風には考えないようにしましょう、というところです。

今から新しいゲームを作るのに、それの答えがネットに載っているわけはありませんし、一緒に頑張っている仲間が何に頑張っているのか、疲れている奴はいないのか、こいつらの良いところはなんなのか?どういうチームワークを形成すれば、最高のゲームが作れるのか?そんなことがネットに載っているわけはないのだから。

自分という存在を基点に、今から面白いゲームを作ります。このゲームの最大のポイントはここです。それらを実現する仲間たちはこいつらです。こういったことは「自分達が考えて、自分たちが作っていくもの」なのだから、ネットばっかり見たとこで答えなんか書いてるわけないですよね的なお話しでした。面白動画は観る。←

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